現役力士データ
２０１２年（平成二四年）
三役に定着していた琴奨菊、稀勢の里が昇進して三役常連力士の層は薄くなった。
前年１場所のみ在位の力士も実績を勘案し、期待を込めて収録した。
| パラメータ
技リスト スキルリスト |
重（総合的な重さ）、力（総合的な力の強さ）、速（総合的なスピード）技（総合的な技能）、バ（身体バランスの良さ） 技リストは、数字がレベル（低１＜５高）英字が頻度（多a>e少）を表す。 |
| サブチャート | ■間合い：密 （密着した状態。がっぷり） 接 （廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。食い下がり、半身など） 近 （体は接しているが廻しには掛からない距離。おっつけ、ハズなど前捌きの応酬が見られる） 離 （離れて突っ張りに適した距離。）、 遠 （遠距離。リーチを生かした突きがあれば一方的に攻められる間合） ■その他各パターン・傾向の得意不得意、傾向の強さ。 ☆＞◎＞○＞△＞× |
| 解説 | ■現況（24年1月） / 得意技・パラメータなどの解説 /注目ポイント |
| 鶴 竜 最高位:関脇 モンゴル出身 井筒部屋 27歳 | |||||||||
| 取り口：技能型 | 型：突っ張り、右差し | 得意手：突き、寄り | 185cm/145kg 均整中肉 | ||||||
| 重 | D 8.5 | 寄 | C10.0 |
突っ張り 3a モロ差寄り3b 右下手出投3c 突き落とし3c 右下手投げ2c はたき 3b 引っ掛け2d 上手出投げ2c のどわ 2b |
外掛け 2d とったり 2c 吊り 1d 上手ひねり2d 左前褌寄り1c いなし 3c うっちゃり 1e 肩透かし 2c 巻き替え 2d |
＜立合＞ モロ手突き3b ぶちかまし2b モロ差し 2c 張差し 2c 左前褌 2d いなし 2d 頭a肩c胸e 手b変化d |
＜心＞ 安定感 番付運○ 引き癖 尻上がり ポ-カ-フェイス |
＜技＞
まわりこみ 差し身 逆四つ○ 受身○ 変化技○ 俵伝い |
＜体＞ 上体柔軟 体質柔軟 すり足○ |
| 力 | C10.0 | 押 | C11.0 | ||||||
| 速 | C10.5 | 投 | C10.0 | ||||||
| 技 | C10.5 | 粘 | C11.0 | ||||||
| バ | C11.0 | ス | C10.0 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| △ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ○ | ○ | ◎ | △ | △ | ○ | ○ | ☆ | △ | ◎ | △ | ◎ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 均整の取れた体格で組んでも離れてもクレバーに取る実力者。技能賞は現役最多の６回受賞している。入幕から３年ほどで三役常連に。22年の前半は一時不振に陥ったが、7月初日から8連勝の活躍で白鵬と全勝対決を演じるなど11勝して三役復帰、以後１年以上定着している。23年は全５場所勝越し。三賞こそ５月の一度だけだったが、３度の二桁勝利といつ大関の声が掛かってもおかしくない。その５月場所は連敗スタートから追い上げて自身初の12勝。7月も10勝して秋場所は琴奨菊よりも前２場所の成績では一つ上回っていたものの、序盤平幕に取りこぼして９勝に終わってライバルに先を越された。九州は５連勝の好スタートを切ったが中盤上位戦で３連敗。10勝で相星ながら、稀勢の里にも先んじられてしまった。 ★24年展望・続報 成績の安定感では稀勢の里と比べても互角以上だっただけに、先に昇進されたのは悔しいところ。しかも過去最多の５大関となり非常に厳しい状況になってしまった。現大関陣から横綱に上がることも陥落することも可能性は低そう。史上初の６大関を作らせるだけの絶対的な好成績を残すしかない。あとは20戦全敗の白鵬戦、横綱戦は通算27戦全敗で、大関を目指す上ではマイナス。初勝利を期待。 |
|
★取り口解説 右四つ得意だが、左四つもできれば、突っ張りでも勝負できる。師匠譲りの両差しになるのも上手い。器用貧乏でなく、何もさせても形がいい。地力がついて積極的な相撲が取れるようになって躍進。攻め切れず反撃を受けると、防戦一方になる傾向がある。
★パラメータ・スキル解説 まさに万能型。柔らかさがなによりの魅力。受身の相撲、勝ち味が遅いと言われることもあったが、攻めの早さ、力強さも加わって安定感が出てきた。もう一回り体が大きくなり、立合いの威力が増せばいよいよ本格化する。全く顔色が変わらないところも注目。 |
| ★ピックアップ ■立合い 立合いで主導権を握れていないと言われていたものの、最近は突き起こしを中心に踏み込んで先手を取るが多くなった。そのまま突き放して出ることもあれば、起こして懐に飛び込みモロ差、といった展開にも持ち込む。低い相手には、頭から当たる立合いで低さ負けせず、前ミツを狙う作戦も取る。 |
| 豊 ノ 島 最高位:関脇 高知出身 時津風部屋 29歳 | |||||||||
| 取り口：技能型 | 型：左下手/モロ差 | 得意手：下手投、押し | 169cm/150kg 短躯肉厚 | ||||||
| 重 | D 8.5 | 寄 | D 9.5 |
左下手投げ4b モロ差寄り3b 内掛け 3d 肩透かし 4d 外掛け 3c 掬い投げ 4b ハズ押し 3b 吊り寄り 2c 巻き替え 4b |
切り返し 2d 上手出投げ3c 渡し込み 2d まわし切り2c かわず掛け2e 足取り 1d 下手出投げ2d 右のどわ 2d 首投げ 2d |
＜立合＞ モロ差し 3b カチ上げ 3b 左差し 2d 張差し 2d 右差し 2d のどわ 1d 頭d肩b胸b 手c変化e |
＜心＞ スロ-スタ-ト 尻上がり 逆境○ ツラ相撲 対速攻× 土俵際 安定感 |
＜技＞
差し身 足癖 足跳ね上げ まわりこみ 左半身 腹相撲 頭四ツ 腰寄せ |
＜体＞ 粘り腰 立ち腰 足腰柔軟 反身○ 重心低い 右ヒザ 左ヒジ |
| 力 | D 8.5 | 押 | D 9.0 | ||||||
| 速 | D 9.5 | 投 | C11.5 | ||||||
| 技 | B12.5 | 粘 | C11.0 | ||||||
| バ | C10.0 | ス | D 9.0 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| △ | ◎ | ○ | × | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ○ | ◎ | ◎ | × | △ | ○ | ◎ | △ | × | ◎ | △ | ◎ | ○ |
| ★略歴・近況 野球賭博による謹慎で十両転落の憂き目にあったが、14勝と圧倒して復帰。すると再入幕の22年九州でも14勝、白鵬との優勝決定戦を戦った。23年は、上位を維持。初場所、秋場所では１勝７敗から、名古屋では２勝６敗から勝越すなど後半の巻き返しで上位を保った。九州では前半3大関を破るなど前半から好調を維持したが、最後に連敗して二桁を逃した。琴奨菊には、名古屋場所大関取りの初日に一矢報いたものの、今年も年1回しか勝てず。稀勢の里にも５連敗で、ライバル２人に大関先行を許した。
★24年展望・続報 次は、という気持ちは公言している。苦手が多すぎる現状を打開して三役で二桁を重ねたい。 |
| ★取り口解説 技能ではトップクラス。左下手からの投げ、内掛け外掛けの切れ味には定評がある。立合いはワキを窄めて肩で当たる左差し狙い、または両腕クロスでモロ差し狙い。上手を取られても慌てず、差し身の良さでモロになって有利に運ぶ。巻き替えるところを狙って出てきた相手に肩透かしを引くパターンも、変わり身の速さで綺麗に決まる。スピード相撲ではないが、機を見てハズにかけて押し相撲に切り替えての速攻もある。 ★パラメータ・スキル解説 1勝7敗から7連勝で勝ち越すという離れ業を２度も記録。小結から前頭２枚目の間で序盤に上位戦が多かったこともあるが、脅威の巻き返しだった。上位キラーぶりよりも格下相手での安定感の方が光る。小兵のイメージだが軽量ではない。大きな腹を使った四ツ相撲も取る。 |
| ★ピックアップ ■苦手力士 以前は日馬富士、豪風の小兵コンビに全く勝てないことが有名だったが、最近の天敵は琴奨菊、稀勢の里。同じ左四つで体格で上回る相手。しかも琴奨菊にはがぶり寄りで、稀勢の里には突き押しで一方的に攻められる。速攻に弱いという弱点を晒している。横綱白鵬もその辺りを心得て、豊ノ島戦は四ツを嫌い、突き放しか閂に極めての速攻に徹している。スキの多い琴欧洲や把瑠都とは互角に取るだけに、組んで技を出すまでの過程を工夫したい。 |
| 豪栄道 最高位:関脇 大阪出身 境川部屋 26歳 | |||||||||
| 取り口：技能・正攻法型 | 型：左右前褌 | 得意手：寄り、投げ、押し | 183cm/145kg 平均中肉 | ||||||
| 重 | E 7.5 | 寄 | D 9.5 |
右四つ寄り3a 両前褌寄り3b 上手出投げ3a モロハズ 3c 下手投げ 3c 切り返し 3c 拝み寄り 2c 小手投げ2b 引き落とし3a |
掬い投げ2c 下手出投げ2c 吊り寄り 3c ひねり 2d 渡し込み1c 外掛け 2c 小褄取り 1e 引きつけ 3c 首投げ 2c |
＜立合＞ 右前褌 2b 右差し 2d 左前褌 2c カチ上げ1d おっつけ2c 張差し 2d 頭a肩c胸e 手b変化e |
＜心＞ 気迫 スロ-スタ-ト 尻上がり ツラ相撲 引き癖 投げ癖 |
＜技＞
上手相撲 ワキ甘い 逆四つ○ 足跳上げ 振り回し 膝送り 前捌き |
＜体＞ 重心低い 前傾○ バッタリ 左ひじ 腰痛 右ひざ |
| 力 | C10.0 | 押 | D 8.5 | ||||||
| 速 | C10.0 | 投 | C10.5 | ||||||
| 技 | C10.5 | 粘 | D 9.0 | ||||||
| バ | D 8.5 | ス | D 8.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| ○ | ◎ | ○ | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| △ | ○ | ○ | ◎ | △ | ○ | △ | ◎ | △ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 時折目を見張るような相撲を見せるが、周囲の期待に応えられない成績が続いている。平幕では何度となく大勝ちしているものの、三役で勝ち越したのは21年3月のわずか１場所。通算三役在位が５場所とは意外である。賭博事件による十両陥落から最浮上してきた23年は、再入幕場所の12勝に続いて１月、５月は11勝で、３場所連続二桁勝利。５月は４大関総なめの活躍で２度目の技能賞。しかし三役復帰の７月は上位の壁を崩せず５勝止まり。９月はまたも二桁勝つが、11月は２大関を倒しながら、絶不振の栃ノ心（０勝６敗）、豊真将（０勝７敗）、阿覧（１勝10敗）に白星を献上するなど取りこぼし、千秋楽負け越して三役を逃す。 ★24年展望・続報 当然次の大関候補として名前が挙がる存在。ライバルとなる鶴竜、豊ノ島には合口が悪いが、把瑠都、琴奨菊には互角。地力はある。白鵬からの初勝利、三役での二桁を記録して起点としたい。 |
|
★取り口解説 浅い廻しを引きつけての四つ相撲が魅力。左右、上手下手にこだわらず、いい位置の廻しを引いて食いつけば絶対に顎を上げず、出し投げや切り返しなどのテクニックも駆使して攻め立てる。前哨戦での叩き・引き技がタイミング良く決まるが、やや頼り過ぎで淡泊な相撲に見えることもある。
★パラメータ・スキル解説 相撲勘はあるが、不調時には狂ってバタバタすることもある。相手の叩きに案外あっさり落ちることもある。 |
| ★ピックアップ ■廻し 未来の横綱と期待された有望力士だけに、締め込みの贈呈も多いのか、様々な色を着用している。最初は茄子紺だったが、現在は千代の富士や朝青龍と重なる黒か、淡いブルーの割合が多い。薄紫（ラベンダー）色や、流行りの銀も披露している。 |
| 栃煌山 最高位:関脇 高知出身 春日野部屋 25歳 | |||||||||
| 取り口：技能・前進型 | 型：モロ差/左おっつけ右ハズ | 得意手：寄り、押し | 188cm/150kg 長身筋肉 | ||||||
| 重 | D 8.0 | 寄 | C10.5 |
モロ差寄り3b 右差し寄り2a 左おっつけ3b ハズ押し 3a のどわ 2c 右おっつけ2c モロハズ 2c 上手投げ 2d 突き落とし2b |
引き落とし2c 掬い投げ2d モロ手突き2d 首投げ 1e 巻き替え 2d 突っ張り 1d 上手出投げ2c 跳ね上げ 3c 肩透かし 1d |
＜立合＞ 右差し 2b 左おっつけ3b 両差し 3d 右ハズ 2d モロハズ 2d 右おっつけ2d 頭a肩c胸e 手d変化e |
＜心＞ 大関キラ- シンプル 大阪○ 対長身× 連敗癖 |
＜技＞
挟みつけ 差し身 速攻 |
＜体＞ 前傾○ 体質堅い 右足首 |
| 力 | C11.0 | 押 | C10.0 | ||||||
| 速 | D 9.0 | 投 | E 7.5 | ||||||
| 技 | D 9.5 | 粘 | E 7.5 | ||||||
| バ | D 8.0 | ス | D 9.0 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| △ | ○ | ◎ | ○ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ◎ | △ | × | ◎ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 関脇で11勝した22年の躍進に続き、さらなる飛躍が期待された一年だったが、大きく失速して最後は故障で無念の途中休場に終わった。小結からの再スタートとなった初場所も負け越すと、5月は大関相手に連勝のあと地獄の10連敗。大関挑戦どころか、三役にも復帰できないまま終わった。毎場所のように大関を食い、勝つ相撲はさすが実力者という厳しい攻めを見せるのだが。 ★24年展望・続報 不振を脱出し、大関争いに加わりたい。まず右足首の捻挫を完治させ、徹底した前進相撲を取り戻してほしい。久しぶりに下位に落ちて大勝ちできるか。 |
| ★取り口解説 真っ向から前へ攻める正攻法の相撲。決まり手の大半を寄り切り、押し出しが占め、叩き込みや引き落としがない希少な力士。投げも最近は使いだしたが、入幕まではほとんどなかった。型としては、右差し左おっつけを基本とするが、左はおっつけてから前ミツ、または覗かせて両差しで出る。幕内に入ってからは、体重でやや劣ることが多いためか両差し狙いが多かったが、やはり挟みつける相撲の方が力強さがある。 ★パラメータ・スキル解説 春場所に強く、過去３度11勝をマークしているが、今年は中止という不運があった。ちょっと体が堅いのか負け方があっけない。長身ながら低い姿勢を保てるところは大したもの。 |
| ★ピックアップ ■連敗癖 連敗地獄によく陥る。前の場所関脇で11勝して、序盤を4勝1敗で立ち上がった22年11月。大関への足固めを期待されたが7連敗で全て白紙に。技量審査場所は10連敗、名古屋は8勝2敗から3連敗で脱落。秋も6勝1敗から負け越した。安定した成績を残すためにも克服しておきたい。。 |
| 阿 覧 最高位:関脇 ロシア出身 三保ヶ関部屋 28歳 | |||||||||
| 取り口：パワー型 | 型：突っ張り/右四ツ左上手 | 得意手：寄り、吊り | 187cm/155kg 中型筋肉 | ||||||
| 重 | D 9.5 | 寄 | D 8.5 |
上突っ張り3a 吊り 3a 左上手出投2b はたき 3a モロ手突き2c 左前褌寄り2b 左おっつけ2d 張り手 2c たぐり 2d |
極め 2c 下手投げ2d 引き落とし2c 上手投げ 2c 突き落とし1d うっちゃり1d 下手出投げ1d 引っ掛け2c いなし 2d |
＜立合＞ 張り手 2b 体当たり 2c 左上手 2c モロ手突き2c 張り上手 2c はたき 3c 頭d肩b胸b 手b変化c |
＜心＞ 強引 ムラッ気 引き癖 スロ-スタ-ト じらし つっかけ 番付運○ ツラ相撲 |
＜技＞
まわりこみ ワキ甘い 呼び込み 髷つかみ 変化技○ |
＜体＞ 両ひじ バタ足 腰痛 |
| 力 | C11.0 | 押 | D 8.5 | ||||||
| 速 | D 8.5 | 投 | D 8.5 | ||||||
| 技 | E 6.0 | 粘 | E 7.5 | ||||||
| バ | D 8.0 | ス | E 7.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| ○ | ○ | △ | ○ | △ |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| △ | ○ | × | ◎ | ◎ | × | × | ○ | ◎ | × | ◎ | × | ○ | × |
| ★略歴・近況 22年は12勝、11勝と重ねて一気に新関脇と躍進。課題の荒っぽさも、四つ身を身につけたことで安定してきた。三役では勝ち越せず、そのまま４場所連続負け越しと不調。名古屋で10勝して下げ止まると、あっさり三役復帰。しかしせっかくの番付運も、あまり相撲内容の向上は見られず、連続の二桁黒星で出直しとなる。 ★24年展望・続報 上位陣には相撲を覚えられて通用しなくなってきた。23年は大関から２勝のみ。まとまった相撲を取っても、上位に体格で及ばない。いっそ荒っぽく暴れて欲しいところ。右四つの型にひと工夫入ればもっと勝てるはず。まだ入門６年目、体重はもう増えそうにはないが、まだ相撲は変えられる。 |
| ★取り口解説 立合い突き放して、顔のあたりに激しい上突っ張りを繰り出しては叩き込む荒っぽい相撲が持ち味。自慢の腕力を四ツに活かし、右四つからの力相撲もできる。初場所、190キロ近い把瑠都を豪快に吊り出した一番などは、大器ぶりを垣間見せる。 ★パラメータ・スキル解説 叩きがまともで呼び込むことが多い。髷に指が入ることも何度かあった。動き自体は悪くないので、いなして回り込む動きをもっと見せたい。立合いでは、もう少しワキを空けないよう工夫しないと上位の大きな力士に組み止められる。長身揃いの上位では、あまり懐が深い感じはしないが、大きな相撲も取れる。 |
| ★注目ポイント ■変化 力任せに立合い叩き込む変化もよく見せる。新関脇の場所では、負け越してから３連続で変化を成功させて三役を守るなど、なりふり構わなくなれば乱発する。それでいて案外読まれて自滅ということは少なく、まんまと決めてしまうあたりが不思議。 |
| 栃 ノ 心 最高位:小結 グルジア出身 春日野部屋 25歳 | |||||||||
| 取り口：本格・スケール型 | 型：右四つ左上手 | 得意手：寄り,投げ,吊り | 191cm/160kg 長身筋肉 | ||||||
| 重 | D 9.5 | 寄 | D 9.5 |
左前褌寄り3a 上突っ張り2a 吊り 3c 左上手投げ3b はたき 2c 下手投げ 2c うっちゃり 2c モロ手突き2d のどわ 2c |
張り手 2c 引き付け 3b 横吊り 2c モロ差寄り2d 蹴返し 1d 外四つ寄り2d 肩透かし2c おっつけ1d 右腕返し 2b |
＜立合＞ 右差し 2b 左おっつけ2c 左上手 2c 左前ミツ2d 張差し 2c はたき 1e 頭b肩c胸c 手c変化d |
＜心＞ ムラッ気 対上位× 連敗癖 |
＜技＞
対押し× 体入替え 向う付け |
＜体＞ リーチ長 懐深い 右上腕 左ひじ |
| 力 | C10.5 | 押 | E 7.0 | ||||||
| 速 | D 8.0 | 投 | D 9.0 | ||||||
| 技 | E 7.5 | 粘 | D 8.0 | ||||||
| バ | D 8.0 | ス | D 8.5 | ||||||
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間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| ◎ | ◎ | × | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| △ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | ◎ | × | ○ | × | △ | ○ | ○ | × |
| ★略歴・近況 ここ２年ほどは上位に安定し三役も務めているが、期待からすれば停滞、いや低迷と言わざるを得ない。6枚目に落ちた5月場所こそ、優勝争いに千秋楽まで１差で食いついて敢闘賞を獲得したが、翌場所小結では三度６勝９敗に終わる。23年は成績も不安定で、初場所は最後３連勝しての４勝11敗。最後の九州では２勝13敗と絶不調だった。
★24年展望・続報 秋場所後、私生活の乱れを咎めた師匠の暴行が問題となった。その影響か、九州は全く元気がなかった。この一年は上位相手にも全く通じなかった。新年、気を撮り直して中位からの巻き返しに期待。三役での勝越しはノルマだ。 |
| ★取り口解説 右四ツに組んで懐の深さを利して寄る相撲。上手投げや吊りといった力強い技を得意とする。やや浅い廻しを取って頭を付けることも多いが、綺麗な勝ち方だけでなく、体格を生かした小手投げや外掛けなどの荒技を出しても面白いと思う。また、昨年は押し出しが一番だけ。リーチがあるので突っ張りも有効に使いたい。 ★パラメータ・スキル解説 スケールと腕力、四つ身の型が武器で、均整の取れた体型。いかにも出世しそうな素材だが、似たような体型の外国人力士が多い現在の上位では、圧倒的な特長や武器がないため、的の大きさが災いして合口が悪い。10回以上対戦して、白鵬には未勝利、把瑠都にも１勝のみ。 |
| ★注目ポイント ■敢闘賞３回 ８勝ながら４大関を倒して獲得したこともある。逆に、技能賞に名前が挙がるほどの目を引く技能や、観衆を沸かせる番狂わせを演じる印象点は不足している。23年は、５月場所こそ優勝争いの勢いで把瑠都を倒し喝采を浴びたが、上位食いはこの一番だけ（不戦勝1番を除く）。関脇小結にもわずか４勝と、平幕相手にしか星をあげられなかった。 |
| 豊真将 最高位:小結 山口出身 錣山部屋 31歳 | |||||||||
| 取り口：堅牢・正攻法型 | 型：左右おっつけ/左前褌 | 得意手：押し,寄り | 186cm/150kg 均整筋肉 | ||||||
| 重 | D 9.0 | 寄 | D 9.0 |
右おっつけ3a 上手出投げ2c モロハズ 3c 左前褌寄り2c 突き落とし3b 上手投げ 2d 左おっつけ2c 右ハズ押し3c 突き落とし2d |
外掛け 1e モロ差寄り2d 掬い投げ1d 肩透かし 1d 引っ掛け 1c 巻き替え 1c 廻し切り 1d 下手出投げ1d 引き落とし2d |
＜立合＞ 右おっつけ2c 右ハズ 3b 左おっつけ2c モロハズ2d 左前褌 2c カチ上げ 1d 頭a肩d胸e 手d変化e |
＜心＞ 晩成型 ムラッ気 ツラ相撲 人気 カウンター 番付運× 地方場所○ |
＜技＞
挟みつけ 前捌き 所作○ |
＜体＞ 前傾○ 筋肉質 上体硬い 調整× 腰痛 左手首 |
| 力 | D 9.0 | 押 | D 9.5 | ||||||
| 速 | D 8.5 | 投 | E 7.0 | ||||||
| 技 | D 8.5 | 粘 | C10.0 | ||||||
| バ | C10.0 | ス | C10.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| △ | ○ | ◎ | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ○ | △ | △ | ○ | × | ◎ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 昨年後半から上位を保ちながら、2枚目7勝、3枚目7勝、4枚目8勝と、相変わらず三役にはあと一歩届かない場所が続いた。5月は大乱調で中位に転落するが、得意の名古屋で１年ぶりの11勝を挙げ5回目の敢闘賞を受賞。さらに5度目の前頭筆頭で迎えた秋場所、序盤３大関を総ナメにする活躍で調子に乗り、下位の好調力士も跳ね返して10勝。三賞こそなかったが、文句なしの成績で悲願の新三役を手中にした。
★24年展望・続報 ようやくつかんだ三役の地位で迎えた準ご当所福岡だったが、腰の不調を抱えて前に落ちることが多く、わずか４勝に終わった。実力は十分、すぐに復帰して定着と行きたい。４月で31歳になるが、まだ入門９年、ベテランというほど土俵年齢は食っていない。 |
| ★取り口解説 低く頭で当たりながら、左右からの相手の腕を絞り上げる。両おっつけ、ハズ押しなどであてがうようにして前に出る相撲がピタリとはまれば、見事な形で速攻が決まる。片方は浅く差したり、前褌を引いたりして距離を詰める。当たりで一歩押し込まれても、前傾が崩れないので少し下がって踏ん張り、相手の出足が止まったところを反撃、あわてて叩けばそれに付け込むという相撲で守りも強い。好調なら自分から前に攻め切ることもあるが、不調時には受身になりがちで、残しても引き技に落ちる。 ★パラメータ・スキル解説 連勝が続くと勢いに乗り、22年7月は初日から10連勝した。逆に負けだすと沈み込み、なかなか初日がでないということもよくある。小結初勝利も中日までかかり、過去には14連敗も記録している。病気やケガで急に不調に陥ることがある。腰痛が出て苦しんでいるが、その割にはしぶとく粘っている。 |
| ★注目ポイント ■悲願の新小結 上にも書いたが、過去４回前頭筆頭まで進みながら三役に届かなかった悲運の力士。30歳を過ぎて年長新三役の部類に入ってしまった。その間、西筆頭で勝ち越しながら見送られたこともあったし、5枚目の11勝で上がれなかったこともあった。たまに大負けしたり休場したりして下位に落ちることもあったが、そこでは実力を証明して大勝ち、優勝争いに絡むことも数度。三賞は敢闘賞５回、技能賞２回を数えた。実力では三役級だけに、このカテゴリーに分類した。 |