現役力士データ

2009(平成二一年)


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中 堅

上位陣

三 役 ベテラン 中 堅 若 手 十 両 ルーキー

時天空 黒海 普天王 豪風 嘉風 豊真将

 

パラメータ

 取り口のタイプ/得意な間合い(0〜4、字が大きいほど遠距離)/[得意な形]/まわしの色(長さが使用頻度を表す)

(総合的な重さ)、(総合的な力の強さ)、(総合的なスピード)(総合的な技能)、(体のバランスの良さ)

(寄りのレベル)、(押し、突きのレベル)、(投げ技のレベル)(粘り強さ)、(総合的なスタミナ)、A〜G(15段階)

技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。

その他の点は、<データについて>を参照

解説 現況 これから/ 十分な形 攻略法 /その他(まわし・四股名)

 

 

  時天空   小結    モンゴル 時津風   29   187/145
 業師・撹乱型 間合0〜1/3 [右下手・突っ張り]    
D08 D08
内掛け   4c
突っ張り  3a
二枚蹴り  3d
肩透かし  3b
出し投げ 2c
はたき  3b
裾払い   3c
引き落とし3b
足取り   3c
のどわ  2c
ひねり   2d
切り返し  2d
丁斧掛け2d
けたぐり  2c
外掛け   2d
掛け投げ2c
下手投げ2c
腕ひねり1e
<立合>
モロ手突き2b
右差し  2c
張差し  2b
ぶちかまし2d
左上手  2c
はたき  2d 
頭c肩c胸b
手b変化d 
<心>
安定感
慎重
上位キラ-
引き癖
晩成型
 
<技>
手取り
右足癖
多彩
送り技多彩
変化技○
逆四つ○
まわりこみ
対速攻×
<体>
立ち腰
リーチ長
上体柔軟
足腰柔軟
怪我○

        

        

      
D08 D09
D09 D09
C10 D09
D09 D09

   

 

 モンゴル出身だが東農大に進み、入門。そのため年齢は大卒なみだったが実力は抜群、序ノ口から22連勝の快進撃。史上1位タイのスピード出世で16年7月新入幕を果たす。しかし足技に頼る半端相撲が目立って壁に当たり、なかなか幕内では勝ち越せなかったが、突っ張りを覚えて前へ攻める相撲を身につけ、17年9月には技能賞を獲得。この活躍で上位に進出すると、18年も正攻法を磨いて地力を増し、19年は2場所小結を務めるなど完全に上位に定着した。

 ところが、20年はまさかの年6場所すべて負け越し。二桁の負けはないものの、ずるずると番付を下げている。何が原因かわからないが、30歳となる今年、何とか巻き返したい。

 リーチのある突っ張りで機先を制する。そこから一気に押し出すことは多くないが、有利に組み止めて四つ身で攻める。四つは右だが、それほどこだわらず、どちら四つでもそれなりに取る。真骨頂は不利な体勢に組んだとき。懐の深さもあって柔らかく、粘るうちに内掛けやかわず掛け、蹴返しで脅かし、逆転技を決める。

 基本的に離れて取りたい。突っ張りはあるが、前に出られないと威力半減。引き技には注意が必要だが、出足で圧倒できれば怖くない。四つで長引くと厄介なので、余計なことはせず速攻で寄り切りたい。

 紺の締め込みが定着している。雄大な四股名も均整の取れた体躯とよく似合う。

 


 

  黒 海  前頭   グルジア 追手風   28  189/145
   パワー型 間合3〜4 [左右突放し・叩き・左差し右上手]     
D08 D08
モロ手突き3a
のどわ  3b
上突っ張り3b
右上手投げ3c
はたき   3a
張り手   2c
左腕返し  2c
左四つ寄り2d
小手投げ  2c
引き落とし2c
突き落とし2c
左掬い投げ2c
素首落とし2d
首ひねり 2d
引きつけ 2d
外掛け    1e
ひねり   3c
がぶり寄り2d
<立合>
かちあげ  3a
モロ手突き3b
ぶちかまし2c
右上手 2d
張差し 1d
はたき 2d
頭c肩a胸a
手b変化d
<心>
気迫
ムラッ気
強引
まった
引き癖
<技>
ワキ甘い
まわりこみ
引き足○
頭四つ
呼び込み

      
<体>
前掛り
腰高
バタ足 
右肘
左膝
 

      
C11 C10
D09 D08
E07 E07
E07 E07

 

 ヨーロッパ出身力士の先駆け。13年の入門から順調に番付を駆け上がり、16年1月新入幕。幕内の壁も持ち前の馬力で打ち破り、上位に定着。大関陣にもその馬力は通用し、武双山には3戦3勝、11月には上手投げで豪快に転がして最後の対戦相手となる。17年、18年も上位にあり、全盛期の朝青龍から2つの金星。三役にも昇進した。しかし荒々しい相撲の代償か、故障が目立ち始め、19年の後半から低迷。平幕下位に甘んじることが多くなっている。

 20年は春場所で12勝の活躍を見せたが、その勢いも続かず、9月では幕尻で8勝に終わる等幕内の座さえ危うかった。四つ身に進境を見せたりするも、パッとしない状況が続く。旧ソ連圏の関取が次々解雇されたショックもあったか。グルジアの後輩・栃ノ心の成長に刺激を受けて奮起したいところ。

 強烈なかち上げからの突き放しが最大の魅力だが、肘などの悪化で威力が落ちており、左四つの相撲でパワーを生かす方向に転換しつつある。もちろん出足を生かさない手はなく、当たって上突っ張りで威嚇しながら左差し右上手に持ち込む。左右からの投げも強力。体重が減少傾向、重量感がなくなったのは残念。立ち合いで張り差しに行ったり、変わりながら上手を取りに行ったりと最初から四つを狙うこともあるが、やはり激しく当たられるのが怖い。

 かち上げ、張り手と顔面に激しい攻めが入るのでやりづらい相手。だが、これを嫌がると思うつぼ。怯まずにまっすぐに対抗して右を差し勝てば有利。ワキは甘いので右を固めれば両差しも可能。ただ、強引な引き技もレスリング仕込みで力強いので最後まで油断できない。突き押しで応戦するなら、足の運びに難があるのを利用して、足が揃ったところへの引き技も狙い目。

 四股名の通りの黒廻しが多いが、ネズミ色に近い淡い水色もある。弟も司海の四股名で入門していたが、すでに帰国した。お国柄か髭が濃く、ひどいときは顔の下半分が真っ黒に覆われる。一度モミアゲを特徴的な形に剃り上げて来たが、非難多く一日で頓挫。最近はやや遠慮がちに仕上げている。

 


 

  普天王 小結  熊本 出羽海  29  180/155
 疾風型 間合0 [左差し右上手・突っ張り]     
C10 C10
左四つ寄り3b
がぶり寄り3b
突っ張り 3b
右前褌寄り2c
左腕返し  3b
右おっつけ3b
引きつけ 2d
浴びせ倒し2c
右上手投げ2d
張り手  2c
はたき  2c
左下手投げ2d
モロ差寄り1d
掬い投げ 2c
投げ寄り  2d
吊り   2d
ひねり   1d
吊り寄り 2d
<立合>
ぶちかまし3b
モロ手突き2b
張差し 2c
左差し 2c
右上手  2d
かちあげ 1d
頭b肩b胸c
手c変化e 
<心>
ムラッ気
上位キラ-
ツラ相撲
番付運○
調整×
息切れ
東京○
ご当所×
<技>
がっぷり○
ワキ甘い
被さり

        
 

        

 

<体>
腰高
立ち腰
丸い体
粘り腰×
膝硬い
右ひじ
 

      
D09 E07
E07 E07
E07 E07
E07 D09

    

 

 15年1月、幕下15枚目格付出でデビュー。高校時代に全国大会で下した朝青龍はちょうどこの場所横綱昇進。1場所での関取こそ逃したものの、最速タイの2場所で十両昇進。ここからもたつき、16年3月新入幕を果たすが、なかなか勝ち越せず停滞。しかし十両から出直しとなって逆に急成長。17年5月には自己最高位で11勝して敢闘賞、翌場所も連続の二桁、左四つの寄りを評価されて技能賞。三役昇進を果たすと、その初日に朝青龍を真っ向撃破。気の早いファンからは大関候補と騒がれたが、3日目引退危機の千代大海を十分の左四つに組みながら逆転負けしてその後は崩れた。この一番勝っていればと、悔やまれる敗戦。その後、期待に反して平幕上位と中位を往復している。

 9月は攻めの相撲が光り、11勝の活躍。三賞に値する成績だった。しかし11月は今度も上位に通じず。今年は現状打破できるか。

突き押しを交えて前に出る相撲。左四つ、右上手を引いて十分。力士らしい丸いだがやや腰高。怒涛の寄りもかぶさる形になりがちなのはもったいない。腰が据わって腹をぶつけて出る時は迫力十分。突き押しも出せるが腰の重さが生きる四つ相撲が中心。ムラが激しく、過去4年間1度も7勝8敗の負け越しがない。
最近は青い締め込みが多いが、長くあずき色の締め込みを着用していた。東京場所では新三役の17年9月こそ跳ね返されたが、以降9場所負け越し知らず。逆に地方ではいまいちで、名古屋は3年連続負け越し、地元九州は一度も勝ち越していない。

 


 

  豪 風 小結  秋田 尾車 30   171/140
 突貫型 間合2 [左右おっつけ・左差し]     
E06 E06
右おっつけ3a
ハズ押し  2b
モロハズ  3c
左おっつけ2b
右のどわ 2c
内掛け  2c
首投げ  3c
いなし    2c
突き落とし2c
肩透かし 2c
はたき   2c
掬い投げ 2c
小手投げ  2c
ちょん掛け2e
腕捻り   2e
掛け投げ 2c
上手出投げ1d
裾払い    1e
<立合>
ぶちかまし3b
右おっつけ3b
モロハズ  2c
かっぱじき2d
突き落とし2d
 
頭a肩c胸d
手c変化d 
<心>
強引
引き癖
ツラ相撲
地方場所×
晩成型
 
<技>
挟みつけ
速攻
ワキ甘い
足癖
引き足○

      
<体>
重心低い
肩幅広い
 

        

      
D09 C10
C10 D08
E07 D09
E07 D08

   

 

 

 中大時代は学生横綱。制度改定直後の幕下15枚目格付出。1場所通過こそ逃したが、トントン拍子で番付を上げて15年3月新入幕。しかしその場所で足首を負傷し休場。11月に再入幕を果たし、翌年は中位まで番付を上げるも、17年は全休して十両陥落。同年5月、3度目の入幕後は現在まで定着している。

 大勝の少ない力士だったが、20年1月は12勝の活躍で初の三賞受賞。一気に番付を上げ、部屋始まって以来初の三役力士になった。本人にとっても、新入幕から5年を経ての待望の三役昇進だった。この場所は3勝に終わり、跳ね返されてしまうと、逆に負け越しが続いて幕尻近くに落ちたが、何とか十両落ちは免れた。浮き沈みの激しい一年を経験し、30歳になる今年は上位での活躍を見せられるか。

 重心低く肩幅の広い体型を生かして、おっつけで挟みつける押しが持ち味。のど輪を交えて押し上げておいての左右への素早い変化で、捕まえようとする相手を撹乱する。組んでは足技や首投げと思い切った技も披露する。根は左四つ。

 小兵なので捕まえてしまいたいが、棒差しはおっつけの餌食になる。ワキの甘さを突いての両差しを狙うなら、踏み込みで負けないようにしたい。組み止めてからは捨て身の逆転技に注意。大きな相撲を取って持ち味を発揮させないのが理想的な展開。

 豊ノ島など相四つの力士には相性が良い。地方場所での連続負け越しは11月でストップ。久しぶりの2場所連続勝ち越し。

 


 

  嘉 風  前頭   大分 尾車 26  177/130
 撹乱型 間合3 [上突っ張り/モロ差し]    
F05 E07
上突っ張り3a
モロ差寄り2b
モロハズ 3c
張り手   3a
ハズ押し 2b
上手投げ 2d
打っ棄り 2d
小手投げ2c
いなし  2b
引き落とし2c
掬い投げ1d
モロ手突き2c
はたき 2c
下手出投げ1d
右おっつけ2d
突き落とし2c
吊り   1d
のどわ  2c
<立合>
ぶちかまし2b
モロ手突き2c
のどわ  2c
いなし  2d
張差し  2e
 
頭a肩d胸e
手b変化d
<心>
気迫
土俵際
番付運○
 
<技>
まわりこみ
回転○
もぐり
粘り腰

        
 

      
<体>
重心低い
敏捷
足腰柔軟
E07 D09
C11 E07
E07 C10
D09 D08

   

 

 元学生横綱だが、大学3年次での実績はあったが卒業後の入門のため付出資格を満たせず、序ノ口からの出発。当然のスピード出世で1年半で十両。丸2年で入幕は史上2位のスピード。しかしここから苦しみ、2度の十両陥落。その後も平幕下位で毎場所「残留争い」をしている状態だった。

 20年は初めて年6場所幕内の座を守った。特に九州場所の活躍が記憶に新しい。V戦線に千秋楽まで食い込んで最後まで興味を引き付けた功績は大きく、初めての三賞となる敢闘賞。初の上位挑戦に期待が集まる。

 小兵だが真っ向から突っ込んで、回転の良い突っ張りで撹乱する。張り手交じりの激しい突き押し相撲はスピード感があっておもしろい。左で張って懐に飛び込んでのはず押し、もろ差し速攻のパターンが体に染みついている。初場所、初挑戦の朝青龍にこの攻めを繰り出して両差しに成功、全勝の横綱をあわや、という所まで追いつめた。足腰が良く、小兵に似合わぬ吊りや、うっちゃりも得意とする。

 突っ張りや左右への動きは厄介。なるべく早く捕まえて軽量の弱点を突きたい。

 豪風同様、師匠の大関琴風から一字を取っている。赤い鮮やかな締め込みで目立つ。最近の急成長で人気も上昇。

 

  豊真将  前頭       山口 錣山 28  186/150
 正攻法型 間合1〜2 [左前褌右ハズ・左右おっつけ]     
D08 D08
左前褌寄り3a
右おっつけ3a
上手出投げ2d
モロハズ 3c
突き落とし3b
左上手投げ2d
左おっつけ2c
ハズ押し 3c
突き落とし2d
外掛け  1e
モロ差寄り2d
掬い投げ1d
肩透かし 1d
引っ掛け 1c
巻き替え 1c
廻し切り 1d
下手投げ 1d
引き落とし2d
<立合>
ぶちかまし2a
左前褌 2b
右おっつけ2d
モロハズ2d
いなし   2c
 
頭a肩d胸e
手d変化e 
<心>
晩成型
ムラッ気
連敗癖
シンプル
所作○
人気
番付運×
 
<技>

受身○

挟みつけ

速攻

上体硬い

<体>
前傾○
筋肉質
調整×
右膝
左手首

        

        

      
D08 D08
E07 E07
E07 D09
C10 D09

  

 紆余曲折を経て入門した遅咲きの日本人ホープ。相撲から離れていたにも関わらず、入門から2年ほどで入幕を果たす。入幕4場所目の18年11月は、朝青龍に他の役力士が置いていかれる中、終盤まで優勝争いに残り12勝、敢闘技能のダブル受賞。一気に上位に進出した翌場所も負け越したものの健闘し、さらに続く19年3月では11勝4敗の好成績(技能賞)。短期間で2度の大活躍、一躍人気力士の仲間入りを果たす。そのまま三役へ躍進していくかと期待されたが、番付運も悪くなかなか昇進できず、停滞している。

 20年は散々な一年。病気で極度の不振に陥り、下位からの出直しを余儀なくされた。3場所連続9勝して上位に戻るも、今度は左手首を手術して全休。翌場所も復調ならず負け越し。21年は幕尻からのスタート。回復具合にもよるが、大勝しても不思議ではない番付だが、まずは体調を整えた上で上位復帰を願う。

しっかりした足の構えでどっしりと出足を受け止め、前傾姿勢を崩さずにおっつけて出る。左は前ミツを引いて得意な右おっつけ、ハズ押しで攻める。安定した下半身が生み出す守りは申し分ないが、出足で前へ攻める勢いに欠け、勝ち身が遅いというのが課題とされる。ただ、最近は体調不調で肝心の守りも崩れて苦戦している。

ある程度までは押し込めるものの、強いときは攻めても低く宛がわれて押し切れない。じれて引き技は最悪で、つけ込まれて速攻を受けることになる。左を差してがっぷりになる等して、前傾の姿勢を崩すことができれば攻略しやすくなる。

 5枚目11勝、筆頭8勝でも見送られて未だ三役経験がないという番付運のなさ。しかし今回は何とか幕尻に踏み止まった。藤色のレアな色のまわしが特徴。色黒で見事に鍛え上げられた太ももの筋肉は、まるで馬のよう。土俵上での所作の美しさには定評。鉄人寺尾が育てた関取第一号ということでも注目される。

 

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