現役力士データ　28年⑤新鋭力士

基本データ	四股名等の基本的なデータ年齢はその年の誕生日以降のもの。取り口：相撲の取り方を独自の分類で表記（⇒相撲解体新書のページ参照）型　　：得意とする形（一例）　　得意技：公式のものに近い表記で体格　：身長は1cm刻み、体重は5kg刻みで掲載前後の平均的なもの、体格分類は解体新書参照
パラメータ持ち技リスト特性	体格：スケール、重量など体格面の総合値力　：馬力、腕力、小力などパワーに関する総合値足腰：バランス、踏ん張り、柔軟性など総合的な下半身の強さ速　：スプリント力、アジリティ、レスポンスなどスピードに関する総合値技　：相撲勘、技の鋭さ、タイミングなど技能に関する総合値離　：突き、押し、引きなど離れて取った時の技量組　：四つに組み合った時の技量Ａ～Ｇ（15～１、0.5刻み）でパラメータ表示それぞれに下位項目を設けているが、それ以外の要素も加味して計上している。持ち技リストは、数字がレベル（低１＜７高）、英字が頻度（多a>e少）を表す。決め技、崩し技は便宜上分けているが、それほど厳密に分類しているわけではない。（技名の前に左右がついていない場合は、どちらもある、または特に差がない場合。）特性は、心：精神面・癖、ジンクス、その他の特徴など　　　　　技：技量面、技リストで表しづらいテクニックなど　　　　　　体：体格・体力面、ケガなど詳細は、＜データ解説ver2.0＞を参照
サブチャート	■安定・大勝・キラーは活躍の傾向を示す。「 ○、△、×、無印」で傾向を示す。 ■攻め手・精神面は　　　　　　得意不得意、傾向の強さを☆＞◎＞○＞△＞×で示す。 ■間合い:密（密着した状態。がっぷ胸を合わせた状態）接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。向付、半身など）近（体は接しているが廻しには掛からない距離。押し合い、前さばきの応酬）　　　離（完全に体が離れた間合い。突っ張りに適した距離。）　　　遠（遠距離。前掛かりに腕を伸ばして届く距離。）
解説	略歴・近況（27年1月時点）/対戦相手として見た時の分析/得意技・パラメータなどの解説

遠　藤　最高位:前頭筆頭　石川出身　追手風部屋　26歳
取り口：正攻法型				型：左四つ右上手		得意手：寄り、投げ		184cm/145kg 中型中肉
体格	E 7.0	懐	7.5	＜決め技＞右上手投げ4b 右前褌寄り4a 上手出投げ3b 左下手投げ2d 突っ張り　3c 突き落とし3c モロ手突き2d 両差し寄り2d 外掛け　2d 切り返し　1e	＜崩し技＞左腕返し　2b 引きつけ　2b まわし切り2c はたき　　2d 左突きつけ2b たぐり　　1d おっつけ　3b 左ハズ押し3c	＜立合＞右前褌　3b 左差し　　3b 張差し　　3c 右おっつけ2b モロ手突き2d ぶちかまし2c カチ上げ　1c 頭b肩c胸d 手d変化e	＜心＞相撲勘尻上がりスロ-スタ-ト対速攻× 連敗癖超人気	＜技＞詰め○ 左堅い前さばき俵伝い	＜体＞体質柔軟足腰柔軟すり足○ バッタリ左足首左ひざ
		重	7.0
力	E 7.5	馬力	7.5
		怪力	7.5
足腰	D 8.5	安定	8.0
		粘り	9.0
速	D 8.5	出足	8.0
		敏捷	9.0
技	C10.0	技巧	10.5
		キレ	10.0
離	D 8.0	突	8.0
		押	8.5
		引	7.5
組	D 9.5	寄	10.0
		投	10.0
		掛	7.0

★略歴　　日大で実績を残し、幕下10枚目格付出。幕下2場所を突破、新十両では14勝で優勝し4場所目に幕内という史上初の快進撃で、一躍スターに。26年初場所は11勝4敗で敢闘賞、大関復帰を目指す琴欧洲に引導を渡した。夏は新横綱鶴竜から初金星。このあたりまでは順調だったが、その後は故障もあって停滞。毎日多数の懸賞がかかる人気力士の地位を築くが、いまだ三役に届かない。

★前年　　初場所初日に日の出の勢いだった関脇逸ノ城を破り、上位での活躍、新三役が期待されたが、ケガに泣いた。春場所松鳳山を俵に詰まりながら突き落とした際、膝が内に入って靭帯を痛める。翌場所強行出場で初日から6連敗と痛々しく、何とか踏ん張って十両陥落は免れた。故障も回復してきて九州には4枚目まで戻したが、またも故障をおしての土俵。千秋楽で4勝目を挙げたがしばらく立ち上がれないほどだった。

★当年　　まずは故障を直してからだ。ケガでなくても上位では苦闘が続いており、身体を作り直して再挑戦したい。年内には新三役を。

★取り口　　左四つで右の浅いミツを引く形が最も良く、引きつけ、腕の返し、投げでの崩し、土俵際の詰めも秀逸。型の美しさに華を感じる。突き押しで前に出る力もある。

★パラメータ・スキル　　総合値8.4。技能面には定評があるが、馬力不足と軽さが見え、怪我の影響もあってか受け身に回ると踏ん張れないことが多かった。元来足腰の良い力士だが、前掛かりになって土俵に這う場面も目立つ。

大砂嵐最高位:前頭筆頭　エジプト出身　大嶽部屋　24歳
取り口：パワー型				型：右差し左上手、上突張り		得意手：寄り、投げ		189cm/150kg 長身筋肉
体格	C10.0	懐	10.5	＜決め技＞上突っ張り4a 掬い投げ 3b 上手投げ 3b 右四つ寄り3b 上手出投げ3c はたき　3b うっちゃり2c 突き落とし3c 小手投げ 3c モロ手突き3c	＜崩し技＞張り手　　4a のどわ　2c 肩透かし1e 右突きつけ2c 両前褌寄り1e 両差し寄り1e 引きつけ　3b 吊り 1d 巻き替え1d	＜立合＞モロ手突き3b 左上手　 3b 右差し 1c はたき　　3c カチ上げ5c 体当たり2d おっつけ1d 頭d肩b胸c 手c変化d	＜心＞強引引き癖ツラ相撲ラマダン	＜技＞ワキ甘いバタ足棒差し呼び込み引張り込み	＜体＞腰高立ち腰筋肉質右上腕左肩両膝体質硬いケガ×
		重	9.0
力	C11.0	馬力	10.0
		怪力	12.0
足腰	E 6.5	安定	6.5
		粘り	6.5
速	D 8.0	出足	8.0
		敏捷	8.0
技	E 6.0	技巧	5.5
		キレ	7.5
離	D 8.5	突	9.0
		押	7.0
		引	9.5
組	D 9.5	寄	9.5
		投	9.0
		極	9.0

★略歴　　初のアフリカ人力士、イスラム教徒として話題を集め、番付についてからわずか8場所目で関取に。十両も連続10勝で25年九州には入幕。新入幕で初めての負け越しを味わうなど粗削りな相撲の弱点を露呈したが、パワーで武器に上位進出。横綱初挑戦から2日連続の金星を獲得したが、猛威を奮った顔面へのカチ上げが批判を浴びて封印、膝のケガもあって上位に定着しきれないが、依然怖い存在。

★前年　　故障明けで下位からのスタートとなったが、春11勝で上位復帰。夏は豪栄道を破ったが負傷休場。名古屋も11勝、2枚目に上がった秋は横綱大関戦こそ勝てなかったが勝ち越し。西筆頭に止められ三役再挑戦の九州は優勝した日馬富士を寄り切ったが、13日目に負け越し。さらにその一番で土俵下に落ちて膝を負傷。早くも入幕後4度目の途中休場に追い込まれた。

★当年　　繰り返し痛めている膝の状態が心配される。もともと腰高で足腰が悪くても上体の力で勝ててしまう相撲だが、荒っぽい相撲からの転換を図って結果も出始めていたところ。故障を繰り返さない取り口の完成を優先したい。

★取り口　　かつては裏拳のようなカチ上げから張り手ぎみの荒っぽい突っ張り、叩きでねじ伏せた。長身を活かして右四つに組み止める相撲が向上しており、右はかいなが返る方ではないが突き付けるように使い、リーチある左で上手を引き付ければパワーが活きる。日馬富士に完勝した一番は自信になる。立合いはもろ手で突き起こしてから左上手狙い。

★パラメータ・スキル解説　　スピードは特筆するほどではないが、機敏に動く。右上腕を痛めたが怪力は健在。体力の生きる右四つの相撲は進化、出し投げも見せるようになった。

琴勇輝　最高位:前頭九　香川出身　佐渡ヶ嶽部屋　25歳
取り口：突押型				型：モロ手突き		得意手：突き		176cm/165kg 重量筋肉
体格	D 8.0	懐	6.5	＜決め技＞モロ手突き4a 右のどわ　3b 左のどわ　3c 引き落とし3b 上突っ張り4a 突き落とし2b 両差し寄り1d 掬い投げ 1e	＜崩し技＞右突き放し3b おっつけ　2c ぶちかまし2d 引っ掛け 1e 渡し込み 1d いなし　　2c	＜立合＞モロ手突き3b ぶちかまし3b カチ上げ　1d はたき　2d 突き落とし1d 　　頭b肩e胸e 手b変化d	＜心＞突押徹底つっかけチョン立ち礼儀○ 強行引き癖	＜技＞ワキ甘い引き足×	＜体＞体質硬い腰高左ひざ
		重	8.5
力	D 9.0	馬力	9.0
		怪力	9.0
足腰	E 7.5	安定	7.5
		粘り	7.0
速	D 8.5	出足	9.0
		敏捷	8.0
技	E 6.5	技巧	6.5
		キレ	7.0
離	D 9.0	突	10.0
		押	8.0
		引	8.5
組	F 5.0	寄	6.0
		投	4.5
		取	4.0

千代鳳　最高位:小結　鹿児島出身　九重部屋　24歳
取り口：押し相撲型				型：左四つ/右四つ両廻し		得意手：寄り、押し		179cm/180kg 重量肉厚
体格	D 9.0	懐	7.0	＜決め技＞吊り寄り　3b 左差し寄り3b 右前褌寄り2c 突っ張り　2c 両差し寄り2c モロ手突き2c はたき　 2c 右下手投げ3b 掬い投げ 2d 首投げ　　1e	＜崩し技＞右のどわ 4c おっつけ　3b ハズ押し　2c ひねり　1d 外掛け　1e たぐり　　2d 引きつけ3b 左腕返し2c 突き付け 2c 浴びせ倒し2d 巻き替え　1d	＜立合＞ぶちかまし3a 両差し　　3c おっつけ 2b 左差し　　2c 右のどわ　3c モロハズ　2b 突き落とし2d 　頭a肩e胸e 手d変化e	＜心＞ご当所○ 強引ツラ相撲顔から立合遅い	＜技＞逆四つ○	＜体＞前傾○ 丸い体巨腹体質柔軟重心低い反り身内股ケガ× 左膝左ひじ
		重	11.0
力	E 7.0	馬力	7.0
		怪力	7.0
足腰	C10.0	安定	10.5
		粘り	9.0
速	E 7.0	出足	7.0
		敏捷	7.0
技	E 6.5	技巧	6.5
		キレ	6.5
離	D 8.0	突	7.5
		押	9.0
		引	7.5
組	E 7.5	寄	7.5
		投	7.5
		捻	7.0

★略歴　　中卒で入門当初、５場所連続で休場と苦しんだが、回復すると高い能力を見せて順調に出世。24年春に10代で関取となる。25年に入ると連続10勝をあげ入幕。1場所で陥落したが、ご当所九州で13勝し十両優勝すると再入幕では10勝、翌場所5枚目で9勝勝つといきなり新三役に昇進した。5勝に終わったが、横綱鶴竜、大関琴奨菊を正面から破る活躍。期待の若手として兄千代丸とのコンビで売り出したが、膝の怪我で十両陥落するなどその後は苦労している。

★前年　　初場所2日目インフルエンザで休場して始まった一年。下位に落ちた春場所は三役力士の実力を見せて11勝。しかし勝てば三賞の千秋楽で逸ノ城に押し潰されて膝を負傷。痛すぎる1敗の影響は大きく、翌場所に間に合わず十両に落ちた。すぐ再入幕、ようやく回復してきたご当所九州では、初日から5連勝するなど10勝をマーク。これを弾みに早く上位に戻りたい。

★取り口　　　押し相撲だが、四つになることも多い。重心低く前傾姿勢で、なおかつ引き技に落ちないしぶとさが魅力。一気の出足はないが、腰が重く差して寄っていく力がある。どちらかといえば左差しが十分、頭をつけて差し手を突き付けるように出るか、吊り寄り気味に持っていく。

★パラメータ・スキル　　総合値7.9。突き押しで出ながらの差し身が持ち味。組むと意外に多彩な技がある。投げは下手からの方が得意。柔らかさ、足腰の良さもあるが、ケガが多いので無理な残し方は心配。立合いの咳払いはやめたが、相変わらず所作は遅い。

千代丸最高位:前頭十一　鹿児島出身　九重部屋　25歳
取り口：撹乱型				型：突っ張り		得意手：突っ張り、叩き		178cm/180kg 重量肉厚
体格	Ｄ 9.0	懐	7.5	＜決め技＞モロ手突き4c 引き落とし5b 突っ張り 3a はたき　　3b 突き落とし2c 上手投げ2c 上手出投げ1c 右四つ寄り1e	＜崩し技＞右のどわ　3b 左のどわ　2c ハズ押し　2c 突き放し　2c いなし　　2c まわし切り1c 極め　　1d 徳利投げ　2c	＜立合＞モロ手突き4a 右のどわ 3b 左カチ上げ2c はねあげ1e 　頭e肩c胸e 手a変化e	＜心＞ツラ相撲速攻シンプル立合遅い引き癖人気	＜技＞引き足変化技○ まわりこみ左堅い	＜体＞丸い体腹相撲立ち腰反り身右肩
		重	10.0
力	E 7.5	馬力	7.5
		怪力	7.5
足腰	E 6.5	安定	6.5
		粘り	6.0
速	E 6.5	出足	7.0
		敏捷	6.5
技	E 6.5	技巧	6.0
		キレ	7.0
離	D 9.0	突	9.0
		押	8.0
		引	10.0
組	E 6.0	寄	6.0
		投	6.0
		捻	7.0

貴ノ岩　最高位:前頭十一　モンゴル出身　貴乃花部屋　25歳
取り口：正攻法型				型：左四つ右前褌		得意手：押し、投げ		181cm/145kg 平均筋肉
体格	E 6.5	懐	6.5	＜決め技＞右上手投げ3b 上手出投げ3b 右前褌寄り3c 左前褌寄り2c 下手出投げ3d 突っ張り 2c はたき 3b 下手投げ 3c 掬い投げ 3c うっちゃり 2d	＜崩し技＞左おっつけ2b 右おっつけ2c のどわ　　2c まわし切り4c 巻き替え　2c 投げ寄り　2d 外掛け　2b 裾払い　　1d 二枚蹴り　1d 切り返し　1d 吊り　 1d	＜立合＞右前褌　　3b 左前褌　2d 体当たり　2c 張り差し 1d 左ハズ　　2b 右おっつけ2b はねあげ1d 頭a肩c胸d 手d変化e	＜心＞番付運× ムラッ気寸前× ツラ相撲チョン立ち	＜技＞ヒザ送り足癖	＜体＞足腰柔軟前掛かりバッタリ
		重	6.5
力	E 7.0	馬力	7.0
		怪力	7.5
足腰	D 8.0	安定	8.0
		粘り	8.5
速	D 8.0	出足	8.0
		敏捷	8.5
技	D 8.0	技巧	8.0
		キレ	8.0
離	E 7.5	突	7.5
		押	7.5
		引	8.0
組	D 8.0	寄	7.5
		投	9.0
		掛	9.0

★略歴　　鳥取城北高への留学を経て入門した貴乃花部屋初の外国人力士にして、初の新入幕力士。1年で幕下上位まで進出したが一時停滞。故障で三段目落ちしたが、復帰してから一気に関取まで走った。番付運も悪く十両では1年半もまれたが、26年初場所で新入幕。負け越したが千秋楽に売り出し中の遠藤を鮮やかな下手出し投げで逆転し残留。翌場所10勝、しぶとい相撲で存在感を発揮するかに思われたが、なかなか定着できずにいる。

★前年　　初場所は十両でも負越して心配させたが、11番勝って一気に再入幕。しかし勝ち越しに手が届かず出直し。

★当年　　初場所は幕内に復帰。今年こそ定着、その上を狙いたい。

★取り口解説　　おっつけなどである程度押し込みながら四つに組んで勝負するが、そのまま突き押しで前に出ることも。得意の形がはっきりしないが、左四つで右の浅い上手を取ると形が良く、多彩な技が出る。相手に合わせた取り口が目立つ。

★パラメータ・スキル解説　　出し投げや足技なども繰り出すほか、まわしの切り方など技能面は優れている。がっちりした体つきだが幕内ではまだ馬力不足か。十両時代は2場所連続7－6から連敗して負け越したり、あと1番で入幕の場面で連敗したりと(筆頭で7－3からの5連敗など)勝負弱さが目立った。2枚目9勝で入幕できないなど相変わらず番付運には見放されている。

平成28年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬日馬富士鶴竜琴奨菊稀勢の里豪栄道照ノ富士
三　役	栃煌山妙義龍逸ノ城碧山栃ノ心隠岐の海嘉風
古　参	安美錦豪風豊ノ島松鳳山北太樹豊響時天空玉鷲佐田の富士蒼国来里山朝赤龍阿夢露
中　堅	髙安勢魁聖常幸龍千代大龍宝富士臥牙丸佐田の海富士東德勝龍旭秀鵬誉富士鏡桜荒鷲
新　鋭	遠藤大砂嵐琴勇輝千代鳳千代丸貴ノ岩
新入幕	英乃海青狼大栄翔御嶽海