現役力士データ　30年①上位陣

4横綱時代到来も最後まで揃うことなく5場所で終結。大関陣も顔ぶれが変わった。

基本データ	四股名等の基本的なデータ年齢はその年の誕生日後のもの。取り口：相撲の取り方を独自の分類で表記（⇒相撲解体新書のページ参照）型　　：得意とする形　　得意技：公式のものに近い表記で体格　：身長は1cm刻み、体重は5kg刻みで掲載前後の平均的なもの。体格分類は「解体新書」参照
パラメータ持ち技リスト特性	パラメータ　15～１（0.5刻み）で表示。（上位項目はランクを併記。29年から基準変更）　S(-14.5)A(14-13)B(12.5-11)C(10.5-9.5)D(9-8)E(7.5-6.5)F(6-4.5)G(4-) 体格：スケール感、重量感、懐の深さなど体格面の総合値力　：馬力、腕力、相撲力、小力などパワーに関する総合値足腰：バランス、踏ん張り、柔軟性など総合的な下半身の強さ速　：スプリント力、アジリティ、レスポンスなどスピードに関する総合値技　：相撲勘、前捌きの良さ、技の鋭さ、タイミングなど技能に関する総合値離　：突き、押し、引き技など離れて取った場合の総合的技量組　：寄り、投げ、その他組み合って取った場合の総合的技量それぞれに下位項目を設けているが、それ以外の要素も加味して計上している。吊り、極め、掛け(足技のみ)、足取り、反りは、最も代表的なものをピックアップ。持ち技リストは、数字がレベル（低１＜７高）、英字が頻度（多a>e少）を表す。決め技、崩し技は便宜上分けているが、それほど厳密に分類しているわけではない。（技名の前に左右がついていない場合は、どちらもある、または特に差がない場合。）特性は、心：精神面・癖、ジンクス、その他の特徴など　　　　　技：技量面、技リストで表しづらいテクニックなど　　　　　　体：体格・身体能力面の特徴、ケガなど詳細は、＜データ解説ver2.1＞を参照
サブチャート	■傾向　　●の数が指向の強さを表す。　（相撲ぶりは剛か柔か、型を徹底するか多彩な取り口か、速攻かじっくり理詰めか、　気性・取り口は動か静か、四つに徹すか突き・押しに徹すか、四つの左・右の傾向） ■Ｖ争いの展開（上位陣のみ）/活躍の傾向は、得意・傾向が強い順に、＜ ○、△、×、無印＞で示す。 ■間合い:密（密着した状態。がっぷり胸を合わせた状態）接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。向付、半身など）　　　　　　近（体は接しているが廻しには掛からない距離。押し合い、前さばきの応酬）　　　　　　離（体が離れ、突っ張りに適した距離）　　　　　　遠（遠距離。前掛かりに腕を伸ばして届く距離）　　　　　得意とする順に、☆＞◎＞○＞△＞×で示す。 ■総合値：パラメータの平均値。矢印は前年との比較（0.1以内の増減は「→」）
解説	略歴・前年評価・当年期待(30年1月時点)　/　取り口・パラメータとスキルに関するコメント

白　鵬　最高位:横綱　モンゴル出身　宮城野部屋　33歳
取り口：本格型				型：右差し左上手		得意手：寄り、上手投		192cm/155kg 長身中肉
体格	B12.5	懐	13.0	＜決め技＞左上手投げ6b 左上手出投5c 右四つ寄り6a 小手投げ 4b はたき　 4c モロ手突き2c モロ差寄り3c 掬い投げ4c 掛け投げ3c 呼び戻し2d 櫓投げ　1e	＜崩し技＞張り手　3b 巻き替え 5c 上突っ張り3b 極め　　3d 廻し切り　5c とったり 5c 右腕返し　4c 内掛け　　2e 裾払い　　1e まわし切り5b 内無双　2d	＜立合＞張差し　5a 右カチ上げ5b モロ差し　2d モロ手突き2d 左前褌 3c 左上手　2e いなし　2e とったり　2d 猫だまし1e 頭e肩b胸c 手b変化e	＜心＞安定感短気投げ多用マイペ-スまったじらし初顔○ スタ-ト○ 息切れ	＜技＞前捌きまわりこみ膝払い受身○ 摺足○ 足技外四つ	＜体＞懐深いヒザ柔軟体質柔軟吸収粘り腰○ ケガ○
		重	12.0
力	B12.0	馬力	11.5
		怪力	12.0
足腰	B12.0	安定	11.5
		粘り	12.5
速	B12.0	出足	12.5
		敏捷	11.5
技	B12.5	技巧	12.5
		キレ	12.5
離	C10.5	突	10.5
		押	11.0
		引	11.5
組	A13.0	寄	13.0
		投	13.0
		極	10.5

★略歴　　15歳で入門。16年夏入幕、18年夏新大関で初優勝、19年横綱昇進。無敵を誇った朝青龍から王座を奪い、以来史上最長級の黄金時代を築いた。その間に打ち立てた記録は数知れず。年間最多86勝を2年連続。史上1位タイの7連覇、双葉山に迫る63連勝。優勝回数、勝利数をはじめ、通算記録でも次々歴代1位を塗り替えた。休場することなく綱を張り続け、二桁勝利などの連続記録も更新していたが、27年秋に横綱として初めて休場。以後休むことも増えているが、体調が戻れば、いまだ他を寄せ付けない強さを発揮する。

★前年　　【復活の連覇】5場所賜杯から見放され、その間に横綱昇進した稀勢の里フィーバーで一時は主役交代かとも囁かれたが、夏全勝、名古屋は14勝で圧勝。秋は３年連続の休場となったが、九州は騒動の中でも14勝を挙げて大台40回目の優勝。2回の休場がありながら、年間最多勝も奪回した。通算勝利数でも千代の富士、魁皇を上回って史上1位に立った。

★当年　　【大横綱として】幕内勝利数を一千の大台に乗せるのが当面の目標となる。膝の状態と相談しながらの相撲となるが、他の上位陣とは再び差が開いた感があり、脅威は元気な若手か。自分の相撲に物言いをつけて居座るなど、度々見せる横暴が気がかり。大横綱としての品位を示してほしいところ。

★取り口　　右差し左上手で無敵。王道の右四つの型を持ちながら、器用で技への探求心旺盛。立合い張り手からの肘でのカチあげなど、荒っぽい技が目立つが、鬼に金棒という感じだ。ただ、荒技は勝ちを急いでいるときに出る。雑な張り手、叩きに付け入られることもある。

★パラメータ・スキル　　(12.1→12.1)恵まれた長身、腰は重く、突き押しも柔らかく受けて力を逃がす。一方で出足、反応などのスピード面も最速クラス。意表を突く速攻や、背中を抜けるようなピンチの時に発揮される。左膝は時に不調が襲い、寄りに屈する場面も見られるようになった。

鶴　竜　最高位:横綱　モンゴル出身　井筒部屋　32歳
取り口：技能型				型：両差し/突っ張り		得意手：寄り、はたき		186cm/155kg 均整中肉
体格	D 9.0	懐	9.5	＜決め技＞突っ張り 5a モロ差寄り5b はたき　5a 上手出投げ5c 下手出投げ4c 突き落とし3c 右下手投げ3c 掬い投げ2d 右差し寄り4c 肩透かし　5c 左上手投げ3c	＜崩し技＞巻き替え 5b のどわ　 3b 外掛け　3c たぐり　 3c 吊り　　１d 引き落とし4c 引っ掛け 3d いなし　5b	＜立合＞モロ手突き3b ぶちかまし2b 張差し　3c モロ差し2c 左前褌 3b はたき　3d 頭b肩c胸c 手b変化d	＜心＞引き癖尻上がりポ-カ-フェ-スチャンス○ 晩成型	＜技＞まわりこみ差し身前捌き逆四つ○ 受身○ 変化技○ 俵伝い摺り足○	＜体＞上体柔軟体質柔軟左足首右肩腰痛右足首怪我×
		重	9.0
力	D 9.0	馬力	9.0
		怪力	9.0
足腰	B11.0	安定	11.0
		粘り	11.0
速	B11.5	出足	11.0
		敏捷	12.0
技	B11.5	技巧	12.5
		キレ	11.0
離	B11.0	突	11.0
		押	10.5
		引	12.5
組	B11.5	寄	11.0
		投	12.5
		掛	10.0

★略歴　　18年九州で新入幕、井筒伝統の両差しを武器に技能賞常連となり、突っ張って出る威力もついてきた22年ごろから三役定着。初顔から20連敗の天敵白鵬に24年1月、3月と連勝して大関昇進。なかなか二桁勝利に届かない平凡な成績に甘んじていたが、26年1月、3月と連続14勝。昇進後一度も勝てなかった白鵬を連破して優勝同点と初優勝。ワンチャンスで横綱昇進を勝ち取った。横綱として４年弱、昇進後２回目の優勝は見事だったが、その後調子が戻らない。

★前年　【絶不調】肩、腰などの不調に続き、29年も故障地獄。1月は10日目で5敗という記録的な乱調で肩を痛め途中休場、5月は左足首、7月は右足首を故障して途中休場し、９、11月も全休した。皆勤は春場所の10勝5敗のみに終わった。

★当年　【進退賭けて】師匠が進退をかけることを明言。前途は厳しいが、優勝からわずか1年余り。復活なるか。

★取り口　　組んでよし離れてよしの技能派相撲。右差し左前褌を狙って立ち、右四つか左を巻き替えて両差しで万全。さばきの巧さ、差し身が持ち味で、玄人好みの出し投げもよく決まる。突っ張りからの変わり身の速さも武器で、叩き込みで白星を稼ぐこともあるが、叩きで自分の体が起きたりすると、それほど重さはないので一気に劣勢に追い込まれる。奇手はないが、ここ一番での変化には迷いなし。

★パラメータ・スキル　（11.3→10.6）直近に文句なしの優勝を果たした前年から急落。バランスの良い能力だが、不振時に頼れるものがないのが泣き所。モンゴル相撲の経験はなく、技の数は多くないが、整った型があり美しい。土俵際でまわりこむ動きは一級品。

稀勢の里最高位:横綱　茨城出身　鳴戸部屋　32歳
取り口：前進・堅牢型				型：左差し右上手・突押		得意手：突押,寄り		188cm/175kg 大型中肉
体格	B12.5	懐	11.5	＜決め技＞左四つ寄り5a 突き落とし5b 右上手投げ3c 割り出し 3d がぶり寄り3c モロ手突き3b モロハズ 2b 渡し込み　2d 浴びせ倒し2c 小手投げ 4c 掬い投げ 2d	＜崩し技＞左おっつけ5b 左のどわ 4b 右おっつけ4a まわし切り5c 引きつけ 3b 首投げ 1e 首捻り　 2d 左腕返し　3b 上突っ張り3c ハズ押し　4b 右のどわ 3b	＜立合＞ぶちかまし3c 左差し　3b 体当たり4c 張差し　2c 右おっつけ3b 左おっつけ4c 右突放し3c 右抱込み1d 頭c肩a胸c 手c変化e	＜心＞気迫まった立合× 土俵際初顔○ 強行	＜技＞ワキ甘い挟みつけ波状攻撃左半身	＜体＞腰高足腰柔軟右足首左肩
		重	13.0
力	B12.0	馬力	12.0
		怪力	11.5
足腰	D 9.0	安定	8.5
		粘り	10.5
速	D 8.5	出足	9.0
		敏捷	8.5
技	D 9.0	技巧	8.5
		キレ	9.0
離	B12.0	突	11.0
		押	12.5
		引	10.0
組	B11.0	寄	12.0
		投	8.5
		極	9.0

★略歴　　16年初場所に17歳で幕下優勝して一躍脚光を浴び、その年のうちに入幕。三役は速かったが、その後長らく停滞が続いた。無敵を誇った朝青龍や白鵬を食ったり、ときに大勝ちもするが不安定だった。22年九州では白鵬の連勝を63で止める大金星。翌23年は全場所で関脇を務め、うち4場所二桁の安定感で大関に推挙された。昇進後は安定して二桁勝ち、好成績も収める一方でここ一番で勝てず、取りこぼした場所に限って上位キラーぶりを発揮という調子で賜杯に手が届かなかったが、28年は年間最多勝を記録。翌29年初場所で遂に初優勝を果たすと、待望の日本人横綱誕生となった。

★前年　【好事魔多し】初場所は終始優勝争いをリードし、14日目に初優勝が決定。前場所12勝ながら3横綱を倒しており、年間最多勝の実績も加味され横綱昇進となった。大フィーバーの一方で甘い昇進とも言われたが、春場所はその声を退ける白星街道。ところが13日目に日馬富士に土をつけられた際に左肩を負傷。14日目は全く相撲にならず、千秋楽は1差の照ノ富士との直接対決とあって絶望的かと思われたが、変化などなりふり構わぬ相撲で連続逆転勝利。土壇場の再逆転で新横綱優勝を果たした。しかし代償は大きく、強行出場で足も痛めるなど以後4場所休場。金星も大量に供給してしまった。

★当年　【復活待望】成績からすると普通なら進退が問われる状況。日本中が待ち望んだ横綱がわずか１場所の栄光で燃え尽きてしまうのは惜しすぎる。左肩から胸にかけての筋肉は武器である左おっつけの威力に響くが、それに頼らない取り口で白鵬と凌ぎを削る姿が見たい。

★取り口　　突き押しか左四つの寄りで前に出る相撲。左右のおっつけ、のどわを効かせてそのまま押し出すか、左四つに組み止めての寄り。かつては攻撃一辺倒で詰めが甘いと言われたが、最近は左さえ差せば半身で防戦してから逆襲する守りの相撲も取るようになった。余裕が出て詰めを誤ることは減ったが、時折強引に出て行って両差しを許したり、腰が伸びて防戦一方に陥ることがある。大きな体に似合わず土俵際での柔らかさ、身のこなしで逆転勝ちすることもしばしば。

★パラメータ・スキル　（10.9→10.6）横綱昇進、連続優勝の結果を受けて高い評価をしたかったが、後半故障による不成績で、年間最多勝を奪った前年よりダウン。左肩の筋肉を傷めて武器のおっつけなどの左からの攻めがパワーダウン。粘り、相撲勘も落ちている。

豪栄道最高位:大関　大阪出身　境川部屋　32歳
取り口：スピード型				型：右差し左前褌		得意手：寄り、投げ		183cm/150kg 平均中肉
体格	Ｄ 8.0	懐	7.5	＜決め技＞右四つ寄り4a 右下手投げ5b 両差し寄り4b 上手出投げ4b 掬い投げ 4b 首投げ　　6c 小手投げ 2b 引き落とし5a 下手出投げ3c 右前褌寄り4c はたき　　4b	＜崩し技＞モロハズ 4c おっつけ　3c ひねり 4c 渡し込み 3d 外掛け　 3c 引きつけ 4b 巻き替え 3c 切り返し 3d うっちゃり2e 小褄取り 1e 浴びせ倒し2d	＜立合＞左前褌 4b 右差し 3b 右前褌　3b カチ上げ2c おっつけ2c 張差し　4c モロ手　2d 両差し　2d 頭a肩d胸e 手b変化e	＜心＞気迫スロ-スタ-ト尻上がりツラ相撲引き癖投げ癖詰め× 番付運○ ムラッ気	＜技＞上手相撲逆四つ○ 足跳上げ振り回し膝送り前捌き上下動あてがいもぐり	＜体＞重心低い前傾○ バッタリ左肩右ひざ怪我×
		重	8.5
力	C10.0	馬力	10.0
		怪力	10.0
足腰	D 9.0	安定	8.0
		粘り	10.5
速	B12.0	出足	11.5
		敏捷	12.5
技	B11.0	技巧	10.0
		キレ	12.0
離	C10.5	突	8.5
		押	10.5
		引	11.0
組	C10.5	寄	10.5
		投	12.0
		捻	10.5

★略歴・近況　　強豪埼玉栄高で実績を残し、期待どおり2年半で入幕。19年9月の新入幕でいきなり優勝争いに加わる。三役と平幕を往復していたが、24年5月に3年ぶりの関脇復帰を果たしてから安定、連続関脇在位14場所の記録を作る。その間、たびたび大活躍を見せるが続かず、大関取りまでいかなかったが、1場所置きに12勝、直前２場所連続で白鵬を倒したことが評価され、昇進した。故障の連続で不本意な成績が続き大関を保つのが精一杯だったが、28年9月に突如覚醒し涙の初優勝。しかも全勝で飾った。

★前年　【大魚逸す】28年秋の全勝の翌場所は好調ながら9勝に終わると、29年は再び低迷。1年ぶりの秋は6度目のカド番で初の黒星発進で心配されたが、1敗を堅持して一時は後続に2差。ところが終盤に連敗を喫すると、日馬富士との楽日直接対決で本割・決定戦と惨敗。３差を覆す歴史的な大逆転で、絶好の機会と思われた1年ぶりの優勝は幻に終わった。

★当年　【雪辱V】年齢的にもピークは過ぎたと思われるが、時に優勝を争う力も見せる。九州も9勝とは言え調子はかなり戻っており、今年こそ目前で逃した２度目の賜杯を抱きたい。

★取り口　　浅い上手を取ると十分。強い引付けで体格の不利も感じさせない。出し投げ、捻り、外掛けなどの多彩な技があり、ハズ押しなどの基本技の完成度も高い。相撲センスの塊のような力士だが、その勘のよさゆえに時に危険な勝負手に出る。首投げは代名詞で、幾度も勝負所で大逆転を演じた。どちらの四つでも廻しを取れば強い印象だったが、近年右四つの相撲が目立つようになった。

★パラメータ・スキル解説　　（10.6→10.1）１年前に続いて秋場所から復調したが、二けた勝利は年１回と星は伸びず。組んでも離れても技が出る相撲巧者だが、ワキが空きやすいのと、土俵際の逆転負けが多いのが欠点。懐の深さはないので、胸を合わせないようスピードと反応の速さを武器に先手を取って攻める。主に上手からの芸が多いが、投げは下手からが多い。

髙　安　最高位:大関　茨城出身　田子ノ浦部屋　28歳
取り口：パワー・堅牢型				型：突張り/左差し右上手		得意手：突張り、寄り		187cm/170kg 大型中肉
体格	B12.0	懐	11.0	＜決め技＞上突っ張り4a 左四ツ寄り4b はたき　　4b モロ手突き3b 上手投げ　3c ひねり　　4b 上手出投げ2c 掬い投げ 2c 下手投げ3c 突き落とし5b	＜崩し技＞廻し切り 4c 巻き替え 3c 張り手　 3c 小股掬い2d 左腕返し　2d おっつけ　 3b ハズ押し 2c のどわ　 2c 外掛け　 1d 首投げ　2d	＜立合＞体当たり 5c ぶちかまし3b 左差し　　2c モロ手突き3c 右のどわ　2c 張差し　　3d 右上手　1d 突き落とし1e 頭b肩b胸e 手c変化e	＜心＞引き癖強引ツラ相撲気迫詰め× 連敗癖息切れ取りこぼし	＜技＞ワキ甘い土俵際逆四つ○ 二の矢	＜体＞腰高膝入り左足首吸収
		重	12.5
力	B12.0	馬力	12.5
		怪力	11.5
足腰	D 9.0	安定	8.0
		粘り	9.5
速	D 8.5	出足	9.0
		敏捷	8.0
技	D 9.5	技巧	9.5
		キレ	9.5
離	B11.0	突	11.0
		押	10.5
		引	11.0
組	C10.0	寄	10.0
		投	9.0
		捻	10.0

★略歴　　15歳で入門。22年11月、平成生まれ初の関取昇進を果たすと、勢い止まらず3場所で突破して新入幕。メキメキと力をつけ、25、26年とも金星２、三賞２の実績を残すが、たびたび故障にも見舞われて番付の昇降が激しく、27年までは三役経験はわずか２場所だった。20代後半を迎えて安定感を増し、28年名古屋で1年半ぶりの三役昇進すると連続二桁。好成績を続ける一方で肝心なところでの連敗癖、息切れが目立って一度チャンスをフイにしたが、29年夏に昇進決定。同年初場所に横綱昇進した兄弟子稀勢の里に続き、田子ノ浦部屋に昇進の使者を呼び込んだ。

★前年　　小結に落ちたが大関取り再挑戦を目標に幕を開けた29年は、初場所で白鵬を破って初Ｖの稀勢の里へ援護射撃。2横綱3大関を倒しての11勝で敢闘賞。春場所は新横綱となった稀勢の里と揃って初日から10連勝。3連敗で優勝決定戦には１つ届かなかったが、12勝で殊勲賞。10勝でも基準に乗る好位でスタートした夏、全勝優勝する白鵬には1差対決に敗れたが、13日目日馬富士を叩き込んで11勝。大関当確となった。その後の連敗はいただけないが、3場所34勝の成績を残して文句なく大関昇進を決めた。その後はケガに見舞われて本領発揮とはいかず。

★当年　　秋場所、九州場所と故障休場に追い込まれた膝の具合は気がかり。新大関でも失速したような連敗癖を克服したい。よくある昇進前の元気を失う大関にならないよう、同部屋の横綱と高め合いたいが、その横綱が大ピンチ。

★取り口　　顎のあたりを狙った突っ張りなど力感ある突押を武器にのしあがった。左四つの寄りもあり、右四つでも腰が重く、上手下手の投げに加えて強烈な捻りもある。突き落としや叩き込み、首投げなど、土俵際の逆転技も持ち味。兄弟子稀勢の里とは共通点が多い。立ち合い、カチ上げ気味の体当たりの威力が増して大関昇進につなげたが、やや伸びあがるところもあって腰高の体型を突かれることも見受けられる。

★パラメータ・スキル　（9.8→10.3）怪我が続いているが実力は伸びた。上体は柔らかく、押しづらい体。一方で足腰は弱くはないが硬めで、足が長いためどうしても腰の位置は高くなる。強気の発言も出て度胸はあるが、優勝戦線に残りながら終盤にもったいない連敗を喫する場面が目立った。

（付録）11月場所後に突然の引退となったため、別枠で収録。

日馬富士　最高位:横綱　モンゴル出身　伊勢ヶ濱部屋 34歳
取り口：スピード型				型：右差し左前褌、突押		得意手：喉輪押、上手投		185cm/135kg 軽量筋肉
体格	E 7.5	懐	9.0	＜決め技＞左前褌寄り5b 上手出投げ5b 右四つ寄り3c モロ差寄り4c のどわ　　5b モロ手突き2c 左上手投げ4b 右下手投げ4c 小股　　3c 首投げ　2d 吊り落とし1e	＜崩し技＞張り手　5a 巻き替え 4c 上突っ張り4a 突き放し　3b 足取り　　3d とったり 5c ぶちかまし3c 裾払い　　1e はたき　　2d 小褄取り　1e ひねり　　2e	＜立合＞ぶちかまし5b 右突き放し4c 前褌　　 3c 左上手　4c 左おっつけ2c 張差し　3b 右差し　　3d 出し投げ　3d 　頭b肩d胸e 手c変化d	＜心＞荒技一番相撲◎ 逆境○ ムラッ気尻上がり取りこぼし対小兵○ チョン立ち髷つかみ短気	＜技＞電車道差し身まわりこみ膝払い多彩足癖ずらし足取り連発向こうづけ	＜体＞前傾○ リーチ○ 右膝両ひじ右手首両足首ケガ×
		重	7.0
力	C10.5	馬力	12.0
		怪力	9.0
足腰	C10.5	安定	9.5
		粘り	11.5
速	A13.0	出足	13.0
		敏捷	13.0
技	B12.5	技巧	12.5
		キレ	13.0
離	B11.0	突	11.0
		押	11.0
		引	11.5
組	B11.0	寄	11.0
		投	12.5
		掛	10.5

★略歴　　白鵬と同じ16年入幕。小兵らしい相撲で奮闘していたが、スピードに馬力が伴って20年には三役に定着。九州で決定戦に進み大関昇進。昇進後は単発で優勝を果たす一方、故障がちで不安定な成績だったが、24年名古屋・秋と連続全勝優勝を果たして白鵬の一人横綱時代を打破した。このとき平成で4人目の30連勝超を記録。満身創痍の体で乱調することもあるが、横綱としても５回の優勝を果たし、大鵬次ぐ6位の通算勝利数をマーク。名横綱に数えられる実績を残している。

★前年　【耐えて大逆転Ｖ】肘の不調で調子が上がらない場所が続き、秋場所は3横綱全休で初めての一人横綱の重責を担うも序盤に3連敗。すわ休場かという状況でも休むに休めず踏ん張っていると、一時3差をつけられていた豪栄道の自滅もあり、千秋楽直接対決で逆転。11勝4敗ながら7場所ぶり9回目の賜杯を抱いた。33歳での優勝は千代の富士以来の高齢横綱の優勝だった。ところが賞賛の直後の九州、10月末の貴ノ岩への暴行が明るみに出る。初日から連敗して左腕の怪我を理由に休場したが、場所そっちのけの騒ぎとなり、千秋楽後に責任を取って引退。目標のＶ１０に王手を掛けながら、謎の多い事件で突如去ることになったのは残念だ。

★取り口　　突き刺さるようなと形容される低く鋭い当たりから、突き放すか懐に飛び込んでの速攻が武器。のどわを利かせた突き押しもあるが、肘の調子も悪くて最近は多用せず、右四つか両差しの型に持ち込んで勝つ相撲が増えた。激しい張り手も辞さない気迫、基本は正攻法ながら業師の片鱗を見せる多彩な技が持ち味。小兵と言われるが、リーチもあって両上手を引き付けても攻められる。

★パラメータ・スキル　（11.4→10.9）満身創痍で身体能力は落ちていた。最軽量クラスながら前に出る威力は強烈。組み合っても鋭い攻めで軽さを露呈せず、後退しても逆転の投げがある。どの技も切れ味は抜群。離れてもスピード相撲で本領を発揮するが、若手の押し相撲相手に苦戦し。前に落ちることも。

平成30年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬鶴竜稀勢の里豪栄道高安｜日馬富士
三　役	琴奨菊照ノ富士嘉風玉鷲御嶽海栃煌山栃ノ心
古　参	安美錦豪風松鳳山碧山妙義龍荒鷲勢宝富士魁聖隠岐の海臥牙丸佐田の海德勝龍豊響蒼国来
中　堅	遠藤逸ノ城貴ノ岩千代大龍千代の国英乃海千代丸大砂嵐琴勇輝千代鳳旭秀鵬
新　鋭	正代北勝富士輝大翔丸大栄翔錦木千代翔馬石浦
新入幕	貴景勝千代ノ皇宇良阿武咲豊山朝乃山大奄美

平成30年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬鶴竜稀勢の里豪栄道高安｜日馬富士
三　役	琴奨菊照ノ富士嘉風玉鷲御嶽海栃煌山栃ノ心
古　参	安美錦豪風松鳳山碧山妙義龍荒鷲勢宝富士魁聖隠岐の海臥牙丸佐田の海德勝龍豊響蒼国来
中　堅	遠藤逸ノ城貴ノ岩千代大龍千代の国英乃海千代丸大砂嵐琴勇輝千代鳳旭秀鵬
新　鋭	正代北勝富士輝大翔丸大栄翔錦木千代翔馬石浦
新入幕	貴景勝千代ノ皇宇良阿武咲豊山朝乃山大奄美

剛○●●■●●●柔			型○●●■●●●彩			速○●●■●●○理
動○●●■●●○静			四●●●■●○○押			左○○●■●●●右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	12.1→
◎	△	△	◎	◎	○	△	△

剛○○●■●●●柔			型○●●■●●○彩			速○●●■●●○理
動○●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○●●■●●●右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.6↓
△	◎	○	○	◎	○	○	○

剛○●●■●●○柔			型○●●■●○○彩			速○●●■●○○理
動●●●■●○○静			四○●●■●●○押			左●●●■○○○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.6↓
△	△	△	◎	○	○	△	△

剛○●●■●●○柔			型○●●■●●○彩			速●●●■●○○理
動●●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○●●■●●●右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.1↓
△	△	×	○	◎	○	△	×

剛●●●■●○○柔			型○●●■●○○彩			速○●●■●○○理
動●●●■●○○静			四○●●■●●○押			左●●●■●●○右
活躍型			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	10.3↑
○	○	△	○	○	△	○	△

剛○●●■●○○柔			型○●●■●●●彩			速●●●■●●○理
動●●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○○●■●●○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.9↓
○	◎	△	△	◎	○	○	○