現役力士データ

2011(平成二三年)


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ルーキー

上位陣

三 役 ベテラン 中 堅 若 手 十 両 ルーキー

隠岐の海 徳瀬川 磋牙司 臥牙丸 蒼国来 旭南海

22年新入幕組。前評判は高くないが、大化けするかもしれない。

パラメータ

技リスト

スキルリスト

 取り口のタイプ/得意な間合い(近い←密‐接‐近‐離‐遠→遠い)/[得意な形]/まわしの色(長さが使用頻度を表す)

(総合的な重さ)、(総合的な力の強さ)、(総合的なスピード)(総合的な技能)、(体のバランスの良さ)

(寄りのレベル)、(突き・押しのレベル)、(投げ技のレベル)(粘り強さ)、(総合的なスタミナ)、以上A〜G(15段階)

技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。

(技名の前に左右がついていない場合は、どちらからでもできるか、どちらも差はない場合。)

その他の点は、<データについて>を参照

サブチャート 間合い:密(密着した状態。がっぷり)、接(廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。食い下がり、半身など)

 近(体は接しているが廻しには掛からない距離。おっつけ、ハズなど前捌きの応酬が見られる)、

離(離れて突っ張りに適した距離。)、 遠(遠距離。リーチを生かした突きがあれば一方的に攻められる間合)

その他各パターン・傾向の得意不得意、傾向の強さ。☆>◎>○>△>×

安定・大勝・キラーは主に上位陣以外が対象で、成績・活躍の傾向を示す。○か無印か×で傾向を示す。

解説 現況 / 得意技など /注目ポイント

 


 

  隠岐の海  前頭   島根   八角    26   190/150
  スケール型  [右差し左上手/左差し右上手]      
D08 D08
上手投げ3b
小手投げ3b
手投げ 2c
掬い投げ2d
右四つ寄り2c
左四つ寄り3d
左前褌寄り2c
モロ手突き3c
上手出投げ2c
巻き替え  2b
おっつけ 2d
投げ寄り  3b
極め   2c
ひねり 2e
網打ち  2d
肩透かし 2e
外掛け 2d
カンヌキ3c
<立合>
両差し  2a
モロ手突き2c
カチ上げ 1d
抱え込み 2d
 
 
頭d肩a胸b
手c変化e 
<心>
ツラ相撲
投げ多用
小人気

        

      
<技>
上手相撲
ワキ甘い
逆四ツ○

        

        

        
 
<体>
懐深い
左肩
D08 E06
E07 D09
E06 D08
E07 D09

間合い

× ×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× × ×      
 本名の福岡で取っていた幕下時代から期待の大きかった大器。入門が19歳と遅かったため新入幕は20代後半になってしまったが、190センチの長身体格は期待大。21年の新十両では肩の故障ですぐに陥落したが、2度目の昇進後は3場所で突破して22年3月新入幕。しかし野球賭博に関わって謹慎とケチがついた。1場所で復帰して九州場所では2度目の勝越し。すでに幕内に定着するだけの地力はある。
 右四つ得意としているが、幕内では左四つに渡り合うことが多い。上手を取れば懐の深さが生き、強烈な投げがある。投げを打ちながら寄り倒す攻めが豪快。もう少し体重が増えれば大きな相撲を取れる。なまくら四ツと言われないように型を作りたい。

 連勝連敗の多いツラ相撲の気がある。特に初日からの連勝や連敗が極端。立合いは両差し狙いもよくやるが、差し身に厳しさがなく逆に両差しを許すことも。

「離島の星」 隠岐島出身。関取は時津風部屋の隠岐の嶋以来。隠れた相撲処の地元を盛り上げたい。島根県出身の幕内力士は実に88年ぶりだ。美男力士として人気面でも期待される。

  コ瀬川 前頭 モンゴル   朝日山(桐山)  28   190/155
  本格・パワー型  [右差し左上手]       
C10 D09
右四つ寄り3b
左おっつけ2b
左上手投げ2c
掬い投げ 2c
右腕返し 2c
右下手投げ2d
のどわ   2c
上手出投げ1d
小手投げ 2c
極め    3c
突っ張り  1c
外掛け   2c
首投げ  1e
切り返し  2d
はたき   2d
モロ手突き2c
両差し寄り2c
カンヌキ 2d
<立合>
右差し  2a
左上手  2b
カチ上げ 2c
左差し  1d
張差し  2d
左抱え込み1d
頭c肩a胸b
手d変化e 
<心>
ツラ相撲
晩成型
      
      
<技>
がっぷり○
左甘い
引張り込み
      
        
      
        
 
<体>
懐深い
リーチ○
C10 E07
E07 D08
E07 E07
D08 D08

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× ×    
 本格派の四ツ相撲。15年に20歳で入門、1年弱で幕下まで駆け上がったが当時は軽量、三段目に落ちて故障にも泣いて停滞。三段目優勝して幕下上位に上がったころから体が大きくなり相撲が変わってきたが、なかなか十両には手が届かない。2年半ほど幕下上位で揉まれた末、遂に幕下優勝、小部屋の桐山部屋念願の関取誕生となった。十両は4場所で突破。幕内でも3場所連続で勝越し、9月には前頭4枚目に躍進。結びの一番も取った。九州場所では琴欧洲から初銀星で勝越し。雌伏の時間が長かったが、蓄えた実力は幕内でも通用、23年は三役昇進も現実的な目標だったが、八百長事件で自己最高位・前頭筆頭の地位(順席)で引退となった。幕内6場所中5場所で勝越しと実力は確かだったが。
 右四つ得意。突き押しも強いが、体格が活きるのは四ツ相撲。がっぷり四ツでの強さでは定評のあるモンゴルの先輩・旭天鵬にも互角に取る。

 懐の深さと力強さが光る。リーチがある分同時新入幕の隠岐の海よりさらに懐が深く感じる。小兵力士を極めて強引に持っていく力もある。

「吸収合併」 元黒瀬川の桐山部屋、長年の夢だった関取誕生。〜瀬川という懐かしい響きの四股名が復活した。幕内にまで上がって師匠に恩返しをしたが、23年の初場所限りで部屋は閉鎖、朝日山部屋に合流することとなった。所属力士が少ないことが主な要因。現役幕内力士がいる部屋の消滅は珍しいが、部屋数削減の流れができつつある中、他にも同様のケースがあるかもしれない。稽古相手確保という点ではありがたい話。上を目指したい。

 

  磋牙司  前頭   静岡   入間川    30   166/130
  突貫型  [左ハズ右おっつけ/左おっつけ右ハズ]      
F05 E06
ハズ押し 3a
おっつけ 2a
引き落とし3b
突き落とし2c
いなし   3a
はたき  2d
モロハズ 2c
手出投げ2d
内無双  2e
渡し込み 1d
両差し寄り2d
巻き替え 1d
掬い投げ 2c
伝え反り 1d
突っ張り  2c
モロ手突き2d
とったり  2d
一本背負い1e
<立合>
右おっつけ2c
左おっつけ2b
ぶちかまし2b
左差し  1d
もぐり   1d
両差し  1d
頭a肩c胸d
手d変化d 
<心>
強行
エレベ-タ
ムラッ気
晩成型
 

      
<技>
引き足○
もぐり
 

        

        

        
 
<体>
重心低い
前がかり
ケガ×
E06 D08
C10 E07
D08 D08
E07 E07

間合い

× ×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× ×      
 豊ノ島に続いて誕生した第二検査出身の幕内力士。東洋大学を出て16年に入門。十両と幕下の往復が続いたが、21年9月に4度目の昇進を果たすと、番付運にも恵まれて3場所で新入幕を果たした。22年春は前頭15枚目、序盤は動きが良く4勝1敗のスタートを切ったが、結局6勝に終わる。すると今度はわずか3場所で幕下まで転落してしまった。九州でもあと1勝届かず十両復帰ならず。前年の勢いを取り戻したい。
 重心の低さを最大限に活かし、懐に入ってハズで押し上げる攻めが持ち味。動きも良く、引き技がよく決まる。小兵だが細かい芸はやらず、押し相撲を心がけている。立合いの出足をつけたい。得意手としている反り技も見てみたい。

 故障が多く、好不調がはっきりする。中に入っても芸が多彩ならもっと面白い相撲になりそう。スピードで翻弄したい。

「166センチ」 これだけ小さい力士は珍しい。舞の海でも一応170センチほどと発表されていた。現役の豊ノ島や豪風よりも低い。これを武器にして嫌がられる相撲を取りたい。

 

  臥牙丸   前頭   グルジア   北の湖    24   185/195
  パワー型  [モロ手突き・右差し左抱え込み]      
C11 E07
モロ手突き4a
右ハズ押し2a
左おっつけ3b
右突き放し2c
極め   3a
上手出投げ2d
はたき   2c
小手投げ 2d
のどわ  2e
腕返し  1c
素首落とし2d
突っ張り 1d
掬い投げ 2c
下手投げ 1d
外掛け   2c
引き落とし2d

      
<立合>
右のどわ 3b
ぶちかまし3b
モロ手突き2c
左抱え込み2c
両おっつけ1d
ハズ押し1d
頭a肩c胸d
手d変化d 
<心>
ツラ相撲
 

      
<技>
出足
詰め×
引張込み
 

        

        

        
 
<体>
腰高
立ち腰
懐深い
C11 D09
E06 E06
F05 E07
E06 E07

間合い

× ×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× × × ×    
 200キロに迫る巨漢力士。幕下で苦しんでいたが、21年9月に幕下優勝し十両へ。優勝を含む4場所連続勝ち越しで22年7月に新入幕を果たす。この場所は5勝しかできなかったが、慣れてきたのか9月は二桁。11月も勝ち越して今年は上位を窺う。大きな体だが、前に落ちるのを恐れない怒涛の攻めには迫力がある。
 この巨体で立合い頭で当たりながらの出足が武器。幕内でも相手をまともに吹っ飛ばす威力を発揮した。二の矢の右のどわで押して出る相撲が定着してきている。意外と前にバタリと落ちることは少ない。器用な出し投げなども見せる。

 突き押しだけでなく、左で引っ張り込んで捕まえる取り口もある。今後足腰が脆くなることやさらなる体重増に備えて密着した攻めもマスターしたい。

「移籍」 新興の木瀬部屋を代表する大型力士。他にも清瀬海や明瀬山など超重量級の即戦力が揃っていた。しかし、師匠の不祥事で部屋はまさかのお取り潰し。北の湖部屋に吸収されることとなった。北の湖部屋は4年前にも師匠が急逝した二十山部屋を吸収。さらに木瀬部屋の勢力をも加えて稽古場が一杯になるほどの巨大勢力となった。幕内・北太樹とともに大世帯を引っ張ることも求められる。

 

 

  蒼国来  前頭 中国 荒汐  27   185/125
  正攻法型  [右差し左前ミツ・両差し]    
F05 D08
両差し寄り3b
上手投げ  3a
上手出投げ3b
下手投げ 2b
掬い投げ 3b
小手投げ 2c
切り返し 2c
下手出投げ2c
吊り寄り 2c
引っ掛け 3c
ひねり 2d
吊り落とし1d
二枚蹴り1e
右腕返し2c
右ハズ押し2c
肩透かし 1d
左前褌寄り2c
 
<立合>
左前ミツ 2b
右差し  2c
両差し  2d
おっつけ 1c
引っ掛け 2d
はたき  1d
頭a肩d
胸d手d変化d
<心>
番付運×
投げ多用
晩成型

      
<技> 
差し身
ヒザ払い

        

      
<体> 
敏捷
筋肉質
足腰柔軟

        

      
D09 F05
D09 C10
D09 D09
C10 D08

間合い

× × ×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× ×      
 モンゴル相撲のイメージが強いが、中国人初の幕内力士(内モンゴル自治区)。15年の入門時は90キロに満たない体ながら序ノ口、序二段で優勝。幕下で苦労していたが、21年は6場所連続で勝ち越して、22年1月に元大豊の荒汐部屋から初めて関取誕生となる。体格の不利を技術と意外な力でカバー、二桁はないが4場所勝ち越して秋場所新入幕。ここでも勝越した。連続勝ち越しは11場所でストップしたが、どの番付でもしぶとく通用する理想的な成長を見せている。相手にも研究されてくる頃、個性的な相撲で沸かせてほしいと期待していたが、八百長事件で星風とともに追加認定。引退届を拒否して解雇された。
 小兵だがバネがあり、差してから吊り身に寄るのが得意。左を浅く引いて右差しの型があるが、両差し狙いで立つことが多いので、左四ツにも展開する。多彩な投げ、吊りも武器。業師タイプに見られがちだが、あまり小技に頼ることはない。たまの変化もあるがあまり決まらない。

 小部屋の悲しさか勝ち越しても上がらない。幕下筆頭4勝で東に回され、新入幕勝ち越しでも東に回された。

「吊り」 軽量ながら吊りを見せる。吊り寄りだけでなく、秋場所では垣添を吊り落としに叩きつけた。幕下時代にも大型の旭秀鵬をこの大技で破っている。朝青龍や霧島のような背筋力で、体に見合わぬ豪快な吊りをこれからも見せてほしい。

 


   旭南海  前頭 鹿児島 大島  33   180/135
     技能型  [右前褌]        
E06 E07
上手出投げ4b
ハズ押し  2b
おっつけ 2b
突き落とし2b
はたき   2b
いなし  3a
前褌寄り 2c
下手出投げ3c
ひねり   3c
巻き落とし2d
肩透かし 2d
上手投げ 1c
引き落とし2c
突っ張り 1c
下手投げ 2d
引っ掛け 1d
巻き替え 1d
 
<立合>
右前褌  2a
左おっつけ2c
あてがい 2c
上手   1d
いなし 1d
頭a肩d胸d
手d変化c 
<心>
晩成型 
<技>
まわりこみ
速攻
変化技○

      
<体>
重心低い
前掛かり
E06 E07
D08 D09
D09 E07
E07 E07

間合い

× × ×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
×      
 念願の新入幕!17年の新十両以来、なかなか幕内への切符は手に入らなかった。1場所の幕下陥落を挟んで、十両在位31場所。これまで2度十両2枚目で大きく負け越していた。22年7月は12枚目、10勝5敗で幕下陥落のピンチを脱したと思いきや、幕内からの大量陥落の空き枠にギリギリ入って奇跡の入幕となった。平成5年の入門以来、苦労の末に手にした幕内だが4勝11敗に終わる。しかし11月は再び10勝、フロックとは言わせない再入幕を狙っていたが、八百長事件で泣く泣く引退。プロレス転向も示唆している。
 出し投げ名人。重心低く相手に捕まらないようおっつけ、いなしを駆使して動き回り、送り出すこともしばしば。機を見て前褌を引くと十分。出し投げで崩しつつ速い攻めを見せる。

 低い姿勢を保つことが生命線だが、その分前に落ちることは多い。幕内では叩き込みで7連敗した。

「記録的新入幕」 前場所十両12枚目からの入幕は史上初、初土俵から105場所というのは星岩涛に次ぐ2位のスロー記録。32歳8ヶ月の年齢は4位。記録ずくめの新入幕となった。
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