現役力士データ
2007(平成19年)
出 島 大関 <押し・右差し寄り> 武蔵川 33 181/160 | |||||||||
前進型 間合2 [右差し左おっつけ/右ハズ・モロ差し] | |||||||||
重 | D09 | 寄 | D09 |
モロ差寄り3b がぶり寄り2d モロハズ 3c ハズ押し 2d おっつけ 2b 右差し寄り3b 腕返し 2c のどわ 3c 突っ張り 2d |
上手投げ 2d 掬い投げ 2c 掛け投げ 2d モロ手突き2d はたき 2d いなし 2b 浴びせ倒し2c 極め 2d 渡し込み 2d |
<立合> ぶちかまし4a 右差し 3b 体当たり 2d モロ差し 2c かちあげ 2d 突き落とし2d 頭a肩c胸c 手e変化d |
<心> 強引 じらし 早熟型 |
<技>
電車道 速攻 差し身 詰め× かぶさり
|
<体> 体質柔軟 右膝 両脹脛 怪我× |
力 | C10 | 押 | C11 | ||||||
速 | D09 | 投 | D08 | ||||||
技 | D09 | 粘 | D08 | ||||||
バ | E06 | ス | E07 |
優勝経験もある元大関。平幕暮らしが長くなったとは言え、上位から中位にあって健闘を見せている。一時は足の故障がひどくて出足が止まればそれまで、という状態だったが、ようやく足の状態も回復し、止まっても粘りが出てきた。18年の後半には上位陣にも健闘し、惜しくも三役復帰は見送られたが九州場所では久しぶりの二桁勝利を挙げた。そして19年の初場所では4年ぶりに金星。朝青龍に唯一の黒星をつけた。ベテランと呼ばれる年齢だが、まだまだ上位で活躍できる実力を見せ付けた。
@右差し、またはモロ差し一気の出足。まわしにこだわらずに強引に出る。「出る出る出島」の真骨頂の形。A突き押しも強い。初場所で横綱を下した時のように、当たり勝ってからののどわ攻めなど、差し身にこだわらないで押す威力あり。B守勢に回っても、武蔵川部屋伝統(?)の突き落としがある。昨年、琴欧洲、琴光喜を相次いでこの手で破った。また、あまり印象にはないが、朝青龍には「相手は投げがあるので」と警戒されていた。C出るのはいいが、土俵際で落ちることも多い。ややかぶさり気味で煽るようにして止めを刺そうとすることが多いためだ。止まると決め手に欠ける出足相撲なので、仕方ないといえば仕方ない。
岩木山 小結 <突っ張り・左四つ寄り> 境川 31 185/175 | |||||||||
前進型 間合1〜3 [上突っ張り・左差し右おっつけ/上手/のどわ] | |||||||||
重 | C11 | 寄 | D08 |
上突っ張り3a がぶり寄り3c モロ手突き2c 右上手投げ2d のどわ 3b ハズ押し 3c 渡しこみ 2d 左腕返し 2c 小手投げ 2d |
はたき 2c 突き落とし2c 掬い投げ 2d 内無双 2e ひねり 2d 上手出投げ2d 浴びせ倒し1d まわし切り2c 極め 2d |
<立合> ぶちかまし4c モロ手突き3b 体当たり 2b かちあげ 1d のどわ 2d 張差し 1d 頭b肩b胸b 手b変化e |
<心> 晩成型 連敗癖 |
<技>
ワキ甘い 出足 |
<体> 額大きい 腰高 首痛 左肩 |
力 | C10 | 押 | D09 | ||||||
速 | E07 | 投 | D08 | ||||||
技 | E07 | 粘 | E07 | ||||||
バ | E07 | ス | E07 |
大学卒業後就職、迷った末に入門した「遅れてきた51組」で、土俵年齢はまだ若いはずだが、18年は不調だった。この2年ほど故障が多くなり、特に首の怪我で自慢の頭からのぶちかましが影を潜め、立合いで主導権を握れないのがその原因。馬力に磨きをかけて、最近の不振が衰えではないことを証明したい。宝智山、豪栄道ら、期待の若手が目白押しの境川部屋の頭としての働きも期待される。
@幕内最重量級の体を生かした重いぶちかましは上位陣にも脅威。大きな額も圧力の源。出足を駆っての突っ張りか、左差し寄り速攻で出るのが持ち味A左四つなら組んでも取れる。腰高な点はマイナスだが重さがあり、さらに意外に器用な面も。土俵際の渡し込み、出し投げもあれば、昨年は内無双も披露。B押し込めなくても、引き技がある。最近はややこれが多いのは残念Cやはり出足を止められて、四つ身のいい力士にかかると180`の体も生きない。足腰は悪くない方だが、投げを食う場面が目立ち、横に回られると腰が起きてしまう面もある。
垣 添 小結 <押 し> 武蔵川 28 177/140 | |||||||||
突貫型 間合2 [モロハズ・左ハズ右おっつけ・両おっつけ] | |||||||||
重 | E06 | 寄 | E06 |
モロハズ 3c おっつけ 3a ハズ押し 3c 突っ張り 2c のどわ 2b 突き落とし3b はたき 2b 引き落とし2c いなし 3b |
はねあげ 2c モロ差寄り1d 掬い投げ 2d 小手投げ 2d 渡し込み 2d 巻き替え 1d 肩透かし 2d モロ手突き1d 上透かし 2d |
<立合> ぶちかまし3a おっつけ 2b モロ手突き2c モロ差し 1e かっぱじき1d はたき 2e 頭a肩d胸e 手d変化d |
<心> 突っかけ 気迫 突押徹底 立合い○ |
<技>
まわりこみ 速攻 挟みつけ 詰め× 頭四つ |
<体> 前掛り 重心低い アゴ上り |
力 | D09 | 押 | C10 | ||||||
速 | B12 | 投 | E06 | ||||||
技 | D09 | 粘 | D09 | ||||||
バ | E07 | ス | D08 |
立合いは先に仕切って両手をつき、静止してから立つ。突っかけることは多いが、手を付かない力士が多い中で模範的だ。学生相撲で高い実績を誇り、新規定を満たして幕下付出デビューしたが、入門前の膝の怪我で出遅れた。しかし関取となってからは大きな怪我もなく皆勤している。入幕3場所目で11勝の大活躍。技能賞を得て16年3月小結に昇進。以後3年ほど前頭1ケタの番付で頑張っているが、小兵で真っ向勝負、精一杯取る相撲ゆえか、なかなか上位では勝ち越せず、中位でも大勝ちは出来ないので、三賞・三役とも1回だけ。もう中堅の年齢。そろそろブレイクしたい。
@低くぶちかまし、おっつけから中に入ってモロハズで押す速攻が武器。徹底してまわしに手を掛けないのが潔い。A差し身のいい相手には徹底したおっつけ。両方から挟みつけて攻めることもある。「寄り切り」はめったにないが、モロ差しの寄りもできるはずB押し負けることも少なくないが、横の動きが素晴しく速い。まわしこみのスピードでピンチを脱することもしばしば。上位を食うのも叩き込み、突き落としなどの変化技。C前に落ちる負け方が目立つ。頭を下げて低く押していくので、どうしても引き技を受けやすいのは当然ではあるが、引き技に乗じてこその重心の低さ。おっつけ、ハズで出るため、そのリスクはさらに高い。片方差したり、前褌を取れば安定感は増すかもしれない。
安美錦 小結 <右四つ寄り投げ・足技・押し> 安治川 28 185/129 | |||||||||
業師・スピード型 間合1 [右下手・左/右前褌・ハズ押し] | |||||||||
重 | E06 | 寄 | D08 |
右下手出投4c おっつけ 2b 前褌寄り 2c 引き落とし3c 外掛け 3c 上手投げ 3b 掬い投げ 3c ハズ押し 2b 足取り 2d |
ひねり 3c 大逆手 2e いなし 3b 裾払い 2c 肩透かし 3c モロ差寄り2c 切り返し 2d 引っ掛け2c 下手投げ 3c |
<立合> ぶちかまし2a 右差し 3b 前褌 2c 左上手 2c 張差し 2e いなし 2c 頭a肩d胸d 手d変化c |
<心> 上位キラ- 策士 横攻め 冷静 |
<技>
相撲勘 土俵際 前捌き 足癖 まわりこみ 食い下がり 対速攻× |
<体> 前傾○ 敏捷 体質柔軟 肘柔軟 右膝 腰痛 怪我× |
力 | E07 | 押 | D08 | ||||||
速 | C11 | 投 | C10 | ||||||
技 | B13 | 粘 | C10 | ||||||
バ | D09 | ス | D08 |
貴乃花最後の相手となり、武蔵丸、朝青龍からも金星を奪っている。技能賞は3回。軽量ながら速い出世、12年7月の新入幕場所では敢闘賞。しばらくは十両に落ちたり、下位で5場所連続7勝7敗となったりと、苦戦していたが、14年ごろから上位にも進出して地力をつけた。15年は大物食いぶりを発揮して名を上げた一方、右肘、右足と故障禍に見舞われ始めた。そして16年には今も苦しむ右膝の故障で2度目の十両落ち。何とか1場所で復帰し、怪我の回復と共にジワジワと番付を上げていった。最近は目方も増して、重心低く押して出るスピード相撲が増えた。その甲斐あって、18年9月では右外掛けが冴え(綱取り白鵬戦は圧巻)11勝。新小結の座を地力でこじ開けた。苦労人の兄・安壮富士も新入幕を決め同時昇進となった。だが、右ヒザなどコンディションは芳しくない。序盤で具合が悪くなると苦しい土俵が続く。
@上背はあるが、前傾で前褌取っての食い下がり相撲。右でも左でも浅い上手を引いて、もう一方はハズで押し、出し投げも絡めて崩して出る。相手が強引に振ると、外掛けの妙技で刈り倒す。A体が大きくなり、押す力もついてきたことで、おっつけとハズ、いなしで押し出す本格的な技能相撲も増えてきた。動きの速さが生きるB圧力に勝る相手にも、右下手入れば対抗可能。下手出し投げなど、土俵際の魔術も繰り出す。まれに打っ棄りもC千代大海に9戦全敗しているように、間合を空けて徹底して突っ張られると技の出しようがない。軽量なのでがっちり捕まえられても苦しい。
旭天鵬 関脇 <なまくら四つ・寄り> 大島 32 191/151 | |||||||||
本格・スケール型 間合0 [右四つ/左四つがっぷり] | |||||||||
重 | D09 | 寄 | C10 |
左四つ寄り3a 上手投げ 3c 右四つ寄り3a 小手投げ 2d 下手投げ 3c 掬い投げ 2c モロ差寄り2d 吊り寄り 2d 突き落とし2c |
吊り 2d 腕返し 2d うっちゃり 2d 巻き替え 2c 引きつけ 2c 引き落とし2b はたき 3c がぶり寄り2c まわし切り2d |
<立合> カチ上げ2b 張差し 2b 張り上手2d 左上手 2d 抱え込み2d はたき 2d 頭e肩b胸b 手c変化d |
<心> 慎重 まった 尻上がり 晩成型 |
<技>
がっぷり○ 外四つ○ 逆四つ○ 受身○ 体入替え 土俵際 被さり |
<体> 懐深い 腰高 リーチ○ 体質柔軟 ケガ○ |
力 | D09 | 押 | E06 | ||||||
速 | D08 | 投 | C10 | ||||||
技 | D08 | 粘 | D08 | ||||||
バ | E07 | ス | C10 |
モンゴル相撲経験がなく、日本的な本格派の相撲を取る長身力士。国籍取得で名実ともに日本人となった。平成10年入幕のベテラン。なかなか定着できなかったが、じっくりと地力をつけた。本格化したのは14年ごろから。新三役昇進はラッキーだったが、9月には貴乃花に快勝して自力で2度目の三役に。15年は新横綱の朝青龍に初めての黒星をつけたほか、敢闘賞3回の活躍。小結での10勝で新関脇にも昇進、大関候補との声もかかったが、三役定着はならず。その後三賞はないが、数場所に1度は二桁勝利を挙げている。30を過ぎたが怪我に強く、番付もここ5年ほど前頭6枚目以内の上位に安定。今年も1場所は三役に名を連ねて健在をアピールしておきたい。
@長身、懐の深い体を生かした四つ相撲が得意。左右どちらの四つでも両まわしを掴めば上位陣にも通用。寄りを主体に、持ち上げるような投げ技も上手下手どちらからも出るA直接持ち上げることは少ないが吊り身があり、下手から掬うように体を入れ替えるのがうまい。B上がってきたころは引き技が目立った。最近でも劣勢になると繰り出すが、懐の深さ、柔かさがあるのでよく決まる。C四つ相撲にありがちだが、立合いがやや甘く、受身になって後手にまわりやすい。勝ち味の遅いのが難点。また、四つでも十分まわしを取れず、先に相手十分になられると、あまり腰は重くない。初場所は7敗中6敗が寄りに屈したものだった。
玉乃島 関脇 <左四つ寄り・押し> 片男波 30 189/157 | |||||||||
押し相撲・パワー型 間合1〜2 [左差し右おっつけ/右上手・突っ張り] | |||||||||
重 | C10 | 寄 | D09 |
右おっつけ4a 左四つ寄り3b のどわ 3c 突っ張り 2c ハズ押し 3b 左掬い投げ2c はたき 3b 引き落とし2c はねあげ 3b |
左腕返し 2c 外掛け 3d 右前褌寄り2d 突き落とし 2c 左おっつけ2c 裾払い 1e 首投げ 1e モロ手突き2c 右しぼり 3b |
<立合> ぶちかまし3b 左差し 2d のどわ 2c カチ上げ 2c 張差し 1e 頭a肩c胸d 手c変化e |
<心> 強行 気迫 ムラッ気 逆境○ 突っかけ まった 引き癖 |
<技>
挟みつけ 左堅い 呼び込み
|
<体> 前傾○ 足腰硬い 右足首 右肩脱臼 腰痛 |
力 | C10 | 押 | C10 | ||||||
速 | D08 | 投 | D08 | ||||||
技 | D08 | 粘 | D08 | ||||||
バ | E07 | ス | D09 |
地力はあるが、なかなか三役には定着できない。好不調の斑が大きいのか、実力者のわりに番付の上下動が激しい。その分、下位なら圧倒的な力を発揮して大勝ちもしばしば。12勝3回、11勝4回で敢闘賞5回。しかし上位での勝ち越しが少ない。怪我が多くなっていたが、それでも休むことはせず、18年初場所では序盤肩を脱臼しながら、強行出場。腕が使えないなら足を使え、とばかり外掛けの妙技を見せたりと気迫で後半戦6勝したのは見事だった。しかし頑張りもむなしく故障は続き、遂に11月、初土俵以来初めての休場に追い込まれた。30歳を迎える19年は、休場明けで幕尻スタートの正念場となったが、10勝してホッと一息。
@跳ね上げるような突っ張りから左差し、右からしぼり上げるの形で寄りが強力。右の腕力の強さは清国ばりA190センチ近い上背があるが前傾姿勢が保てる。最近見られないが、頭でのあたりが強烈で、一気に押し出す力もある。怪我の功名で外掛けも体得。B攻撃型の力士で、逆転技は少ない。より低い押しを受けると簡単に叩く場面が目立つ。余裕があるときは決まるが、自滅もしばしばC前に落ちる負け方が多々ある。
若の里 関脇 <なまくら四つ・寄り> 鳴戸 31 184/158 | |||||||||
怪力・本格型 間合0〜1 [左差し右上手・右差し左上手/モロ差し] | |||||||||
重 | C10 | 寄 | C11 |
掬い投げ 4b がぶり寄り3b モロ差寄り3c 上手投げ 3c 小手投げ 3c 突き落とし3b おっつけ 2b 引き落とし2d はたき 3c |
腕返し 2c 巻き替え 2d モロ手突き2d 廻し切り 1c 投げ寄り 2d 吊り 2e 引きつけ 3b はねあげ 2c 腰投げ 1e |
<立合> カチ上げ3a 張差し 2c モロ差し 2b 上手 2c いなし2d 頭d肩a胸a 手d変化e |
<心> 上位キラ- チャンス× 慎重 引き癖 取りこぼし 晩成型 壊し屋 |
<技>
土俵際 差し身 がっぷり○ 対速攻× |
<体> 立ち腰 アゴ上り 右大腿 右ヒザ |
力 | C10 | 押 | D08 | ||||||
速 | D08 | 投 | C10 | ||||||
技 | D09 | 粘 | E06 | ||||||
バ | E07 | ス | D09 |
三賞10回の強豪。3年間も三役に連続在位。朝青龍も含めて上位にも強く、安定した成績を残すが、取りこぼしが多く意外と大勝ちできないタイプで、幕内で12勝以上がない。大関取りの場所や優勝争いに加わった場所で露呈する勝負弱さが残念。上がってくる頃はケガにたたられていたが、暫くは頑丈に土俵を務めていた。ところが、17年は遂に三役から陥落、さらに9月の故障で久々に幕尻に転落。18年は徐々に戻ってきて金星も挙げたが、7月安馬に小股掬いと裾払いの併せ技を食らって右膝負傷。予想以上に長引いて6年ぶり十両陥落の憂き目に遭った。まだ回復不十分、2場所で幕内復帰を決めたが、星は10勝、9勝に止まった。完全に治れば三役に復帰できると思うが....悲願の大関昇進は厳しくなってきた。
@左右どちら四つでも上手を取れば力強い相撲を見せる。がぶり寄り、吊りなどで前へ出る。投げも強いが、上手投げより掬い投げが武器Aモロ差しの寄りが増えている。あまり突っ張りがないので、立合いで捕まえてしまいたいのだろう。B二本差されても強引な投げや突き落としで逆転する。海鵬を腰投げに振り飛ばしたこともあったが、強引さはできるだけ封印している印象があるCもともと腰が起きやすい体。立合いのカチ上げが甘く、速攻を受けて後退すると脆い。引きで呼び込むことも。膝を痛めているので下がると粘りがなく、十両力士にも完敗していた。