平成名力士 


平成初期以降の最高位関脇の力士を完全収録(三役常連、優勝力士は別掲)。

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平成の関脇

横綱

大関

優勝者 三役常連 関脇 小結1 小結2 小結3 幕内

太寿山 栃司 若翔洋 琴乃若 追風海 隆乃若 玉春日 北勝力
玉乃島 阿覧 朝赤龍 豪風 嘉風 琴勇輝 勢  魁聖 隠岐の海


 

 

  太寿山 関脇  <右四つ寄り> 二子山  183/160      
D09 D09 右四つ寄り4a

上手投げ 3b

がぶり寄り3a

モロ差寄り3b

おっつけ 2c

打っ棄り 2c

吊り寄り 3c

出し投げ 2c

はたき 2d

突き落とし3c

下手投げ2c

いなし 3c

吊り  3c

拝み寄り2d

腕返し 2b

のどわ 3c

<立合>

体当たり3b

左上手3c

右差し3c

ぶちかまし2b

 

頭b肩b胸c

手e変化e

<技・体>

アゴ上り

太鼓腹

差し身

体質柔軟

 

 

<心>

慎重

立合い○

長持ち

D09 E07
E06 D09
E07 D08
D08 D09

 

 

 


 

  栃 司  関脇  <突き押し> 春日野  180/155      
E07 E06

上突っ張り3b

のど輪  3c

おっつけ 3a

はたき  3c

突き落とし3b

いなし  2c

モロ手突き3c

引き落とし2c

ハズ押し 2d

廻し切り 3c

張り手 2d

蹴返し 1d

上手投げ 2d

上手出投げ2d

掬い投げ 2d

首投げ  1e

<立合>

モロ手突き3a

ぶちかまし2c

のどわ 2c

いなし 2c

突き落とし2d

頭a 肩b

胸e手d変化d

<体>

速攻

変化技○

引き癖

<心>

まった

エレベータ

突押徹底

晩成

 

D08 C10
D09 E06
E07 E07
E07 E06

 


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平成の関脇

横綱

大関

優勝者

三役常連

関脇

小結1

小結2

幕内

太寿山 栃司 若翔洋 琴乃若 追風海 隆乃若 玉春日 北勝力
  玉乃島 阿覧 朝赤龍 豪風 嘉風 琴勇輝 魁聖


 

  若翔洋 関脇  <左四つ寄り・押し> 二子山  180/170        
C10 D09

小手投げ 4b

のど輪  3c

がぶり寄り3a

右上手投げ3c

モロ手突き3b

おっつけ 2c

腕捻り 3c

吊り   2c

巻き替え 2d

極め   3c

張り手 2d

打っ棄り2e

はたき 3d

左前褌寄り2d

引きつけ2c

腕ひねり2d

<立合>

モロ手突き3a

カチ上げ2c

上手  2c

左差し 2c

けたぐり1e

頭a 肩b

胸e手d変化d

<技・体>

ワキ甘い

重心低い

懐深い

土俵際

腰痛

<心>

番付運○

ムラッ気

強引

 

 

C10 D08
E07 D09
E06 D08
E07 D09

 


 

  琴乃若 関脇  <右四つ寄り・投げ> 佐渡ヶ嶽  192/175           
C11 D09

左上手投げ5b

小手投げ 3c

がぶり寄り3a

右上手投げ3c

上突っ張り3b

右四つ寄り2c

左腕返し 3c

のどわ   2c

内無双  2e

極め   3c

張り手 2d

下手投げ2e

はたき 3d

モロ手突き2d

引きつけ2c

上手出投げ2d

<立合>

モロ手突き3a

カチ上げ2c

左上手 2c

張差し 2d

はたき 2d

頭d 肩b

胸c手b変化d

<技・体>

リーチ長

懐深い

上体柔軟

腰高

外四つ○

長持ち

膝爆弾

<心>

Mr.1分

まった

晩成型

円熟

 

 

D08 D08
E06 C10
D09 E07
E06 C11

 


 

  追風海 関脇  <右四つ寄り・投げ> 追手風  183/130      
E06 D08

前褌寄り3b

上手出投げ3c

左上手投げ3b

右上手投げ3c

おっつけ 3b

下手出投げ3b

外掛け 2c

右腕返し 2c

ひねり  2d

首投げ  2e

たぐり  3c

内無双 2e

はねあげ2d

はたき 2d

張り手 2d

モロ差寄り1d

掛け投げ1e

<立合>

体当たり2a

カチ上げ2c

左上手 2c

右上手 2d

前褌  2c

八艘飛び3c

頭e肩c胸a

手d変化c

<技・体>

速攻

敏捷

上体硬い

筋肉質

アゴ上がり

まわりこみ

両膝痛

首痛

<心>

スタ-ト○

サーカス

調整×

早熟型

 

 

D09 E07
B12 C10
C10 C10
D08 E07

 

  隆乃若 関脇  <左四つ寄り・投げ> 鳴戸  188/150     
D09 D09

右上手投げ3b

左四つ寄り3b

左上手投げ3b

小手投げ  2c

はたき  2c

吊り寄り2d

上突っ張り2b

がぶり寄り2d

外掛け    2d

とったり 2d

肩透かし 2e

右腕返し 2c

モロ手突き2d

外四つ寄り2d

突き落とし2d

掛け投げ 1e

<立合>

モロ手突き2a

カチ上げ2c

体当たり2c

右上手 2d

はたき 2c

頭c肩b胸c

手b変化d

<技・体>

懐深い

バタ足

引き癖

アゴ上がり

上手相撲

両膝痛

<心>

調整×

ムラッ気

強引

 

 

 

D09 D09
D08 C10
E07 E07
E07 D08

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平成の関脇

横綱

大関

優勝者

三役常連

関脇

小結1

小結2

幕内

太寿山 栃司 若翔洋 琴乃若 追風海 隆乃若 玉春日 北勝力  
玉乃島
 阿覧 朝赤龍 豪風 嘉風 琴勇輝 勢  魁聖


 

  玉春日 関脇  <突き押し> 片男波  182/150    
E07 E06

ハズ押し 3b

おっつけ 3b

のどわ  3b

突っ張り   3b

いなし   5b

はたき  3b

突き落とし3b

掬い投げ  2d

モロハズ 2c

モロ差寄り2d

がぶり寄り1d

肩透かし  2e

引き落とし2d

首投げ  1e

引掛け  2e

巻き落とし2e

跳ね上げ 2c

<立合>

ぶちかまし3b

のどわ 2c

体当たり2c

モロ手突き2c

おっつけ2c

かっぱじき2d

頭b 肩e

胸c手c変化d

<技・体>

変化技○

土俵際

俵伝い

上体柔軟

体質柔軟

首・腰痛

両膝痛

<心>

ツラ相撲

幻惑

円熟

ずらし

冷静

相撲勘

 

D08 C10
D08 E07
C11 C11
D09 D08

  北勝力 関脇  <突き押し> 八角  183/155       
E07 E06 のどわ 4a

モロ手突き4b

上突っ張り3b

はたき  2b

引き落とし3b

突き落とし2c

ハズ押し 2c

いなし  2c

張り手 2d

左腕返し1d

閂   1e

おっつけ2c

左のど輪2c

小手投げ1d

がぶり寄り1d

ぶちかまし2d

<立合>

モロ手突き3a

右のど輪 3b

ぶちかまし3c

左おっつけ1d

はたき 2d 

頭b 肩e

胸e手a変化d

<技・体>

ワキ甘い

電車道

チョン立ち

腰高

足腰硬い

リーチ○

前掛り

<心>

突っかけ

立合い×

引き癖

突押徹底

淡泊

ムラっ気

B12 C11
E07 F05
E06 E06
E06 E07

 


  玉乃島 関脇  <左差し・押し> 片男波  187/165     
C10 C10 右おっつけ4a

左四ツ寄り3b

のどわ  3b

突っ張り 2c

左掬い投げ2c

素首落とし3c

ハズ押し 2b

跳ね上げ 2b

下手ひねり2d

外掛け   2d

小手投げ 1e

極め   3c

右しぼり 2c

モロ手突き2c

首投げ  1d

裾払い  1e

<立合>

ぶちかまし3b

左差し  2c

のどわ  2c

カチ上げ 2c

右おっつけ2c

頭b 肩c

胸d手c変化e

<技・体>

左堅い

挟みつけ

前傾○

足腰硬い

呼び込み

右肩

腰・背中痛

<心>

強行

気迫

ムラッ気

突っ掛け

息切れ

連敗癖

引き癖

C10 C10
E07 E07
D08 D08
E06 D08

 


  阿 覧 関脇  <右四つ・突き押し> 三保ヶ関  187/155     
D09 D08
上突っ張り3a
吊り   3a
左上手出投2b
はたき  3a
モロ手突き2c
左前褌寄り2b
張り手  3b
小手投げ 2c
極め   2c
下手投げ2d
引き落とし2c
上手投げ 2c
突き落とし1d
うっちゃり1d
引っ掛け2c
ひねり 1d
<立合>
張り手  2b
体当たり  2c
左上手  2c
張り上手  2c
はたき  3c
頭d肩b胸b
手b変化c
<技・体>

まわりこみ

ワキ甘い

呼び込み

引き癖

髷つかみ

両ひじ
バタ足
<心>
強引
ムラッ気
スロ-スタ-ト
じらし
つっかけ
番付運○
ツラ相撲
B12 D09
D08 D09
E06 E07
C10 E07

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平成の関脇

横綱

大関

優勝者

三役常連

関脇

小結1

小結2

幕内

太寿山 栃司 若翔洋 琴乃若 追風海 隆乃若 玉春日 北勝力  
玉乃島
 阿覧 朝赤龍 豪風 嘉風 琴勇輝 勢  魁聖


  朝赤龍 関脇  <左四つ・押し> 高砂  185/140          
07 E07
上手出投げ4b
右上手投げ3b
下手投げ  3c
左前褌寄り2d
はたき     4b
突き落とし 3b
右おっつけ3a

いなし 3c

内無双    2d
はねあげ 3b
小手投げ 2d
引き落とし3c
下手出投げ2d
ひねり 2c
かわず掛け2d
チョン掛け2e
<立合>
モロ手突き2b
左差し   3b
張差し  2d
足取り  2e
突き落とし2d
頭c肩c胸d
手b変化d 
<技・体>
まわりこみ
逆四つ○
受身○
もぐり
重心低い
体質柔軟
両膝
<心>
慎重
ムラッ気
ツラ相撲
上位キラ-
尻上がり
足癖
変化技○
E07 D09
C10 C10
C10 C10
D09 D09

  豪 風 関脇  <突き押し> 尾車  171/150          
07 E06
突き落とし4c
はたき   5c
引き落とし4b
掬い投げ  3c
肩透かし 3c
内掛け  3d
首投げ  3d
一本背負い1e
右おっつけ4b
ハズ押し  4b
モロハズ  4c
左おっつけ3b
右のどわ 3c
いなし    3c
かわず掛け2d
裾払い 2e
<立合>
左ハズ  3b
右おっつけ3b
左差し 2d
かっぱじき2d
はたき  3d
頭b肩c胸c
手d変化c
<技・体>
重心低い
肩幅広い
リーチ
挟みつけ
変化技○
ワキ甘い
引き足○
                                          
      
<心>
引き癖
冷静
横攻め
ツラ相撲
策士
超晩成型
円熟
D08 C11
C10 E07
C11 D09
D08 E07

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平成の関脇

横綱

大関

優勝者

三役常連

関脇

小結1

小結2

幕内

太寿山 栃司 若翔洋 琴乃若 追風海 隆乃若 玉春日 北勝力  
玉乃島
 阿覧 朝赤龍 豪風 嘉風 琴勇輝 勢  魁聖


  嘉 風 関脇  <左四つ・突押> 尾車  177/145          
06 D08
上突っ張り4a
ハズ押し 4b
モロ差寄り3c
掬い投げ 3c
引き落とし4b
肩透かし 3b
左下手投げ3c
上手出投げ2c
張り手  4b
左差し寄り3c
はたき  4b
ぶちかまし3b
いなし  4b
小股   2e
吊り   2d
うっちゃり2e
<立合>
ぶちかまし4a
モロ手突き2c
左固め  3c
いなし  3d
張差し  2e
頭b肩c胸e
手b変化d
<技・体>

引き足

上下動

重心低い

まわりこみ

ずらし

差し身

粘り腰

<心>
気迫
上位キラ-
巨漢×
ご当所○
超晩成型
円熟
速攻
E07 C10
B13 D08
C11 C10
D08 D08

 


 琴勇輝 関脇  <突き押し> 佐渡ヶ嶽  176/180           
C10 F05
モロ手突き4a
右のどわ 4b
左のどわ 3c
突っ張り 3a
突き落とし2c
上突っ張り2c
突き落とし2b
引き落とし2b
張り手  3b
渡し込み 2d
右突き放し3b
おっつけ 3c
ぶちかまし2d
引っ掛け 1e
はたき 3c
いなし  2c
<立合>
モロ手突き4b
ぶちかまし2b
張り手  3d
はたき  2d
右いなし 2d
頭c肩e胸e
手a変化d
<技・体>
ワキ甘い
電車道
前掛り
体質硬い
腰高
左膝爆弾
両肘痛
 
<心>
突押徹底
速攻
つっかけ
チョン立ち
立合遅い
シンプル
ムラッ気
C11 C11
E07 F05
E07 E06
E06 E07

  勢  関脇  <突き押し> 伊勢ノ海  194/165           
D09 C10
右差し寄り 3b
右掬い投げ4b
右下手投げ3b
右小手投げ4b
上手投げ 2c
両差し寄り2d
はたき  3b
突き落とし2b
右腕返し  3c
右突きつけ3d
張り手 2d
引きつけ 2c
極め   3d
ハズ押し 2c
モロ手突き2c
左おっつけ2b
 
<立合>
右カチ上げ3b
ぶちかまし2b
左おっつけ2b
右差し 2b
かっぱじき3d
頭c肩b胸c
手d変化d
<技・体>
肘柔軟
足腰硬い
リーチ長
差し身
右半身
引張り込み
右肘痛
<心>
投げ多用
詰め×
ムラっ気
強行
人気
エレベータ
晩成型
C10 E07
D08 C10
D08 E07
E07 D08

 

 魁 聖 関脇  <右四つ寄り> 友綱  194/190           
B12 C10
右四ツ寄り4a
両前褌寄り3c
突っ張り  2b
右突き放し3c
モロ手突き1d
左上手投げ2d
掬い投げ 1d
小手投げ 2d
左おっつけ2a 
引きつけ 3b
極め   3c
右腕返し  2c
はたき  1d
ハズ押し 2c
モロハズ 1d
後ろもたれ1e
<立合>
モロ手突き2b
右差し   2b
抱え込み2c
右カチ上げ2c
右突き放し2c
頭c肩c胸b
手c変化e
<技・体>
懐深い
アゴ上り
がっぷり○
ワキ甘い
被さり
外四つ
腰爆弾
<心>
ツラ相撲
調整×
詰め×
勝ち運〇
息切れ
スタート○
対上位×
C10 D08
F05 D08
E06 E07
E06 E07

 

 隠岐 関脇 <左四つ寄り投げ> 八角  189/155           
D09 C10
左四つ寄り3b
右四つ寄り3c
上手投げ 3b
小手投げ 3b
下手投げ 2b
掬い投げ 3b
突き落とし3c
上手出投げ2c
巻き替え  2b
おっつけ 3d
投げ寄り  3b
逆とったり2d
網打ち   2d
肩透かし 2e
外掛け 1d
閂     2c
<立合>
カチ上げ 3b
張り差し 3c
右差し  2c
左差し   2c
モロ差し2d
頭d肩b胸b
手d変化e
<技・体>
上手相撲
逆四ツ○
胴長
懐深い
体質柔軟
左肩
右足指
<心>
土俵際
人気
詰め×
勝負強い
大関キラ-
晩成型
長寿
C10 E06
E07 C10
E07 D08
E07 D08
関脇 太寿山

柔かい上に腰が重く、大きな腹もある。四つ相撲としてこの上ない体格を持っていた。立合いの型が綺麗なこともよく知られ、59年の立合い正常化の際には手本とされた。右四つの型があって安定しており、若手力士の実力を測る基準とも言われた。引退後は元横綱輪島の廃業で放駒部屋に吸収されて消滅した名門・花籠部屋を再興。幕内光龍を育てたが、経営難から24年に閉鎖。


関脇 栃 司

 学生相撲出身、典型的な押し相撲。敢闘・技能各1回、金星3個。62年九州で前頭6枚目の10勝ながら、翌場所関脇に昇進している。激しい取り口のためか故障が多く、番付の上下動が大きく幕内在位は短かった。引退後は独立して「司」が入った四股名が目印の入間川部屋を創設。幕内皇司ら関取3人を育て、停年前に雷に譲り渡した。


関脇 若翔洋

平成初期に活躍した旧二子山部屋の力士。長い下積みから急成長して平成5年には連続敢闘賞。一気に関脇まで駆け上がったが、腰を痛めて全盛期は短かった。ワキは甘かったが腰が重く、小手投げなど逆転技が豊富。引退後は一時格闘家に転身した。

 


関脇 琴乃若

長身・巨体を生かした四つ相撲で長く幕内を務めた。史上3人目の幕内在位90場所を記録。若い頃から「ミスター1分」と呼ばれるほど長い相撲が多かった。腕力は強くなかったが、上手投げを得意として膝に爆弾を抱えた晩年も活躍した。初期は琴の若、後期は琴ノ若。琴乃若で関脇になり、「若」の字の草冠を旧字体にするなど、四股名を微調整した。平成10年ごろをピークに平幕暮らしが長くなったが、朝青龍を裏返してかばい手論争を呼ぶなど、老いて益々盛んだった。しかし舅となった師匠の停年に伴い場所途中で引退、佐渡ヶ嶽を襲名。その後不祥事が続いて多難ながら、3人の大関を擁し、さらに師匠・琴櫻の孫でもある実子の二代目琴ノ若が活躍。

 


関脇 追風海

学生相撲時代に首を痛めた影響で頭から当たれなかっものの、スピード相撲、上手を引きつけての攻めで鳴らした。両膝も故障して苦しんだが、好調時は天賦の巧者ぶりを発揮した。満身創痍となった晩年は八艘跳びを多用、運動神経に賭けた。頑張って上位に戻ったが、首・ヒザが限界に達し、ついに引退。あっさり協会から身を引いて地元で議員となり、国政選挙にも挑戦。

 


関脇 隆乃若

若の里と「鳴戸の若隆」と期待された大器。粒ぞろいの昭和51年生組の中では出世は遅かったが、長身を活かした将来性を感じさせる取り口で急成長。三役で二ケタ勝利して大関候補に名乗りを挙げた。しかし、これからというときに張り手を食ってヒザを負傷。これが最後まで尾を引いた。一気に番付を下げ、足腰が硬くなって相撲振りも淡泊になってしまった。ついに復活できないまま引退。

 


関脇 玉春日

技能的な押し相撲で長く活躍した名力士。三役に定着はできなかったが、全盛期の貴乃花ら上位陣を苦しめて金星7つを獲得。三賞も5つ。ベテランとなってからは十両との往復が続いたが、最後に復活し史上最長間隔となる9年・55場所ぶりの三賞を獲得。幕内力士として存在感を示して引退した。入幕当初は小気味良いリズムで前に出る馬力を見せていたが、後年はタイミングの良いいなしを交えた攻めで幻惑、的確な押しの技術で体力の衰えをカバーした。柔らかさが生み出す土俵際の奇跡的な粘りは見事だった。引退後程なく、名門・片男波部屋を継承。

 


関脇 北勝力

腕力を活かしたのどわ、もろ手突きで一気に出る相撲。3度の敢闘賞を獲得した。平成16年5月、序盤から大関を連破し4連勝で迎えた5日目。当時35連勝と破竹の勢いの朝青龍を、一気の右のど輪押しで撃破した一番が唯一の金星。この場所13勝1敗のトップで千秋楽を迎えたが、新入幕だった白鵬に敗れ、決定戦では朝青龍に雪辱を晴らされて平幕優勝は逃した。翌場所は反対の2勝に終わるなど、その後も成績は安定せず、三役は1場所に終わる。18年1月にも優勝争いに絡んで12勝したが、以後腰や首の不調で十両落ち。トレーニングで鍛えた筋肉は衰えず復調の気配を見せたが、首を悪化させて連続休場、幕下に落ちた23年5月場所中に引退。


関脇 玉乃島

叔父・清國を彷彿とさせる強烈な右おっつけの威力を武器に上位に定着、ときに大勝ちして敢闘賞5回、技能賞1回を受賞。通算三役4場所を務めた。幕下付出デビューし、平成12年11月、玉ノ洋の四股名で入幕。再入幕の13年3月、横綱玉の海が大関時代まで名乗った「玉乃島」に改名、敢闘賞の活躍で大きな期待に応えた。さらに7月は千秋楽まで優勝争いに残り12勝3敗、新三役となる。15年には朝青龍、武蔵丸から金星。その後も12勝を2度記録するなど二桁勝利は11場所。千代大海に脳震盪を起こさせたぶちかまし、ケガを負いながらも気力で前へ出て勝つ気迫も印象的だった。23年11月に引退した。若島津の二所ノ関部屋を引継ぎ、放駒部屋を率いる。

 


関脇 阿 覧

世界大会を制した実績を引っ提げ鳴り物入りで入門したロシア出身力士。荒削りの相撲ながら負け越し知らずで2年かからず新入幕。22年12勝、11勝で連続敢闘賞。一気に関脇へ躍進した。その後はこれといった活躍はなく、三役通算3場所に終わる。三保ヶ関部屋が閉鎖した25年秋場所後、突然引退した。連日立ち合い変化したり、荒っぽい張り手と強引な叩きの印象が強い。体格を生かした右四つの型も地味ながら向上していたが、ついに完成を見なかった。動きの良さを活かした押し、いなしのコンビネーション、前褌取っての出し投げ、足癖もあった。


関脇 朝赤龍

明徳義塾高では朝青龍の1年後輩。先輩を追ってスピード出世、15年1月は幕内と十両でアベックV。朝青龍の横綱昇進と同時に新入幕を果たした。翌春、朝青龍、2大関と共に並走し、魁皇との全勝対決に勝ち12連勝。翌日も全勝千代大海と互角に取ったが惜敗。優勝は兄弟子に譲ったが、13勝で殊勲・技能をW受賞した。18年5月は4大関を破り敢闘賞で新三役。翌19年には2度目の技能賞から浮上し新関脇となった。朝青龍引退後は部屋頭として長らく部屋を引っ張ったが徐々に後退。29年1月ついに幕下陥落し、高砂部屋の関取が138年ぶりに途切れた。日本国籍を取得、部屋付きを経て高砂を継承した。
動きの良さを活かした押し、いなしの妙技、前褌を取っての出し投げ、多彩な足技もあった。柔らかさもあって目方のわりに腰が重く、長い相撲になることもしばしば。


関脇 豪 風

嘉風との小兵コンビで平成20年代を盛り上げた押し相撲の職人。アマチュアでの実績が買われて若干基準に足りない身長の条件はパスして付出デビュー。入幕当初内掛けや首投げも飛び出す半端相撲だったが、押しに専念。ケガで1度転落したが、再入幕後は13年連続で幕内を保った。前半期は地味で、2度12勝での敢闘賞があるものの、ほぼ平幕暮らし。しかし26年名古屋で5日前に嘉風が記録した最年長金星を35歳に更新。翌場所は最年長新関脇となった。年齢を感じさせない俊敏さ、かいな力を維持して39歳まで関取として奮闘した。尾車の閉鎖時に一部を受け継ぎ、押尾川部屋を立ち上げた。
後年の突き押し、引き技の妙は押し相撲の粋を体現するものだった。


関脇 嘉 風

30歳を超えてから三賞常連となった遅咲きの力士。スピードを武器に気迫の相撲を見せた若い頃は、体格の不利もあり下位での散発的な活躍に留まっていたが、26年になって開眼。新三役では負越したが、翌場所32歳で当時の最年長初金星を獲得すると、以降8個も稼いだ。翌年からは白星も伸び、27年秋は3場所連続となる二桁勝利で殊勲・技能W受賞。翌場所も三役で初めて勝ち越し、3連続三賞で新関脇に。30代後半になっても円熟味を増して上位陣を苦しめた。まだ力はありそうだったが、土俵外の事故で膝に重傷を負い復帰できなかったのは残念。
張り手まじりの激しい突き押しだけでなく、左を差して吊り身に持っていく腰の強さもあった。運動神経に優れ、上下動しながら突っ込んでいく芸のできる希少な力士だった。


関脇 琴勇輝

怪我と向き合いながら突き押し一筋に賭けた土俵人生。時間いっぱいの仕切りでの咳払いがトレードマーク。入幕間もない頃に左膝に重傷を負ったが十両下位から復活し、平成28年春、日馬富士から初金星を得ると、5日目からは11連勝と大爆発、12勝で殊勲賞を獲得。翌場所は関脇で横綱鶴竜を破ったが、以降は番付を下げて十両との往復。度々故障にも見舞われながらようやく上位復帰を果たすが、両肘、古傷とは反対の右膝も手術するなど番付は乱高下。愈々膝が限界に達し、3年春には初めて幕下に転落、復帰を断念して30歳で引退した。
両手、のどわを中心に、前掛りになって突いて出る取り口で、穴も多かったが、入幕してから30キロも体重を増やし、一芸に賭した。

 


関脇 勢

現役屈指の長身を誇り、差し身の相撲で活躍した華のある力士。故障も多く波は激しかったが、決して休まず初土俵から連続出場を続けた。好調時には敢闘賞4回、金星5個と目立つ働き。甚句名人としても有名。幕下で停滞して花の六一組の中では遅咲きながら、25年ごろから上位に定着し、時に大勝ち。26年9月にはあわや新入幕優勝という逸ノ城に土をつけ10勝、新小結となる。27年11月は4枚目で12勝して2場所連続の敢闘賞を獲得。翌々場所再び二桁勝って新関脇に昇進した。その後、初金星から2年ほどの間に5つ記録。平成の終わりとともに急激に番付を下げ、一度は復活したが、満身創痍で再急落、3年1月千秋楽、自身初の休場となる不戦敗により幕下陥落が決まった。その後出場しないまま引退。

右差し返しての寄り、掬い投げが軸だが、左を固めてくると引っ掛けるような小手投げ、肘で跳ね上げての突き押し叩き、後年は左四つも増えるなど取り口の幅を広げた。

 


関脇 魁聖

 194センチの巨体を活かした四つ相撲で敢闘賞3回、三役4場所を務めた日系ブラジル人力士。帰化し、引退後は師匠の友綱を襲名した。平成23年5月の新入幕では初日から9連勝し敢闘賞。再入幕後の24年7月には1敗で終盤を迎え、11勝で2度目の敢闘賞。上位で勝越せなかったが、28年3月、7枚目の11勝で小結昇進。すると新三役で見事勝越し。連続3場所三役を務めた。30年3月は6枚目で12勝の活躍。13日目1差で首位横綱鶴竜に挑んだが、及ばず。横綱戦はとうとう1勝もできなかった。腰痛持ちで度々十両に転落、晩年は満身創痍ながらも幕内に戻って奮闘した。
 長身ながらどっしりした体格で、右四つで胸を合わせると寄りを得意とし、大きな相撲で技能派を封じ込めた。


関脇 隠岐の海

  恵まれた体躯に、整った容姿で人気が高く、時に大勝ち、上位を食う印象的な活躍で、敢闘賞4回殊勲賞1回。35歳で三役初勝ち越しと大器晩成。37歳まで丸10年幕内を保った。幕内で活躍するまでかなり道草を食ったが、再入幕すると23年1月敢闘賞。24年11月には新横綱日馬富士の連勝を32でストップする初金星。翌年には2度目の三賞を得て新三役となる。28年9月は2横綱3大関を破って6連勝、大器覚醒かと騒がれたが失速。その後も単発の活躍はあるが、番付は乱高下した。令和2年には小結で9勝をマークしたが、これをピークに緩やかに下降。5年1月初日から5連敗を喫すると、十両転落決定を待たずにスパッと引退した。
 和製白鵬と称された胴長で懐が深い四つ相撲。逆転の投げ、突き落としも冴えた。なまくら四つとも言われたが、後年は左四つを軸に技能的にも向上した。普通と逆の張って反対で差す張差しも独特。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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