現役力士データ　R2年②三役

基本データ	四股名、最高位等の基本的なデータ年齢はその年の誕生日後のもの（12/31基準）。取り口：相撲の取り方を独自の分類で表記（「解体新書」参照）型　　：得意とする形　　得意技：公式のものに近い表記で体格　：身長は1cm刻み、体重は5kg刻みで掲載前後の平均的なもの。体格分類は「解体新書」参照
パラメータ持ち技リスト特性	パラメータ　15～１（0.5刻み）で表示。（上位項目はランクを併記。29年から基準変更）　S(-14.5)A(14-13)B(12.5-11)C(10.5-9.5)D(9-8)E(7.5-6.5)F(6-4.5)G(4-) 体格：スケール感、重量感、懐の深さなど体格面の総合値力　：馬力、腕力、相撲力、小力などパワーに関する総合値足腰：バランス、踏ん張り、柔軟性など総合的な下半身の強さ速　：スプリント、アジリティ、レスポンスなどスピードに関する総合値技　：相撲勘、前捌きの良さ、技の鋭さ、タイミングなど技能に関する総合値離　：突き、押し、引き技など離れて取った場合の総合的技量組　：寄り、投げ、その他組み合って取った場合の総合的技量　それぞれに下位項目を設けているが、それ以外の関連要素も加味して算出。　「組」の下位項目３点目、吊、極、掛(足技のみ)、（足）取、反は、最も代表的なものを記載。持ち技リストは、数字がレベル（低１＜７高）、英字が頻度（多a>e少）を表す。　決め技、崩し技は便宜上分けているが、それほど厳密に分類しているわけではない。　技名の前に左右がついていないのは、どちらもできる、または特に差がない場合。特性は、心：精神面・癖、ジンクス、その他の特徴など　　　　　技：技量面の特徴、技リストで表しづらいテクニックなど　　　　　　体：体格・身体能力面の特徴、ケガなど詳細は、＜データ解説ver2.1＞を参照
サブチャート	■傾向　　●の数が指向の強さを表す。　（相撲ぶりは剛か柔か、型を徹底するか多彩な取り口か、速攻かじっくり理詰めか、　気性・取り口は動か静か、四つに徹すか突き・押しに徹すか、四つの左・右の傾向） ■Ｖ争いの展開（上位陣のみ）/活躍の傾向は、得意・傾向が強い順に、＜ ○、△、×、無印＞で示す。 ■間合い:密（密着した状態。がっぷり胸を合わせた状態）接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。向付、半身など）　　　　　　近（体は接しているが廻しには掛からない距離。押し合い、前さばきの応酬）　　　　　　離（体が離れ、突っ張りに適した距離）　　　　　　遠（遠距離。前掛かりに腕を伸ばして届く距離）　　　　　得意とする順に、☆＞◎＞○＞△＞×で示す。 ■総合値：パラメータの平均値。矢印は前年との比較（0.1以内の微増減は「→」とする）
解説	略歴・近況(2年1月時点)　/　取り口・パラメータとスキルに関するコメント

髙　安　最高位:大関　茨城出身　田子ノ浦部屋　30歳
取り口：パワー・堅牢型				型：突張り/左差し右上手		得意手：突張り、寄り		187cm/175kg 大型中肉
体格	B11.5	懐	11.0	＜決め技＞上突っ張り5a 左差し寄り4b はたき　　4b モロ手突き3b 上手投げ　4c ひねり　　3b 上手出投げ2c 掬い投げ 2c 下手投げ3c 突き落とし5b	＜崩し技＞廻し切り 3c 巻き替え 3c 張り手　 3c 小股掬い2d 左腕返し　2d おっつけ　 3b ハズ押し 2c のどわ　 2c 外掛け　 1d 首投げ　3d	＜立合＞体当たり 5c ぶちかまし3b 左差し　　2c モロ手突き3c 右のどわ　2c 張差し　　3d 右上手　1d 突き落とし1e 頭c肩b胸b 手c変化e	＜心＞引き癖強引ツラ相撲気迫取りこぼし土俵際強行スタート×	＜技＞逆四つ○ 二の矢呼び込み	＜体＞腰高膝入り腰痛左足首左ひじ吸収
		重	12.5
力	B12.0	馬力	12.5
		怪力	11.5
足腰	D 9.0	安定	8.5
		粘り	9.5
速	D 8.0	出足	8.5
		敏捷	8.0
技	D 8.5	技巧	8.5
		キレ	8.5
離	B11.0	突	11.5
		押	11.0
		引	11.0
組	C10.0	寄	10.5
		投	9.0
		捻	9.0

★略歴　　15歳で入門。22年11月、平成生まれ初の関取昇進を果たすと、勢い止まらず3場所で突破して新入幕。メキメキと力をつけ、25、26年とも金星２、三賞２の実績を残すが、たびたび故障にも見舞われて番付の昇降が激しく、27年までは三役経験はわずか２場所だった。20代後半を迎えて安定感を増し、28年名古屋で1年半ぶりの三役昇進すると連続二桁。一度チャンスをフイにしたが、29年夏に昇進決定。同年初場所に横綱昇進した兄弟子稀勢の里に続き、田子ノ浦部屋に昇進の使者を呼び込んだ。大関として好成績を残すが、30年九州では千秋楽首位タイの好機を逸するなど悲願の優勝には届かず。故障が多く、令和元年には連続休場で大関から陥落。

★近況　【故障陥落】今度こそ優勝と期待されたが、前半は不振。名古屋では1敗で追い上げていたが玉鷲の小手投げを堪えた際に左ひじの靭帯を断裂。勝ち越したものの休場に追い込まれ、翌場所も全休。そしてカド番の九州、まさかのぎっくり腰で突如休場、陥落の憂き目にあった。復活なるか。

★取り口　　顎のあたりを狙った突っ張りなど力感ある突押を武器にのしあがった。左四つの寄りもあり、右四つでも腰が重く、上手下手の投げに加えて強烈な捻りもある。突き落としや叩き込み、首投げなど、土俵際の逆転技も持ち味。立ち合い、カチ上げ気味の体当たりの威力が増して大関昇進につながったが、やや伸び上がるところもあって腰高を突かれ、苦し紛れに引く場面も見受けられる。

★パラメータ・スキル　（9.8→10.3→10.4→10.0）故障が目立ち低迷。パワーが最大の武器だが、左肘の具合はいかに。腰痛再発も心配だ。また、最近立ち上がりの悪さが目立つ。

栃ノ心最高位:大関ジョージア出身春日野部屋 32歳
取り口：本格型				型：右四つ左上手		得意手：寄り,投げ,吊り		191cm/170kg 長身筋肉
体格	B11.5	懐	12.5	＜決め技＞右四つ寄り5a 吊り寄り　 4c 左上手投げ4b 左前褌寄り4c はたき　　2b 右下手投げ3c 掬い投げ　2c うっちゃり 2c 小手投げ　2d 波離間投げ1e	＜崩し技＞上突っ張り3a 引き付け 4b 横吊り　 2c 蹴返し　 1d ナタ　　　2d 張り手　　2c 吊り落とし1e 極め　　 3c 内無双　2e 渡し込み　2d	＜立合＞右差し　3b カチ上げ3c 左上手　3c 左前ミツ2d 張差し 2c はたき　2e 　頭d肩b胸c 手d変化d	＜心＞連敗癖強引チャンス○ 晩成型寸前× 対横綱× 引き癖まった髷つかみ	＜技＞体入替え外四つ呼び込み	＜体＞リーチ長懐深い両上腕左ひじ右足親指右膝爆弾左肩ケガ×
		重	10.5
力	B11.5	馬力	10.5
		怪力	12.0
足腰	F 6.0	安定	6.0
		粘り	6.0
速	E 7.0	出足	8.0
		敏捷	7.0
技	D 8.0	技巧	8.0
		キレ	8.5
離	D 9.0	突	10.0
		押	9.0
		引	8.5
組	B11.0	寄	12.0
		投	9.5
		吊	10.0

★略歴　　21年後半から幕内上位に定着。スケールの大きな正統派として期待されながら、三役では勝ち越せずに伸び悩んでいた25年名古屋、膝に重傷を負って長期休場を余儀なくされ、幕下55枚目まで番付を下げた。ようやく26年春に復帰すると、幕下・十両を4場所連続優勝。再入幕場所でも敢闘賞の活躍、劇的な復活を果たす。その勢いは落ち着いたかに見えたが、30年になって突如開花。初場所平幕優勝を果たすと、翌々場所にも優勝こそ逃したが13勝。大関昇進を果たした。

★近況　【２たび陥落】一気に横綱まで行くのではという覚醒ぶりだったが、新大関場所の故障で潮目が変わり、初のカド番は何とか脱出したものの、31年初場所は4連敗で休場。春場所千秋楽、貴景勝との「入替戦」に敗れて惜しくも負け越し、大関陥落。夏は、早々に大関特例復帰に王手を掛けながら膝の状態が悪化してあと1勝が遠かったが、14日目注文相撲で鶴竜を破り、辛うじて10勝。ほっとしたのも束の間、復帰場所は膝に加えて左肩も故障して初日から5つ黒星を並べて休場。秋は序盤反則負けの不運もあって苦境に立たされ、14日目妙義龍に敗れて2度目の陥落が決まった。続く九州では序盤でわき腹を痛めるアクシデントに見舞われ。2度目の特例復帰ならず。番付も大きく下げて平幕からの再出発となる。

★取り口　　右四つ左上手を取れば十分。まわしに拘らず前に出るようになって本格化。外四つで吊り身に持っていく迫力もあり、200キロ近い千代大龍も豪快に吊り上げた。最近は下半身の不調から十分に押しこめず、懐の深さに頼った引き技で星を拾うことが目立つ。

★パラメータ・スキル　　(8.6→9.9→9.1)故障を繰り返して力を発揮できない。上位に弱いところは地力の向上で克服したが、不振の前年は、横綱大関戦には鶴竜に変化で勝った1勝のみ。朝乃山との1差対決はじめ微妙な判定で尽く泣き、運にも恵まれなかった。まずは足腰を回復させたい。

御嶽海最高位:関脇　長野出身　出羽海部屋　28歳
取り口：前進・技能型				型：左筈右押付		得意手：押し,寄り		180cm/175kg 重量中肉
体格	C 9.5	懐	7.5	＜決め技＞両差し寄り4c モロハズ 3c 肩透かし 2c 突き落とし4c 左四つ寄り3c 突っ張り 3c モロ手突き2d 小手投げ1d 上手出投げ2c 掬い投げ　3c	＜崩し技＞右おっつけ4b のどわ　4c 右ハズ　　4c 左突き付け3c 左のどわ　3c 右突き放し2c いなし 3c 外掛け　2e 巻き替え2d 首投げ　1e	＜立合＞右おっつけ3b 左ハズ　3c モロ差し　2b 右前褌　2c ぶちかまし3b 左差し　2d 跳ね上げ2c はたき　2e 頭b肩c胸c 手d変化e	＜心＞勝負強い上位キラ- チャンス× 連敗癖相撲勘場所相撲スタミナ× 強行対長身×	＜技＞出足早二の矢差し身付け込み回り込み	＜体＞丸い体腰高立ち腰左ひざ
		重	10.0
力	C10.0	馬力	11.0
		怪力	9.0
足腰	C 9.5	安定	10.0
		粘り	9.0
速	C10.5	出足	11.0
		敏捷	10.0
技	C10.5	技巧	10.5
		キレ	10.5
離	C10.5	突	9.5
		押	11.0
		引	10.0
組	C 9.5	寄	10.0
		投	7.5
		捻	6.0

★略歴　　東洋大4年時に２冠を獲得、27年春幕下10枚目格付出資格を得て出羽海部屋に入門、久々の大物入門に沸く名門の期待に応えて年内に入幕を果たした。上位にもすぐに慣れ、29年初場所で2金星で11勝して技能賞、翌場所以降三役を守り続けている。そして30年名古屋では初優勝。部屋に三重ノ海以来38年ぶりの賜杯をもたらした。それ以外に二桁に届かず三役は守るものの停滞していたが、翌年秋に久々に二桁に乗せると大関から転落していた貴景勝との関脇同士の決定戦を制し、2度目の優勝を果たした。

★近況　【Ｖ２！】大関取りが白紙に戻った初場所、2横綱破って5連勝スタートも、膝を痛めて休場。ところが再出場した日に全勝白鵬を破るなど8勝に乗せて殊勲賞。史上初の休場した力士による三賞受賞だった。翌場所は回復途上で負越し、貴景勝に大関昇進を許す。しかし、関脇で迎えた秋場所では12勝。貴景勝を決定戦で破って２度目の優勝。だが九州は目の上を切るアクシデントもあり不振で、大関取りどころか6勝どまり。連続三役在位も途切れることになりそうだ。

★取り口　　ワキを固めて当たり、ハズ押し、おっつけ、喉輪を駆使して前に出て、そのまま押し切るか、差して素早く寄り切る。一時は頭で当たるより胸で当たる両差し狙いの立合いから差して攻める相撲が増え、突っ張りが減っていたが、優勝した秋場所では突き押しの猛攻が多く見られた。相手より先んじて動ける勝ち身の速さ、勘の良さが魅力だ。悪い時はやや差し身に偏って立ち合いの威力が減退しがちで、特に懐の深い相手に上手を取られて腰が起きると案外脆い。

★パラメータ・スキル　（8.4→9.3→9.7→10.0）いつの間にか体重は170キロ台後半。ずんぐりした体型に似合わぬ反応の良さが持ち味。安易な引き技は見逃さない。身長が高くないので相対的に重心は高くないが、腰の位置は高い方。突っ張っている分には良いが、四つになると止まっては苦しく、両差しでも外四つで引き付けられて腰が伸びやすい。大勝が続かない原因の連敗癖は克服したい。

玉　鷲最高位:関脇　モンゴル出身　片男波部屋　35歳
取り口：パワー型				型：左押付右筈/喉輪		得意手：突き、押し		190cm/170kg 大型中肉
体格	C10.0	懐	10.0	＜決め技＞右のどわ　5b ハズ押し　4b 右小手投げ5c 左のどわ 3b モロ手突き3c 突き落とし3c 突っ張り 3c 右上手投げ1d 掬い投げ2d はたき　 2d	＜崩し技＞左おっつけ5b 右おっつけ5b 右突き放し4b 極め　　4c 切り返し 1e 吊り　　　1e 足取り　 1e ぶちかまし3c 首捻り　　1e 巻き落とし1e	＜立合＞ぶちかまし3a 右突き放し4c 左おっつけ3c モロ手突き3c モロハズ　2c 左のどわ 1c あてがい2d 　頭a肩d胸d 手c変化e	＜心＞突押徹底ツラ相撲ムラっ気速攻超晩成型強行壊し屋勝ち運	＜技＞電車道挟みつけ引張り込み	＜体＞かいな力腰高上体硬い足腰硬い怪我〇
		重	10.0
力	B11.5	馬力	11.5
		怪力	12.0
足腰	E 7.5	安定	7.5
		粘り	7.5
速	D 8.0	出足	8.5
		敏捷	8.0
技	E 7.0	技巧	7.0
		キレ	7.5
離	B11.5	突	11.5
		押	12.0
		引	8.5
組	E 7.5	寄	7.0
		投	9.0
		極	11.0

★略歴　　19歳と遅い入門、4年で関取になると十両は負け越しなしで20年9月新入幕。地力は評価されていたが番付の上下が激しく、何度か十両落ちも。上位と当たる地位では大負け続きだったが、27年3月に外国勢としては最スローの新三役を果たすと翌場所には初金星を挙げ、28年後半からは三役、三賞の常連に。30歳を過ぎて突き押しの威力が進化を発揮。少し頭打ちに見えた31年初場所では34歳にして初優勝を果たした。

★近況　【34歳初Ｖ】番付運良く関脇に復帰した初場所、序盤で2敗を喫したが中盤から白星を並べると、12日目に前日土のついた白鵬戦。土俵際押し込まれての一突きが横綱を泳がせ、すかさず付け入って15戦目での初勝利。すると翌日も敗れた白鵬が休場し、思いがけず首位に立つ。連覇と大関を狙う貴景勝に1差で追いかけられていたが、緊張に打ち勝ち平幕勢を退けて逃げ切った。殊勲・敢闘もＷ受賞。大関挑戦も期待されたが、翌場所は大敗。5月は鶴竜から令和第1号の金星を獲り、首位朝乃山も止めての10勝で関脇復帰も、以降奮わず。秋には3年ぶりに平幕で負越した。まもなく35歳だが、まだ燃え尽きたくない。

★取り口解説　　頭から当たって右で突き放しての出足が持ち味。左おっつけも強く、これで相手の片腕をロックしておいて、右のハズや喉輪で直線的に押すのが得意の形。右も強く、差されても腕力を活かして極め上げてねじ伏せる力技も武器。

★パラメータ・スキル解説　　(8.7→9.4→9.1→9.0)初場所優勝の勢いは続かず尻すぼみ。押し切れない場面も目立ち、全体的にはここ数年より出来が悪かった。休場のない頑丈さは立派。怪力の一発は重く横綱をも吹っ飛ばす剛腕は健在、これで小手に振ると凶器。昨年は高安の左が犠牲になった。押し相撲らしく連勝連敗、好不調の波は大きいが、番付は3年余り上位をキープ。不戦勝は12回目で史上1位に。点滴白鵬にようやく勝って優勝したが、依然として威圧されがちで力を出せずに退けられる。

逸ノ城　最高位:関脇　モンゴル出身　湊部屋　27歳
取り口：堅牢型				型：右四つ両まわし		得意手：寄り、投げ		192cm/225kg 超巨漢肉厚
体格	A13.0	懐	12.5	＜決め技＞左上手投げ4b 右下手投げ3d 右四つ寄り4b 左前褌寄り3c はたき　　4b 小手投げ　3c 掬い投げ　2d 上手ひねり2d 上手出投げ2d 突き落とし2d ガブリ寄り1d	＜崩し技＞右首捻り 4c 引き付け 4a 右腕返し 2c 抱え込み 3c 巻き替え 2d 極め　　　3b モロ手突き3d おっつけ　2c 上手透かし3d	＜立合＞左前褌　3b 右差し　2a 体当たり　2b 右カチ上げ3c 引張り込み2d 左上手　2c もろ手突き2c はたき　3d 頭e肩b胸a 手e変化d	＜心＞慎重つっかけ淡泊上位キラ- 取りこぼし帳尻引き癖強行	＜技＞ワキ甘い被さり体入替え呼び込み右半身振り回し首押さえ肩越上手	＜体＞リーチ長立ち腰腰爆弾右ひざ右肩怪我×
		重	13.5
力	B11.5	馬力	11.0
		怪力	12.5
足腰	E 6.5	安定	7.0
		粘り	6.5
速	E 6.5	出足	7.5
		敏捷	6.0
技	E 6.5	技巧	6.0
		キレ	6.5
離	D 9.0	突	9.5
		押	8.0
		引	10.0
組	C10.0	寄	10.5
		投	10.0
		極	9.0

★略歴　　鳥取城北高への相撲留学、実業団相撲でタイトルを獲って、26年1月に外国人力士としては初の幕下15枚目格付出。幕下、十両を2場所で突破。そして新入幕の秋場所で歴史的な大活躍。上手から振り回す豪快な相撲で沸かせながら勝ち進み、46年ぶりの新入幕金星など1横綱2大関を倒した。白鵬には完敗で優勝は逃したが13勝2敗、2場所目には関脇という新記録で怪物登場と期待された。ところが腰痛などもあり長い不振に。ようやく三役に復帰して安定しつつあるが、未完の大器の開花が待たれる。

★近況　【自己新14勝→十両転落】1年ぶりの平幕で迎えた初場所は2金星も失速して負け越したが、春は14勝1敗。割は崩されず、直接対決のなかった全勝の白鵬に逃げ切られたが、殊勲賞を得た。2度目の三賞で波に乗りたかったが、関脇復帰の夏は途中休場もあり転落。さらに秋には鶴竜の投げに落ちて右肩を脱臼し休場、翌場所も復帰できず初めての十両転落。癖にならないよう回復を優先させた。

★取り口　　胸で当たって右四つ狙い。左上手にも掛かれば盤石。右四つで早めの寄りを心掛ける。下手を引けば安定するが、右半身になると攻め手がなくなり、長期戦になることも。最近はまずモロ手で突き起こしてから組みにいくケースも出てきた。入幕当初に見せた右で首を巻きながらの左上手投げはあまり見られなくなったが、遠藤戦では肩越上手から振り回しておいて逆方向に捻り倒す大技（上手透かし？）を決めた。このところ引き技が目立ち、春の14勝中叩き込み６、突き落とし３。さらに小手投げと上手投げが２ずつで、相手が俵を割ったのは1番だけだった。

★パラメータ・スキル　（8.4→8.6→9.1→9.0）腰の重さはとんでもないときと案外脆いとき、両極端。どうしても腰の調子に左右される。上体が起きやすいのが難点。両差しを警戒して引いて呼び込むことがあるが、積極的に上手を掴む豪快な取り口が見たい。夏は膝を痛めながら再出場後3勝の健闘も、秋の脱臼が心配。

阿　炎最高位:小結　埼玉出身　錣山部屋　26歳
取り口：攪乱型				型：モロ手突き		得意手：突き,喉輪		187cm/155kg 長身筋肉
体格	D 9.0	懐	9.5	＜決め技＞モロ手突き5a 右のどわ 5a 突っ張り 4a 左のどわ 3b はたき　 4b 突き落とし3c 引き落とし3b 右上手投げ3c 上手出投げ2c 掬い投げ 2d	＜崩し技＞いなし　4c 巻き替え 1d 下手投げ 1c 張り手　1d ぶちかまし3c 小手投げ 2d とったり　1d	＜立合＞モロ手突き4a 突き落とし3d ぶちかまし2d 右上手　 2d いなし　　2d 　　頭d肩e胸e 手a変化d	＜心＞安定感つっかけ面相撲帳尻勝負強い	＜技＞変化技○ まわりこみノビ○ 引き足○	＜体＞リーチ長前掛り腰高
		重	7.5
力	C10.5	馬力	10.0
		怪力	10.5
足腰	E 7.5	安定	7.5
		粘り	7.5
速	C10.5	出足	11.0
		敏捷	9.5
技	E 7.5	技巧	7.0
		キレ	9.0
離	C11.0	突	11.5
		押	10.0
		引	10.5
組	E 7.0	寄	7.0
		投	8.5
		極	6.5

★略歴　　　高卒で入門。20歳で新十両を果たし、師匠のニックネームを四股名に戴くが、4場所で転落するとしばらく幕下で低迷した。しかし29年に入り幕下優勝をきっかけに再十両。すると十両優勝するなどわずか3場所で新入幕を決めた。勢いそのままに新入幕敢闘賞、連続10勝で上位に進出すると、初挑戦で白鵬から金星。しばらく壁に当たったが、31年に入ると再び上昇トレンドに乗り、新三役から定着。

★近況　【全場所勝越】2金星は挙げたが4連続で負け越し、攪乱相撲の限界かと思われたが、地力を増して逆襲。初場所から勝ち越しを続け、夏の二桁・敢闘賞で新三役。見事定着し、幕内唯一の年６場所勝越しを記録。年間最多勝争いでも２位につけた。

★取り口解説　　師匠・寺尾ばりのもろ手突きからの激しい突っ張り。足の長い体型もそっくりだ。長身を利して先手を取っての突き、右のどわ、突っ張りで前に出て、いなしで間合いを取って再び突っ張る。右上手取っての投げもあり、自分から右に回って上手を狙う動きもある。

★パラメータ・スキル解説　　（8.4→9.0）手足の長い身体を活かす相撲。突きに威力、重さがあり、立ち遅れて押せなくても引きが鋭い。右の力が特に強い。上位初挑戦で白鵬を突き出した度胸は一級品で、夏は玉鷲との勝った方が敢闘賞の一番を制し、新三役も手にした。

北勝富士最高位:小結　埼玉出身　八角部屋　28歳
取り口：前進型				型：左押付右喉輪		得意手：突き、押し		183cm/155kg 中型中肉
体格	D 8.5	懐	8.0	＜決め技＞右のどわ　4b モロハズ　4c 突っ張り　3b 上手出投げ2d 上手投げ　2d 突き落とし2d 引き落とし2c もろ手突き2d モロ差寄り1d 左前褌寄り3c	＜崩し技＞左おっつけ4b 右おっつけ3c 左ハズ押し4b ぶちかまし3c 右突き放し3b 左のどわ　3c いなし　2c 肩透かし 1d 巻き替え 2c 右突き付け2d	＜立合＞ぶちかまし4a 左おっつけ3b 右突き放し3b 右のどわ　3c 左前褌　 2c カチ上げ 2d 右突き　2c 　頭a肩d胸d 手d変化e	＜心＞上位キラ- 番付運× チャンス× ツラ相撲ずらし	＜技＞電車道付け込み	＜体＞前傾○ 右ひざ
		重	8.5
力	C10.0	馬力	11.0
		怪力	9.5
足腰	D 8.5	安定	9.0
		粘り	8.0
速	C 9.5	出足	10.5
		敏捷	8.5
技	D 8.5	技巧	8.0
		キレ	9.0
離	C10.5	突	10.5
		押	11.0
		引	7.5
組	E 7.5	寄	8.0
		投	6.0
		極	7.0

★略歴　　高校横綱、学生横綱とアマで実績を残しながらも前相撲からの出世。自身の下の名である「大輝」でデビューすると、瞬く間に番付を駆け上がり、早くも27年7月関取昇進。10勝、12勝（優勝）と勢い止まらず、史上2位の所要10場所での入幕を機に、師匠・北勝海と大師匠・北の富士の2横綱から取った四股名に改名。4場所連続金星を獲得するなど活躍しながら不運もありしばらく三役に上がれなかったが、31年春に新小結。

★近況　【新三役】春には新三役も果たし、定着こそならなかったが年間2枚目以上で推移。秋には初日白鵬を一気の攻めで破って6個目の金星。翌日から6連敗も後半8連勝。しかし2度目の三役も勝越しはならず。上位には強いがなかなか好成績が続かない。

★取り口　　やや右足を前に出した独特の構えから、頭で猛然と当たって前に出る。突き押し主体だが、相手によって上手前褌を狙っての寄り、投げを繰り出すこともあるのは師匠と似ている。立ち合いの変化はないが、右四つの相手に対する時など、やや左にずれながら当たる相撲が多い。白鵬戦はまさにその形で、左に動いて張差しをかわし、横綱得意の右四つの形にも構わず、右差し手をうまく突き付けて強引な小手投げに付け込み一気。

★パラメータ・スキル　　（8.1→8.9→8.8→9.0）ケガの影響もあり、停滞。重すぎず動ける身体をキープ。引き技もあるが、あくまで崩しの範疇で繰り出していて、回り込みも速い。右ひざのサポーターは気になるが、相手の引きにも落ちずにうまく付け入っている。実力はあるだけに、負け出すと平幕にも星を落とすツラ相撲の気が残念。三役定着には克服すべき課題。

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上位陣	白鵬鶴竜豪栄道貴景勝
三　役	高安栃ノ心御嶽海玉鷲逸ノ城阿炎北勝富士
古　参	琴奨菊豊ノ島栃煌山妙義龍松鳳山碧山宝富士魁聖隠岐の海佐田の海千代大龍勢徳勝龍東龍
中　堅	正代琴勇輝遠藤竜電琴恵光千代の国千代丸大翔丸錦木千代翔馬石浦
新　鋭	朝乃山輝大栄翔明生豊山大奄美隆の勝
新入幕	矢後友風照強大翔鵬炎鵬志摩ノ海貴源治剣翔若隆景

平成31年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬鶴竜稀勢の里豪栄道高安栃ノ心
三　役	御嶽海玉鷲逸ノ城貴景勝
古　豪	琴奨菊嘉風栃煌山安美錦妙義龍
古　参	豪風松鳳山碧山荒鷲勢宝富士魁聖隠岐の海佐田の海蒼国来
中　堅	正代遠藤貴ノ岩千代大龍千代の国千代丸琴勇輝大翔丸錦木千代翔馬石浦
新　鋭	北勝富士豊山朝乃山輝大栄翔大奄美
新入幕	阿炎竜電旭大星琴恵光明生隆の勝

平成30年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬鶴竜稀勢の里豪栄道高安｜日馬富士
三　役	琴奨菊照ノ富士嘉風玉鷲御嶽海栃煌山栃ノ心
古　参	安美錦豪風松鳳山碧山妙義龍荒鷲勢宝富士魁聖隠岐の海臥牙丸佐田の海德勝龍豊響蒼国来
中　堅	遠藤逸ノ城貴ノ岩千代大龍千代の国英乃海千代丸大砂嵐琴勇輝千代鳳旭秀鵬
新　鋭	正代北勝富士輝大翔丸大栄翔錦木千代翔馬石浦
新入幕	貴景勝千代ノ皇宇良阿武咲豊山朝乃山大奄美

剛●●●■●○○柔			型○●●■●○○彩			速○●●■●○○理
動○●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○●●■●○○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.0↓
	×	△	○	○	○	○	△

剛●●●■●○○柔			型●●●■●○○彩			速○○●■●●○理
動○○●■●●○静			四●●●■●○○押			左○○●■●●●右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	9.1↓↓
	○		◎	○	△	△	△

剛○●●■●○○柔			型○●●■●●○彩			速●●●■●○○理
動●●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○●●■●○○右
活躍型			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	10.0↑
○	△	○	×	○	◎	○	×

剛●●●■○○○柔			型●●●■●○○彩			速●●●■●○○理
動○●●■●○○静			四○○●■●●●押			左○○●■●○○右
活躍型			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	9.0→
○	△	△	×	△	◎	○	△

剛●●●■●○○柔			型●●●■●○○彩			速●●●■○○○理
動●●●■○○○静			四○○●■●●●押			左○○●■○○○右
活躍型			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	9.0↑↑
○	△	○	×	×	△	○	◎