現役力士データ　30年②三役

ベテラン嘉風、玉鷲が定着、大関陥落の琴奨菊も踏ん張る。新星は御嶽海が存在感。

基本データ	四股名等の基本的なデータ年齢はその年の誕生日後のもの。取り口：相撲の取り方を独自の分類で表記（⇒相撲解体新書のページ参照）型　　：得意とする形　　得意技：公式のものに近い表記で体格　：身長は1cm刻み、体重は5kg刻みで掲載前後の平均的なもの。体格分類は「解体新書」参照
パラメータ持ち技リスト特性	パラメータ　15～１（0.5刻み）で表示。（上位項目はランクを併記。今年から基準変更）　S(15-14.5)A(14-13)B(12.5-11)C(10.5-9.5)D(9-8)E(7.5-6.5)F(6-4.5)G(4-) 体格：スケール感、重量感、懐の深さなど体格面の総合値力　：馬力、腕力、相撲力、小力などパワーに関する総合値足腰：バランス、踏ん張り、柔軟性など総合的な下半身の強さ速　：スプリント力、アジリティ、レスポンスなどスピードに関する総合値技　：相撲勘、前捌きの良さ、技の鋭さ、タイミングなど技能に関する総合値離　：突き、押し、引き技など離れて取った場合の総合的技量組　：寄り、投げ、その他組み合って取った場合の総合的技量それぞれに下位項目を設けているが、それ以外の要素も加味して計上している。吊り、極め、掛け(足技のみ)、足取り、反りは、最も代表的なものをピックアップ。持ち技リストは、数字がレベル（低１＜７高）、英字が頻度（多a>e少）を表す。決め技、崩し技は便宜上分けているが、それほど厳密に分類しているわけではない。（技名の前に左右がついていない場合は、どちらもある、または特に差がない場合。）特性は、心：精神面・癖、ジンクス、その他の特徴など　　　　　技：技量面、技リストで表しづらいテクニックなど　　　　　　体：体格・体力面、ケガなど詳細は、＜データ解説ver2.0＞を参照
サブチャート	■傾向　　●が指向の強さを表す。　（持ち味は剛か柔か、型を徹底するか多彩な取り口か、速攻かじっくり理詰めか、　気性・取り口は動か静か、四つに徹すか突き・押しに徹すか、四つは左・右どちらを狙うか） ■Ｖ争いの展開（上位陣のみ）/活躍の傾向は、得意・傾向が強い順に、「 ○、△、×、無印」で示す。 ■間合い:密（密着した状態。がっぷり胸を合わせた状態）接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。向付、半身など）　　　　　　近（体は接しているが廻しには掛からない距離。押し合い、前さばきの応酬）　　　　　　離（体が離れ、突っ張りに適した距離）　　　　　　遠（遠距離。前掛かりに腕を伸ばして届く距離）　　　　　得意とする順に、☆＞◎＞○＞△＞×で示す。 ■総合値：パラメータの平均値。矢印は前年との比較（0.1以内の増減は「→」）
解説	略歴・前年評価・当年期待(29年1月時点)　/　取り口・パラメータとスキルに関するコメント

琴奨菊最高位:大関　福岡出身　佐渡ヶ嶽部屋　34歳
取り口：前進型				型：左四ツ右上手		得意手：寄り		180cm/180kg 重量肉厚
体格	C10.5	懐	9.0	＜決め技＞がぶり寄り6b 右上手投げ3c 右小手投げ3b 左四つ寄り5a 右四つ寄り4c モロ差寄り2d 突っ張り 2b ハズ押し 2b 掬い投げ 2d 突き落とし3c はたき　　3c	＜崩し技＞右おっつけ4c 引きつけ　3a 巻き替え 1d 肩透かし 3d 閂　　　　3d 極め　　 4c 左腕返し　2c 廻し切り　3b のどわ　　2c 渡し込み　2d 波離間投げ1e	＜立合＞左差し　 4a 右おっつけ2b 右抱え込み4b ぶちかまし3d 左前褌　3c 張差し　 1d 体当たり　2c 両差し　　1e 頭c肩a胸c 手e変化e	＜心＞勝負弱い息切れ連敗癖強引	＜技＞右ワキ甘い左堅い受身○ 引張り込み突進相四つ○ 外四つ○ 対変化×	＜体＞重心低い肩幅広いカタフンバッタリ右肩両膝爆弾
		重	12.5
力	B11.0	馬力	11.0
		怪力	10.5
足腰	E 6.5	安定	6.0
		粘り	7.0
速	D 8.0	出足	10.5
		敏捷	6.5
技	D 8.5	技巧	8.0
		キレ	9.0
離	C10.0	突	9.0
		押	11.0
		引	10.0
組	C10.0	寄	11.0
		投	9.5
		極	11.0

★略歴　高校相撲出身。入幕2年目の18年から上位に定着。入幕時から20キロ以上増量、部屋の先輩大関・琴風ばりのガブリ寄りが代名詞になるまで寄りを磨き上げた。23年名古屋では横綱も倒して大関確実と見られながら平幕に連敗して持ち越し、しかし翌場所に大関取りを成功させた。昇進以降は優勝争いに絡むことは少なく、調子を上げてきては故障の繰り返し。特に25年11月には大胸筋を切ってからは右の怪力を発揮できず、カド番が目立つようになった。それでも徐々に鍛え直すと、28年1月に初優勝。10年ぶりの日本出身力士の優勝とあって一躍時の人となった。ところがその後は慢性化した両膝の不調もあり再失速、29年初場所で5年守った大関の座を明け渡した。

★前年　【大関の意地】優勝後の不調は長引き、連続の二桁黒星を喫して初場所で大関陥落。ちょうど1年前の優勝から凋落、この場所で長く大関で競い合った稀勢の里が初優勝して横綱に昇進し明暗が分かれたが、唯一の土をつけて意地を見せた。引退はせず、春場所は復帰を目指して初日から２横綱を破るなど健闘したが、14日目照ノ富士の変化に落ちて無念の6敗目。あと1勝届かなかった。秋場所で平幕に陥落したが、日馬富士から初金星を獲得するなど10勝して三役復帰。総崩れの場所とは言え、前半は優勝候補に挙げられる力を見せた。

★当年 【もう一花】また三役から落ちたが、横綱を食う力はまだある。おなじみの青廻しも新調してやや明るめにし、現役への執念を見せた

★取り口　　上手を引き付けてのがぶり寄りが魅力。重心の低いどっしりした体型で、型にはまれば自慢の出足が横綱をも一気に運ぶ。左四つでの寄りが武器だが、右を引っ張り込む癖がありワキが甘い。右四つ相手には争わず左前褌を狙うことがあるが、その方が形が良いという指摘もある。上がってきた頃はどちらかといえば押し相撲。右おっつけが強くて押し負けず、つっかえ棒を外すような叩きもあった。

★パラメータ・スキル解説　（10.2→9.2）三役で勝ち越すかどうかという実力になってしまったが、相変わらず一発はある。出足に賭けており、土俵際まで追い詰めれば両方抱えるような体勢でも煽って押し切るか、残すところを右突き落とし。ガブリは、上手が取れなくても抱えて腹をぶつけるように持っていく独特の技。

照ノ富士最高位:大関　モンゴル出身　伊勢ヶ濱部屋　27歳
取り口：スケール型				型：右四つ左上手		得意手：寄り、投げ		192cm/185kg 大型肉厚
体格	B12.5	懐	13.0	＜決め技＞右四つ寄り4b 上手投げ　4c 小手投げ　4b 左四つ寄り3b 掬い投げ 2d 下手投げ 2d 突き落とし2d 吊り　　2d はたき　2c 裾払い　1e	＜崩し技＞閂　　　4d 右腕返し　3c 巻き替え　2c 右突き付け3b まわし切り2d 突っ張り　2d 右ハズ　　2c 外掛け　　1d 小股　　　1e 浴びせ倒し2c	＜立合＞左前褌　 3b 右差し　　2c 右おっつけ2d 左差し　2b カチ上げ2d 抱え込み2c 張差し　　3c はたき　　3d 頭d肩b胸c 手d変化d	＜心＞スロ-スタ-ト尻上がり持久戦強引強行	＜技＞左半身ワキ甘い引張り込み逆四つ○ 外四つ○ 呼び込み	＜体＞腰重いスタミナ○ 両ひざ
		重	12.5
力	B11.0	馬力	10.5
		怪力	12.0
足腰	E 6.0	安定	7.0
		粘り	5.5
速	E 7.0	出足	7.5
		敏捷	6.5
技	D 8.5	技巧	8.5
		キレ	8.0
離	D 8.5	突	9.0
		押	8.5
		引	8.5
組	C10.0	寄	10.5
		投	10.0
		極	10.0

★略歴　　鳥取城北高への留学を経て、23年に若三勝の四股名で間垣部屋に入門。部屋の閉鎖に伴い伊勢ケ濱部屋に移籍した。25年9月に改名して新十両優勝。26年3月新入幕。大勝ちは少なく幸運な新三役だったが、その場所で白鵬を破り13勝と覚醒、翌場所は逆転で優勝を飾り、三役在位わずか2場所で大関へ躍進。平成生まれとして初の優勝、大関昇進を果たし、そのスケール感から横綱は時間の問題と見られたが、優勝戦線を引っ張っていた27年秋に膝を故障。執念で決定戦まで持ち込んだものの、以後膝を中心にケガが続き不成績。一時復活の兆しを見せたが、故障禍から抜け出せず29年秋場所で陥落。

★前年　【復活Ｖ逃し陥落】酷い大負けと薄氷のカド番脱出が続いていたが、春場所は1差で全勝稀勢の里を追い上げ、終盤故障した横綱を逆転して迎えた千秋楽。ところが自身も終盤膝の状態が悪化、前日は変化で大関復帰を狙う琴奨菊に引導を渡して大ブーイング、さらに片腕で奮戦する新横綱の前に完全に敵役となり、勝ち急いで逆転技に足がついて来ず連敗。再逆転を許した。この場所の13勝に続き、夏も12勝して膝と折り合いをつけながらの相撲が身についてきたかに思われた。しかし膝の状態は上向かず、名古屋、秋は序盤で負けが込み休場に追い込まれ、無念の陥落となった。

★当年　【回復優先】患って2年になる膝の不調は慢性化。九州も全く相撲にならず休場し、大関復帰ならず。平幕中位から出直し、兄弟子の無念を晴らしたい。

★取り口　　立ち合いは右四つ左上手を狙うが、左右どちらでも組み止めれば巨体を生かせる。左四つだと半身になって長期戦になる傾向がある。足腰も強く巨漢相手でも強引に振り回すスケールが魅力だが、膝の故障が長引いて強引な技は出せず、四つ身でもスキの大きさを突かれて苦しんでいる。

★パラメータ・スキル解説　　（9.5→9.1）両差しを許しても踏ん張って逆転するだけの粘り、重さを持った大型大関と期待されたが、故障で踏ん張れない場面が目立つ。四つ身では意外な巧者ぶりも見せていたが、最近はまたワキの甘さが目立っている。本来のポテンシャルは相当なもので、春夏頃は復調していたが、下半身の状態はまた悪化して続落となった。

嘉　風最高位:関脇　大分出身　尾車部屋　36歳
取り口：突貫・撹乱型				型：突っ張り、左差し		得意手：上突張,引き		175cm/145kg 小兵中肉
体格	F 6.0	懐	5.5	＜決め技＞上突っ張り5a モロ差寄り4c モロハズ　3c 掬い投げ 3c 引き落とし5b 肩透かし 4b 左下手投げ4c 上手出投げ3c 下手出投げ1d うっちゃり　2e	＜崩し技＞張り手　　4b ハズ押し　4b モロ手突き3c はたき　 4b ぶちかまし3b いなし　　4b 小股　　　2d 切り返し　2d 吊り　　　2d 足取り　 2d	＜立合＞ぶちかまし4a 左固め　 3c モロ手突き2d モロ差し　2d いなし　　3d 張差し　 3d もぐり　　3e 　頭b肩c胸e 手c変化d	＜心＞気迫ご当所○ 仕切り速い尻上がり息切れ７－７速攻超晩成型面相撲	＜技＞まわりこみ回転○ 差し身もぐり変化技○ 引き足○ ずらし上下動	＜体＞重心低い足腰柔軟粘り腰
		重	6.5
力	E 7.5	馬力	9.0
		怪力	7.0
足腰	D 9.0	安定	8.5
		粘り	9.0
速	B12.0	出足	12.0
		敏捷	12.0
技	B11.5	技巧	11.5
		キレ	12.0
離	B11.0	突	8.5
		押	11.0
		引	11.0
組	D 8.0	寄	8.0
		投	8.5
		取	8.5

★略歴　　大学でタイトル経験がありながら前相撲からスタート。一気に入幕するが、幕内では体力負けして、たまに下位で大勝するくらいで、番付は安定しなかった。24年半ばからはしばらく上位から姿を消していたが、26年は3度目の敢闘賞を手土産に新三役昇進。最年長初金星も記録するなど、30歳を過ぎてから上位に通用する力をつけ始め、激しい相撲で沸かせる後半戦に欠かせない存在に。金星、新関脇ともに豪風に次ぐ高齢記録。衰えるどころかついには三役に定着するまでになった。

★前年　【三役定着】大勝ちこそなかったが、三役に上がっても毎場所しぶとく勝ち越し。これまで健闘しながら惜しくも負越すこともあったが、克服した。いきなり吊り落としを披露してスタートした初場所は前半中位で負けが込んだが盛り返して勝ち越すと、春は鶴竜から金星、優勝を争う高安も食って三役復帰。夏、初日新横綱稀勢の里に土をつけ、鶴竜も休場に追い込む。２横綱を押し出した取り口を評価され技能賞。名古屋でも初日から日馬富士食い、2大関も倒して9勝。秋は4連敗と出遅れたが、中盤8連勝で勝ち越すと、足取りを決めた動きの良さで4度目の技能賞。九州も白鵬に唯一の土をつけて殊勲が視野に入ったが、翌日の負傷が響いて連敗、年6場所勝ち越しも逃した。

★当年　【最高齢大関？】三役復帰どころか定着した一年。二けた勝利も狙えた。大関を目指すと公言するベテラン、36歳はどんな活躍を見せるか。

★取り口解説　　激しい突っ張り、速攻を得意とする。立合いは頭で当たるが微妙に角度をつけており、脇を固めた方の肩で弾き上げつつ先手を取る。目にも止まらぬ速さで、先手先手で動く。引き技も絶妙の間、流れで足を取ることも。中に入って両差しになると、吊り気味の寄りを見せる。張って潜ってという動きが特徴的だったが、攪乱しなくても一気に攻めるだけの馬力がついて横綱大関とも互角に取る。胸を合わせると苦しいが、差しても止まらず動き続けて攻め勝つことが増えている。

★パラメータ・スキル　(9.1→9.3)スピードや粘りに頼らず、連続技能賞を獲得した無駄のない攻めを見せて成績が安定した。目方も増え、中に入って左差しての寄りにも威力が出てきて、以前ほど突き押し一本ではなくなった。胸が合うと厳しいが、うまく対応する術を心得て苦手の大型力士も攻略。低さゆえに再三張られて目の周辺を傷め、よく青タンを作っているのは痛々しいが、恐れず向かっていく。中盤の大型連勝で星を伸ばす一方、勝ち越してからの連敗も続き、やや面相撲の気が出ている。

玉　鷲最高位:関脇　モンゴル出身　片男波部屋　33歳
取り口：パワー型				型：左押付右筈/喉輪		得意手：突き、押し		190cm/160kg 長身中肉
体格	C10.5	懐	10.5	＜決め技＞右のどわ　5b ハズ押し　4b 右小手投げ4c 左のどわ 3b モロ手突き3c 突き落とし3c 突っ張り 3c 右上手投げ1d 掬い投げ1c はたき　 2d	＜崩し技＞左おっつけ5b 右突き放し4b 右おっつけ3b 極め　　3c 切り返し 1e 吊り　　　1e 足取り　 1e ぶちかまし2c 首捻り　　1e 巻き落とし1e	＜立合＞ぶちかまし3a 右突き放し4c 左おっつけ4c モロ手突き3c モロハズ　2c 左のどわ　1c 頭a肩d胸d 手c変化e	＜心＞ツラ相撲突押徹底速攻超晩成型強行	＜技＞電車道挟みつけ引張り込み	＜体＞前掛かりかいな力腰高上体硬い足腰硬い怪我〇
		重	9.5
力	B12.5	馬力	12.5
		怪力	12.5
足腰	E 7.5	安定	8.0
		粘り	7.5
速	D 8.5	出足	9.0
		敏捷	8.0
技	E 7.5	技巧	7.0
		キレ	8.5
離	B12.0	突	11.5
		押	12.5
		引	8.5
組	E 7.0	寄	7.0
		投	7.5
		極	10.0

★略歴　　19歳と遅い入門、4年で関取に。十両は負け越しなしで突破し20年9月新入幕。地力は評価されていたが番付の上下は激しく、何度か十両落ちも。上位と当たる地位では大負け続きだったが、27年3月に外国勢としては最スローで新三役。翌場所には初金星を挙げて自信をつけ、28年後半からは三役の常連に。30歳を過ぎて遅咲きの花を咲かせている。

★前年　【三役定着】28年九州、小結で10勝・技能賞の実績を挙げ新関脇の初場所。鶴竜を突き出して休場に追い込み、カド番琴奨菊に引導を渡す。千秋楽取りこぼして連続二桁は逃す。春は中盤崩れたが、終盤2横綱を破って挽回し8勝。夏は再び10勝と安定し、すっかり定着した。名古屋、秋と千秋楽に負越して平幕に陥落したが、九州では稀勢の里から金星を奪い11勝で復帰を決めた。これまでを思えば信じられない成績で、大関にもっとも近い地力を発揮した一年だった。

★当年　【安定感】二桁勝利も珍しくなくなり、立派な三役力士として活躍が見込まれる。年齢的にはパワーが落ちてきてもおかしくない。大関へ足踏みする時間はない。上位が不安定な今、若手に先んじて上を狙いたい。

★取り口解説　　頭から当たって右の突き放して出るのが持ち味。左おっつけも強く、これで相手の片腕をロックしておいて、右のハズや喉輪で直線的に押すと残れる相手はいない。押し相撲ながら引き技で決めることは少なく、組まれても腕力を活かして差し手を極めてねじ伏せる力技が得意。

★パラメータ・スキル解説　　(8.7→9.4)大関にも引けを取らない実力を発揮、続伸した。身体は硬そうだがタフさも立派で、秋は序盤に足首を痛めて休場必至かと思われたが、遜色ない相撲を見せた。ムラが大きい力士だったが、安定感も出てきた。

御嶽海最高位:関脇　長野出身　出羽海部屋　26歳
取り口：前進型				型：左差し右押付		得意手：突き,押し,寄り		179cm/150kg 平均中肉
体格	D 8.5	懐	7.0	＜決め技＞突っ張り 3b モロハズ 3c 肩透かし 2c はたき 2c 左四つ寄り2c 両差し寄り3c モロ手突き2d 小手投げ1d 上手出投げ2c 掬い投げ　3c	＜崩し技＞右おっつけ3b 右のどわ　3c 右ハズ　　3c 左突き付け3c 左のどわ　3c 右突き放し2c いなし 3c 外掛け　2 巻き替え2d	＜立合＞モロ差し　2b ぶちかまし2b 右おっつけ1b 左ハズ　2c 右ハズ 2c 左差し　2d 左上手　1e 跳ね上げ2c 頭b肩c胸c 手d変化e	＜心＞安定感上位キラ- つっかけ	＜技＞回転○ 出足早差し身付け込み	＜体＞重心低い丸い体腰高
		重	9.0
力	C 9.5	馬力	10.5
		怪力	8.5
足腰	D 8.5	安定	9.0
		粘り	8.5
速	C10.0	出足	10.5
		敏捷	9.5
技	C 9.5	技巧	9.0
		キレ	9.5
離	C10.5	突	9.5
		押	10.5
		引	9.5
組	D 8.5	寄	9.0
		投	7.0
		捻	6.0

★略歴　　東洋大4年時に２冠を獲得、27年春幕下10枚目格付出資格を得る。出羽海部屋へ入門、久々の大物入門に沸く名門の期待に応えて年内に入幕を果たした。順調に階段を上がり、3年目には三役定着。躍進する若手の中でも筆頭格の実績を残している。

★前年　【ブレイク】九州場所で新三役負け越しも手ごたえをつかんで迎えた初場所。2金星を挙げるなど初日からの横綱大関7連戦を勝ち越し、勢いに乗って11勝をマークし技能賞を得る。夏場所は途中6連敗がありながらまた2横綱を倒して殊勲賞。新関脇の名古屋では、初日稀勢の里、11日目は白鵬にこの場所唯一の土をつけて文句なしの連続殊勲賞。以降も関脇を守り、幕内唯一の年６場所勝ち越しを記録した。年間最多勝争いでも九州場所前半まで首位を走り、堂々の2位。

★当年　【大関へ】まだ三役での二けた勝利はない。取りこぼしを減らせば手に届くはず。着実に実績を積んで上を狙いたい。

★取り口　　ワキを固めて当たり、突っ張るかハズ押しで前に出る。そして中に入ってのハズ押し、両差しの寄りでとどめ。最近は頭で当たるより胸で当たる両差し狙いの立合いから差して攻める相撲が増えて、突っ張りが減った。差すと肘の張りもよく、先にいい形に組んで一気に攻める。ただ、悪い時はやや差し身に偏って立ち合いの威力が減退しがちで、上手を取られて出足が止まることも。大関を目指してどんな相撲を取るのか、取り口の変化に注目される。

★パラメータ・スキル　（8.4→9.3）再三役から定着に成功。身長が低いので相対的に重心は高くないが、腰の位置は高い方。なので四つも取れるが止まっては苦しく、日馬富士に外四つで寄り切られたりもした。気負って調子の上がらない場所もあるが、辛くも勝ち越しを続ける安定感は、さすがアマで実績を残してきた力士らしい。

栃煌山最高位:関脇　高知出身　春日野部屋　3１歳
取り口：前進・技能型				型：モロ差/左押付右筈		得意手：寄り、押し		188cm/150kg 長身筋肉
体格	D 9.0	懐	9.0	＜決め技＞モロ差寄り4b 右差し寄り3a 掬い投げ2d 肩透かし　3c 上手出投げ3c 上手投げ　2d 突き落とし2b モロ手突き2d 引き落とし2d はたき　　2c	＜崩し技＞ハズ押し　4a 左おっつけ4b 右おっつけ3c 首投げ　1e 巻き替え　2d 腕返し　　3b 跳ね上げ 3c のどわ　　3c モロハズ　2c ひねり　　1e	＜立合＞右差し 3b 左おっつけ3b 両差し　 3c 右ハズ　　2d モロハズ　2d 右おっつけ2d 　頭a肩c胸e 手d変化e	＜心＞シンプル大阪○ 対長身× ツラ相撲速攻ムラっ気連敗癖	＜技＞挟みつけ差し身掬い差し突進	＜体＞前傾○ 体質硬い反り身× 右足首右ひざ右肩脱臼
		重	8.5
力	C 9.5	馬力	10.0
		怪力	9.0
足腰	E 6.0	安定	6.0
		粘り	6.0
速	D 9.0	出足	11.0
		敏捷	8.0
技	C10.0	技巧	10.5
		キレ	9.0
離	C 9.5	突	9.0
		押	10.5
		引	9.5
組	C 9.5	寄	10.0
		投	7.0
		捻	6.0

★略歴　　高校相撲で覇を競った豪栄道と同期入門。先んじて関取、入幕を果たして19年春敢闘賞デビュー。上位の壁に苦しんだが22年から通用し始め9月には新関脇で11勝。一気に抜け出す期待もあったが、連敗癖が祟って大負けすることも多く、大関レースでは遅れをとった。24年5月は上位総崩れの中12勝したが、平幕同士の決定戦で旭天鵬に敗れた。25年以降はほぼ三役に定着し、何度となく二桁勝利も挙げているが、好成績は続かず大関候補のまま。

★前年　【大関後退】初場所は3勝12敗と珍しく惨敗。7年ぶりに前頭二桁まで落ちた春は中盤まで優勝争いに顔を出したが最後息切れ。名古屋場所は後半追い上げ12勝したが、どちらも三賞はなし。三役に復帰した秋は負け越し。上位戦では、夏場所での稀勢の里からの金星くらいしか見せ場がなかった。

★当年　【若手の壁】長年三役で活躍してきた実力者。世代交代の風が吹く中だが、名古屋で最後に若い両関脇を撃破したように、壁として存在感を示したい。

★取り口解説　　おっつけ、ハズで押すか、差して寄る速攻相撲。挟みつけるようなおっつけで出る力と、二本のぞかせて出る巧さを持ち合わす。派手さはないが質実剛健な相撲ぶり。めったに引かない力士だったが、押し込んだ相手をさっと引き落とす緩急も見せることも増えた。

★パラメータ・スキル　　（9.5→8.9）出足と力の相撲から、差し身の技能相撲へと次第に変わってきた。長身ながら前傾姿勢での速攻が身上で、胸が合うと懐の深さや腰の重さを発揮する場面は少ない。全盛期からだが、足腰の柔軟さに欠けるのか脆くも転ぶことが目立ち、最近は膝の故障が慢性化して粘りや、馬力は衰えた感がある。その分、相手を捌く巧さは円熟味を増している。時に大勝ちするものの、三役に定着していたころの安定感はない。

栃ノ心最高位:関脇　グルジア出身　春日野部屋　30歳
取り口：本格型				型：右四つ左上手		得意手：寄り,投げ,吊り		191cm/170kg 長身筋肉
体格	B11.5	懐	12.0	＜決め技＞左前褌寄り4b 右四つ寄り4b 吊り　　　 3c 左上手投げ4b はたき　　2b 右下手投げ3c 掬い投げ　2c うっちゃり 2c 小手投げ　2d 波離間投げ1e	＜崩し技＞上突っ張り3a 引き付け 4b 横吊り　 2c 蹴返し　 1d ナタ　　　2d 張り手　　2c 吊り落とし1e 極め　　 3c 内無双　2e 渡し込み　2d	＜立合＞右差し　3b カチ上げ3c 左上手　3c 左前ミツ2d 張差し 2c はたき　1e 　頭d肩b胸c 手d変化d	＜心＞対横綱× 連敗癖強引	＜技＞対押し× 体入替え向う付け外四つ	＜体＞リーチ長懐深い両上腕左ひじ右ひざ
		重	10.5
力	C10.5	馬力	10.0
		怪力	11.0
足腰	E 6.5	安定	7.0
		粘り	6.5
速	E 7.0	出足	7.0
		敏捷	7.5
技	E 7.0	技巧	7.0
		キレ	7.5
離	E 7.0	突	8.0
		押	7.0
		引	7.0
組	C10.5	寄	11.0
		投	9.5
		吊	8.5

★略歴　　21年後半から幕内上位に定着。スケールの大きな正統派として若くして期待されながら、三役では勝ち越せずに伸び悩んでいた25年名古屋、膝に重傷を負う。長期休場を余儀なくされ、幕下55枚目まで番付を下げた。ようやく26年春に復帰すると、幕下・十両を4場所連続優勝。再入幕場所でも敢闘賞の活躍、劇的な復活を果たし、その後新関脇に昇進した。敢闘賞5回、技能賞1回の実績を誇る。

★前年　【関脇昇進】初場所は小結に復帰したが、右ひざを痛めて休場。復調した夏場所は下位ながら12勝したが三賞なし。翌場所は2枚目で稀勢の里から金星も獲って9勝したが三役復帰ならずと不運に泣いて三役は1場所に終わる。上位で活躍する力は健在だったが、安定感を欠いた一年だった。

★当年　【稀勢キラー】昇進前後から対戦成績3連勝中。かつて合口が悪かったが、ケンカ四つの相手に組み勝つことが増えている。一方白鵬には相変わらず勝てず25戦全敗。横綱大関を期待された大器も、もう30歳。まずは三役復帰を狙いたい。

★取り口　　長身で懐が深く、胸を合わせての寄りが強いが、前褌を取って頭をつける寄りもある。上手投げのほか、吊り技を評価され技能賞を獲得したこともあるが、めったに使う技ではない。故障明け、寄りに専念する姿勢が見えたが、やや上体の力に任せた強引さが顔を出している。

★パラメータ・スキル　　(9.1→8.6)初場所早々の膝の怪我で本調子とはいかず、一時は歩くのがやっとの状態で、足腰の項目がダウン。格下相手にも踏ん張り切れない相撲が目立った。秋場所石浦戦では、はずみと思われるが、回り込む相手に波離間投げを決めた。

平成30年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬鶴竜稀勢の里豪栄道高安｜日馬富士
三　役	琴奨菊照ノ富士嘉風玉鷲御嶽海栃煌山栃ノ心
古　参	安美錦豪風松鳳山碧山妙義龍荒鷲勢宝富士魁聖隠岐の海臥牙丸佐田の海德勝龍豊響蒼国来
中　堅	遠藤逸ノ城貴ノ岩千代大龍千代の国英乃海千代丸大砂嵐琴勇輝千代鳳旭秀鵬
新　鋭	正代北勝富士輝大翔丸大栄翔錦木千代翔馬石浦
新入幕	貴景勝千代ノ皇宇良阿武咲豊山朝乃山大奄美

剛●●●■●○○柔			型●●●■●○○彩			速○●●■●○○理
動●●●■●○○静			四●●●■●●○押			左●●●■●●○右
活躍			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	9.2↓
○	○	△	◎	○	○	△	×

剛●●●■●○○柔			型○●●■●○○彩			速○○●■●●○理
動○○●■●●○静			四●●●■●○○押			左○○●■●●○右
活躍			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	9.1↓
△	○	△	◎	○	×	△	△

剛○●●■●●○柔			型○●●■●●○彩			速●●●■●○○理
動●●●■○○○静			四○○●■●●●押			左○●●■●○○右
活躍型			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	9.3↑
○	○	△	×	△	○	◎	△

剛●●●■○○○柔			型●●●■●○○彩			速●●●■●○○理
動○●●■●○○静			四○○●■●●●押			左○○○■●○○右
活躍型			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	9.4↑
○	△	△	×	△	◎	○	△

剛○●●■●○○柔			型○○●■●●○彩			速●●●■●○○理
動●●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○●●■●○○右
活躍型			間合い					総合値
殊勲	大勝	安定	密	接	近	離	遠	9.3↑
○	△	○	×	○	○	○	×