現役力士データ

2011(平成二三年)


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中 堅

上位陣

三 役 ベテラン 中 堅 若 手 十 両 ルーキー

豊真将 豊ノ島 嘉風 猛虎浪 白馬 北太樹

将司 光龍 木村山 玉飛鳥 翔天狼 若荒雄

 

パラメータ

技リスト

スキルリスト

四股名 自己最高位 出身地 所属部屋 年齢(同年12月31日時点) 身長/体重

取り口のタイプ/[得意な形]/まわしの色(長さが使用頻度を表す)

(総合的な重さ)、(総合的な力の強さ)、(総合的なスピード)(総合的な技能)、(体のバランスの良さ)

(寄りのレベル)、(突き・押しのレベル)、(投げ技のレベル)(粘り強さ)、(総合的なスタミナ)、以上A〜G(15段階)

技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。

(技名の前に左右がついていない場合は、どちらからでもできるか、どちらも差はない場合。)

その他の点は、<データについて>を参照

サブチャート 間合い:密(密着した状態。がっぷり)、接(廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。食い下がり、半身など)

 近(体は接しているが廻しには掛からない距離。おっつけ、ハズなど前捌きの応酬が見られる)、離(離れて突っ張りに適した距離。)、

 遠(遠距離。リーチを生かした突きがあれば一方的に攻められる間合)

その他各パターン・傾向の得意不得意、傾向の強さ。☆>◎>○>△>×

安定・大勝・キラーは主に上位陣以外が対象で、成績の残し方を示す。○か無印か×で傾向を示す。(上位陣も一応表示する)

解説 現況 / 得意技など /注目ポイント

 


  豊真将  前頭      山口 錣山 30   186/150
  正攻法・堅牢型  [左前褌右ハズ・左右おっつけ]     
D09 D08
左前褌寄り3a
右おっつけ3a
上手出投げ2c
モロハズ 3c
突き落とし3b
上手投げ 2d
左おっつけ2c
右ハズ押し3c
突き落とし2d
外掛け  1e
モロ差寄り2d
掬い投げ1d
肩透かし 1d
引っ掛け 1c
巻き替え 1c
廻し切り 1d
下手出投げ1d
引き落とし2d
<立合>
左前褌  2b
右おっつけ2c
右ハズ  3b
左おっつけ2c
モロハズ2d
いなし   2d 
頭a肩d胸e
手d変化e 
<心>
晩成型
ムラッ気
ツラ相撲
所作○
人気
番付運×
地方場所○
<技>

受身○

挟みつけ

前捌き

 

<体>
前傾○
筋肉質
上体硬い
調整×
右膝
左手首
D09 D09
D08 E07
D08 D09
C10 D09

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
×    
 22年も波のある一年となった。悲願の三役昇進を狙った夏場所は故障で7連敗のまま休場。一転十両陥落のピンチとなった名古屋は初日から10連勝して4度目の敢闘賞。再度三役に挑戦も、2場所続けて惜しくも1点負け越し。準御当所の九州では序盤、大関を目指す栃煌山に快勝、琴欧洲・把瑠都の巨漢大関も真っ向勝負で下して期待されたが、終盤取りこぼした。それでも上位陣に通用する地力を身につけて、ようやく上位定着の目処が立った。
 頭で当たって前傾姿勢をキープ。左はおっつけから前ミツを引いて右おっつけ、ハズで攻める。安定した下半身が生み出す守りは申し分ないが、勝ち身が遅いのが課題と言われ続けたが、速攻も様になってきた。長身だけに中に入ると相手も持て余す。逆転の投げ、突き落としも武器。

 相手の攻めを受けるのが持ち味のはずだが、簡単に吊り上げられたりと体格以上の軽さが目立った。足腰はしっかりしているが、上体は少し硬くて起こされると苦しい。前傾が命。

「三役」 敢闘賞4回、技能賞2回の実績がありながら、いまだ三役に縁がない。19年の5月に前場所5枚目11勝で東筆頭に止められると、3場所後は西筆頭で勝越しながら東に回るだけ。以後も2枚目以内に来ると何故か大崩れや故障休場の憂き目にあっている。早くも30歳、23年こそは昇進したい。

  豊 ノ 島    関脇    高知 時津風   28   171/140
  技能・押し相撲型  [モロ差し・左差し右おっつけ/喉輪]       
E07 E07
左下手投げ4b
モロ差寄り3b
内掛け   3d
肩透かし  4b
外掛け  3c
掬い投げ  4b
ハズ押し  3b
吊り寄り   2c
巻き替え  4b
切り返し  2d
上手出投げ3c
渡し込み  2d
まわし切り2c
かわず掛け2e
足取り  1d
下手出投げ2d
のどわ  2c
首投げ  2d
<立合>
モロ差し3b
かちあげ2b
左差し 4b
張差し  1d
右差し 2d
のどわ 2e
頭c肩a胸b
手c変化d 
<心>
対小兵×
強行
土俵際
上位キラ-
安定感
<技>

足癖

差し身

頭四つ

粘り腰

足跳上げ

まわりこみ

腹相撲

左半身

<体>
立ち腰
体質柔軟
重心低い
反身○
アゴ上り
右膝
左ひじ
右肩
D08 D09
D09 B12
B12 C11
D09 D09

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
×  
 左肘の怪我で休場のあった21年は故障がちで平幕に低迷、九州の11勝でやっと復活、22年1月も勝ち越して関脇に復帰した。ところが150キロ近くにまで増えた体重が邪魔になったかまた不振、さらに謹慎休場で十両に落とされた。体重も10キロ程落ちたと言うが文字通りショック療法が効いたか、十両では14勝1敗で汚名返上。さらに翌場所も14勝1敗。動きの切れも目立った。優勝を争う把瑠都、魁皇も退けて決定戦に進出した。白鵬には敵わなかったが、3度目の敢闘賞・技能賞を獲得した。20年には三役で二桁勝ったこともある実力者、この勢いで大関を狙いたい。
 左下手からの投げ、内掛け外掛けが必殺。立合いはワキを窄めて肩で当たる左差し狙い、または両腕クロスでモロ差し狙い。いずれにしても小兵なのに頭を下げて低くは当たらない。上手を取られても慌てず、差し身の良さでモロになって有利に運ぶ天性の技能派。巻き替えるところを狙って出てきた相手に肩透かしを引くパターンも、変わり身の速さで綺麗に決まる。一気に出るタイプではないが、機を見てハズにかけて押し相撲に切り替えての速攻もある。

 柔らかさが持ち味。相手の攻めを巧く逃がして、左を差せば攻め手が多い。ガップリでも反身でもしぶとく残せる。ヒザや肘、肩に相次いで故障を抱えたが、回復しているようだ。メンタルが強く、下位に落ちてもスキなく大勝ち、上位戦でも大暴れ。十両戦績は58勝17敗優勝2回と圧倒的。

「第二検査の星」 高校相撲での実績は十分ながら、173センチに届かない短躯の豊ノ島、体力テストをパスすれば入門できる第二検査制度で救われた。以前なら入門できなかった力士が関脇になり、優勝にあと一歩まで迫ったことは後進の励みになる。

 

   嘉 風  前頭   大分 尾車 28    177/140
   突貫・撹乱型  [上突っ張り/モロ差し/左下手]       
E06 E07
上突っ張り3a
モロ差寄り2b
モロハズ 3c
張り手   3a
ハズ押し 3b
上手投げ 2d
打っ棄り 2d
小手投げ2c
いなし  2b
引き落とし2c
掬い投げ1d
モロ手突き2c
はたき 2c
下手出投げ1d
右おっつけ2d
突き落とし2c
吊り   2d
のどわ  2c
<立合>
ぶちかまし2b
モロ手突き2c
モロ差し 2c
のどわ  2c
いなし  2d
張差し  2e
頭b肩d胸e
手b変化d
<心>
気迫
土俵際
番付運○
ご当所○
ムラっ気
 
<技>
まわりこみ
回転○
もぐり
粘り腰

        
 

      
<体>
重心低い
敏捷
足腰柔軟
E07 D09
B12 E07
D08 C10
D09 D08

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× ×    

 小兵ながら大学時代から実力者として鳴らした。入門直前年のタイトルがなく序ノ口からスタートとなったが、やはり地力が違い9場所で関取、12場所で幕内に昇進した。2度陥落するなど下位で地味な成績に留まっていたが、たまに大活躍を見せて敢闘賞2回。初の上位挑戦では初日に新大関日馬富士に土をつけ、朝青龍をあと一歩まで追い込むなど上位に嫌がられる存在に。白鵬にもヒヤリとさせる場面を作っている。22年も相変わらず中位で停滞していたが、9月は同部屋の豪風とともに快進撃で11勝。地元九州でも上位と当てられながら初めて5枚目以内で勝越し。上位定着、尾車部屋2人目の新三役誕生と行きたい。

 小兵だが真っ向から突っ込んで、回転の良い突っ張りで撹乱する。張り手交じりの激しい突き押し相撲はスピード感があっておもしろい。潜るような独特の動きを絡めて懐に飛び込んでのはず押し、もろ差し速攻もあり。小兵に似合わぬ吊りや、うっちゃりも得意とする。

 スピードは幕内でも一段飛び抜け体重も徐々に増えている。低い重心でバネのある体をフルに活かす。コンスタントに力を発揮出来れば成績も安定するはずだが。

「出足」 懐に飛び込むだけでなく、一気に押しこむ力もある。白鵬をも土俵際まで追い込んだ。

 

 猛虎浪  前頭  モンゴル 立浪   27   187/150
  本格型 [右四つ左上手・上突っ張り]       
D08 D09
左上手投げ3a
右四つ寄り2b
上突っ張り2b
下手投げ  3c
のどわ  2b
右腕返し 3b
いなし  3c
下手出投げ2c
上手出投げ2c
ひねり  2c
裾取り  1e
引き落とし2c
波離間投げ2c
小手投げ2c
吊り寄り 2d
徳利投げ1e
外掛け 2d
小股掬い1e
<立合>
モロ手突き2c
張差し  2c
カチ上げ  2c
前褌    2c
はたき  2d
突き落とし2d
頭c肩b胸b
手b変化d 
<心>
番付運○
投げ多用
連敗癖
<技>
土俵際
ヒザ払い
手取り
つき手
逆四つ○
 
<体>
懐深い
リーチ長
バタ足
D08 E07
E07 D09
D08 E07
D09 D08

間合い

速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
     
 出世には時間がかかったが、21年7月に新入幕、大崩れすることなく定着している。春場所からは3場所連続で勝ち越して自己最高位を6枚目まで更新。年齢的にも若くないので、幕内の水にも慣れた23年は上位進出を果たしたいところだったが、八百長認定されて引退となる。立浪部屋復興はまた遠のいた。
 長身で白鵬にも似た体形。リーチの活きる突っ張りからの四ツ相撲。四ツは右が得意だが、左でも難なく取る。懐の深さがあり、真っ向組み止めての四つ身でも強い。目方も増えてどっしりしてきたが、長身ぞろいの上位でがっぷりはスケール負けする。テクニックも駆使しながら攻めたい。突っ張りを磨いて躍進したが、幕内に定着した22年は押し出しや突き出しなどの決まり手が全くなかった。

 バランスの良い能力。離れても四ツでも取れるが、どれか特出したところが欲しい。投げ技が豊富で、モンゴル人らしく足を払うテクニックも出す。

「立合い」 四ツ相撲だが突っ張りもある万能タイプだけに、立合いの戦略も豊富。頭で当たりながら右差し左前褌を狙う形がメインだが、一度おっつけてから廻しを狙ったり、突き放して起こしてから組んだり。左差しに出ることもある。変化もたまにある。

 

   白 馬  小結  陸奥   28   186/125
    業師・撹乱型  [右下手食下り・左差し右上手]      
F05 E07
モロ差寄り2c
上手出投げ3b
上手投げ 3b
右下手投げ3c
はたき    2b
とったり   3b
前褌寄り 2c
切り返し 2c
外掛け    2c
首投げ  2d
掬い投げ 2c
吊り   2c
渡し込み2d
掛け投げ1d
外小股  1e
うっちゃり 2d
小褄取り 2d
一本背負い1e
<立合>
右上手  2c
張り上手 2c
左前褌   2c
とったり  3c
カチ上げ  2d
はたき  2c
頭c肩c胸c
手c変化b
<心>
スロ-スタ-タ
横攻め
息切れ
調整×
連敗癖
晩成型
番付運○
東京場所○
<技>
まわりこみ
食下り
手取り
俵伝い
ヒザ払い
打合い○
変化技○
逆四ツ○
<体>
上体柔軟
敏捷
右ひざ
E06 E06
C11 D09
C10 D09
D09 E07

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× ×    
 晩成の業師型モンゴル人力士。20年5月にラッキーな新入幕を果たすが、地力は不足とヒザ不調で全く通用せず。体重も120キロに乗って22年初場所で2度目の入幕。変幻自在の取り口で番付を駆け上がり、5月には5枚目の地位でも前半2敗で折り返し、大関の日馬富士、琴欧洲も破って10勝。三賞こそ何故か逃したが、翌場所一気に小結に上り詰めた。ここでは跳ね返されたが初の横綱戦も経験、翌場所も琴欧洲を寄り切って勝ち越すなど幕内で存在感を発揮していたが..
 軽量を活かした素早い動きで食いつき、多彩な技を繰り出す。おり、右上手を狙うことが多いが、左四つ得意というよりは右の廻しを軸にして取る力士で、右下手からの技もある。立合いの変化が多いが、思い切りが良いので有効。

 序盤、終盤の連敗が目立つ。右ひざのケガは動きには影響ないが爆弾になっており相当重いようである。晩成の力士。入幕までの所要場所数は戦闘竜に継ぐ50場所で外国人力士2位のスロー記録だった。

「まわりこみ」 軽量ながら活躍しているのは、左右への動きが良いことが一つの要因。横にまわりながら、張り手を見せたり腕をたぐったりするので、その後の攻めにつながる。

 


   北太樹  前頭  東京 八角    28   185/140
     パワー・疾風型  [左差し右上手/おっつけ]       
E07 D09
右のどわ 2b
左四つ寄り3b
右おっつけ3b
上手投げ  3c
はたき    2d
極め    2c
外掛け  3c
打っ棄り 3c
下手投げ 2c
突き落とし2c
掬い投げ 2c
小手投げ 2c
出し投げ 1d
閂    2d
突っ張り 2c
もろ手突き2c
いなし  2c
三所攻め1e
<立合>
モロ手突き2b
カチ上げ 2c
左差し  2c
右おっつけ2c
右のどわ 2b
はたき   1d
頭c肩b胸d
手b変化d 
<心>
強行
ツラ相撲
晩成型 
<技>
速攻
右甘い
土俵際

      
<体>
足腰硬い
粘り腰
左ひざ
ケガ×
D09 D09
D09 D08
E07 D09
E07 E07

間合い

速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× × ×  
 1年ぶり2度目の入幕となった22年は上位に進出。春場所二桁勝って夏場所は前頭4枚目に躍進、惜しくも7勝に終わったが琴光喜から銀星。名古屋では結びの一番も経験、白鵬44連勝目の相手となった。九州では自己最高位の3枚目。役力士の壁に苦しんでいるが、下位の力士には安定して勝つ力をつけており上位に定着しようとしている。三役を狙う。
 基本は突き押し。のどわを効かせて前に出る速攻相撲。最近は四つが多く、左右のおっつけで出ながら上手を探る。特に左四つの寄りを得意とする。力は強いが圧倒するほどではなく、体格的にもがっぷり四ツでは優位には立てないが、攻めながら形を作る速攻で活躍。

 ケガを抱えても休場しないところが凄い。闘志が伝わってくるタイプの力士。力強く豪快に極めて出る力もある。

「うっちゃり」 減少が嘆かれて久しい土俵際の大技。吊りを得意とする力士や足腰の強い、粘り腰の力士がたまに見せる技だが、この北太樹も意外な使い手。いつも引きずり気味の足で踏ん張って豪快にうっちゃるのだから、見ている方が怖いが、最後まで勝負を棄てない執念が感じられる。

 

  将 司  前頭    青森 入間川  27  183/145
   スピード型  [左のど輪右おっつけ]     
E07 E07
上突っ張り3a
左のどわ 3a
右おっつけ2c
下手出投げ3c
はたき  2b
突き落とし2b
下手投げ  2c
内掛け  2d
かわず掛け2e
うっちゃり 2d
張り手   2c
掬い投げ 2d
渡し込み 1d
両差し寄り2d
モロ手突き2d
足取り   1e
切り返し 1d
ひねり  2c
<立合>
モロ手突き2c
かち上げ2c
ぶちかまし2c
のどわ 2c
       
        
 
頭b肩c胸c
手c変化d 
<心>
気迫
強引
強行
ツラ相撲
 
 
 
 
<技>

速攻

足癖

食下がり

 

 

<体>
腰高
前掛り
足腰硬い
怪我×
右膝爆弾

      
D08 D08
D09 E07
E07 D08
E06 E07

間合い

×

速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× × ×    
 高卒で入門、2年半で関取。20年7月に新入幕では10勝と活躍したが、定着できず。21年の再入幕も1場所に終わる。22年7月は13勝で十両優勝し、3度目の入幕となったが、故障で全休。体も大きくなって地力はついたが、相手だけでなく怪我との戦いが続いている。今年こそは幕内に定着したかったが、八百長事件で無念の引退。若天狼同様、苦労人の最後はあっけなかった。
 色々な技を繰り出す速攻相撲。立合いのスピードがあるが、やや腰が高い状態から頭を下げて突っ込んでいくため、やや危なっかしい印象である。組んでも投げあり、足技ありと粘り強い。若いが故障持ちで、激しい取り口も怪我しやすそうでハラハラする。

 河津掛けなど逆転の足技も飛び出す。突き押し相撲だが、食い下がっても出し投げを打ったりとまずまず取れる。

「ケガとの戦い」 膝のケガは慢性化し、それと付き合う術も持っているが、危うさと隣合わせ。下がっては厳しいと、前への速攻に徹するという相撲はいかにもケガの功名。それでも不利な展開でも勝負を捨てないため、強引な技で逆転を狙うことも。若いうちに大きなケガを負ってしまった力士の難しさ。

 

  光 龍  前頭    モンゴル 花籠   27   187/155
   突押型  [突っ張り]    
D08 E07
突っ張り  3a
右のどわ  2a
右おっつけ2c
はたき    2b
引き落とし2b
突き落とし2b
上手投げ 2c
ひねり  2d
モロ手突き3b
上手出投げ2c
張り手  2c
いなし  2b
左四つ寄り1c
掬い投げ  2d
小手投げ 2d
モロハズ 2b
引っ掛け  1e
小手投げ 2c
<立合>
ぶちかまし3b
モロ手突き2c
かち上げ2c
のどわ 2c
はたき  1e
突き放し 2b
頭a肩c胸d
手c変化d 
<心>
エレベ-タ
ツラ相撲
引き癖
スロ-スタ-ト
尻上がり
まった
<技>

回転○

 

 

 

<体>
怪我○
 
 

      
D08 D09
E07 E07
E06 E07
E07 E07

間合い

速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
     
 19年に元太寿山の花籠部屋初の関取となり、20年には新入幕を果たす。以降十両では力を発揮するが、幕ではなかなか勝ち越せないでいた。21年は十両で停滞、22年は一場所ごとに幕内十両を往復する生活。幕内では四度も二桁黒星を喫して転落、五度目の挑戦となった9月も負けが込んだが終盤連勝して何とか6勝で残留を果たす。そして11月も終盤頑張って苦節6場所目でようやく勝ち越しを決めた。十両では実力を発揮していただけに、やっと幕内に慣れてきたのだろう。23年はまず定着と言わず上位進出を期待したかったが、志半ばで引退。
 突き押しが中心。起こしておいての突き落としもうまい。体力があるので前へ出る力がある。四つになってもなかなか重い。前へ出る威力を磨けばスキのない万能大型力士として活躍しそう。

 全体的なバランスはいいが、前に出るスピードや攻めの厳しさがまだ物足りないか。立合いの勢いがさらにほしい。エレベータ生活を脱却したい。

「突き押し」 威力のある突きと細かい突っ張りで、相手と距離を取ると攻撃力がある。250キロ山本山を土俵下まで吹っ飛ばしたこともある。引きに頼らず真っ向から突き出す相撲を。

  木村山  前頭    和歌山 春日野   29   183/170
  突押・撹乱型  [上突っ張り・右ハズ押し]    
D09 F05
上突っ張り3a
右ハズ押し3a
引き落とし3b
突き落とし3b
右のどわ 3b
左おっつけ2b
いなし  3c
モロ手突き2d
はたき  2b
掬い投げ1d
小手投げ1d
掛け投げ1e
右おっつけ2c
まわし切り1d
 
 
<立合>
ぶちかまし2b
右のどわ  2b
右突き放し2c
突き落とし2c
いなし  2b
左おっつけ2b
頭b肩c胸c
手c変化c
<心>
引き癖
突押徹底
ツラ相撲
 
 
<技>

変化技○

まわりこみ

 

 

<体>
重心低い

      
D08 D08
D08 F05
E07 E07
E07 E07

間合い

× ×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
     
 16年、東洋大から入門。幕下で苦労したが十両はわずか3場所で通過し20年7月に入幕。しかし幕内では6場所勝ち越しならず、十両との往復が続いた。22年7月、5勝7敗から踏ん張って初めて勝越すと、9月も続けて給金。自己最高位の7枚目では負け越したが、重い突き押し相撲でようやく定着しそうだ。
 170キロを超えるどっしりした体格。出足早一気という相撲ではなく、上突っ張りからのいなしで崩しながら攻める。立合いも左へ動くことが多い。

 よく決まるが、ちょっと引き、いなしが多すぎる嫌いがある。突き押しの威力、押しの技術を磨きたい。四ツになるつもりはなく、22年まで「寄り切り」は通算でも1番だけ。

「左変化」 立合いで左へ開いていなしてから突っ張り合いに持ち込むことが多い。立合いの出足勝負を避ける狙いがあるようで、相手もわかっているがつけ込むこともできないので、突っ張りから始まる木村山ペースになる。

  玉飛鳥 前頭  愛知 片男波  28  185/150
      押し相撲・疾風型   [左差し右上手/おっつけ・左おっつけ右ハズ]      
E07 D08
右おっつけ3b
左おっつけ3b
ハズ押し 3b
左四ツ寄り2c
左腕返し  3b
のどわ  3b
上手投げ 2d
下手投げ 2c
上手出投げ2d
うっちゃり 2c
引っ掛け   2c
突き落とし2d
いなし  1d
引き落とし2c
吊り寄り  2d
小手投げ2d
網打ち   1d
掛け投げ 2d
<立合>
ぶちかまし2b
左おっつけ2b
右おっつけ2c
左差し 2c
       
        
 
頭a肩d胸d
手c変化e 
<心>
ムラッ気
エレベータ
二段階成長
調整×

      
<技>
対速攻×

        
 

        

 

<体>
立ち腰
膝硬い
右足首

      
D08 D08
E07 E07
E07 E06
E07 E07

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
×    

 22歳で新入幕を果たしたのは平成17年。期待されたが右足に重傷を負って幕下に転落、長く幕下で低迷を続けた。怪我との付き合いにも慣れ、現師匠の玉春日の指導もあって、21年5月に復帰すると十両優勝、翌場所も大勝ちしてあっさりと幕内へ復帰した。勝ち越して完全復活とは行きたかったが、またもケガを負って休場。22年は十両下位まで落ちてから連続二桁で幕内復帰、ところが3連続の大敗であっという間に幕下へ陥落となった。この2年で幕内昇進2回、幕下陥落2回と昇降の多い力士。

 押し相撲を中心に、ときに左を差しておっつけて出る攻撃相撲。寄り身の速さ、厳しさが出たときは強い。

 不屈の闘志で這い上がってきた苦労人。何度も幕下に落ちても諦めない。下がると足腰の硬さが出てしまう。

 「体重増減」 若い頃は体重が増えずになかなか出世に時間はかかったが、1年に15キロほど増えた16〜17年にかけて幕下優勝で関取に、十両は4場所で突破と急成長した。その後ケガと病気で幕下に低迷した頃には10キロ近く落ちていたこともあったが、昨年は自己最高の150キロ近くまで増加。出世もそれに伴って幕内復帰を成し遂げた。

 

   翔天狼   前頭 モンゴル 藤島   29   189/155
     パワー型  [左ハズ右のどわ・左差し右抱え込み]        
D08 E07
右のどわ 3b
突っ張り   3b
ハズ押し 2b
小手投げ  2c
はたき    3b
極め    3c
左差し寄り1d
右上手投げ2c
吊り     2d
突き落とし2c
掬い投げ 2d
ぶちかまし2c
引き落とし2c
閂    2d
渡し込み 1d
モロ手突き2c
外掛け  1e
上手出投げ2d
<立合>
ぶちかまし2b
モロ手突き2c
右カチ上げ2c
おっつけ 2c
右のどわ3b
左ハズ   2b
頭c肩c胸d
手a変化d 
<心>
ツラ相撲
引き癖
強引
晩成型 
<技>
引張り込み
速攻
右甘い
出足

      
<体>
懐深い
腰高
足腰硬い
左ひざ
D09 D09
E07 D08
E07 E07
E07 E07

間合い

速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× ×    
 20年11月に関取となると、新十両から連続優勝を果たして新入幕。幕内でも力負けすることなく、21年7月には11勝4敗で敢闘賞を受賞した。初の上位挑戦となった9月では2勝止まりだったが、年間4敗しかしなかった白鵬に土をつけた。これがこの年白鵬の許した唯一の金星。その名を大きくアピールしたが、22年は勢いが止まった。ヒザの不調もあって十両に2度陥落するなど、突き押しの威力が影を潜めた。11月には再入幕9勝で締め、新年は復活を目指す。八百長メールに「ガチ」の力士として名前が上がったのに、他の力士と同列に扱われたのは気の毒。もちろんシロ認定。再浮上したい。
 突き押し得意の力士。出足があり、右のどわが伸びれば一気に走れる。回転のある突っ張りではなく、一発ずつ押し込むタイプ。意外と四つでも器用で、投げ、吊りもある。怪力で右で極める力が強い。

 押し相撲の力士のご多分に洩れず、連勝連敗が激しい。21年は2勝どまりの秋を除いて毎場所5連勝があったが、負けだすとなかなか止まらない。腰の位置がもう少し低いと組んでも取れそうだが、体型的に厳しそう。多少腰高でものどわ中心の出足相撲に徹する。

「金星」 21年9月、無名力士が初対戦で無敵横綱を破って一躍名を上げた。思い切り突っ込むのは当然だが、まともに胸を出して受けた白鵬がみるみる後退する。のどわで起こして俵まで運ぶ。さすがに横綱も残して二の矢の攻めは通じなかったが、押し戻そうとするところにタイミングよく叩き、続いて左に回って突き落とし。完璧なタイミングで引き技が決まったとはいえ、最初の突き押しが効いていたからこそ。横綱を動揺させた突き押しは大いに自信になるだろう。

 

  若荒雄  前頭  千葉 阿武松   27   179/165
  前進・撹乱型  [突っ張り・左差し右おっつけ]    
D09 E07
ハズ押し 3b
のどわ  2b
モロ手突き3b
左四ツ寄り3b
いなし  2c
はたき  3b
突っ張り  3c
小手投げ 2d
引き落とし3b
まわし切り1d
極め  1d
引きつけ 1c
掬い投げ1d
おっつけ2c
肩透かし2d
上手投げ1d
突き落とし2c
一本背負い1e
<立合>
モロ手突き2b
ぶちかまし3b
右突き放し2d
張差し   2c
とったり 2d
右上手 2c 
頭d肩a胸b
手d変化e 
<心>
時間前
勝負強い
突っ掛け
エレベ-タ
強引
<技>
ワキ甘い
引き癖
まわりこみ
 

 

<体>
腰高
左上腕
D08 D08
E06 E07
E06 E07
E07 E07

間合い

速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
     
 アクシデントはあったが確実に地力を増した一年。21年の新入幕ではわずか4勝、翌場所も負け越す等不安定だったが、5月に再入幕を果たすと10勝5敗と活躍。謹慎休場明けは元気がなかったが、九州では文句なしの再々入幕を決めた。力は示しているので、3度目の幕内でみそぎといきたい。
 大きな体を生かした押し相撲が得意。突き押しが武器だが、左を差しての出足もあり、攻撃相撲を徹底する。ただ、ちょっと引き技で勝ちを急ぐ場面が目立つ。上背はないが、あまり重心が低い感じがしないのは足が長めの体形のせいか。立合いもモロ手突きが多いが、頭で当たる位の方が威力、低さが生きる。

 好不調にムラがあり、同じ地位でも勝ち越したり負け越したり。昨年は連続負け越し、連続勝ち越し、また連続負け越しと番付幅が大きかった。

「今後の取り口」 上記のとおり、突き押し得意だが、左四つでもまずまず取れる。関取となってまだ日が浅いが、これから幕内に戻って活躍していくには、どういう相撲でいくか再考する時期でもある。20代中盤だが、ある程度の地力はついていて、相撲を変えて急に伸びる時期でもある。あまり自分からはならない四ツ相撲だが、名古屋場所でガチガチの左四つの普天王と組合って、上手を器用に切って寄り切ったあたり、左四つの相撲のセンスもあるようだ。がっぷり組んでも取れる体、適性を試してみる価値はありそう。もちろん、磨いてきた突き押しで攻め切るに越したことはないが、手詰まりになって引くくらいなら、左を差して寄り切りを目指して欲しい。
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