現役力士データ　25年④中堅

入幕間もないが、それなりの年齢になっている力士もここに分類。
20代後半、蓄えた地力を開花させたい。

パラメータ

技リスト

スキルリスト

重（総合的な重さ）、力（総合的な力の強さ）、速（総合的なスピード）技（総合的な技能）、バ（身体バランスの良さ）
寄（寄りのレベル）、押（突き・押しのレベル）、投（投げ技のレベル）粘（粘り強さ）、ス（総合的なスタミナ）、
以上Ａ～Ｇ（１５段階）

技リストは、数字がレベル（低１＜５高）英字が頻度（多a>e少）を表す。
（技名の前に左右がついていない場合は、どちらからでもできるか、どちらも差はない場合。）
その他の点は、＜データについて＞を参照

サブチャート

■間合い：密（密着した状態。がっぷり）
　　　　　    接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。食い下がり、半身など）
　　　   近（体は接しているが廻しには掛からない距離。おっつけ、ハズなど前捌きの応酬が見られる）
　　　   離（離れて突っ張りに適した距離。）、
　　　   遠（遠距離。リーチを生かした突きがあれば一方的に攻められる間合）

■その他各パターン・傾向の得意不得意、傾向の強さ。☆＞◎＞○＞△＞×
■安定・大勝・キラーは主に上位陣以外が対象で、成績の残し方を示す。○か無印か×で傾向を示す。（上位陣も一応表示する）

解説

現況（25年1月）　/　得意技・パラメータなどの解説　/注目ポイント

阿　覧最高位:関脇　ロシア出身　三保ヶ関部屋　29歳
取り口：パワー型				型：突っ張り/右四ツ左上手		得意手：寄り、吊り		187cm/155kg 中型筋肉
重	D 9.5	寄	D 8.5	上突っ張り3a はたき　　4a 吊り　　　3c 左上手出投2b モロ手突き2c 左前褌寄り2b 左おっつけ2d 張り手　　2c たぐり　　2c	極め　　 2c 下手投げ2d 引き落とし2c 上手投げ 2c ひねり　　1d うっちゃり1d 下手出投げ1d 引っ掛け2c 足取り　　2e	＜立合＞体当たり 2b 左上手　 2b モロ手突き2c 右のどわ 2d 張り上手 2c はたき　　3c 頭d肩b胸b 手b変化c	＜心＞強引引き癖スロ-スタ-トじらしつっかけ番付運○ ツラ相撲対上位×	＜技＞まわりこみワキ甘い呼び込み髷つかみ変化技○	＜体＞両ひじバタ足腰痛
力	C11.0	押	D 8.5
速	D 8.5	投	D 8.5
技	E 6.0	粘	E 7.5
バ	D 8.0	ス	E 7.5

★略歴・近況　　12勝、11勝と重ねて一気に新関脇へと躍進した22年のような勢いは影を潜めている。上位圏外の４,５枚目なら勝ち越すものの、それ以上となると大きく負け越して23年９月以来三役から遠ざかっている。24年の大関戦の勝利は、琴奨菊を懐の深さで寄り切った一番のみだった。

★25年展望・続報　　上位陣には相撲を覚えられて通用しなくなった。内容も再び悪化していたが、九州では代名詞の変化を封印。浅い上手まわしを取っての堅実な相撲を見せていた。三役復帰にむけてまずは取り口の整備から。体と力は十分。

★取り口解説　　立合い突き放して、顔のあたりに激しい上突っ張りを繰り出しては叩き込む荒っぽい相撲が持ち味だったが、自慢の腕力を四ツに活かし、左上手を取って恵まれた体を生かす相撲に将来性を感じさせる。把瑠都を吊り出したこともある。レスリング仕込みで、前傾で見合う形にもよくなる。豊ノ島戦で、足を狙うフェイントから叩き込んだ技などはまさにレスラー。

★パラメータ・スキル解説 　叩きがまともで呼び込むことが多い。叩く際に髷に指が入る癖もあるなど、悪癖のデパート。それでも上位に定着するのは並外れたパワーと体の強さがあるから。しかし横綱大関戦２年で３勝は寂しい。

★注目ポイント　■叩き込み　　乱発でついに通算の決まり手で自己最多に。春場所では、７勝連続で叩き込みで決めた。

隠岐の海最高位:前頭筆頭　島根出身　八角部屋　28歳
取り口：本格型				型：両四つ・上手廻し		得意手：寄り,投げ		190cm/160kg 長身中肉
重	D 9.0	寄	D 9.5	上手投げ　3b 小手投げ　3b 下手投げ　2b 掬い投げ　3b 右四つ寄り2c 左四つ寄り2d 左前褌寄り2c モロ手突き2d 上手出投げ2c	巻き替え 2b おっつけ　2d 投げ寄り 3b 極め　　2c ひねり　2d 網打ち 2d 肩透かし 2e 外掛け　2d 閂　　　 2d	＜立合＞カチ上げ 3b 右差し　 2b 左差し 2c モロ差し2d モロ手突1d おっつけ2d 頭d肩b胸b 手d変化e	＜心＞投げ多用人気	＜技＞上手相撲なまくら四ツ引張り込み	＜体＞懐深い体質柔軟左肩右足指
力	D 9.5	押	E 6.5
速	E 7.5	投	C10.0
技	E 7.0	粘	D 8.0
バ	D 9.0	ス	D 9.0

★略歴・近況　　三役への躍進が期待されながら果たせず。23年は敢闘賞を獲得して一気に番付を上げ、初めての上位でも実力を発揮。三役昇進は時間の問題かと思われた。ところが24年初場所は前半の上位戦で歯が立たずストレートの負け越しを喫し大きく番付を下げる。以後中位で大勝ちしても上位力士には目が出ずに跳ね返されてしまった。横綱へ突っ走った日馬富士には健闘し、連勝を32でストップさせる自身初金星も獲得。

★25年展望・続報　　未完の大器の本格化の予感。的が大きい分合わせていては上位陣のカモ。しばらく慣れられていたが、体に頼らない積極的な相撲が少し見えはじめてきた。化ければ横綱だ。九州では大金星も、波に乗れず故障で休場。すでに若くはない。下位で優勝争いに絡む活躍を見せて復活し、今年こそ三役昇進を果たしたい。

★取り口解説　　右四つ得意としているが、左四つに渡り合うことも多い。四ツになると懐の深さが生き、上手下手、まわしの有無に関わらず強烈な投げがある。特に投げを打ちながら寄り倒す攻めが豪快。なまくら四ツと言われないように、ガチっとした型を作りたい。日馬富士の当たりさえもカチ上げて止めてしまうあたりはかなりのスケールを感じさせる。

★パラメータ・スキル解説　　立合いはどちらかのワキを固めて差しにいく。両差し狙いもよくやるが、差し身に厳しさがなく、引っ張り込むことも多いので、逆に両差しを許すことも。

★ピックアップ　■小手投げ　　日馬富士を力でねじ伏せた小手投げは強烈だった。随所に見せる小手投げの威力はなかなか強く、翌日の白鵬戦でも見せたおっつけから体を開いて下に打つ小手投げは、一瞬腕が極まるので相手を慌てさせる効果もある。

若荒雄最高位:小結　千葉出身　阿武松部屋　29歳
取り口：突押・撹乱型				型：突き放し		得意手：突っ張り、叩き		179cm/175kg 重量中肉
重	D 9.5	寄	E 7.0	突っ張り　3b 左のどわ 2b モロ手突き3b 左四ツ寄り2b 引き落とし 4a はたき　　 3a 上突っ張り2c 小手投げ　2d いなし　　2c	まわし切り1d 極め　　1d 引きつけ 1c 掬い投げ1d 右おっつけ2c 肩透かし2d 上手投げ1d 突き落とし2c 一本背負い1e	＜立合＞モロ手突き3b ぶちかまし2b 右突き放し2d 張差し 2c とったり 2d 右上手　2c　頭b肩c胸c 手b変化e	＜心＞時間前気迫勝負強い突っ掛け仕切り遅いツラ相撲強引	＜技＞ワキ甘いまわりこみ変化技○ 引き足○ 呼び込み	＜体＞腰高左上腕
力	D 9.5	押	D 9.5
速	E 7.0	投	E 6.5
技	E 7.5	粘	E 7.0
バ	E 7.0	ス	E 7.5

★略歴・近況　　23年に再入幕後めきめきと力をつけ、九州で12勝して敢闘賞。24年初場所は晴れて新三役となった。が、初日白鵬に再挑戦するも引き落とされ、以後も上位相手に通用せず７連敗。力及ばなかった。夏にも二桁勝って再度三役を窺ったものの、名古屋でも上位の壁に阻まれ入幕後最低の３勝。自信喪失したか、その後も大きく負け越しが続いて一転十両陥落となってしまった。

★25年展望・続報　　現在のスタイルが上位で通用しないことを思い知らされた。もう若くないが、さらに突っ張りを磨いて壁に正面から挑むか、もしくは左四つなどで幅を広げるか。下でもう一度立て直したい。。

★取り口解説　　主に左のどわで突き起こし、突っ張って距離を取りながら、機を見て左のどわから引き落とす。または肩口をはたき落とす。突っ張りの威力があればタイミングの良い叩きがうまく決まるが、流れを失うと決まらなくなる。若い頃は左四つで、四ツで取っていたが、突っ張りに徹することで出世を果たした。今も重い腰と寄る力は健在だが、幕内レベルでは四つ身の技術で苦戦する。

★パラメータ・スキル解説 　　膝を伸ばしてじっくり腰を割って仕切り、鋭く当たって先行する立合い。巨体でスピード感はないが、引いた後のフットワークは軽い。体型的にどうしても腰高になるため、あまり頭を下げすぎない相撲を取っているようである。

★注目ポイント　■阿武松部屋の星　　部屋を構える千葉県出身。地域密着の一環として開かれている相撲教室をきっかけに入門。部屋勢初の三賞、三役力士となって、野球賭博事件で揺れた部屋に光をもたらした。

豊　響最高位:前頭二　山口出身　境川部屋　29歳
取り口：前進・パワー型				型：左ハズ右のどわ/突っ張り		得意手：突き押し		185cm/175kg 巨漢筋肉
重	C10.0	寄	E 6.5	右のどわ　3a 突っ張り　3b ハズ押し　3a 左おっつけ2c 小手投げ 3c がぶり寄り2d 突き落とし 3b 上手出投げ1d ぶちかまし2b	引き落とし2c 左四つ寄り1d 下手出投げ1d モロ手突き2c カチ上げ　2d はたき　　2c がぶり寄り2d 左差し寄り3c 跳ね上げ 2b	＜立合＞ぶちかまし3a モロ手突き2b カチ上げ 2d 右のどわ　3c おっつけ　1c 突き落とし1e 頭a肩c胸e 手b変化e	＜心＞ツラ相撲スロ-スタ-タ尻上がりシンプル助走	＜技＞出足ワキ甘い詰め×	＜体＞額大きい体質硬い足腰硬い
力	C10.0	押	C10.0
速	E 7.5	投	E 7.5
技	E 6.5	粘	E 7.5
バ	E 7.0	ス	D 8.0

★略歴・近況　　敢闘賞３度の実力者も、長く上位には縁がなかった。24年は最高位更新こそならなかったが、夏場所では初金星を獲得するなど１横綱２大関を食って上位相手にも馬力が通じることを証明。後半は平幕上位でも勝ち越せるようになった。長く怪我に苦しんで下位に低迷していたが、ようやく本領を発揮しつつある。

★25年展望・続報　　そろそろ三役を狙いたい。上位でも崩れなくなってきたのはいいが、かつての爆発力も取り戻して大勝ちしたい。

★取り口解説　　大きな額でぶちかましてからの喉輪の強さを生かした突き押しが武器。銀ねずの締め込みで突進する姿を横綱琴櫻と重ねて「平成の猛牛」とも称される。押し相撲の相手には下からあてがうようにして跳ね返しながら出ていくことが多い。元は四つ相撲で、左を差しての寄り、力強い突き落とし、小手投げでの逆転技もあって、出足が止まれば終わりの力士ではない。

★パラメータ・スキル解説　　立合いは少し下がり目の位置から突進する。大勝ち大負けの極端な力士だったが、23年の再入幕以降は成績が安定してきた。

★ピックアップ　■境川旋風　　白鵬に逆転の小手投げを仕掛け、物言いの末に勝ち名乗り。引き上げる花道で男泣きの場面は感動的だった。そのほか琴欧州にも微妙な判定ながら下手投げで、日馬富士には押し出しで勝ち、５勝10敗ながら大殊勲の場所だった。同場所では、豪栄道が１横綱３大関、妙義龍が４大関を倒しており、境川部屋の力士が大荒れの場所を演出した。

隆の山最高位:前頭十二　チェコ出身　鳴戸部屋　30歳
取り口：業師型				型：左四ツ右上手、食下り		得意手：投げ		186cm/95kg ソップ筋肉
重	F 4.0	寄	E 6.0	左下手投げ3a 掛け投げ　4b 上手投げ　3b 内掛け　　 3b とったり　 4b うっちゃり 3c 掬い投げ 3c 上手出投げ2c 引っ掛け 3c	吊り寄り 2c 上突っ張り2c 右前褌寄り2c 蹴返し　　2c 波離間投げ1e 外掛け　 2d 河津掛け 2c 網打ち　1e 三所攻め1e	＜立合＞モロ手突き2b 左差し　　3b 前褌　　 2c 張り上手 2c とったり　3c けたぐり　1e 頭c肩d胸e 手a変化c	＜心＞投げ多用サーカス多彩大技スロ-スタ-ト晩成型人気	＜技＞まわり込み俵伝い食下がり打合い○ 足癖ずらし	＜体＞敏捷筋肉質立ち腰足腰柔軟粘り腰手足長い
力	E 6.5	押	E 6.0
速	C11.5	投	C10.5
技	D 9.5	粘	B12.0
バ	B12.0	ス	D 8.0

★略歴・近況　　長年幕下にあって派手な相撲で沸かせるコアな人気力士だったが、23年7月の新十両で10勝、時流にも乗って一気に入幕。久しぶりの超軽量力士として全国区に。幕内では大技で沸かすことはあっても単発で、なかなか持ち味を発揮させてもらえないが、十両では難なく好成績を残して三度入幕を果たした。

★25年展望・続報　　　幕内での勝越が命題だが、九州場所では初めて十両で負け越した。パターンを覚えられて勢いが止まりつつあり、何か新しい技で打開したい。

★取り口解説　　立合いでは、素早く突っ張ってから横に回って腕を手繰って崩すか、懐に入って深く左を差して掛け投げに持ち込むのが得意。粘りは驚異的で、がっちり捕まれば内掛けで脅かしたり、うっちゃったり。とったりを打ちながら回り込む奇襲は１場所に数回見せる得意パターン。

★パラメータ・スキル解説 　　久しぶりに現れたサーカス相撲。多彩な投げ技、足技で幻惑する。強靭な足腰で、投げの打ち合い、足の掛かる場面なら粘り勝つ。もう少し腰が低ければ相手の攻勢をまともに受けなくて済むが、割と正面から胸を出して取ってしまう傾向があるため、勝ち味の速い幕内では何もさせてもらえないことも多い

★注目ポイント　■軽量力士　　旭道山、舞の海、智ノ花ら平成初期には三役を勝ち取った軽量力士がいた。異様に盛り上がった肩をいからせて、個性的な相撲を取る。どこまで躍進できるか注目だ。

大　道最高位:前頭八　東京出身　阿武松部屋　31歳
取り口：技能型				型：左上手/左おっつけ右喉輪		得意手：上手投げ		189cm/165kg 大型肉厚
重	D 8.5	寄	E 7.5	左上手投げ3a 右四つ寄り2a 右掬い投げ3c 小手投げ　3c はたき　　 2c 突き落とし 2c 出し投げ　2c 右腕返し　2b 引き落とし 2c	右喉輪　　2b 巻き替え 2c 極め　　 2d 左おっつけ 2c 投げ寄り 2c 右前褌寄り1c 浴びせ倒し1c 肩透かし 1d 素首落とし1d	＜立合＞右差し　2b ぶちかまし2b 右突き放し2c 左おっつけ1c モロ手突き1d 左上手　2d　頭b肩b胸c 手d変化d	＜心＞投げ多用勝負強い安定感尻上がりツラ相撲まった強行番付運○	＜技＞右堅い変化技○ まわりこみ呼び込み	＜体＞左足首
力	D 9.0	押	D 8.0
速	E 7.0	投	C10.0
技	E 7.5	粘	E 7.0
バ	D 8.0	ス	D 8.0

★略歴・近況　　地味ながら幕内に定着。謹慎明けから４連続勝越しで23年7月新入幕。24年7月には初日から７連勝して初の二桁勝利。もう少し目立てば三賞というところだった。しかし勝ち越しはその１場所だけ。

★25年展望・続報　　一定の型があるので安定しており、着実に力をつけている印象。大卒で出世が早くなかったため、もう30歳。先を急ぎたいところ。

★取り口解説　　ぶちかましながら左おっつけ右のどわで押し込み、右差し、左上手に組み止める相撲。必殺上手投げで転がすのがパターン。四ツ相撲ながら、しっかり頭で当たって押す力がある。その分、引き技もよく決まっている。先に上手を狙うか、右差しを狙うか、または押して出るかを相手によって対応している。

★パラメータ・スキル解説 　　どの地位でも五分五分の星取りになることが多く、終盤の大事な一番をものにして勝ち上がってきた。そのわりに連勝連敗は少なくない。九州では前半で故障を負いながら強行出場して何とか幕内残留。７勝８敗が３度あったが、いずれも半枚下げただけという幸運も。

★注目ポイント　■上手投げ　　相変わらずの得意技。寄り切りよりも上手投げの決まり手の方が多い。小手投げ、掬い投げなども得意。

玉　鷲最高位:前頭三　モンゴル出身　片男波部屋　29歳
取り口：パワー型				型：左おっつけ右ハズ		得意手：押し		190cm/155kg 大型筋肉
重	E 7.5	寄	E 6.0	右のどわ　3b ハズ押し　3b 左おっつけ3b 右おっつけ2b 左のどわ 3b モロ手突き2c 小手投げ 3c 突っ張り 2c 極め　　3c	右上手投げ1d 切り返し 1e 突き落とし2c 掬い投げ1c 吊り　　　1e はたき　 2d 足取り　 1e ぶちかまし2c 首捻り　　1e	＜立合＞ぶちかまし3a 右突き放し3c モロ手突き2d モロハズ　2c 左おっつけ2d 左のどわ　1d 頭a肩d 胸d手c変化e	＜心＞ツラ相撲突押徹底ムラッ気晩成型シンプル息切れ	＜技＞速攻出足挟みつけ抱え込み	＜体＞前掛かり腰高バッタリ
力	C10.0	押	D 9.5
速	E 7.0	投	E 7.5
技	E 6.5	粘	E 7.0
バ	E 7.0	ス	E 7.5

★略歴・近況　　力強い押し相撲で着実に力をつけ、23年初場所では自己最高位で２大関を破る。しかしこの場所から急に勝ち越せなくなり十両転落。出直しとなった24年初場所は1年ぶりに勝ち越して再入幕を果たしたが、３場所で陥落。夏場所は上位不振の中10日目を終わって２敗につけていたが、好調力士に当てられ８勝止まり。翌場所は前半７連敗が響いて大負けでまた陥落。

★25年展望・続報　　故障があるのかわからないが、不調から立ち直り切れなかった一年。大きく崩れたわけでもないが、一気に躍進してもおかしくない力強い相撲が見られなくなった。九州ではその片鱗を見せており、不振脱却を期待。

★取り口解説　　頭から当たって右の突き放しを効かせて出るのが持ち味。「出足・玉鷲・押し倒し」と語呂よく行きたい。腕力が強く小手投げや極め技も得意で、差されればこれを繰り出すが、本来はおっつけ、ハズ押し、のど輪押しで怪力を発揮する。「左おっつけ右ハズ・のどわ」がハマれば一気に出られる。

★パラメータ・スキル解説 　　190センチの大柄ながら前がかりになって押していくため、窮屈になって落ちてしまうことも多い。突き押し相撲の性でツラ相撲。特に終盤に連敗する傾向が目立った。

★注目ポイント　■怪力　　のど輪、極めの力が特長。前傾で前進する相撲なので長身が目立たないが、懐を深く使ったスケールの大きな相撲を取っても面白い。

宝富士最高位:前頭十　青森出身　伊勢ケ浜部屋　26歳
取り口：疾風・堅牢型				型：左四ツ右上手		得意手：寄り、押し		184cm/155kg 中型中肉
重	D 8.0	寄	D 8.5	左四ツ寄り3a モロ差寄り4b 右上手投げ3b 突っ張り　2c いなし　　2c 突き落とし2c 右おっつけ2c 左おっつけ1d 上手出投げ1d	左前褌寄り2c 巻き替え　1e モロ手突き1d 極め 1d 小手投げ 2d 引き落とし2c ひねり　　1e	＜立合＞左差し　　2a 右おっつけ2b モロ差し　1c あてがい 2c モロ差し　1d 　頭c肩a胸c 手d変化e	＜心＞慎重	＜技＞左半身土俵際ワキ甘い	＜体＞額大きい上体柔軟立ち腰
力	D 8.0	押	E 7.0
速	E 7.0	投	D 8.0
技	E 7.0	粘	E 7.5
バ	E 7.5	ス	D 8.0

★略歴・近況　　　学生相撲で鍛えた実力を発揮し十両まで９場所、幕内にも４場所と順調な出世。しかし幕内にはなかなか定着できずにいる。新入幕４勝、再入幕５勝でいずれも１場所で陥落。３度目の入幕となった24年春は６勝し初めて残留すると、翌場所は前半から飛ばして10日目に幕内初の勝越しを決めた。ところがその後も星は上がらず４場所で陥落となった。

★25年展望・続報　　徐々に通用するようになってきたかに思われたが、平幕中位あたりでは苦しいのが現状。十両では負け越し知らず。４度目の入幕となる25年は壁を突き破りたい。

★取り口解説　　左差し狙いを軸に、こじ入れようと左右で絞りながら前に出る相撲。左が入ればそのまま寄り、嫌われれば右から入ってモロ差し、あるいは浅い上手を引きつけて寄る。もしくは後ろ重心になったところを突き出す。押し相撲を受けながらの相撲が多い。引き技はあまり決まらず、勝つときは寄りが冴える。出し投げでの崩しもある。

★パラメータ・スキル解説 　　平均的な体格で、これといって弱点は目立たないが、立合いの出足や力強さ、速さといった特徴がほしい。出足がつけば得意の左四つにも持ち込みやすくなり、流れのある相撲が展開できそうだ。

★注目ポイント　■五所川原商ー近大　　師匠と全く同じ経歴（師匠は大学中退）。どちらも全国制覇経験のある強豪だ。近大相撲部からは大関朝潮が有名。引退後若松部屋を開いて朝乃若、朝乃翔らを入門させた。近年では付出資格を取った上林、吐合が八角部屋へ。伊勢ケ濱では宝富士の他、誉富士が関取になった。さらに活躍して一大勢力を作りたい。

佐田の富士最高位:前頭十　長崎出身　境川部屋　29歳
取り口：突押型				型：左のどわ右おっつけ		得意手：突き、押し		190cm/195kg 大型筋肉
重	C10.0	寄	E 6.5	左のどわ 3a 右のどわ　3a モロ手突き3b 突き落とし2c 右おっつけ3b 左おっつけ2c 突っ張り 2b ハズ押し 2b 極め　　　2c	右上手投げ1d 掬い投げ　1d 外掛け　　1e 巻き落とし1e いなし　　2c 引き落とし1c 左四ツ寄り2c 小手投げ　2d	＜立合＞モロ手突き3a 右のどわ　2b 左おっつけ2c 左のどわ　2c 　　頭d肩d胸d 手a変化e	＜心＞突押徹底安定感シンプルまった番付運○ 晩成型	＜技＞回転○	＜体＞腰高リーチ長バッタリ
力	D 9.0	押	D 9.5
速	E 6.5	投	E 6.0
技	E 7.0	粘	E 7.0
バ	E 7.0	ス	D 8.0

★略歴・近況　　７年かけて新十両。苦戦していたが、幸運もあって23年地元九州で新入幕。連続勝越しと健闘していたが、ジリ貧となって１年で十両に陥落。体はどんどん大きくなるが、成績には繋がらなかった。

★25年展望・続報　　これまで地位に慣れるまで時間がかかっていたが、幕内では逆にうまく滑り出したものの徐々に後退。しかし幕で鍛えられた実力は確かで、十両に落ちた地元九州では14勝１敗の好成績を残して幕内に復帰。

★取り口解説　　立合いの両手突きから左右の突き、のどわ、突っ張りと、広い間合いを保って攻める。徹底して突き押しを繰り出すことで好調を維持していたが、昨年後半からなかなか通用しなくなって四つに組まれることが増えると、成績も下降線を辿った。おっつけの厳しさが見られるようになり、これをさらに磨けば組んでも重さが活きてくる。

★パラメータ・スキル解説 　　入門時の130キロから右肩上がりに体重は増加。新入幕のときに180キロもあるのかと驚いていたが、昨年秋には200キロに迫るまでになった。長身なので横幅は目立たないが、かなりの巨漢。ただ、さすが腰が重いという場面はあまり見られず、投げにも転がることが多かった。腰を割ってどっしりした相撲を取りたい。

★注目ポイント　■前へ前へ　　十両では敢闘力士アンケートの場所通算１位を達成したほど、派手さはなくとも観衆に訴えるものがある。現代力士らしくないのが引き技の少なさで、決まり手にもほとんどない。押し出し、寄り切り、突き出しが上位を占める。

土佐豊最高位:前頭筆頭　高知出身　時津風部屋　28歳
取り口：怪力・本格型				型：右四ツ左上手/おっつけ		得意手：寄り,投げ,押し		179cm/140kg 小兵中肉
重	E 7.0	寄	D 8.5	掬い投げ　3b 左おっつけ3b 上手投げ 3b 吊り寄り　2d 突っ張り　2c 打っ棄り　3d ハズ押し 2c 下手投げ 2c のどわ　　2c	はねあげ 2b はたき　　2d 投げ寄り 3b 腕捻り　　 2c 首投げ　　2d 首ひねり 2d モロ差寄り2c 渡し込み2d 突き落とし3c	＜立合＞モロ差し　3a カチ上げ　2c 両おっつけ2b 右差し　1d 左前ミツ2d 　頭c肩b胸b 手e変化e	＜心＞スロ-スタ-タ強行	＜技＞土俵際上手相撲	＜体＞重心低い粘り腰立ち腰肩幅広い足腰柔軟上体柔軟左ひざ
力	D 8.5	押	E 7.5
速	D 8.0	投	D 9.0
技	D 9.0	粘	D 8.5
バ	D 8.0	ス	D 8.0

★略歴・近況　　故障に泣いて苦境を迎えている。自己最高位で迎えた23年7月、琴欧洲に寄り倒された際に左膝靭帯損傷の重傷を負った。翌場所強行出場するも大きく負け越し十両に陥落。ケガをおしての土俵が続き、１場所で復帰するも本調子は戻らず休場がちとなり、24年7月の途中休場で遂に幕下に陥落となった。

★25年展望・続報　　幕下でも全休が続いて新年は三段目にまで落ちる。ここは我慢して完治に努め、自慢の粘り強い足腰を取り戻して欲しいところ。

★取り口解説　　左おっつけ、右を覗かせハズに当てる形がベスト。もちろん四ツに組んでの豪快な相撲もあるが、体格で不利もあるのでモロ差しの攻めも見せる。ただし、上手を引きつければ強いタイプであり、肩幅の広い体型もあってワキは堅い方ではない。

★パラメータ・スキル解説 　　故障で粘りやバランス、スピードは一時的に大きくダウン。来年は復調を期待。

★ピックアップ　■３０連勝　　スピード出世の過程で幕下以下史上最長の３０連勝を記録している。佐久間山は初土俵以来27連勝で騒がれたが、土佐豊は序ノ口で寺下（十両・丹蔵）に１敗を喫してからの連勝だった。

平成25年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬日馬富士琴欧洲琴奨菊稀勢の里鶴竜
三　役	把瑠都豪栄道妙義龍栃煌山豊ノ島安美錦栃ノ心豊真将
古　参	雅山旭天鵬若の里時天空朝赤龍豪風嘉風北太樹玉飛鳥翔天狼芳東高見盛木村山磋牙司寶智山
中　堅	阿覧隠岐の海若荒雄豊響隆の山大道玉鷲宝富士佐田の富士土佐豊
新　鋭	臥牙丸碧山松鳳山髙安魁聖舛ノ山栃乃若富士東
新入幕	千代の国天鎧鵬旭秀鵬鳰の湖勢千代大龍皇風旭日松常幸龍

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上位陣	白鵬日馬富士琴欧洲琴奨菊稀勢の里鶴竜
三　役	把瑠都豪栄道妙義龍栃煌山豊ノ島安美錦栃ノ心豊真将
古　参	雅山旭天鵬若の里時天空朝赤龍豪風嘉風北太樹玉飛鳥翔天狼芳東高見盛木村山磋牙司寶智山
中　堅	阿覧隠岐の海若荒雄豊響隆の山大道玉鷲宝富士佐田の富士土佐豊
新　鋭	臥牙丸碧山松鳳山髙安魁聖舛ノ山栃乃若富士東
新入幕	千代の国天鎧鵬旭秀鵬鳰の湖勢千代大龍皇風旭日松常幸龍

平成25年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬日馬富士琴欧洲琴奨菊稀勢の里鶴竜
三　役	把瑠都豪栄道妙義龍栃煌山豊ノ島安美錦栃ノ心豊真将
古　参	雅山旭天鵬若の里時天空朝赤龍豪風嘉風北太樹玉飛鳥翔天狼芳東高見盛木村山磋牙司寶智山
中　堅	阿覧隠岐の海若荒雄豊響隆の山大道玉鷲宝富士佐田の富士土佐豊
新　鋭	臥牙丸碧山松鳳山髙安魁聖舛ノ山栃乃若富士東
新入幕	千代の国天鎧鵬旭秀鵬鳰の湖勢千代大龍皇風旭日松常幸龍

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三　役	把瑠都豪栄道妙義龍栃煌山豊ノ島安美錦栃ノ心豊真将
古　参	雅山旭天鵬若の里時天空朝赤龍豪風嘉風北太樹玉飛鳥翔天狼芳東高見盛木村山磋牙司寶智山
中　堅	阿覧隠岐の海若荒雄豊響隆の山大道玉鷲宝富士佐田の富士土佐豊
新　鋭	臥牙丸碧山松鳳山髙安魁聖舛ノ山栃乃若富士東
新入幕	千代の国天鎧鵬旭秀鵬鳰の湖勢千代大龍皇風旭日松常幸龍

間合い
密	接	近	離	遠
○	○	△	○	△

間合い
密	接	近	離	遠
◎	○	△	×	×

間合い
密	接	近	離	遠
×	×	△	◎	◎

間合い
密	接	近	離	遠
△	×	◎	◎	○