現役力士データ　29年①上位陣

基本データ	四股名等の基本的なデータ年齢はその年の誕生日後のもの。取り口：相撲の取り方を独自の分類で表記（⇒相撲解体新書のページ参照）型　　：得意とする形　　得意技：公式のものに近い表記で体格　：身長は1cm刻み、体重は5kg刻みで掲載前後の平均的なもの。体格分類は「解体新書」参照
パラメータ持ち技リスト特性	パラメータ　15～１（0.5刻み）で表示。（上位項目はランクを併記。今年から基準変更）　S(15-14.5)A(14-13)B(12.5-11)C(10.5-9.5)D(9-8)E(7.5-6.5)F(6-4.5)G(4-) 体格：スケール感、重量感、懐の深さなど体格面の総合値力　：馬力、腕力、相撲力、小力などパワーに関する総合値足腰：バランス、踏ん張り、柔軟性など総合的な下半身の強さ速　：スプリント力、アジリティ、レスポンスなどスピードに関する総合値技　：相撲勘、前捌きの良さ、技の鋭さ、タイミングなど技能に関する総合値離　：突き、押し、引き技など離れて取った場合の総合的技量組　：寄り、投げ、その他組み合って取った場合の総合的技量それぞれに下位項目を設けているが、それ以外の要素も加味して計上している。吊り、極め、掛け(足技のみ)、足取り、反りは、最も代表的なものをピックアップ。持ち技リストは、数字がレベル（低１＜７高）、英字が頻度（多a>e少）を表す。決め技、崩し技は便宜上分けているが、それほど厳密に分類しているわけではない。（技名の前に左右がついていない場合は、どちらもある、または特に差がない場合。）特性は、心：精神面・癖、ジンクス、その他の特徴など　　　　　技：技量面、技リストで表しづらいテクニックなど　　　　　　体：体格・体力面、ケガなど詳細は、＜データ解説ver2.0＞を参照
サブチャート	■傾向　　●が指向の強さを表す。　（持ち味は剛か柔か、型を徹底するか多彩な取り口か、速攻かじっくり理詰めか、　気性・取り口は動か静か、四つに徹すか突き・押しに徹すか、四つは左・右どちらを狙うか） ■Ｖ争いの展開（上位陣のみ）/活躍の傾向は、得意・傾向が強い順に、「 ○、△、×、無印」で示す。 ■間合い:密（密着した状態。がっぷり胸を合わせた状態）接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。向付、半身など）　　　　　　近（体は接しているが廻しには掛からない距離。押し合い、前さばきの応酬）　　　　　　離（体が離れ、突っ張りに適した距離）　　　　　　遠（遠距離。前掛かりに腕を伸ばして届く距離）　　　　　得意とする順に、☆＞◎＞○＞△＞×で示す。 ■総合値：パラメータの平均値。矢印は前年との比較（0.1以内の増減は「→」）
解説	略歴・前年評価・当年期待(29年1月時点)　/　取り口・パラメータとスキルに関するコメント

白　鵬　最高位:横綱　モンゴル出身　宮城野部屋　32歳
取り口：本格型				型：右差し左上手		得意手：寄り、上手投		192cm/155kg 長身中肉
体格	Ａ13.0	懐	14.0	＜決め技＞左上手投げ6b 左上手出投5c 右四つ寄り6a 小手投げ 4b はたき　 4c モロ手突き2c モロ差寄り3c 掬い投げ4c 掛け投げ3c 呼び戻し2d 櫓投げ　1e	＜崩し技＞張り手　3b 巻き替え 5c 上突っ張り3b 極め　　3d 廻し切り　5c とったり 5c 右腕返し　4c 内掛け　　2e 裾払い　　1e まわし切り5b 内無双　2d	＜立合＞張差し　5b 右カチ上げ5b モロ差し　2d モロ手突き2d 左前褌 3c 左上手　2e いなし　2e とったり　2d 猫だまし1e 頭e肩a胸c 手c変化e	＜心＞安定感短気投げ多用マイペ-スまったじらし初顔○ スタ-ト○ 息切れ早熟型	＜技＞前捌きまわりこみ膝払い受身○ 摺足○ 足技外四つ	＜体＞懐深いヒザ柔軟体質柔軟吸収粘り腰○ ケガ○
		重	12.5
力	B12.0	馬力	11.5
		怪力	12.0
足腰	B12.0	安定	11.0
		粘り	12.5
速	B11.5	出足	12.5
		敏捷	11.0
技	B12.5	技巧	12.0
		キレ	13.0
離	C10.5	突	10.5
		押	11.0
		引	11.5
組	A13.5	寄	13.5
		投	13.5
		極	11.0

★略歴　　15歳で入門。16年夏入幕、18年夏新大関で初優勝、19年横綱昇進。無敵を誇った朝青龍から王座を奪い、以来史上最長級の黄金時代を築いた。その間に打ち立てた記録は数知れず。年間最多86勝を2年連続。史上1位タイの7連覇。双葉山に次ぐ63連勝。休場することなく綱を張り続け、二桁勝利などの連続記録も更新。前人未踏の優勝37回をはじめ、通算記録でも歴代1位を次々塗り替える。27年秋に横綱として初めて休場、28年秋は初めて全休。後続が肉薄してきているが、体調万全なら依然王座は揺るがない。

★前年　　【下降傾向】春から名古屋にかけて33連勝。九州場所で史上3人目の通算1000勝をマーク。稀勢の里の綱取りを跳ね返すなど存在感は十分だったが、優勝2回のほかは、11勝以下。翳りも見える。ここ数年のようなバッシングは少し落ち着いたが、往年の横綱相撲は減り、絶対王者とも言えなくなってきた。

★当年　　【記録更新】通算勝利数で魁皇、千代の富士を射程に捉える。左膝など足腰に不安が覗くが、同年代のライバルたちは復調しており、まだ衰えられない。

★取り口　　右差し左上手で無敵。王道の右四つの型を持ちながら、器用で技への探求心旺盛。立合い張り手からの肘でのカチあげなど、荒っぽい技が目立つが、鬼に金棒という感じだ。ただ、荒技は勝ちを急いでいるときに出る。雑な張り手、叩きに付け入られることもある。

★パラメータ・スキル　　(12.6→12.1)去年より後続との差は詰まった。恵まれた長身、体重こそ平均的だが腰は重く、突き押しも柔らかく受けて力を逃がす。一方で出足、反応などのスピード面も最速クラスだ。膝など下半身に故障が多発したのは心配。寄りに屈する場面も見られるようになった。

日馬富士　最高位:横綱　モンゴル出身　伊勢ヶ濱部屋 33歳
取り口：スピード型				型：右差し左前褌、突押		得意手：喉輪押、上手投		185cm/135kg 軽量筋肉
体格	D 8.0	懐	9.0	＜決め技＞のどわ　　5b 左前褌寄り5b 上手出投げ5b 右四つ寄り3c モロ差寄り4c モロ手突き2c 左上手投げ4b 右下手投げ4c 小股　　3c 首投げ　2d 吊り落とし1e	＜崩し技＞張り手　5a 巻き替え 3c 上突っ張り4a 突き放し　3b 足取り　　3d とったり 5c うっちゃり2d 裾払い　　1e はたき　　2d 小褄取り　1e ひねり　　2e	＜立合＞ぶちかまし5a 右のどわ　5c 前褌　　 2c 左上手　4c 左おっつけ2c 張差し　3b 　頭b肩e胸e 手b変化d	＜心＞荒技勝負強い一番相撲○ 逆境○ ムラッ気尻上がり取りこぼし対小兵○ チョン立ち髷つかみ挑発	＜技＞突進差し身まわりこみ膝払い多彩足癖ずらし足取り連発向こうづけ	＜体＞前傾○ 右膝右ひじ右手首両足首ケガ× 調整×
		重	7.0
力	B11.0	馬力	12.0
		怪力	9.5
足腰	B11.5	安定	10.0
		粘り	12.0
速	A14.0	出足	14.0
		敏捷	13.5
技	A13.0	技巧	12.5
		キレ	14.0
離	B11.5	突	11.5
		押	11.5
		引	11.5
組	B11.5	寄	11.0
		投	12.5
		掛	10.5

★略歴　　白鵬と同じ16年入幕。小兵らしいサーカス相撲、多彩な技で奮闘する姿が印象的だったが、スピードに馬力が伴うようになって20年には三役に定着。九州で決定戦にまで進んで大関へ。昇進後2度の優勝を果たす一方、故障がちで不安定な成績だったが、24年に連続全勝優勝を果たして白鵬の一人横綱時代を打破した。このとき平成で4人目の30連勝超を記録。満身創痍の体で乱調することもあるが、横綱としても４回の優勝を果たした。

★前年　【責任全う】手術した右ひじも回復に向かい、27年九州で復活Ｖ。一安心して迎えた28年は横綱らしい存在感を発揮、名古屋では綱取り稀勢の里を振り切って8度目の優勝を飾った。左の肘なども不調の中、気力で取っている感じで、優勝は1回に留まったが、取りこぼしは減りほぼ毎場所優勝争いには終盤まで加わってた。3横綱で唯一年間90日を務め上げたのが何よりの勲章。

★当年　【体調次第】30歳を過ぎて故障だらけだが、衰えどころか昇進後最も安定している。実力でも白鵬に肉薄。突然燃え尽きてもおかしくないが、ひりひりするような鋭い相撲の集大成を見せてほしい。

★取り口　　①のどわを効かせた威力ある突き押し②鋭い踏み込みで懐に飛び込み深く差しての相撲③左上手を先に取って出し投げで回りながらのスピード相撲。④どちらか前褌を取って低く食い下がるか、引き付けて一気の寄り。常に故障を抱える中で、多彩な攻めをマスターした。激しい張り手も辞さず、スキを突いて一気に懐に入るスピードが武器。

★パラメータ・スキル　（11.2→11.4）最軽量クラスながら前に出る威力は強烈。組み合っても鋭い攻めで軽さを露呈せず、後退しても逆転の投げがある。肘の状態も上がり、突き押しも繰り出せるように。どの技も切れ味は抜群で、スピード相撲で本領を発揮する。たまに勢いに乗り過ぎて落ちることも。

鶴　竜　最高位:横綱　モンゴル出身　井筒部屋　32歳
取り口：技能型				型：両差し/突っ張り		得意手：寄り、はたき		186cm/155kg 均整中肉
体格	C 9.5	懐	9.5	＜決め技＞突っ張り 5a モロ差寄り5b はたき　6a 上手出投げ5c 下手出投げ4c 突き落とし3c 右下手投げ3c 掬い投げ2d 右差し寄り4c 肩透かし　4c 左上手投げ3c	＜崩し技＞のどわ　 3b 外掛け　2d たぐり　3c 吊り　　2d 巻き替え 5b 引き落とし4c 引っ掛け 2d いなし　4b	＜立合＞モロ手突き3b ぶちかまし2b 張差し　3c モロ差し2c 左前褌 2c はたき　3d 頭b肩c胸d 手b変化d	＜心＞引き癖尻上がりポ-カ-フェ-スチャンス○	＜技＞まわりこみ差し身前捌き逆四つ○ 受身○ 変化技○ 俵伝い	＜体＞上体柔軟体質柔軟すり足○ 左足首右肩腰痛
		重	9.0
力	C10.0	馬力	10.5
		怪力	10.0
足腰	B11.5	安定	11.5
		粘り	11.5
速	B11.0	出足	11.0
		敏捷	12.0
技	A13.0	技巧	13.0
		キレ	12.0
離	B11.5	突	11.0
		押	10.5
		引	13.0
組	B12.0	寄	11.5
		投	12.5
		掛	10.0

★略歴　　18年九州で新入幕、井筒伝統の両差しを武器に技能賞常連となり、突っ張って出る威力がついてきた22年ごろから三役定着。初顔から20連敗の天敵白鵬に24年1月、3月と連勝して大関昇進。なかなか二桁勝利に届かない平凡な成績に甘んじていたが、26年1月、3月と連続14勝。昇進後一度も勝てなかった白鵬を連破して優勝同点と初優勝。ワンチャンスで横綱昇進を勝ち取った。横綱としては3年弱で優勝は1回のみと苦戦している。

★前年　【不振脱却】27年は右肩の故障と戦いながら横綱として初優勝も飾ったが、28年も腰の故障で休場するなど本来のキレは戻らず。大崩れこそしなかったが優勝争いから早々脱落するシーンが目立った。休場明けの秋場所は初日から連敗し心配させたが、九州では立ち直り混戦の優勝争いを抜け出し3度目の優勝。

★当年　【安定期待】横綱４年目を迎える。32歳と衰えが出てもおかしくない年齢だが、ケガによる不調はあっても力が落ちた様子は見られない。苦手白鵬を攻略できれば優勝争いの主軸も期待できる。初の連覇で一気に存在感を増したい初場所だったが、負傷が響き10日目で5敗を喫して途中休場。

★取り口　　組んでよし離れてよしの技能派相撲。差し身の良さを生かして有利に組むか、突っ張りでスピードを生かすか。優勝した九州場所では、出し投げのキレも発揮した。さばきの巧さ、変わり身の速さが最大の持ち味だが、叩いて体が起きたりすると、それほど重さはないので一気に劣勢に追い込まれることも。右差しが十分だが、井筒名物巻き替えての両差しが十八番。奇手はないが、ここ一番での変化には迷いなし。

★パラメータ・スキル　（11.2→11.3）腰を痛めて不振の一年だったが、九州を充実した相撲で一気に挽回した。絶対的な強みはないが、大きな穴もない。モンゴル相撲の経験はなく、派手な技は少ないが、整った型があり美しい。引いて呼び込むこともあるが、土俵際でまわりこむ動きは一級品。

琴奨菊最高位:大関　福岡出身　佐渡ヶ嶽部屋　33歳
取り口：前進型				型：左四ツ右上手		得意手：寄り		180cm/180kg 重量肉厚
体格	B11.0	懐	9.0	＜決め技＞がぶり寄り6b 右上手投げ3c 右小手投げ3b 左四つ寄り5a 右四つ寄り4c モロ差寄り2d 突っ張り 2b ハズ押し 2b 掬い投げ 2d 突き落とし3c はたき　　3c	＜崩し技＞右おっつけ4c 引きつけ　3a 巻き替え 1d 肩透かし 3d 閂　　　　3d 極め　　 4c 左腕返し　2c 廻し切り　3b のどわ　　2c 渡し込み　2d 波離間投げ1e	＜立合＞左差し　 4a 右おっつけ2b 右抱え込み4b 体当たり　2c ぶちかまし3d 張差し　 1d 左前褌　2d　頭c肩a胸c 手e変化e	＜心＞勝負弱いツラ相撲息切れ連敗癖	＜技＞右ワキ甘い左堅い受身○ 引張り込み突進相四つ○ 外四つ対変化×	＜体＞重心低い肩幅広いカタフンバッタリ右肩両膝爆弾
		重	12.5
力	A13.0	馬力	13.0
		怪力	12.0
足腰	E 7.0	安定	6.0
		粘り	8.0
速	D 9.0	出足	11.0
		敏捷	7.5
技	C 9.5	技巧	9.0
		キレ	10.5
離	C10.5	突	9.0
		押	12.0
		引	10.0
組	B11.5	寄	13.0
		投	9.0
		極	11.5

★略歴　高校相撲出身。入幕2年目の18年から上位に定着。入幕時から20キロ以上増量して力を蓄え、それが結実したのが23年。部屋の先輩大関・琴風ばりのガブリ寄りが代名詞になるまで寄りを磨き上げ、大関取りを成功させた。昇進以降は優勝争いに絡むことも少なくなり、調子を上げてきては故障してとなかなか体調十分で臨めない。25年11月には大胸筋を切ってからは、カド番が目立つようになったが、体感を鍛えなおして復調。28年1月に初優勝を果たし大フィーバー。

★前年　【竜頭蛇尾】27年に1度12勝したほかは勝ち越しがやっとの状態だったが、体調が整った28年初場所は猛然と勝ち進み、3横綱を連破。ライバル豊ノ島に1敗したものの、後を締めて14勝1敗。日本出身力士としてはちょうど10年ぶりの優勝で、一躍時の人となった。初の綱取りは、1敗で中日を迎えたものの稀勢の里の珍しい変化を食って変調、8勝に終わった。その後は相撲ぶりは安定してきたように見えたが、二桁は1度のみ。途中休場も含め、大きく崩れた負け越しも2度と尻すぼみになった。

★当年 【復調期待】33歳になるが、ガブリ寄りの出足にまだまだ翳りはなく、怪我さえなければ十分大関を張れる力はある。まずはカド番を脱出、たまの大爆発であわよくば2度目の賜杯を狙ってほしかったが、慢性化する膝の不調の影響か馬力戻らず初場所も大苦戦。稀勢の里に唯一の黒星をつけた会心の一番を置き土産に、5年余り務めた大関から陥落。

★取り口　　上手を引き付けてのがぶり寄りが魅力。重心の低いどっしりした体型で、型にはまれば自慢の出足が横綱をも一気に運ぶ。左四つでの寄りが武器だが、右を引っ張り込む癖がありワキが甘い。右四つ相手には争わず左前褌を狙うことがあるが、その方が形が良いという指摘もある。上がってきた頃はどちらかといえば押し相撲。押し負けず、つっかえ棒を外すような叩きも強い。

★パラメータ・スキル解説　（10.1→10.2）後半は奮わず初優勝劇の印象が遠くなったが、トータルで見れば前年より内容も向上。うるさい相手を引っ張り込んで持っていく腕力もあるが、上背はないのでまともに動きが止まって組み合うと不利に。両膝など故障だらけだが、迷いのない相撲ぶりで故障を克服。相変わらず変化に脆い。出足相撲だけに、奇襲を食っただけの負けでも流れを失えば一気に崩れる。

稀勢の里最高位:大関　茨城出身　鳴戸部屋　31歳
取り口：前進・堅牢型				型：左差し右上手・突押		得意手：突押,寄り		188cm/175kg 大型中肉
体格	A13.0	懐	12.0	＜決め技＞左四つ寄り5a 突き落とし5b 右上手投げ3c 割り出し 3d がぶり寄り3c モロ手突き3b モロハズ 2b 渡し込み　2d 浴びせ倒し2c 上手出投げ2d 掬い投げ2d	＜崩し技＞左おっつけ6b 左のどわ 4b 右おっつけ5a まわし切り5c 引きつけ 3b 首投げ 1e 首捻り　 2d 左腕返し　3b 上突っ張り3c ハズ押し　4b 右のどわ 3b	＜立合＞ぶちかまし3c 左差し　3b 体当たり4c 張差し　2c おっつけ3b 右突放し3c 右抱え込み1d 頭c肩a胸c 手c変化e	＜心＞気迫ライバル意識突っかけまった立合い× 土俵際初顔○	＜技＞ワキ甘い挟みつけ波状攻撃左半身	＜体＞腰高足腰柔軟右足首左足親指
		重	13.0
力	A13.0	馬力	13.5
		怪力	12.5
足腰	D 9.0	安定	8.0
		粘り	10.5
速	D 9.0	出足	12.5
		敏捷	8.5
技	D 8.5	技巧	8.5
		キレ	9.0
離	A13.0	突	11.5
		押	13.5
		引	8.5
組	B11.0	寄	12.0
		投	8.5
		極	9.0

★略歴　　近年まれに見る中卒叩き上げ。16年初場所に17歳で幕下優勝して一躍脚光を浴び、その年のうちに入幕。三役は速かったが、その後長らく停滞が続いた。当時無敵の朝青龍や白鵬を食ったり、大勝ちもするが不安定だった。22年九州は白鵬の連勝を63で止める大仕事。翌23年は全場所で関脇を務め、うち4場所二桁の安定感で大関に推挙された。昇進後は10勝前後と安定、たびたび好成績を収める一方ここ一番で勝てず、取りこぼした場所に限って上位キラーぶりを発揮という調子で賜杯に手が届かない。

★前年　【横綱目前】綱取りに明け暮れた一年だが、ついに綱も賜杯も手に届かず。優勝なしの年間最多勝という珍タイトルを獲得した。春は久しぶりの13勝で足場を固め、夏は12連勝していよいよ初優勝と盛り上がったが、白鵬の壁が立ち塞がった。名古屋は13日目に日馬富士との相星対決で敗れ12勝3敗。あとは優勝だけ、秋場所は白鵬の全休で期待がかかったが、3日目で2敗と自滅した。夏巡業を休むなどこのところ身体のコンディションが万全とはいかないが、安定感を増して初の年間最多勝をマークした。

★当年　【念願成就】31歳となった未完の大器。残されたチャンスはどれだけあるか。弟弟子の髙安が迫り、刺激を与えているはず。念願の優勝と横綱を掴む年にしたい。九州では12勝ながら横綱3連破の快挙で、僅かながら初場所の綱取り可能性を残した。そしてその僅かな可能性が実現。初場所の初優勝で両手に花。ついに国民の悲願、日本人横綱の誕生だ。

★取り口　　突き押しか左四つの寄りで前に出る相撲。左右のおっつけ、のどわを効かせてそのまま押し出すか、左四つに組み止めれば安定感がある。かつては攻撃一辺倒で詰めが甘いと言われたが、最近は左差し半身で防戦してからじわじわ形を整える慎重な取り口も見せるようになった。もちろん横綱戦で見せる気迫あふれる相撲が最大の魅力だが、ここ一番では攻め急いで重心が高いまま出て逆転されるのが悪いパターン。

★パラメータ・スキル　（10.5→10.9）馬力、出足で圧倒する場面は減ってきて、重さを活かした左四つでじっくり寄り切ることで取りこぼしを抑えている。腰が入りやすく、バランスを崩されると踏ん張りきれない場面もある。意外と体の柔らかさもあるが、近年小さな故障が増えてきたのが心配。四つでの廻しを切る技術も評価したいが、器用な方ではない。

豪栄道最高位:大関　大阪出身　境川部屋　31歳
取り口：スピード型				型：右差し左前褌		得意手：寄り、投げ		183cm/150kg 平均中肉
体格	Ｄ 8.0	懐	7.5	＜決め技＞右四つ寄り4a 右下手投げ5b 両差し寄り4b 上手出投げ4b 掬い投げ 4b 首投げ　　6c 小手投げ 2b 引き落とし5a 下手出投げ3c 右前褌寄り4c はたき　　4b	＜崩し技＞モロハズ 4c おっつけ　3c ひねり 4c 渡し込み 3d 外掛け　 3c 引きつけ 4b 巻き替え 3c 切り返し 3d うっちゃり2e 小褄取り 1e 浴びせ倒し2d	＜立合＞左前褌 4b 右差し 3b 右前褌　3b カチ上げ2c おっつけ2c 張差し　4c モロ手　2d 両差し　2d 頭a肩d胸e 手b変化e	＜心＞気迫スロ-スタ-ト尻上がりツラ相撲引き癖投げ癖詰め× 番付運○ ムラッ気	＜技＞上手相撲逆四つ○ 足跳上げ振り回し膝送り前捌き上下動あてがいもぐり	＜体＞重心低い前傾○ バッタリ左肩右ひざ怪我×
		重	8.5
力	B11.0	馬力	11.0
		怪力	11.0
足腰	D 9.0	安定	8.0
		粘り	10.5
速	B12.5	出足	12.5
		敏捷	12.5
技	B11.5	技巧	10.0
		キレ	13.0
離	B11.0	突	9.0
		押	11.0
		引	11.5
組	B11.5	寄	10.5
		投	12.5
		捻	11.0

★略歴・近況　　強豪埼玉栄高で実績を残し、期待どおり2年半で入幕。19年9月の新入幕でいきなり優勝争いに加わる。三役と平幕を往復していたが、24年5月に3年ぶりの関脇復帰を果たしてから安定、連続関脇在位14場所の記録を作る。その間、たびたび大活躍を見せるが続かず、大関取りまでいかなかったが、1場所置きに12勝、直前２場所連続で白鵬を倒したことが評価され、昇進した。故障の連続で不本意な成績が続き大関を保つのが精一杯だったが、28年9月に突如覚醒し涙の初優勝。しかも全勝で飾った。

★前年　【突如覚醒】ご当所春場所は序盤膝を痛めながら千秋楽まで優勝を争い、大関として初の二桁となる12勝。しかし眼窩底骨折など相変わらず不運が続き、名古屋も負越してカド番で迎えた秋場所だったが、何と全勝。危ない相撲もあったが、身体のキレがよく、技も決まった。悪癖の安易な引き技も全く出なかった。日本人力士の全勝は貴乃花以来20年ぶりの快挙だった。

★当年　【連続二桁】以前の不安定ぶりを指摘する声も少なく、大いに期待された綱取り場所だが、好スタートを切りながら9番止まり。好調は維持していただけに惜しまれるが、29年はこの相撲を安定して出したい。好成績が続かないジンクスを破り、再び綱取りレースに加わりたい。

★取り口　　浅い上手を取ると十分。強い引付けで体格の不利も感じさせない。出し投げ、捻り、外掛けなどの多彩な技があり、ハズ押しなどの基本技の完成度も高い。相撲センスの塊のような力士だが、その勘のよさゆえに時に危険な勝負手に出る。首投げは代名詞で、カド番の千秋楽で二本差されたところからこれで脱出。優勝を決定づけた日馬富士との一番もこれで大逆転。どちらの四つでも廻しを取れば強い印象だったが、この一年は右四つの相撲が完成度を増した。

★パラメータ・スキル解説　　（10.1→10.6）組んでも離れても技が出る相撲巧者だが、ワキが空きやすいのと、土俵際の逆転負けが多いのが欠点。懐の深さはないので、胸を合わせないようスピードと反応の速さを武器に先手を取って攻める。主に上手からの芸が多いが、投げは下手からが多い。

照ノ富士最高位:大関　モンゴル出身　伊勢ヶ濱部屋　25歳
取り口：スケール型				型：右四つ/左四つ上手廻し		得意手：寄り、投げ		192cm/180kg 大型肉厚
体格	B12.5	懐	13.0	＜決め技＞右四つ寄り4b 上手投げ　4c 小手投げ　4b 左四つ寄り3b 掬い投げ 2d 下手投げ 2d 突き落とし2d 吊り　　1d はたき　2c 裾払い　1e	＜崩し技＞閂　　　4d 右腕返し　3c 巻き替え　2c 右突き付け3b まわし切り2d 突っ張り　2d 右はず　　2c 外掛け　　1d 小股　　　1e 浴びせ倒し2c	＜立合＞左前褌　 3b 右差し　　2c 右おっつけ2d 左差し　2b カチ上げ2d 抱え込み2c 張差し　　3c はたき　　2d 頭d肩b胸c 手d変化d	＜心＞スロ-スタ-ト尻上がり持久戦強引強行	＜技＞左半身ワキ甘い引張り込み逆四つ○ 外四つ○ 呼び込み	＜体＞腰重いスタミナ○ 右ひざ左ひざ
		重	12.5
力	B12.0	馬力	11.0
		怪力	12.5
足腰	E 7.0	安定	8.0
		粘り	6.5
速	E 7.0	出足	7.5
		敏捷	6.5
技	D 8.5	技巧	8.5
		キレ	8.5
離	D 9.0	突	9.5
		押	8.5
		引	7.5
組	C10.5	寄	10.5
		投	10.0
		極	11.0

★略歴　　鳥取城北高への留学を経て、23年に若三勝の四股名で間垣部屋に入門。部屋の閉鎖に伴い伊勢ケ濱部屋に移籍した。25年9月に改名して新十両優勝。26年3月新入幕。着実に力をつけて上位に進出していった。三役までは大勝も少なかったが、新三役で白鵬を破り13勝、翌場所は逆転で優勝を飾り、三役在位わずか2場所で大関へと躍進。平成生まれとして初の優勝、大関昇進を果たし、そのスケール感から横綱は時間の問題と見られたが、優勝戦線を引っ張っていた27年秋に膝を故障。決定戦まで持ち込んだものの無理が祟ったか、以後はケガ続きで横綱どころか大関としても不本意な成績が目立つ。

★前年　【故障低迷】27年の立役者も、回復しない膝に加えて他の箇所にもケガが続出。満足に相撲を取れない状況が続いている。カド番こそ危うく脱出しているが、鎖骨骨折で途中休場のほか、2勝13敗、4勝11敗という酷い不成績。出場の是非も含めて批判を免れない。

★当年　【回復優先】勢い、地力共に横綱を狙う一番手と見られたが、古参の日本人大関が見せ場を作る中、まったくいいところがなかった。九州では連敗スタートのあと7連勝したが、結局ギリギリ8勝でのカド番脱出。白鵬戦で勝ち越したが相手が好調なら危なかった。上を狙う前に故障との闘いに勝ちたいところ。しかし初場所も調子は戻らず、陥落した琴奨菊にも敗れて4勝止まり。1年で3度目の二桁黒星。

★取り口　　立ち合いは右四つ左上手を狙うが、左右どちらでも組み止めれば巨体を生かせる。左四つだと半身になって長期戦になる傾向がある。足腰も強く巨漢相手でも強引に振り回すスケールも魅力だが、膝の故障が長引いて強引な技は出せず、四つ身もスキの大きさを突かれて苦しんでいる。

★パラメータ・スキル解説　　（10.4→9.5）両差しを許しても踏ん張って逆転するだけの粘り、重さを持った大型大関と期待されたが、故障で踏ん張れない場面が目立つ。四つ身では意外な巧者ぶりも見せていたが、最近はワキの甘さが目立っている。本来のポテンシャルは相当なもの。

平成29年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬日馬富士鶴竜琴奨菊稀勢の里豪栄道照ノ富士
三　役	髙安栃煌山栃ノ心隠岐の海嘉風宝富士魁聖玉鷲勢
古　参	豪風松鳳山荒鷲安美錦豊響北太樹佐田の富士蒼国来阿夢露豊ノ島
中　堅	妙義龍碧山遠藤千代大龍臥牙丸佐田の海德勝龍旭秀鵬誉富士千代の国英乃海青狼
新　鋭	御嶽海逸ノ城大砂嵐琴勇輝千代鳳貴ノ岩大栄翔
新入幕	正代輝大翔丸明瀬山錦木北石番磨千代翔馬北勝富士石浦

剛○●●■●●●柔			型○●●■●●○彩			速○○●■●●●理
動○●●■●○○静			四●●●■●○○押			左○○●■●●●右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	12.1↓
◎	△	△	◎	◎	○	△	△

剛○●●■●○○柔			型○●●■●●●彩			速●●●■●○○理
動●●●■○○○静			四○●●■●●○押			左○○●■●●○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	11.4↑
○	◎	×	◎	◎	○	△	△

剛○○●■●●●柔			型○●●■●●○彩			速○●●■●●○理
動○●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○○●■●●○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	11.3↑
△	◎	○	○	◎	○	○	○

剛●●●■●○○柔			型●●●■●○○彩			速○●●■●○○理
動●●●■●○○静			四●●●■●●○押			左●●●■●●○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.2→
○	△	×	◎	○	○	△	△

剛●●●■●○○柔			型○●●■●○○彩			速○●●■●○○理
動●●●■●○○静			四●●●■●○○押			左●●●■●●○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.9↑
△	△	△	◎	○	○	△	△

剛○●●■●●○柔			型○●●■●●○彩			速●●●■●○○理
動●●●■●○○静			四○●●■●●○押			左○●●■●●●右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	10.6↑
○	△	×	◎	○	×	△	△

剛●●●■●○○柔			型○●●■●○○彩			速○○●■●●○理
動●●●■●○○静			四●●●■●○○押			左○○●■●●○右
Ｖ争い			間合い					総合値
逃げ	先行	差し	密	接	近	離	遠	9.5↓
△	○	△	◎	○	×	△	△