パラメータ表示について(ver.1.0〜ver.1.9)

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このサイトにおいて使用しているパラメータ表示についての考え方を述べたいと思う。

  用語:パラメータ⇒A,B,C..(1,2,3....)を用いた数値で能力を表示している項目。15段階+αの数値で細かく表している。

     データ⇒能力を表すもの全体のことを指す。

     技リスト⇒「左上手投げ」「内掛け」などの個々の持ち技を表示した項目。
          その習熟レベル、頻度も併記。最大16〜18の容量にしている。

     スキル⇒特殊能力。精神面、技術面、体質面の特徴を、言葉で表現している。
         力士特有の異名等を用いていることもある。

継続性のメリット    サイトマップの項でも少し書いたが、現在使用している力士能力の表示方法はそれなりに考えてこの形式に収まったのであるが、自分のなかで「これしかない」と考えて採用しているというわけでもない。データの表示形式を色々考えた結果、まずまず満足できる形だったので暫く継続して基準として使用していた。その継続性こそが、現行の形式を使用している最も大きな理由である。やはり何年間か同じ形式を用いることで、基準に当てはめる感覚も安定して精度が高くなるし、比較するにも便利になる。

 しかし、力士の能力をパラメータで表現する方法は無限に考えられる。現行の形式よりも優れているのではないかと思う表示形式のアイデアは浮かぶのだが、やはり継続性を崩すというデメリットを受け入れてまで、大きく形式を変更しようという気にもならないのである。

 

 それでは、筆者がどういう考えの下、現行のシステムを完成させたかを説明してみることにする。

データ表示の意義    力士の能力をパラメータ化することには、2つの面での意義がある。一つは、長所短所を浮き彫りにすることによって、力士の個性を解かりやすく表現すること。もう一つは、統一された基準で数値化することによって、力士の実力を数量比較できるようになることである。

 残念ながらこの二つの重要な意義は、相反してしまうことが多い。

 個性を表現しようとすれば、パラメータの数値を極端につけなければならない。そうすると、ちょっとしたデータ形式の偏りが大きく影響してしまい、データ全体として本来の実力を反映しないものになってしまう。例えば、突き押し専門の横綱と、万能型の三役力士とでは、個性の表現を重視すると、どうしても万能三役の方が全体的に能力が高くなってしまう(パラメータの合計数値が実力と逆転する)。実力とパラメータの合計とは必ずしも一致する必要はないが、ある程度は比例関係があった方が良い。一つの型に徹する力士は、個性をはっきり表現しようとすると、低い項目が何個か並び合計数値は低く抑えられてしまうのだ。

 逆に実力に忠実にパラメータの合計数値を当てはめようとすると、強い力士は弱点である項目にも、ある程度の調整を加えられて個性が表現しにくくなる。先ほどの例で言えば、めったに組まない突き押し専門横綱にも全体としての数値を高めるため、四つ系の能力を相当と考えられる以上に高くつけることになる。パラメータの数値の絶対性も損なわれるかもしれない。

 では、こういうジレンマを踏まえた上で、いくつかのデータ形式を考えてみた。

 個性表現型

  個性を表現することに徹し、全体としての数値と実際の成績・実力とは全く比例しないこととする。このように割り切ることで、メリットも多い。どのような特徴があるかを列挙していくと、

 ○項目ごとの基準に絶対評価を保つことができる―――実力を勘案して数値を調整する必要がないので、純粋に特定の能力に関してだけの評価を徹底できる。

 ○具体的で詳しい表現が可能―――合計数値に偏りが出ないように項目を絞る必要がない、従っていくらでも評価項目を増やして評価できる。

 ⇒このようなメリットから、個性を際立たせることができる。

 ×項目の膨張で、評価するという作業が煩雑になる。また、全体としても見づらくなってしまう。

 ×力士によっては全くお世話にならない項目(「吊り」「掛け」など)も出てきてしまう

 ⇒パッと見の印象が悪く、比較にも適さない

  個性を忠実に詳しく表現したいという欲求には耐えうるが、やはりパラメータとして数値化する以上、「比較」という作業ができないのは致命的な欠陥となる。勿論ある程度は実力との比例関係は出てくるが、不公平感はどうしてもでてきてしまう。

 実力表現型

  実際の実力とパラメータの合計数値とを相当な関係に置く事を目的とする。勿論項目ごとに個性を表現することも可能である。

 ○項目が特に重要な要素にコンパクトにまとめられて、見やすい。作業もしやすい。

 ○どのようなタイプの力士にも平等な合計数値が算出される。

 ⇒力士間の比較がしやすい。

 ×制約が多く、相対的な評価になってしまう。

 ×項目が大雑把・抽象的になり、詳細な個性の表現が難しい。

 ⇒評価に差が出ず個性が際立たない。実際の実力とのバランスを重視するあまり、調整を加える必要も出てくる。

  比較という用途に適し、古今東西の力士間の実力を比べられることで、パラメータの精度も高まる。しかし完全に平等な基準にすることは不可能である。項目も曖昧で総合的なもの(攻撃力、守備力など)が並んで、個性の表現の方法が限られる。

 

個性と実力を同時に表現

 両極端なパラメータの付け方を挙げたが、どちらも使えなくはない。目的がはっきりしていれば良いのだ。

 しかし、現行の形式は、個性を自在に表現しつつ、実力の比較対照にも耐えうるシステムを創ることが原点である。そこで、パラメータは上の2つの形式の折衷とでも言うべきものになった。どちらかといえば個性表現を重視しつつも、実力の比較にも留意したという感じである。

現行のデータ形式 

 パラメータは10項目に絞って、パッと見て全体の数値が高いか低いか判る程度にした。”地力”をパラメータ化するというテーマに基づいた結果、この10項目に絞られた。よく言われる「心・技・体」でいうと、パラメータでは「体」が中心を占め、「技」は数を絞り、「心」はほぼ排した。「体」である「重さ」、「力」、「速さ」、「バランス」、「粘り」、「スタミナ」は勝敗の要素としてどんなタイプの力士にも影響するものとして搭載した。「技」は、「技」という項目のほか、「寄」「押」「投」の計4項目とした。数ある技の種類のなかで「寄」「押」「投」だけをパラメータ化したのには異論はあるだろうが、全体的なバランスを考えたうえで、どの力士にもある程度共通して、勝負に強く影響しそうな要素だけに絞った結果である。「心」は粘りとスタミナに少し換算されている程度であるが、これは精神面は地力というテーマからは離れていて、また、詳しく数値化するには適さないと考えたからだ。

 この10項目は、自分でもベストだとは思っていないが、現状ではベターだと判断している。項目間で勝負に関する影響度に差があるし、力士のタイプによって合計値にも差が出る。改良の余地はあると思うが、多少項目を入れ替えたからと言って、実力を正確に表せるようなものはできない。それなら一応現行の方式を固定して、比較しやすいという継続性のメリットを享受しようと考えている。

 実力表現に妥協したため、パラメータで表現しきれなかった個性は、別枠を設けて補っている。「技リスト」では、持ち技を詳細に取り上げた。「スキル」では、特殊能力としてパラメータに収まらない特徴を表現している。18年度版からはスキルの項目を心技体の3種類に分け、技リストも容量を増加した。そして、さらに個性を表現しようと、取り口タイプに関する項目を新たに設けた。

 参考までに、実際の取組で力士に必要と思われる能力・要素を、現行のデータ形式ではどのように表現しているか、表に整理しておく。

 数値化の段階で念頭においている内容なので、データ・パラメータを御覧になる上で参考にしていただきたい。

  影響するパラメータ スキル・技リストによる補正  
馬力 力+重+(速) 出足、速攻など  
腰の重さ 重+粘+(バ) 懐深い、体質柔軟、立ち腰など  
腕力 引き付けなどの技  
粘り強さ 足腰/上体柔軟、二枚腰、淡泊など  
ボディバランス 摺足○、足腰柔軟、バタ足など  
反応 (速) 敏捷、相撲勘など  
スタミナ 尻上がり、息切れ、遅攻など  
スピード 速攻など  
フットワーク 敏捷、引き足、まわりこみなど  
スケール (重) 懐深い、など  
技能 前捌き、差し身、相撲勘など、テクニック系の技  
キレ (技) それぞれの技のレベル  
器用さ (技) それぞれの技のレベル  
精神面   「心」のスキル  
寄り 寄+(重)+力+技 寄り系、「腕返し」などテクニック系の技  
押し 押+(重)+力+技 「おっつけ」など押し系の技、前傾など  
突き 押+(重)+力+技 「突っ張り」など突き系の技、リーチ長など  
投げ 投+力+技 「上手投げ」など投げ系の技、膝払いなど  
吊り 力+技+(粘) 吊り、吊り落し、打っ棄りなど、太鼓腹など  
引き 技+(力)+(速) 引き系の技、変化技○、引き足など  
掛け 掛け系の技、足癖など  
反り 技+粘 反り系の技、柔軟系のスキル  
立合 重+速+技+(バ) 立合技、「突っかけ」などの立合い系スキル  
       

注)「バ」はバランス、「ス」はスタミナという項目。()は少しだけ関係するパラメータ。

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