現役力士データ

2011(平成二三年)


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若 手

上位陣

三 役 ベテラン 中 堅 若 手 十 両 ルーキー

豪栄道 豊響 栃ノ心 阿覧 玉鷲 土佐豊

若手という年でもないが、経験年数考慮し相対的にカテゴライズ。

パラメータ

技リスト

スキルリスト

四股名 自己最高位 出身地 所属部屋 年齢(同年12月31日時点) 身長/体重

取り口のタイプ/[得意な形]/まわしの色(長さが使用頻度を表す)

(総合的な重さ)、(総合的な力の強さ)、(総合的なスピード)(総合的な技能)、(体のバランスの良さ)

(寄りのレベル)、(突き・押しのレベル)、(投げ技のレベル)(粘り強さ)、(総合的なスタミナ)、以上A〜G(15段階)

技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。

(技名の前に左右がついていない場合は、どちらからでもできるか、どちらも差はない場合。)

その他の点は、<データについて>を参照

サブチャート 間合い:(密着した状態。がっぷり)、(廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。食い下がり、半身など)

 (体は接しているが廻しには掛からない距離。おっつけ、ハズなど前捌きの応酬が見られる)、(離れて突っ張りに適した距離。)、

 (遠距離。リーチを生かした突きがあれば一方的に攻められる間合)f

その他各パターン・傾向の得意不得意、傾向の強さ。☆>◎>○>△>×

安定・大勝・キラーは主に上位陣以外が対象で、成績の残し方を示す。○か無印か×で傾向を示す。(上位陣も一応表示する)

解説 現況 / 得意技など /注目ポイント

 


  豪栄道  関脇  大阪 境川   25   183/145
   正攻法・技能型 [右ハズ左上手・左四つ右上手・両前廻し]     
D08 D09
右四つ寄り3a
両前褌寄り3b
上手出投げ3a
引き付け  3a
下手投げ 2d
切り返し 3c
拝み寄り 2c
下手投げ2b
はたき  3a
小股掬い2c
下手出投げ2c
吊り寄り   3c
上手ひねり2d
渡し込み1c
外掛け 2d
小褄取り 1e
おっつけ 2c
首投げ  2d
<立合>
右前褌 2b
右差し   2d
左前褌   2c
カチ上げ1d
おっつけ2c
張差し 2d
頭a肩c胸e
手b変化e
<心>
気迫
初日×
対上位×
息切れ
引き癖
<技>
上手相撲
逆四つ○
足跳上げ
振り回し
膝送り
<体>
重心低い
前傾○
バッタリ
左ひじ
腰痛
右ひざ

      
C10 D08
D09 C10
C10 D09
D09 C10

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
   
 22年は期待を裏切った。三役復帰を目指した初場所は朝青龍を引き落として初金星を奪ったが負け越し。大阪へ凱旋した3月はケガで途中休場。体調不十分のなか夏は勝ち越すも、野球賭博で謹慎し十両陥落。さすがに十両と幕内下位では12勝と大きく勝ち越したが、胸を張れる状況にはない。早く上位に復帰して三役で取って欲しい。
 浅い廻しを引きつけての四つ相撲が魅力。左右、上手下手にこだわらず、いい位置の廻しを引いて食いつけば絶対に顎を上げず、出し投げや切り返しなどのテクニックも駆使して攻め立てる。前哨戦での叩き・引き技がタイミング良く決まる。

 怪我に苦しみ、相撲内容も冴えなかった。これ以上大きくなることはないだろうから、この体に見合った型を磨いてほしいところ。

「高校横綱」 近年大卒以上にスピード出世、活躍が目立つ高卒力士の代表格。大関栃東が草分け的存在だが、幕下付出の資格が厳格化されて以降高卒の強豪が直接プロ入りするケースが目立つ。横綱朝青龍は留学していた高校中退して入門している。全日本でも活躍した澤井は、17年1月前相撲。初めて番付に乗った3月は初日に高校時代からのライバル・影山と対戦。現在の豪栄道と栃煌山である。共にスピード出世を果たしあっという間に幕内で戦うようになった。今後も人材不足の大卒力士に変わって高校相撲界がスター輩出の中心となるのか。

 

  豊 響  前頭  山口 境川    27   184/170
   馬力型 [突っ張り・左おっつけ右のどわ/ハズ]     
C10 E06
右のどわ 4a
突っ張り 3b
ハズ押し 3a
左おっつけ2c
がぶり寄り2d
突き落とし2c
小手投げ 2c
上手出投げ1d
ぶちかまし2b
引き落とし2c
左四つ寄り1d
下手出投げ1d
モロ手突き2c
カチ上げ 2d
はたき  2c
がぶり寄り2d
左差し寄り3c
突きつけ 2d
<立合>
ぶちかまし3a
モロ手突き2b
カチ上げ  2d
右のどわ 3c
おっつけ 1c
             
        
頭a肩c胸e
手b変化e
<心>
ツラ相撲
スロ-スタ-タ
ムラっ気
シンプル
突押徹底
名古屋○
助走
 
<技>
出足
ワキ甘い
呼び込み

      
<体>
額大きい
体質硬い
C10 C10
E07 E07
E06 E07
E07 D08

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× × × ×    
 平成の猛牛と恐れられた怒涛の出足も、なかなか実力を発揮できずにいる。幕尻に何とか残った初場所は12勝3敗の活躍で3度目の敢闘賞、結果的に優勝の朝青龍と1差だった。久しぶりに大関戦も組まれた翌場所は10連敗するなど通用せず。そして名古屋では野球賭博で出場停止、陥落した十両の土俵でも相撲勘が戻らず5連敗スタート、初めて負け越した。準地元の九州では大勝ちして幕内に復帰して新年を迎える。今年こそ上位に進出したい。
 のどわの力が秀逸。これを生かした突き押しが強烈で、はず、おっつけも駆使して前へ出る。それも立合いのぶちかましあってこそ。元は四つ相撲らしく、差しても出る力があり、腕力の効いた突き落としや小手投げ、意外に器用な出し投げも持つ。

 出足が止まると突進力が鈍る。上位挑戦ではことごとく一気の出足を止められて完敗。思い切りの良い引き、叩きも、ややまともで呼び込みやすい。リズムを崩すとバラバラになる傾向。

「ムラっ気」 大きな頭でぶちかまし、のど元を突き放して攻める重量級の押し相撲が勢いに乗れば大勝する。差されても粘り、逆に腕を突きつけて反撃したりとすべてが好転する。一方で同じ地位でもあっけなく負け越す安定感のなさが課題。悪い時はあっさり前に落ちたりする。また連敗が多く、序盤のもたつきが目立つ。中盤に大型連勝を作るも、また終盤連敗というパターンが多い。地力に自信がつけば成績も落ち着いてくるか。

 

  栃 ノ 心   小結   グルジア 春日野  24   191/160
  正攻法・スケール型 [右差し左前ミツ/右前褌左上手]    
D09 D09
左前褌寄り3a
上突っ張り2a
吊り    3c
左上手投げ3b
はたき  2c
下手投げ  2c
うっちゃり  3c
モロ手突き2d
のどわ  2c
張り手  2c
引き付け 3b
掬い投げ 2c
モロ差寄り2d
蹴返し   1e
外四つ寄り2d
肩透かし2c
おっつけ1d
右腕返し 2b
<立合>
カチ上げ2b
左上手 2c
左前ミツ2c
右差し  2c
張差し  2c
モロ手突き2c
頭b肩c胸b
手c変化d 
<心>
大関キラ-
 
<技>
対速攻×
対押し×
体入替え
向う付け
<体>
リーチ長
懐深い
足腰柔軟
右上腕
 

        

        

      
C10 E07
D08 D09
E07 D08
D09 C10

間合い

× ×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× ×    
 目標の新三役を果たし、上位に定着した一年だったが、一気にブレイクとは行かなかった。初場所は早々と負け越して三度三役挑戦で二桁黒星。しかし着実に地力をつけて夏場所では序盤大関相手に4連勝、8勝ながら敢闘賞でついに小結に昇進。負け越し後すぐに再小結となった九州、初日白鵬の連勝ストッパーと期待されたが完敗、63連勝目を献上。勢いに乗れずまたも三役を守れなかった。
 右四つが得意、両回しを引いて十分。右は差し手を返すより浅い下手が多い。力強い引き付けから寄り、投げ、吊りを繰り出す。リーチがあるので突いて先制するのも有効。立合いは左四つを狙うが、これといった手はなく、いかに主導権を握るかが課題。

 まわしをつかめば懐の深さが発揮されて強いが、離れて攻められると案外脆い。長身が魅力だが、上位には大型力士がゴロゴロいて体力だけでは勝てない。技能を磨いて磐石の型を磨きたい。

「新大関キラー」 夏場所で4大関を倒すなど22年は大関を9勝を挙げた。4大関が健在、引きずり下ろす勢いでなければ自分が大関を狙えない。

 


 

   阿 覧  関脇  ロシア   間垣  27   187/155
    パワー型  [上突っ張り/右差し左上手]     
D09 D09
上突っ張り3a
張り手  3a
左上手出投3b
はたき  3a
モロ手突き2c
左前褌寄り2b
左おっつけ2d
いなし  2c
たぐり 2d
極め   2c
下手投げ2d
引き落とし2c
上手投げ 2c
突き落とし1d
うっちゃり1d
下手出投げ1d
引っ掛け2c
吊り   2d
<立合>
張り手 2b
体当たり2c
左上手 2c
モロ手突き2c
張り上手2c
はたき  3c
頭d肩b胸b
手b変化c
<心>
強引
ムラッ気
引き癖
髷つかみ
じらし
つっかけ
挑発
連敗癖 
<技>

まわりこみ

ワキ甘い

呼び込み

 

 

<体>
両ひじ
バタ足
腰痛
 

      
C11 D09
D08 D09
E06 E07
D08 E07

間合い

速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× × × × ×    
 19年1月の初土俵からスピード出世。幕内上位の壁には苦しみ、三役を狙った22年3月は1勝14敗と大乱調。しかし、翌場所12勝で敢闘賞、さらに続く名古屋場所も2枚目で11勝し連続敢闘賞。序盤の上位戦で2大関を破り後半10連勝と勢いに乗った。9月は新三役にして東関脇(通算22場所での関脇は白鵬を上回る史上8位のスピード出世)、負け越してから変化の連続で7勝として小結にしがみついたが、九州も大負けで陥落。土俵経験はまだ4年だが、入門が遅かったので初場所後には27歳になる。早く三役復帰、定着を果たして上を狙いたい。
 上突っ張り、叩きという荒っぽい突き押し相撲が目立ったが、右四つの形を磨いて力が安定。体重が1年で10キロ程増加して、ガップリでも力強さを発揮した。足を止めての突き押しから、左の褌を引いての出し投げを駆使して攻める。

 突っ張りは顔を狙って繰り出し、叩きも頭を抑えつけるので、当然ワキは開く。叩きが多いので、髷に指が入るリスクも大きくなる。22年は二桁白星3回、二桁黒星2回と極端。

「ロシア人三役力士」 ロシア人としては露鵬以来2人目の三役力士。関脇は史上初。しかしまだ三役での勝越しはない。真の実力を備えて復帰したい。

 

  玉 鷲  前頭  モンゴル 片男波  27  190/155
  突押・パワー型  [左右突き放し/左のどわ右抱え込み]    
E07 E06
左のどわ  3b
小手投げ  3c
右のどわ 3b
ハズ押し 3b
右おっつけ2b
モロ手突き2c
突っ張り  3c
左おっつけ2c
極め  3c
右上手投げ1d
切り返し  1e
突き落とし2c
掬い投げ1c
吊り   1e
はたき  2d
足取り  1e
ぶちかまし2c
首捻り  1e
<立合>
ぶちかまし3a
右突き放し2c
モロ手突き2d
モロハズ 2c
左おっつけ2d
左のどわ 1d
頭a肩d
胸d手c変化e
<心>
ツラ相撲
ムラッ気
晩成型
エレベ-タ
<技> 
速攻
出足
挟みつけ
抱え込み

      
<体> 
右肘
懐深い
腰高
バッタリ
 

      
C10 C10
E07 E07
E06 E07
E07 E07

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
× × × ×    
 幕ではしばらく苦戦が続いたが、22年は完全に幕内定着。春場所には初の上位挑戦、横綱大関には通用しなかったが5勝10敗は健闘と言えた。しかし勢いが止まった。翌場所は3勝に終わるなど幕尻にまで落ちた。秋場所もベテラン相手に3連敗スタートと十両落ちが危惧されたが、ここから8連勝。2度目の二桁勝利を弾みに九州も勝越し、23年は自己最高位で迎える。エレベーター力士返上で上位定着したい。
 長身のがっちりした体から繰り出す突き押しが武器。前に出る意識が強く、最近の押し相撲の力士には珍しく叩き込みなどの決まり手が少ない。突っ張りよりもハズ、のどわを中心としたタイプ。

 体力を生かした攻めが可能。これから上位で活躍するにはこれといった得意技が欲しいところではある。あと、ちょっと前に落ちやすいか。番付の昇降幅の大きい力士だが、地力安定するか。

「極め」 190センチほどの体格を生かし、突き押しを凌いで差し込もうとする相手の腕を極めてしまうことも多い。右で極めて左の押しで挟みつけて出る攻めに迫力があり、二番目に多い決まり手は小手投げである。

 

  土佐豊  前頭   高知   時津風    26   178/140
  本格・怪力型  [右差し左おっつけ/右四ツ左上手]     
E07 D08
掬い投げ 3b
左おっつけ3b
上手投げ 3b
吊り寄り 2d
突っ張り 2c
打っ棄り 3d
ハズ押し 2c
下手投げ 2c
のどわ  2c
はねあげ 2b
はたき  2d
投げ寄り  3b
腕捻り   2c
首投げ  2e
首ひねり  2d
二丁投げ 1e
渡し込み2d
突き落とし3c
<立合>
モロ差し 3a
かちあげ 2c
両おっつけ2b
右差し 1d
左前ミツ2d
 
頭c肩b胸b
手e変化e 
<心>
ツラ相撲

        

      
<技>
土俵際
上手相撲
 

        

        

        
 
<体>
重心低い
肩幅広い
足腰柔軟
上体柔軟
ケガ○
D09 E07
E07 D08
D09 C11
C10 D09

間合い

×
速攻 遅攻 猛攻 堅守 対応 パワー テク 闘志 沈着 安定 大勝 キラー
   
 新入幕から1年半、定着には成功したがなかなか上位進出と行かない。初場所の10勝で8枚上がって西4枚目で迎えた春場所は平幕相手に初日から7連敗で大関初挑戦となったが、琴欧洲を見事に押し倒す銀星。翌日日馬富士に敗れ負け越し、横綱初挑戦も跳ね返されてこの場所は惨敗。以降も前頭一桁では勝ち越せず、一進一退。期待の大卒力士だが、十両昇進以降は出世のスピードが鈍化している。まずは上位対戦圏を窺う。
 右四つ得意。廻しを取って吊りや打っ棄りがあるが、体格で不利な幕内では両差しか、左おっつけ、右を覗かせハズに当てる形がベスト。掬い投げのキレが良く、体を入れ替えるのにも重宝する。豪栄道同様、上手を引きつければ強いタイプで、左四つも苦にしないし押し相撲も取れる。

 重心は低いが頭をつけて食い下がるより、胸を合わせて取る相撲が得意。足腰の良さが目立つが、全体にパワーアップすれば怖い存在。二丁投げなど、派手な大技も披露している。土俵際での打っ棄りなど足腰の良さを生かした逆転技も魅力。星取りは「ヌケヌケ」が多かったが、22年は連勝連敗がややはっきりした。十両では番付運悪く入幕直前に足止めされたが、幕内では10勝で8枚上がり、3勝で4枚半しか落ちないなどラッキーが続いた。

「速攻」 足腰の良さはあるが、馬力の面で物足りない。さっと二本差して一気に走った琴欧洲戦のように、中に入っての速攻をもっと見たい。肩幅があるので中に入れば相手は上手を取りにくい。長身の横綱大関には嫌なタイプのはず。

 

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