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宮城野部屋 所属
立浪
創設(再興)
昭和35年
現師匠
竹葉山
前師匠
金親
開祖
吉葉山
勢力
 C
実績
 B
伝統
 
A


概略

  一人横綱白鵬を擁する伝統ある部屋。明治時代から続き、大正の横綱鳳を生んでいる。7代目を襲名した鳳が死去した後4年弱を挟んで、一門の元横綱吉葉山が再興し現在に至る。

主な力士 (赤は現役。優は優勝、三は三賞、金は金星)

 横綱 (鳳)、白鵬
  関脇 明武谷、陸奥嵐
 小結 廣川
 幕内 宇多川、若吉葉、大心、大雪、嵐山、港龍、竹葉山、光法、龍皇

四股名の特徴・その他

 現在は特にこれと言った特徴はなく、力士に合わせて自由に決めている。
 かつての若吉葉、竹葉山あたりまでは吉葉山の名残が感じられた。

 

■歴史

人気横綱吉葉山   成長期に召集されるなどのハンデを背負いながら熱狂的な人気を誇った悲運の横綱吉葉山。流麗な不知火型の土俵入りにも定評があった。故障に苦しんで横綱としては不本意な成績に終わったが、一代年寄を襲名すると高島部屋から独立して吉葉山道場を開く(双葉山道場は現役中に創設。一代年寄が創設した部屋が「道場」であれば、大鵬道場、北の湖道場となってもよさそうなものだが、大鵬ら永年扱いの一代年寄は別格であると思われる)。

宮城野部屋継承   昭和31年に元横綱鳳の宮城野が死去。横綱以外に継承したくないという意向があり、当時適任がいなかったため明治以来続いていた部屋は一時閉鎖。力士は高島部屋へ移籍した。そこに後継者として白羽の矢が立ったのが元吉葉山。道場を継承する形で昭和35年に宮城野を襲名して部屋を再興した。近年では、安治川部屋師匠の元旭富士が名跡変更し、消滅した伊勢ケ濱部屋を再興したケースと似ている。力士の継承関係がないことから、以前の部屋とは切り離し、吉葉山を開祖とした。

吉葉の中興   伝統を誇る部屋を継承した吉葉山は、続々と関取を育てる。高島部屋からの独立時に連れて出た明武谷はすぐに幕内で活躍、殊勲・敢闘各4回、2度も決定戦に進んだ名関脇。小結廣川や宇多川、大心と移籍組が幕内に進む。昭和40年代に入ると、宮城野部屋となってから入門した力士が成長。新入幕で13勝するなど敢闘賞4回の東北の暴れん坊・陸奥嵐らが出た。

廣川、竹葉山と継承   昭和52年に吉葉山の宮城野は若くして急逝。部屋付きの押尾川(元小結廣川)が後を襲った。実績では上の関脇2人がいたが、明武谷は廃業、陸奥嵐は師匠の娘と離婚していた(のち友綱部屋に移籍、安治川部屋を興す)。廣川の時代には、幕内竹葉山、港龍が出るが勢力は減退。平成元年に廣川も早世し、引退したばかりの竹葉山が後継者となった。

暫定政権   師匠急逝により急遽継承者となった竹葉山だが、依然先代廣川の遺族が所有権を握っていたようである。暫定的に師匠に据えられ、後継者を探していた。やはり幕内在位2場所という実績がネックとなり、名門を継ぐにふさわしい後継者を選り好んだのだろうか。鳳の後と同様だが、今回は部屋を存続させようとした。しかし難航するうちに10年以上が経過。関取は幕内光法や十両若隼人だけで、かつての名門もすっかり小部屋になってしまっていた。

白鵬登場と師匠交代  ところが、平成13年に思わぬ拾い物をする。ことごとく入門を断られてモンゴルに帰国しようとしていたのちの白鵬である。旭鷲山の口添えもあってギリギリで受け入れた15歳の細い少年が、みるみるうちに急成長。10代で入幕して早速大暴れしてみせた。苦節15年ついに超有望株を育てた竹葉山だったが、突然お役御免となる。先代の娘婿となった北の湖部屋の金親が宮城野を襲名して継承することとなったのである。株の所有者の意向とあっては逆らえず、熊ヶ谷として部屋付きに収まった。他の一門から後継者が出ることは異例中の異例であったが、理事長北の湖の弟子とあってか継承は承認された。

横綱誕生と新師匠迷走   期待に応えて白鵬は順調に出世し19年に横綱に昇進、開祖吉葉山の不知火型を継承した。大関、横綱の使者はもちろん師匠宮城野が迎えたが、実質的に指導するのは竹葉山の熊ヶ谷という奇妙な関係が続いていた。竹葉山も幕内2場所だが、これに取って変わった金親は元十両だった(実績では年寄襲名権を満たさないが、十両に20場所在位しており後継者の特例を受けた)。指導力はともかく、白鵬が八百長をしたという内容を語っているテープが公になり、22年に協会から師匠交代の勧告を受けた。解雇すべきという厳罰論も出たが、熊ヶ谷と名跡交換して部屋付として残ることとなった。少々強引な対応ながら、横綱を擁する部屋のねじれ現象は解消した。

 

■現状・展望

 横綱白鵬は、朝青龍を駆逐して時代を築く。年間86勝の新記録を2年連続でマークするなど圧倒的な強さを発揮、優勝を20回に乗せて他を寄せ付けない孤高の存在となっている。しかしこれに続く力士がなかなか現れない。白鵬の盟友、モンゴル出身の龍皇も新入幕で10勝しながらその後は幕下に低迷。部屋の力士が少ないため、付け人や弓取り力士も他の部屋が用立てしている。だが、幕下宝香鵬のように白鵬を目標にこれから入門してくる力士も期待できる。横綱が健在なうちに有力な弟子を育てておきたい。

 師匠は意外と若いが、あと10年ほど。今後誰に継承するかとなると難しい。白鵬は日本人の妻を持って日本国籍を取得する意向を示しているが、仮に協会に残ったとすると一代年寄が贈られてもおかしくない。九重のように辞退させて後継させるか...。熊ヶ谷の再登板は認められないだろうし、元光法は理事選で寝返って貴乃花派に流れている。にわかに復活した宮城野部屋だが、今後の継承問題は難航が予想される。

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