現役力士データ

2009(平成二一年)


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ルーキー

上位陣

三 役 ベテラン 中 堅 若 手 十 両 ルーキー

栃ノ心 千代白鵬 将司 光龍 清瀬海 木村山

琴春日 白馬 境澤 北太樹 阿覧

 

パラメータ

 取り口のタイプ/得意な間合い(0〜4、字が大きいほど遠距離)/[得意な形]/まわしの色(長さが使用頻度を表す)

(総合的な重さ)、(総合的な力の強さ)、(総合的なスピード)(総合的な技能)、(体のバランスの良さ)

(寄りのレベル)、(押し、突きのレベル)、(投げ技のレベル)(粘り強さ)、(総合的なスタミナ)、A〜G(15段階)

技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。

その他の点は、<データについて>を参照

解説 現況 これから/ 十分な形 攻略法 /その他(まわし・四股名)

 

 

  栃ノ心   前頭   グルジア 春日野   22   192/155
 正攻法・スケール型 間合0〜1 [右差し左前ミツ]    
D08 D08
左前褌寄り3a
上突っ張り3a
右腕返し3d
左上手投げ2b
はたき  3b
引き落とし3b
うっちゃり  3c
もろ手突き2d
のどわ  2c
張り手  2c
巻き替え 2d
ハズ押し2d
モロ差寄り2d
けたぐり  2c
外四つ寄り2d
肩透かし2c
おっつけ1d
吊り  2e
<立合>
モロ手突き2c
左前ミツ2c
右差し  2c
張差し  2c
かち上げ2c
左上手  2c 
頭b肩c胸c
手c変化d 
<心>
 
 
<技>
対速攻×
対押し×
<体>
リーチ長
懐深い
足腰柔軟
怪我○

        

        

      
D09 E06
D08 D08
E06 D09
D09 D09

   

 

 グルジア出身。母国でも相撲経験があり、世界大会で実績を残す。18年に入門、あっという間に番付を駆け上がると、20年1月には新十両で優勝、2場所で通過して5月新入幕を果たす。新入幕では初めての負け越しも経験したものの、九州では上位にも進出。

 さすがにここでは通用せず、3勝12敗に終わった。番付を大きく下げて再出発となるが、均整のとれた長身、土俵態度や性格なども評判が良く、今年大きく伸びそうな若手の一人。

 リーチのある突っ張りで機先を制する。そこから一気に押し出すことは多くないが、有利に組み止めて四つ身で攻める。四つは右だが、それほどこだわらず、どちら四つでもそれなりに取る。真骨頂は不利な体勢に組んだとき。懐の深さもあって柔らかく、粘るうちに内掛けやかわず掛け、蹴返しで脅かし、逆転技を決める。

 基本的には離れて取りたい。突っ張りはあるが、前に出られないと威力半減。引き技には注意が必要だが、出足で圧倒できれば怖くない。四つで長引くと厄介なので、余計なことはせず速攻で寄り切りたい。

 明るい青の締め込み。若々しい印象。栃煌山と共に新時代の春日野部屋を盛り上げる。

 


 

 

  千代白鵬   前頭   熊本 九重   26   178/135
 スピード型 間合2〜3 [突っ張り・左差し右おっつけ]    
E06 E07
突っ張り 3a
ハズ押し  2a
右おっつけ2c
左差し寄り2b
はたき  3b
引き落とし3b
掛け投げ 2d
下手投げ2d
のどわ  2c
突き落とし3c
張り手  2c
肩透かし2d
上手出投げ1d
両差し寄り2d
モロ手突き2d
たぐり  2d
すそ払い1e
小股掬い1e 
<立合>
ぶちかまし3b
モロ手突き2c
かち上げ2d
おっつけ 2d
張差し    2d
いなし  2e
頭b肩c胸c
手c変化c
<心>
気迫
番付運○
土俵際
横攻め
じらし
 
 
 
<技>

引き足○

 

<体>
重心低い
怪我×
左ひざ

        

        

        

      
E07 D08
C10 D08
E07 D09
D08 D08

   

 

 18歳で幕下に躍進し、九重部屋ファンからは早くから期待されてきたが、幕下で長く停滞。同世代の高卒組にも追い越され、17年1月に幕下優勝してようやく十両昇進した。とろろが、新十両で途中休場するなどなかなか定着できなかった。19年には3度目の昇進、同期でやはり十両に定着できなかった若麒麟の活躍も刺激となり、一度幕内直前で跳ね返されたが十両優勝を果たして11枚目から一気に新入幕。着実とは言えない歩みでつかんだ幕内の座だったが、7月11月は勝ち越して地位を守っている。今年も番付を上げていけるだろうか。
 重心の低さを生かした押し相撲。鋭い当たりから、前後左右への動きの良さが目立つ。組んでも取れるのも特長で、出し投げを打ちながら横から攻めて体格の不利を補う。柔道経験もあるためか、足を飛ばすこともあるし、十両時代には豪快な掛け投げも披露している。前へ出る力もついてきたことで、幕内への躍進につながった。立合いも相手のペースで立たせない駆け引き上手。怪我が多いのが残念。

 中距離で持ち味を発揮するタイプなので、がっちり組み止めて動きを封じるか、直線的に馬力で圧倒するか。しぶとさを発揮させない取り口が有効。

 明るい青の締め込み。九重部屋は三段目昇進記念に四股名をもらうので、入門1年目の平成11年には千代白鵬を名乗っていたが、のちに入門してきた白鵬に追い抜かれて完全に本家を奪われた形。幕下時代、相手の廻しが外れて反則で勝つという世紀のハプニングに遭遇、紙面を賑わす。土俵態度はややふてぶてしく、やけに前髪を気にする仕草もおなじみ。初場所から朝青龍の露払いを務める。

 


 

  将 司  前頭    青森 入間川   25   183/140
 スピード型 間合2〜3 [左のど輪右おっつけ]    
E07 E07
上突っ張り3a
左のどわ 2a
右おっつけ3c
下手出投げ2c
はたき  2b
突き落とし2b
上手投げ 2c
内掛け  2d
かわず掛け2e
左差し寄り2c
張り手  1d
掬い投げ 2d
渡し込み 1d
両差し寄り2d
モロ手突き2d
足取り   1e
切り返し 1e
小手投げ 2c
<立合>
モロ手突き2c
かち上げ2c
ぶちかまし2c
のどわ 2c
       
        
 
頭b肩c胸c
手c変化d 
<心>
気迫
強引
 
 
 
 
<技>

速攻

足癖

 

 

<体>
腰高
前掛り
足腰硬い
怪我×
右膝爆弾

      
D08 D08
D09 E07
E07 D08
E07 E07

   

 

 高卒で入門。2年半ほどで十両昇進を果たしたが、その後故障が多く、停滞していた。20年に入って同世代の活躍にも刺激を受けて躍進。5月、3枚目で9勝を挙げて新入幕を決めた。入門したての頃からすでに妻子持ちだったが、場所前幼い息子が死亡する不幸に見舞われた。それでも土俵では気落ちした様子も見せず念願の幕内昇進を決めた。子供の名を取って「将司昂親」と改めた新入幕場所では、気迫あふれる相撲で10勝をマークした。こんな泣かせるエピソードがありながら三賞見送りとは選考委員会も残酷というか、機能していないというか。その後2場所は負け越して番付は幕尻近く。21年はまず幕内定着を目指す年になる。
 色々な技を繰り出す速攻相撲。立合いのスピードがあるが、やや腰が高い状態から頭を下げて突っ込んでいくため、やや危なっかしい印象である。組んでも投げあり、足技ありと粘り強い。若いが故障持ちで、取り口も怪我しやすそうでハラハラする。

 出足、スピードを止めてしまえば持ち味が半減する。相手より低い姿勢を保ち、引き技を誘ってみるのも策。

 あずき色の締め込み。

 


 

  光 龍  前頭    モンゴル 花籠   25   186/155
 突押型 間合2〜3 [突っ張り]   
D08 E07
突っ張り  3a
のどわ   2a
右おっつけ2c
はたき    2b
引き落とし2b
突き落とし2b
上手投げ 2c
ひねり  1d
もろ手突き2b
上手出投げ2c
張り手  1d
いなし  2b
左四つ寄り1c
巻き替え 1d
小手投げ 2d
ハズ押し 1d
 
<立合>
モロ手突き2c
かち上げ2c
ぶちかまし2c
のどわ 2c
       
        
 
頭b肩c胸d
手b化d 
<心>
エレベ-タ
<技>

 

 

<体>
 
 

      
E07 D08
E07 E06
E06 E07
E07 E07

   

 

 19年に新生花籠部屋初の関取となり、20年には新入幕を果たす。関取になるまで苦労した分地力はあり、十両では圧倒的な実力を発揮するが、幕ではまだ勝ち越せない。幕内の水に慣れていないという印象だ。当面の目標は幕内定着である。
 突き押しが中心。体力があるので前へ出る力があるし、四つになっても不利はない。いなしが多いが、前へ出る意識を持ちたい。

 大きな体で突っ張りを繰り出してくるので、主導権を奪われやすい。立合い当たり負けさえしなければ一気に持っていかれることはないので、まずは踏み込んで勢いを止めたい。突っ張りは跳ね上げて反撃の機会を待ち、引き技につけ込むのが有効。

 

 


 

  清瀬海  前頭    愛知 木瀬   25   184/180
 押し相撲型 間合3 [上突っ張り・左差し右上手]    
C11 E07
上突っ張り3a
はたき  3a
突き落とし3b
左四つ寄り2c
小手投げ2b
引き落とし2b
上手投げ 2c
モロ手突き2d
おっつけ 2c
引っ掛け 2c
張り手  1d
上手出投げ2d
腕ひねり 1d
いなし   3c
肩透かし 2d
のどわ  2c
左腕返し  2c
<立合>
モロ手突き2c
かち上げ2c
張り差し 2c
ぶちかまし2c
はたき  3c
とったり  2e
頭c肩c胸c
手c変化e
<心>
引き癖
ポ-カ-フェイス
 
<技>

変化技○

呼び込み

 

 

<体>
腰高
足腰硬い
体質硬い
立ち腰
ユルフン
右膝

      
D08 D08
E07 E07
E07 E06
E06 E06

   

 

 アマ2冠の実績を引っ提げて幕下10枚目付け出しデビュー。いきなり幕下上位の熾烈な競争の中へ飛び込んだが、負け越し知らず。しかし大勝できず、極度の番付運の悪さで十両昇進には4場所要した。本名の「市原」のままで迎えた新十両の場所では、鬱憤を晴らすような活躍で13勝2敗。大学の先輩で1年前に序ノ口から出世し番付を駆け上がっていた境澤との決定戦には敗れたが、今までのもたつきが嘘のように、大輝煌以来17年ぶりの十両1場所通過を果たした。期待された新入幕場所は何とか勝ち越し、独特のキャラクターで幕内の一角を占めるかと思われたが、翌場所膝を故障して休場。その後、回復が遅れて十両の地位を守るのが精一杯の状況である。

 四股名も改めて21年は心機一転、膝が回復すれば勢いを取り戻すだろう。

 重量級の押し相撲だが、出足早に前へ出るタイプではなく、体を起こしたままの突っ張りから引き技を決めるのが持ち味。決まり手における引き技の割合はかなり多い。もちろん押す力あってこそだが、引き技は天才的なものがあり、体に似合わず変化も見せる。

 出足、スピードを止めてしまえば持ち味が半減する。相手より低い姿勢を保ち、引き技を誘ってみるのも策。

 ふてぶてしい土俵態度が逆に人気。黒い廻しも古参っぽい外観に一役買っている。新たな四股名は、怪我に泣いたことから「清める」という字を入れた。「瀬」は木瀬部屋からだろうか。

 

  木村山  前頭    和歌山 春日野   28   183/165
 押し相撲型 間合3 [上突っ張り・右ハズ押し]    
D09 E06
上突っ張り3a
右ハズ押し3a
引き落とし3b
突き落とし2c
右のどわ 2b
おっつけ 2b
いなし  3c
モロ手突き2d
はたき  3b
掬い投げ1d
小手投げ1d
掛け投げ1e
 
 
<立合>
ぶちかまし2b
右のどわ  2b
右突き放し2c
突き落とし2c
いなし  2b
左おっつけ2b
頭b肩c胸c
手c変化c
<心>
引き癖
 
 
<技>

変化技○

まわりこみ

 

 

<体>
重心低い

      
D08 D08
D08 F05
E07 E07
E07 E07

   

 

 16年、東洋大から入門。前相撲から取り、20年1月に十両へ上がった苦労人だが、3月に優勝、翌場所も11勝であっさり入幕を果たした。

 幕内でもまずまず通用していたが、3場所ともあと一歩で勝ち越しならず。21年は十両から出直し。

 どっしりした体格。立ち合いぶちかましは威力があるが、出足相撲ではなく、突っ張りからのいなしで崩しながら攻める。立合いも左へ動くことが多い。突き押しを磨けば、得意の叩きもさらに決まりやすいだろう。

 立合いは低く重い体で当たられるので対抗して行きたいが、かなりの確率で左に動き気味に立ってくるので要警戒。よく見ながら当たり、当たり負けたら何とか片方は差して組み止めたい。四つではあまり技はない。 

 この四股名もインパクトあり。単に木村では、行司とややこしい、という理由で暫定的につけられたものかと思いきや、そのまま幕内でも名乗っている。同じような経緯だろうか、戦後7人が名乗った四股名で、最近では武蔵川部屋の天保山の前名である。しかしさすがに「山本山」のインパクトには劣る。

 

  琴春日  前頭    福岡 佐渡ヶ嶽  31   183/140
 技能型 間合1〜2 [左差し右おっつけ]     
E07 E07
ハズ押し2a
左四つ寄り2a
左掬い投げ2b
いなし  3c
突っ張り 2b
おっつけ 2b
はたき  2c
上手投げ2c
肩透かし3c
突き落とし1d
引き落とし2d
下手投げ2d
小手投げ2d
下手出投げ1d
引っ掛け 2d
吊り    1e
左腕返し 2c
モロ差寄り2c
<立合>
左差し  2b
右のどわ  2b
右突き放し2c
ぶちかまし2c
いなし  2b
右おっつけ2d
頭b肩c胸c
手c変化c
<心>
超晩成型
円熟
 
 
<技>

まわりこみ

前捌き

詰め×

 

<体>
体質柔軟
左ひじ
 

      
E07 E07
E07 E07
D09 E07
E07 E07

   

 

 平成5年入門のたたき上げ。16年、地元九州でようやく新十両となった遅咲きの力士。その後も定着できずにいたが、幕下中位に後退した18年の後半から連続して勝ち越しを続け、20年5月には新入幕を果たした。

 幕内では4勝どまり、翌場所も途中休場するなど一時の勢いは止まったが、十両幕下を往復していた頃とは明らかに地力が違い、堂々の相撲を展開している。すでにベテランと呼ばれる年齢だが、もう一度幕内へ上がれるか。

 おっつけやハズで押しながら左を差し、いなしや肩透かしを交える技能的な相撲。ベテランらしく、前捌きのうまさが光るが、相手が崩れた所を突く押しもタイミングが良いので豪快に決まる。

 馬力のある方ではないので、当たり勝って先手を取りたい。懐に入って廻しを引き付ければ技を出させずに決められるだろう。 

 琴ノ山のしこ名でデビュー。11年の途中から現在の琴春日に改めた。出身地が由来。一年後輩の琴国も史上2位のスロー新十両昇進を果たしたが、負けていられない。

 

  白 馬  前頭    モンゴル 陸奥  26   183/115
 業師型 間合1 [左差し右前ミツ]    
F05 E06
右前褌寄り2b
上手出投げ2c
上手投げ3b
下手投げ3b
外掛け 2c
吊り   2d
引き落とし2c
はたき  2c
切り返し 2d
突っ張り  2c
掛け投げ2d
突き落とし2c
ひねり  2c
とったり 2c
うっちゃり2d
ちょん掛け1e
外小股 1e
小褄取り 2d
<立合>
モロ手突き2b
右前ミツ 2b
右上手2c
モロ差し2c
張り差し 2d
はたき  2b
頭d肩c胸c
手b変化d
<心>
ツラ相撲
調整×
慎重
 
 
<技>

まわりこみ

手取り

 

 

<体>
粘り腰
怪我×
右ひじ
 

      
E07 E06
D09 D08
D09 D09
D08 E07

   

 

 平成12年の入門。100`前後と軽量で出世は早くはなかったが、18年に入って力をつけ始め幕下上位定着、11月には幕下優勝で丸7年での十両昇進を決めた。膝を痛めるなど故障がちだったが、本場所では成績を残すタイプで難なく十両定着。

 20年3月は3枚目で8勝ながら、幸運な新入幕を果たす。しかし初日から5連敗するなど地力不足を露呈し陥落。すると以後連続して負け越して十両最下位の14枚目まで番付を下げてしまった。躍進から一転、幕下陥落の危機で迎えた21年だったが、優勝同点の11勝、ようやく下げ止まったか。

 上背があるが軽量なので、基本的には前ミツ取って食い下がる相撲。長い手足の生きる突っ張りも繰り出す。足腰が強く、吊り・うっちゃりもあるほか、さまざまな小技も利く。

 食いつくとうるさい相手。離れて一気に勝負をつけるか、がっちり捕まえて自由を奪う相撲で応じたい。 

 数少なくなった小兵。ムラが激しい傾向がある。

 

   境 澤  前頭  埼玉   尾上  26   189/160
 業師型 間合1〜2 [右差し左おっつけ]    
D09 E07
右差し寄り2b
小手投げ3c
右下手投げ3b
掬い投げ3b
掛け投げ 2d
おっつけ 2b
腕ひねり 2d
上手出投げ2c
腕ひねり 2d
肩透かし 2c
下手出投げ2d
外掛け  1d
ひねり  1d
ハズ押し2c
はたき  2c
後ろもたれ1e
突き落とし2c
跳ね上げ 3c
<立合>
右差し 2b
右上手 2c
抱え込み2c
張り差し 2d
はたき  2b
 
頭d肩c胸c
手b変化d
<心>
慎重
強行
<技>

まわりこみ

引っ張り込み

右半身

 

 

<体>
懐深い
体質柔軟
受け身○
両膝
 

      
E07 E07
E06 D08
E07 D08
E07 E07

 

 平成18年、日大卒で入門。実力者ながら厳しい付け出し基準はクリアできず、前相撲から初土俵。当然のように序ノ口優勝デビューを果たすと、その後本割では無傷の19連勝するなど負け越し知らずで19年7月新十両。途中休場もあって2場所負け越しで勢いが止まったかに思われたが、11月は大学の後輩で幕下付出の市原(現・清瀬海)との決定戦を制し十両優勝。翌場所も勝ち越して、20年3月、後輩に1場所遅れの入幕を果たした。ところが、晴れの新入幕の場所7日目、立合いに垣添の張り手とぶちかましの合わせ技をまともに顎に受けて卒倒。両方の膝の靱帯を負傷した。奇しくも同じ場所、市原も土俵上で膝に重傷を負って休場しており、学生相撲から一気に番付を駆け上がっていた二人が立て続けに病院送りとなった。

 その後故障が回復せず不振、あっという間に幕下に陥落したが、何とか年内に十両復帰。今年は立て直しを図り、幕内復帰をあせらずに地力を蓄えたい。

 柔軟な体が最大の特徴。よく湊富士を彷彿とさせると評される。突き押しを吸収し、左を差すと粘っこい。下がりながらも粘り、小手投げが逆転技として決まる。

 故障でやや粘りを欠いているが、柔らかくて下がりながらの技がうまい相手。突っ張りを跳ね上げるのがうまく、押し込まれながらも形を作るし逆転技もあるので、安易な速攻は禁物。

 故障がち。色白でやわらかそうな体に見えるが、変な形でも残れるせいか、足のけがが多い。本名で取っている。

 

   北太樹  前頭  埼玉   北の湖  27   185/140
 押し相撲型 間合1〜2 [左差し右上手・右おっつけ]    
E07 E07
左差し寄り3b
右おっつけ2c
左下手投げ2b
掬い投げ 2b
突き落とし2d
はたき  2b
上手投げ 2c
上手出投げ2c
突っ張り 3c
うっちゃり 3c
下手出投げ2d
外掛け  3c
内掛け  1e
小手投げ 1d
引き落とし 2c
三所攻め 1e
小手投げ 2d
極め    1d
<立合>
左差し  2b
もろ手突き2c
かちあげ 2c
ぶちかまし2d
はたき  2b
 
頭d肩c胸c
手b変化d
<心>
土俵際
<技>

まわりこみ

速攻

 

 

 

<体>
粘り腰
怪我×
引き足×
両膝
 

      
D08 D08
D08 D08
E07 D09
E07 E07

 

 平成10年初土俵。線が細いこともあって出世は遅かったが、体が大きくなるにしたがって番付を上げていき、近年急速に力をつけた。19年7月には新十両。20年は入幕を狙う年になった。5月は筆頭で惜しくも負け越すが、翌場所11勝と大勝ちして入幕。膝など故障が多くて苦しんでいるが、それでも番付は上昇、気力で取っている感がある。新入幕場所も足を引きずりながら健闘していたが、2場所目は苦戦を強いられて2勝13敗。十両から出直しとなった。

 膝が回復しないのか、十両中位に落ちた新年の場所も負け越し。巻き返しなるか。

 押し相撲だが、左四つの形でも力を発揮。大きなサポーターで踏ん張れなさそうに見えるが、土俵際のうっちゃりを得意とする。

 故障でやや粘りを欠いているが、柔らかくて下がりながらの技がうまい相手。突っ張りを跳ね上げるのがうまく、押し込まれながらも形を作るし逆転技もあるので、安易な速攻は禁物。

 度重なる故障で痛々しい。気迫は見ていてたくましい。大から太へと四股名変更してから上昇し始めた。

   阿 覧  前頭  ロシア   間垣  26   189/145
 パワー型 間合2 [上突っ張り/右差し左上手]    
D08 E07
上突っ張り3a
張り手  4a
左上手出投3b
はたき  3a
モロ手突き2c
左前褌寄り2b
左おっつけ2d
いなし  2c
たぐり 2d
極め   2c
下手投げ2d
引き落とし2c
上手投げ2c
突き落とし1d
 
<立合>
張り手 2b
かち上げ2c
左上手 2c
モロ手突き2c
張り差し 2d
はたき  2b
頭d肩b胸b
手b変化c
<心>
強引
引き癖
 
<技>

まわりこみ

ワキ甘い

前掛り

呼び込み

 

 

<体>
両ひじ
 

      
C11 D09
D09 D09
E06 E07
D08 E07

 

 鳴り物入りで入門。19年1月の初土俵からトントン拍子に出世。20年7月には関取に。十両でも優勝するなど2場所で通過。負け越し知らずで一気に幕内まで駆け上がった。部屋の不祥事やロシア人関取3人が次々解雇されるショックにもめげずに奮闘。

 新入幕場所は勝ち越したが、21年1月は初めての負け越し。幕内上位の実力者に粗い相撲が通じなかった。それでもあふれる馬力で立ち直り、7月は三役を狙う位置に。

 上突っ張り、叩きという荒っぽい突き押し相撲だが、右四つの形でも力を発揮。足を止めての突き押しから、左の褌を引くと出し投げを駆使して攻める。

 重量はそれほどない。前進してくる相手でもないので、張り手に怯まずがまん強く対応していけば、懐に入り込むのは難しくない。強烈な叩きは要注意。

 両肘のサポーターが外れない。強引な突っ張りで悪化させないか心配。
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