現役力士データ

2009(平成二一年)


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中 堅

上位陣

三 役 ベテラン 中 堅 若 手 十 両 ルーキー

豪栄道 豊響 栃煌山 鶴竜

 

パラメータ

 取り口のタイプ/得意な間合い(0〜4、字が大きいほど遠距離)/[得意な形]/まわしの色(長さが使用頻度を表す)

(総合的な重さ)、(総合的な力の強さ)、(総合的なスピード)(総合的な技能)、(体のバランスの良さ)

(寄りのレベル)、(押し、突きのレベル)、(投げ技のレベル)(粘り強さ)、(総合的なスタミナ)、A〜G(15段階)

技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。

その他の点は、<データについて>を参照

解説 現況 これから/ 十分な形 攻略法 /その他(まわし・四股名など)

 


 

  豪栄道  前頭  大阪 境川   23   183/145
 正攻法・技能型 間合1 [右四つ左上手・左四つ右上手・両前廻し]     
E07 D09
右四つ寄り3a
右前褌寄り3b
上手出投げ3a
引き付け3b
下手投げ2d
切り返し 3c
拝み寄り2c
下手投げ2b
はたき  3b
小股掬い2c
下手出投げ2c
吊り寄り   3c
上手ひねり2d
渡し込み1c
外掛け 2d
小褄取り 1e
おっつけ 2c
首投げ  2d
<立合>
右前褌 2b
右差し   1d
左前褌   2c
カチ上げ 2d
張り差し 2d
 
頭a肩c胸e
手b変化e
<心>
気迫
初日×
対上位×
息切れ
<技>
上手相撲
逆四つ○
足跳上げ
振り回し
膝送り
<体>
重心低い
前傾○
左ひじ

      
10 E07
D09 C10
C10 C10
D09 D09

   

 

 幕下から十両では少しもたつきライバルに遅れを取ったが、新入幕を果たした19年秋で大活躍。一時は単独トップに立つなど終盤まで優勝争いに残り、横綱とも対戦した。翌場所も勝ち越して上位進出へ。初場所は5勝止まり、その後中位で足踏みしたが、秋場所一年ぶりに敢闘賞の活躍。小結に昇進した。

 新三役では序盤に肘を痛める不利があって地位を守れなかったが実力の高さを示した。白鵬とがっぷり四つに渡り合いながら、逆に寄り立てて、横綱の踵が俵を踏み越し蛇の目に着いたのでは、との物言いで協議に持ち込まれた。惜しくも殊勲の星は逃したが、白鵬と右四つで真っ向戦える力と技を持つことを証明。今年は三役定着を果たしたい。

 浅い廻しを引きつけての四つ相撲が魅力。左右、上手下手にこだわらず、いい位置の廻しを引いて食いつけば絶対に顎を上げず、出し投げや切り返しなどのテクニックも駆使して攻め立てる。前哨戦での叩き・引き技のタイミングも心得ていて、大関を狙う安馬を2場所続けてこの手で嵌めた。昨年は前半戦好調に飛ばして目立つが、終盤に星を落とすことが多かったが、この辺りの改善が求められる。また、上位戦での勝率が悪かったが、期待の若手ほどなかなか上に勝てない傾向がある。

 上手を欲しがる傾向があるので、うまくすれば両差しが狙える。片方深く差せば、強引な首投げや引き技を出すので、付け込む余地あり。また、まともな立ち合いが多いので、もろ手で突き起こす策も有効。起こしてしまえば前傾姿勢を取ろうとする意識が強いので、引き落としが決まりやすい。あまり対策を考えず、それぞれ自分の相撲を取れば、案外相手に合わせてくれるところがある。

 貴乃花のような紺色の締め込みと、千代の富士のような黒の締め込み。大横綱を例に挙げたくなる程の素質の高さ。稀勢の里ほどではないが気迫が前面に出る不敵な面構えも特徴だ。四股名は自身の豪太郎から「豪」、出身校の埼玉栄から「栄」、高校の監督の名と相撲道から「道」。

 


 

  豊 響  前頭  山口 境川   25   184/175
 技能・撹乱型 間合3 [突っ張り・左おっつけ右のどわ]     
C10 E06
右のどわ 4a
突っ張り 3b
ハズ押し 3a
左おっつけ2c
がぶり寄り2d
はたき 1b
小手投げ2d
上手出投げ1d
ぶちかまし2b
引き落とし2c
左四つ寄り1d
下手出投げ1d
モロ手突き2c
カチ上げ 2d
突き落とし2d
<立合>
ぶちかまし3a
モロ手突き2b
カチ上げ  2d
右のどわ 3c
       
        
頭a肩c胸e
手b変化e
<心>
ツラ相撲
シンプル
突押徹底
名古屋○
助走
 
<技>
出足
ワキ甘い
呼び込み

      
<体>
ケガ○
C10 C10
E07 E06
E06 E06
E06 D09

   

 

 フリーター経験を持つ変わった経歴。21歳と入門は遅く、高校横綱として鳴り物入りで入った豪栄道とは同部屋同期。注目度は違ったが、十両昇進では先んじた。19年7月には新入幕を果たし、いきなり11勝の活躍で敢闘賞。立派な体格で堂々の相撲。翌場所から4場所連続負け越しと停滞していたが、一年後の7月は再び敢闘賞獲得。11月は自己最高位で上位陣への挑戦が楽しみだったが、網膜はく離のため無念の全休。

 昨年後半からは馬力が戻っていたが、思わぬ足止め。頭から当たる相撲だけに、怖い病気に見舞われた。治療しながらの土俵になるが、無理せずに地力を蓄える一年にしたい。

 のどわの威力が秀逸。これを生かした突き押しが強烈で、前へ前へ相手を追いかける。それも立合いのぶちかましあってこそ。意外に器用な出し投げも持つ。

 出足をしのぐと突進力が鈍る。その後の引き、叩きがまともなので、付け入って中に入ると腰の重さはあまりない。

 猛牛のニックネームも浸透。闘魂の赤まわしがトレードマークだったが、初場所から銀ねずの渋い色に。豊は出身地の豊浦と母の名から、響は出身校から取った。立合いのズシンという当たりは、まさに豊かに響いている。

 

 

  栃煌山  前頭  春日野 高知   22  189/150
 前進型 間合2 [右差し/ハズ・左おっつけ]      
E07 D09
モロ差寄り3b
右差し寄り2a
左おっつけ3b
ハズ押し 3a
のどわ  2c
右おっつけ2d
モロハズ 2d
上手投げ 2c
突き落とし2b
引き落とし2c
掬い投げ1d
モロ手突き1d
首投げ 2d
巻き替え 2d
突っ張り 1d
上手出投げ1d
跳ね上げ  2c
肩透かし 1d
<立合>
ぶちかまし2b
右差し   2d
左おっつけ2c
両差し 1e
 
 
頭a肩c胸e
手b変化e
<心>
一番相撲○
ライバル意識
シンプル
大阪○
<技>
挟み付け
 

      
<体>
上体硬い
左肘
D09 D08
D08 E06
E07 D08
E07 D09

   

 

 17年春初土俵組。高校時代から豪栄道とはライバル。序ノ口でもいきなり顔が合って敗れるなど、幕下までは後塵を拝したが、十両には先着。ここも3場所で突破すると、19年3月の新入幕では11勝して敢闘賞の活躍。同期入門の豊響、豪栄道も新入幕でそれぞれ11勝するという奇縁。激しいライバル意識の賜物だろう。前頭4枚目まで番付を上げて臨んだ翌場所も初土俵以来初めての負け越しとはいえ健闘したが、続く名古屋で肘を痛めて途中休場。その影響でしばらく低迷していたが、入幕1年目の20年3月は再び11勝で技能賞の活躍。新入幕一年後の復活三賞は、2場所後豊響も獲得している。

 昨年も三賞の後はパッとせず、本格的な上位進出は果たせなかった。ライバル豪栄道は新三役も務めており、現状は先行を許している。相撲内容では負けていないだけに、体が出来てくれば安定した成績を望めそう。

 あくまで真っ向から前へ攻める正攻法の相撲。決まり手の大半を寄り切り、押し出しが占め、叩き込みや引き落としがない希少な力士。右差し左おっつけを基本とするが、左はおっつけてから前ミツ、または覗かせて両差しで出る。幕内に入ってからは、体重でやや劣ることが多いためか、両差しを狙うことが多い。長身だけに、今後四つ相撲でいくなら150キロはほしい。

 積極的に攻めて来るので、まずは立ち合いの当たりで対抗。右を差すと形を作られるので、左を固めておきたい。ただし、右相四つなら受けて立って先に上手を引いてしまえば、がっぷりでの技能はそれほどないから有利に運べる。モロになられるのも嫌だが、それ以上におっつけをまともにもらって挟みつけられるのが怖い。

 紫の締め込みがメインだが、青い締め込みもある。師匠栃乃和歌のような銀色も似合いそうだが。かつて春日野部屋には栃王山という力士もいたが、読みが違う。

 

  鶴 竜  前頭   モンゴル 井筒  24  185/135
 技能・撹乱型 間合1/3 [突っ張り・モロ差し]     
E07 E07
突っ張り 3a
モロ差寄り3b
右下手出投3c
突き落とし2c
右下手投げ2c
はたき 2b
引っ掛け2d
上手投げ2c
のどわ 2b
外掛け  2d
左四つ寄り1d
吊り    1d
上手ひねり2d
左前褌寄り1c
いなし  3c
うっちゃり 1e
肩透かし 2c
巻き替え 2d
<立合>
モロ手突き2b
ぶちかまし2b
右差し   1d
張差し   1d
左前褌  2d
いなし  2d
頭a肩c胸e
手b変化e
<心>
番付運○
引き癖
尻上がり
ポ-カ-フェイス
<技>
まわりこみ
逆四つ○
受身○
俵伝い
 
<体>
左足首
上体柔軟
D08 D08
C10 D08
D08 C10
C10 D09

   

 16歳で来日、たたき上げのモンゴル人力士は、順調に出世して4年でに関取に。まだ19歳だった。一度幕下に陥落したものの、1年後には新入幕。いきなり8枚目だったが、勝ち越して以後中位に定着。19年11月は2枚目に進出して三役を狙ったが、跳ね返された。しかしこの経験が糧になったか、翌場所は見違えるような攻めを見せて11勝、技能賞を得た。これを機に20年は大ブレイク、と行きたかったが、その後は大きな進化なく、上位定着ならず。

 11月には土俵下へ落ちる際に、踵が土俵の角に引っ掛かって靱帯を損傷する不運。21年は休場明けからの出発。

 押し相撲がベースとなり、相手によって突っ張りも差して中に入ることもできる。均整の取れた体格で、スピードも申し分ないが、器用すぎる面もあっていなし等変化技で勝つことが多い。四つは右、右下手からの技には切れ味がある。

 体は大きくはないが、柔らかく受け身が強い上、変わり身も速い。離れると面倒なので、がっちり捕まえて動きを封じたいところ。出足で上回って主導権を握れれば。

 下の名の「力三郎」は、井筒部屋ゆかりの「源氏山力三郎」から。

 

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