現役力士データ
２０１３年（平成二五年）
立て続けに3大関が誕生して上が詰まり、三役は勝ち越すのも大変だった。
常連組に妙義龍が割って入り、怪我で陥落の把瑠都も名を連ねた。
| パラメータ
技リスト スキルリスト |
重（総合的な重さ）、力（総合的な力の強さ）、速（総合的なスピード）技（総合的な技能）、バ（身体バランスの良さ） 技リストは、数字がレベル（低１＜５高）英字が頻度（多a>e少）を表す。 |
| サブチャート | ■間合い：密 （密着した状態。がっぷり） 接 （廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。食い下がり、半身など） 近 （体は接しているが廻しには掛からない距離。おっつけ、ハズなど前捌きの応酬が見られる） 離 （離れて突っ張りに適した距離。）、 遠 （遠距離。リーチを生かした突きがあれば一方的に攻められる間合） ■その他各パターン・傾向の得意不得意、傾向の強さ。☆＞◎＞○＞△＞× |
| 解説 | 現況（24年1月） / 得意技・パラメータなどの解説 /注目ポイント |
| 把瑠都 最高位:大関 エストニア出身 尾上部屋 29歳 | |||||||||
| 取り口：スケール・怪力型 | 型：右四つ左上手/両廻し | 得意手：上手投げ、吊り | 198cm/185kg 巨人中肉 | ||||||
| 重 | B13.0 | 寄 | C10.5 |
上手投げ 4a 吊り 3b 吊り寄り 3b 突っ張り 2c モロ手突き3c はたき 3b 上手ひねり2c 左おっつけ2c 波離間投げ2d |
引きつけ 3a 小手投げ 2c 投げ寄り 2d うっちゃり 2e 引き落とし3c 上手透かし2d 上手出投げ1d 掬い投げ 2c 大逆手 2e |
＜立合＞ 張差し 2b モロ手突き2b モロ差し 2d 左おっつけ2c カチ上げ 2c 上手 2c 頭d肩d胸a 手b変化d |
＜心＞ 強引 連敗癖 息切れ |
＜技＞
上手相撲 ワキ甘い 肩越上手 外四つ○ 大技 呼び込み 首押さえ 振り回し |
＜体＞ 懐深い◎ リーチ○ 上体柔軟 ヒザ入り 引き足× 左膝爆弾 右足親指 左太もも |
| 力 | A14.5 | 押 | C10.0 | ||||||
| 速 | E 7.0 | 投 | B12.5 | ||||||
| 技 | E 7.5 | 粘 | D 8.0 | ||||||
| バ | E 7.0 | ス | C10.0 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| ☆ | ○ | △ | △ | ○ |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| △ | ◎ | △ | ◎ | ○ | △ | △ | ○ | ☆ | △ | △ | ○ | ○ | × |
| ★略歴・近況 大器覚醒と騒がれ横綱一番手に推されていたが、小兵日馬富士に抜け出された。昇進後の停滞を脱し、八百長事件明けから連続２ケタと安定感を示すと、24年初場所は14連勝で初優勝。綱取りを賭けた春場所は９勝１敗で終盤を迎えたが、最後に糸が切れて10勝止まり。終盤上位戦で崩れる傾向が続いた。秋には右足親指を痛めて序盤で休場。さらに初の角番となった九州場所２日目、松鳳山のすくい投げを踏ん張りきれずに左足の筋肉を負傷。連続の途中休場で大関陥落の憂き目に遭った。 ★25年展望・続報 昨年の展望での期待どおりいきなり優勝したが、心配した下半身の怪我に見舞われ天国から地獄。怪我さえ癒えれば大関復活など問題ではないが、過去陥落経験者で横綱昇進は三重ノ海だけ。逆境を跳ね除けたい。 |
| ★取り口解説 両廻しを引き付けて持ち上げるような寄りが重厚。豪快な上手投げも圧巻。すぐに捕まえられない時にも、慌てず思い突っ張りで起こしてから攻めるなど取り口の幅は広い。はりま投げや大逆手のように後ろへ振り捨てる大技もあり、軽々と持ち上げる吊りも魅力だ。落ち着いて長い相撲に持ち込めばめったに負けないが、攻め急いで体を入れ替えられるようなポカを犯さないようにしたい。 ★パラメータ・スキル解説 序盤の取りこぼしは減ったが、横綱大関相手になぜこれだけ負けるのか不思議。地力では抜きん出ているように思われるが。自分らしい相撲と安定して勝てる相撲が別物というタイプだけに、綱取りはかなりのストレスだろう。 |
| ★ピックアップ ■吊り 少なくなったと叫ばれて久しい決まり手。しかしこの人にかかってはお手のもの。どんな相手でも軽々と持ち上げて運び出す。二本差されても上から上手を取って抜き上げる。こうなると相手も抵抗のしようがない。 |
| 豪栄道 最高位:関脇 大阪出身 境川部屋 27歳 | |||||||||
| 取り口：技能・正攻法型 | 型：左/右前褌 | 得意手：寄り,投げ,押し | 183cm/145kg 平均中肉 | ||||||
| 重 | E 7.5 | 寄 | D 9.5 |
右四つ寄り3a 両前褌寄り3b 上手出投げ3a モロハズ 3c 下手投げ 3c 切り返し 3c モロ差寄り2c 小手投げ2b 引き落とし3a |
掬い投げ2c 下手出投げ2c 吊り寄り 2c ひねり 2c 渡し込み1c 外掛け 2c 小褄取り 1e 引きつけ 3c 首投げ 2c |
＜立合＞ 右前褌 2b 右差し 2d 左前褌 2c カチ上げ1d おっつけ2c 張差し 2c 頭a肩c胸e 手b変化e |
＜心＞ 気迫 スロ-スタ-ト 尻上がり ツラ相撲 引き癖 投げ癖 |
＜技＞
上手相撲 逆四つ○ 足跳上げ 振り回し 膝送り 前捌き |
＜体＞ 重心低い 前傾○ バッタリ 左ひじ 腰痛 右ひざ |
| 力 | C10.0 | 押 | D 8.5 | ||||||
| 速 | C10.5 | 投 | C11.0 | ||||||
| 技 | C10.5 | 粘 | C10.0 | ||||||
| バ | D 8.5 | ス | D 8.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| ○ | ◎ | ○ | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| △ | ○ | ○ | ◎ | △ | ○ | △ | ◎ | △ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 24年はようやく関脇に定着。春場所は６枚目の位置でさすがの存在感を発揮し12番。千秋楽は鶴竜の初優勝を阻んで敢闘賞を勝ち取り、関脇に復帰した。夏は白鵬に14回目の挑戦で初勝利を挙げて殊勲賞、以後関脇を守ったが、脇腹を痛めたこともあり８、７、８と星は伸びず。高校同期で同部屋の妙義龍が急浮上し先に三役で二桁勝利。これに発奮し、九州では初日から8連勝するなど11勝４敗。 ★25年展望・続報 課題だった白鵬戦の勝利、関脇での勝ち越し、三役での二桁をクリア。ようやく大関への第一歩を刻んだ。もちろん年内大関が期待される。 |
|
★取り口解説 浅い廻しを引きつけての四つ相撲が魅力。左右、上手下手にこだわらず、いい位置の廻しを引いて食いつけば絶対に顎を上げず、ひねり、出し投げに、外掛け、切り返しとテクニックも駆使して攻め立てる。当たってすぐに連続して叩く相撲は褒められないが、よく決まる。
★パラメータ・スキル解説 序盤の取りこぼしが響いて後半盛り返すものの好成績が続かない。番付にかかわらずこの傾向がある。ここぞという時のスピード感は圧巻で、賜杯に王手をかけた鶴竜に対して気迫の張差しから両差し速攻は凄まじかった。 |
| ★ピックアップ ■大関候補 平幕では何度も好成績を残して大関候補と呼ばれて久しいが、三役定着すらできずにいるうちライバルは次々大関へ。幸い大関は飽和状態の６人から４人に減った。復帰を目指す把瑠都、盟友妙義龍、ライバル栃煌山ら候補は乱立。ワンチャンスで射止めたい。 |
| 妙義龍 最高位:関脇 兵庫出身 境川部屋 27歳 | |||||||||
| 取り口：突貫・技能型 | 型：突っ張り/左差右前褌 | 得意手：押し | 187cm/140kg 均整筋肉 | ||||||
| 重 | E 7.0 | 寄 | D 8.5 |
突っ張り 3b ハズ押し 3a おっつけ 3b モロハズ 2c 突き落とし 3a 上手投げ 2d 前褌寄り 2b 右差し寄り2d 掬い投げ 2e |
両差し寄り2c 上手出投げ2d いなし 2c はたき 2c 肩透かし 2d 下手投げ 1d 右のどわ 2c |
＜立合＞ ぶちかまし2c 右突き放し2b 右前褌 2b 右差し 1d もぐり 1d 両差し 2d 頭a肩c胸d 手d変化d |
＜心＞ 尻上がり スロ-スタ-ト 初日× |
＜技＞
変化技○ 前捌き 差し身 出足 速攻 |
＜体＞ 重心低い 肩幅狭い 胴長 左ヒザ |
| 力 | D 9.5 | 押 | C10.5 | ||||||
| 速 | C11.5 | 投 | E 7.0 | ||||||
| 技 | C10.0 | 粘 | D 9.0 | ||||||
| バ | C11.0 | ス | D 8.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| × | ○ | ◎ | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ◎ | × | △ | ○ | ◎ | × | △ | ○ | ○ | △ | △ | ○ |
| ★略歴・近況 膝の怪我による長期離脱から立ち直り、十両を連続優勝で突破。新入幕場所も10勝しながら好調者続出のため三賞は逃したが、翌初場所も変わらず気風の良い速攻相撲を徹底して技能賞。前頭筆頭に進んだ春場所は上位陣の壁に阻まれ負け越したが、夏場所は４大関を食って２度目の技能賞。新三役の名古屋も鶴竜、把瑠都に土をつけて勝ち越し、新関脇となった秋は全勝日馬富士を追い詰めた他10勝をあげて３連続技能賞を受賞。九州は負け越したが横綱を初めて倒すなど上位を苦しめた。破竹の勢いで一気に大関を窺う。 ★25年展望・続報 埼玉栄高で同期の豪栄道と激しい大関争いを展開する。上位には体格負けする傾向があったが徐々に克服、二桁を続ける力はあるはず。 |
| ★取り口解説 限界まで低く構えた位置からスピード溢れる押し相撲を展開する。低く当たってあてがいながら押し上げて、ハズ押しか差して寄る。両差しや前褌を引きつけての鋭い寄りもあり、臥牙丸クラスでもグイグイ持っていく。立合いは意外と相手に合わせたものだが、そこからの速攻の形が豊富。 ★パラメータ・スキル解説 長身を低く保ちながら前に落ちないバランスの良さ。攻めるスピード、勝機を掴む速さも光る。もう少し重さが出てくると止まっても相撲が取れそう。15枚目格付出しでデビューした頃から初日に弱く、大躍進の24年も見事に負け続けた。 |
| ★注目ポイント ■朴訥なる仕事人 ドスの効いたベタベタの関西弁でのコメントに、気取らない性格がよく表れている。相撲ぶりも質実剛健、押し一徹で止まらず前へ攻め切る。 |
| 栃煌山 最高位:関脇 高知出身 春日野部屋 26歳 | |||||||||
| 取り口：技能・前進型 | 型：モロ差/左おっつけ右ハズ | 得意手：寄り、押し | 188cm/150kg 長身筋肉 | ||||||
| 重 | D 8.5 | 寄 | C10.5 |
モロ差寄り3b 右差し寄り2a 左おっつけ3b ハズ押し 3a のどわ 2c 右おっつけ2c モロハズ 2c 上手投げ 2d 突き落とし2b |
引き落とし2c 掬い投げ2d モロ手突き2d 首投げ 1e 巻き替え 2d 腕返し 2c 上手出投げ2c 跳ね上げ 3c 肩透かし 1d |
＜立合＞ 右差し 2b 左おっつけ3b 両差し 3d 右ハズ 2d モロハズ 2d 右おっつけ2d 頭a肩c胸e 手d変化e |
＜心＞ 大関キラ- シンプル 大阪○ 対長身× 連敗癖 |
＜技＞
挟みつけ 差し身 速攻 |
＜体＞ 前傾○ 体質堅い 反り身× バッタリ 右足首 |
| 力 | C10.5 | 押 | C11.0 | ||||||
| 速 | D 9.0 | 投 | E 7.5 | ||||||
| 技 | C10.5 | 粘 | E 7.0 | ||||||
| バ | E 7.0 | ス | D 9.0 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| △ | ○ | ◎ | ○ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ◎ | △ | × | ◎ | ◎ | × | ◎ | △ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 22年には大関近しという活躍もあったが、その後不振に陥った。休場明けの24年も不安定だったが、随所に光る活躍があった。初場所では中位で抜けた実力を見せつけて三役復帰。夏場所では12勝３敗で敢闘賞、優勝決定戦に進んだ。秋場所は白鵬から初金星で殊勲賞。九州は前頭筆頭で３大関下し10勝。一方で課題の勝負弱さ、連敗癖を露呈し、三役では大きく負け越した。 ★25年展望・続報 田子ノ浦部屋から移籍した碧山や栃ノ心など稽古相手は豊富。部屋頭は譲れない。九州ではふたたび内容の良い相撲で新鋭古豪をねじ伏せて三役復帰。今度こそ定着し、大関レースに加わりたい。 |
| ★取り口解説 真っ向から前へ攻める正攻法の相撲。決まり手の大半を寄り切り、押し出しが占め、叩き込みや引き落としが少ない希少な力士。投げも最近は使いだしたが、入幕まではほとんどなかった。型としては、右差し左おっつけを基本とするが、左はおっつけてから前ミツ、または覗かせて両差しで出る。両差しに入る技能と、おっつけで挟み付ける力強さを持ち合わせる。 ★パラメータ・スキル解説 長身ながら前傾姿勢を保って取れる。反面、起こされると上体が硬く粘りを欠く。差してからの腕の返し、上手を遠ざける技能は一級品で、大関にも差し勝てば圧倒する。ただ、叩きや突き落としにあっけなく落ちる脆さがもったいない。好調でも負け始めると止まらない打たれ弱さも課題。 |
| ★ピックアップ ■優勝同点 国産力士６年ぶり優勝に向けて走る稀勢の里を引きずり下ろした殊勲者栃煌山が、旭天鵬との決定戦に挑んだ。しかし本割を不戦勝で突破した幸運がマイナスに作用したが、ガチガチで出るところをベテラン旭天鵬の叩きに遭ってあっさり落ち、千載一遇の好機を逃した。リベンジの機会を掴みたい。 |
| 豊 ノ 島 最高位:関脇 高知出身 時津風部屋 30歳 | |||||||||
| 取り口：技能型 | 型：左下手/モロ差 | 得意手：下手投、押し | 169cm/150kg 短躯肉厚 | ||||||
| 重 | D 8.0 | 寄 | D 9.5 |
左下手投げ4b モロ差寄り3b 肩透かし 3d 外掛け 3c 左掬い投げ4b ハズ押し 3b 吊り寄り 2c 巻き替え 4b 内掛け 2d |
切り返し 2d 上手出投げ3c 渡し込み 2d まわし切り2c かわず掛け2e 足取り 1d 下手出投げ2d 右のどわ 2d 首投げ 2d |
＜立合＞ モロ差し 3b カチ上げ 3b 左差し 2d 張差し 2d 右差し 2d のどわ 1d 頭d肩b胸b 手c変化e |
＜心＞ スロ-スタ-ト 尻上がり 逆境○ ツラ相撲 対速攻× 土俵際 安定感 |
＜技＞
差し身 足癖 足跳ね上げ まわりこみ 左半身 頭四ツ |
＜体＞ 粘り腰 腹相撲 足腰柔軟 反り身○ 重心低い 右ヒザ 左ヒジ 腰痛 |
| 力 | D 8.5 | 押 | D 9.0 | ||||||
| 速 | D 9.5 | 投 | C11.0 | ||||||
| 技 | B12.5 | 粘 | C11.0 | ||||||
| バ | C10.0 | ス | D 9.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| △ | ◎ | ○ | × | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ○ | ◎ | ◎ | × | △ | ○ | ◎ | △ | × | ◎ | △ | ◎ | ○ |
| ★略歴・近況 再出発の22年九州で14勝してから上位で安定感を発揮してきていたが、ライバル琴奨菊ら新大関を追いかけたい24年は不調だった。２年ぶりの関脇は５勝止まり、翌場所11勝の技能賞で再び関脇。白鵬を首投げに破ったものの取りこぼして負け越すと、その後もリズムが戻らず。平幕では２年ぶりの負け越しを喫した。 ★25年展望・続報 大関へ昇進したライバルたちに水を開けられた。前頭６枚目に落ちた九州ではさすがの実力を示し11勝。これを弾みに復調、30歳となる勝負の年に躍進したい。 |
| ★取り口解説 短躯の技能力士。左差しからの下手投げ、掬い投げが必殺技。立合いはワキを窄めて肩で当たる左差し狙い、または両腕クロスでモロ差し狙い。巻き替えるところを狙って出てきた相手に肩透かしも変わり身の速さで綺麗に決まる。差し身の相撲だが、意表を突いて押して出ることも。 ★パラメータ・スキル解説 小兵ながらズングリした体型で腰が重い。頭を付ける相撲ではないが、元々の身長の低さが重心の低さとなっている。のど輪を受けやすいが、折れるんではないかと心配になるほど柔らかくしなって残す。腰のテーピングがたまに目に付く。 |
| ★ピックアップ ■足技 投げとともに、内掛けや外掛けの妙も見せてくれるテクニシャンだが、最近は太りすぎたせいか、あまり足が掛かる場面が見られないくなった。 |
| 安美錦 最高位:関脇 青森出身 伊勢ヶ濱部屋 35歳 | |||||||||
| 取り口：スピード/業師型 | 型：左前褌/左おっつけ右喉輪 | 得意手：押し、出投 | 185cm/150kg 均整中肉 | ||||||
| 重 | E 7.0 | 寄 | D 9.0 |
左下手出投3c 右のどわ 4b ハズ押し 3d 前褌寄り 3c はたき 3b 掬い投げ 3b 左おっつけ2b 上手投げ 2b 肩透かし 3c |
下手ひねり3d うっちゃり 2d 大逆手 1e 内無双 2e 外掛け 4c 上手出投げ3b 引っ掛け 2c 足取り 2e 裾取り 2d |
＜立合＞ 右のどわ 3b 右差し 3b 前褌 2d 張差し 2d 上手 2c いなし 3c 頭b肩d胸d 手c変化c |
＜心＞ 上位キラ- 策士 横攻め 帳尻 速攻 土俵際 強行 円熟 |
＜技＞
前捌き 出足 相撲勘 まわりこみ 食い下り 対押し× 足癖 |
＜体＞ 前傾○ バッタリ ヒジ柔軟 体質柔軟 ヒザ硬い 左ヒザ 右膝爆弾 腰痛 |
| 力 | D 8.5 | 押 | C10.0 | ||||||
| 速 | C10.0 | 投 | C11.0 | ||||||
| 技 | B12.5 | 粘 | E 7.0 | ||||||
| バ | E 7.0 | ス | E 7.0 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| × | ◎ | ○ | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ◎ | △ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | ◎ | ○ | ○ | △ | ◎ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 ここ数年は膝の不調で平幕暮らしが多くなり、23年9月には6年ぶりに下位に転落したが、そこから立て直した。少し足の状態も安定し、出足も好調。関脇に復帰するなど上位での暴れっぷりが印象に残った。白眉は小結で迎えた夏場所初日、いきなり横綱白鵬を押し出して波乱の場所の火蓋を切った。その後も３大関を倒したものの、台頭する若手に敗れて殊勲賞を逃す。上位戦では力を発揮しながら勝ち越しに苦労した一年だったが、34歳の年に三役３場所すべて７勝は立派。 ★25年展望・続報 元気なベテランも35歳になる。馬力ある若手に苦戦する相撲も増えてきており、上位を確保するのは大変だ。しかし、強い力士に当ててこそ持てる力と技を最大限発揮する力士。怪我と付き合いながら踏ん張って欲しい。 |
| ★取り口解説 殊勲賞4回、敢闘賞1回、技能賞5回、金星７個の実績を誇る。かつての軽業師のようなイメージが強いが、いまや堂々たる体躯で前に出るスピード相撲を取る。右のどわで押し込む出足は迫力すらある。素早い変わり身からの上手出し投げも健在。動きの中で巧さは存分に発揮されている。 ★パラメータ・スキル解説 無理な踏ん張りが致命傷となりかねないため、全盛期の粘りは発揮できないが、運動神経は天性のもの。左右前後の動きは鋭い。前傾を崩さず、相手をじれさせてはスキを見て飛び込む相撲勘は当代随一。 |
| ★ピックアップ ■貴乃花から金星 貴乃花最後の相手として有名だが、貴乃花に勝った力士は他にもう旭天鵬しか残っていない。若の里や雅山は未勝利だった。若々しい相撲だが入幕から13年。擦り切れた前髪は、幾多の勇戦の勲章。 |
| 栃 ノ 心 最高位:小結 グルジア出身 春日野部屋 26歳 | |||||||||
| 取り口：本格・スケール型 | 型：右四つ左上手 | 得意手：寄り,投げ,吊り | 191cm/160kg 長身筋肉 | ||||||
| 重 | D 9.5 | 寄 | D 9.5 |
左前褌寄り3a 上突っ張り2a 吊り 3c 左上手投げ3b はたき 2c 下手投げ 2c うっちゃり 2c モロ手突き2d のどわ 2c |
小手投げ 2c 引き付け 3b 横吊り 2c モロ差寄り2d 蹴返し 1d ナタ 2d 張り手 2c 吊り落とし1e 極め 2c |
＜立合＞ 右差し 2b カチ上げ2c 左上手 2c 左前ミツ2d 張差し 2c はたき 1e 頭b肩c胸c 手c変化d |
＜心＞ 対上位× 連敗癖 シンプル 帳尻 |
＜技＞
対押し× 体入替え 向う付け |
＜体＞ リーチ長 懐深い 両上腕 左ひじ |
| 力 | C10.0 | 押 | E 6.5 | ||||||
| 速 | E 7.5 | 投 | D 8.5 | ||||||
| 技 | E 7.5 | 粘 | D 8.0 | ||||||
| バ | D 8.0 | ス | D 8.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| ◎ | ◎ | × | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| △ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | ◎ | × | ○ | × | △ | ○ | ○ | × |
| ★略歴・近況 新三役の22年あたりは大関にも強く、すぐに本格化するかと思われたが、以来４度の小結では測ったように６勝９敗。上位力士にカモにされてしまっている。大きな体ながらそれ以上に大きい四つ相撲の上位力士には取り易い相手なのだろう。殻を破りきれずにいる大器。 ★25年展望・続報 そろそろ三役で勝ち越さないと、ここまでの力士という烙印を押されてしまう。三賞を得るような活躍と関脇昇進はノルマ。グルジアの先輩・黒海が引退して心境に変化はあるだろうか。 |
| ★取り口解説 右四ツに組んで懐の深さを利して寄る相撲。上手投げや吊りといった力強い技を得意とする。やや浅い廻しを取って頭を付けることも多いが、綺麗な勝ち方だけでなく、体格を生かした小手投げや外掛けなどの荒技を出しても面白い。 ★パラメータ・スキル解説 スケールと腕力、四つ身の型が武器。しかしスピードや技は三役クラスには及ばない。リーチはあるが四つ相撲にこだわり、押し出しなどがほとんどない。意表を突く意味でも突き押しも磨き、馬力を増したい。相撲の幅も広げていかないと、慣れられてしまう。上位戦で黒星が先行し、終盤下位と当たって星を戻すパターンが目立つ。 |
| ★注目ポイント ■吊り落とし 秋場所で大技が久しぶりに見られた。小兵豊ノ島に右を深く差して横についた状態から高々を吊り上げると、右後方に反りながら投げ捨てた。もつれて物言いをつけられたあたり、本人が認めるとおり横吊りのし損ないのようだが、こういう豪快な相撲も見せてほしいところ。 |
| 豊真将 最高位:小結 山口出身 錣山部屋 32歳 | |||||||||
| 取り口：堅牢・正攻法型 | 型：左右おっつけ/左前褌 | 得意手：押し,寄り | 186cm/150kg 均整筋肉 | ||||||
| 重 | D 9.0 | 寄 | D 9.0 |
右おっつけ3a 上手出投げ2c モロハズ 3c 左前褌寄り2c 突き落とし3b 上手投げ 2d 左おっつけ2c 右ハズ押し3c 突き落とし2d |
外掛け 1e モロ差寄り2d 掬い投げ1d 肩透かし 1d 引っ掛け 1c 巻き替え 1c 廻し切り 1d 下手出投げ1d 引き落とし2d |
＜立合＞ 右おっつけ2c 右ハズ 3b 左おっつけ2c モロハズ2d 左上手 2c 上手出投1d 頭a肩d胸e 手d変化e |
＜心＞ 晩成型 ムラッ気 ツラ相撲 人気 カウンター 番付運× 地方場所○ |
＜技＞
挟みつけ 前捌き 所作○ |
＜体＞ 前傾○ 筋肉質 上体硬い 調整× 腰痛 左手首 左肩 |
| 力 | D 9.0 | 押 | D 9.5 | ||||||
| 速 | D 8.5 | 投 | E 7.0 | ||||||
| 技 | D 9.0 | 粘 | C10.0 | ||||||
| バ | C10.0 | ス | C10.5 | ||||||
|
間合い |
||||
| 密 | 接 | 近 | 離 | 遠 |
| △ | ○ | ◎ | △ | × |
| 速攻 | 遅攻 | 柔 | 剛 | 猛攻 | 堅守 | 型 | 対応 | パワー | テク | 闘志 | 沈着 | 安定 | 大勝 | キラー |
| ○ | △ | △ | ○ | × | ◎ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
| ★略歴・近況 怪我や病気に苦しんで不安定な成績が続いていたが、ここ２年ほどは地力が安定。持ち味を発揮して上位で存在感を示している。しかし新三役では４勝、５月の再三役も４勝と地位が硬くさせるのか元気がなかった。それでもあれだけ阻まれていた三役の壁はどこへやら。当然のように復帰している。 ★25年展望・続報 ９月は３大関に初黒星をつける活躍。地味ながらしっかりと結果を残している。常に勝負を捨てない難敵でいてほしい。あとは三役での勝越しを。 |
| ★取り口解説 低く頭で当たりながら、左右からの相手の腕を絞り上げる。両おっつけ、ハズ押しなどであてがうようにして前に出る相撲がピタリとはまれば、見事な形で速攻が決まる。片方は浅く差したり、前褌を引いたりして距離を詰める。当たりで一歩押し込まれても、前傾が崩れないので少し下がって踏ん張り、相手の出足が止まったところを反撃、あわてて叩けばそれに付け込むという相撲で守りも強い。 ★パラメータ・スキル解説 案外好不調の波が激しく、連勝連敗も激しい。大事な場所に限って大きなテーピングが目立つ。足腰がしっかりしていてバランスの良さが持ち味。腰痛さえ出なければ簡単に土俵を割らず、前にも落ちない。 |
| ★注目ポイント ■いとこ対決 師匠錣山（元関脇寺尾）の兄は本家筋の井筒（元関脇逆鉾）。それぞれ弟子は関取が一人。井筒部屋の鶴竜は負けられない存在だ。大関へ駆け上がったライバルに連敗していたが、秋場所では一矢報いて対戦成績は互角。 |