現役力士データ　26年⑥新入幕

25年の新入幕勢。最速入幕も、スロー出世も。アフリカンも。

パラメータ

技リスト

スキルリスト

重（総合的な重さ）、力（総合的な力の強さ）、速（総合的なスピード）技（総合的な相撲の技能）、バ（身体バランス）
寄（寄りのレベル）、押（突き押しのレベル）、投（投げのレベル）粘（粘り強さ）、ス（持久力、スタミナ）
Ａ～Ｇ（15～１、0.5刻み）でパラメータ表示

技リストは、数字がレベル（低１＜５高）英字が頻度（多a>e少）を表す。
（技名の前に左右がついていない場合は、どちらからでもできるか、どちらも差はない場合。）
その他の点は、＜データについて＞を参照

サブチャート

■間合い:密（密着した状態。がっぷ胸を合わせた状態）
　　　　　   接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。向付、半身など）
　　　   近（体は接しているが廻しには掛からない距離。押し合い、前さばきの応酬）
　　　   離（完全に体が離れた間合い。突っ張りに適した距離。）、
　　　   遠（遠距離。腕を伸ばして届く距離。リーチの長い突きの独壇場）
■その他各パターン・傾向の得意不得意、傾向の強さ。☆＞◎＞○＞△＞×
■安定・大勝・キラーは主に上位陣以外が対象で、成績の残し方を示す。
             「 ○、△、×、無印」で傾向を示す。（上位陣も一応表示する）

解説

略歴・近況（26年1月時点）　/　得意技・パラメータなどの解説　/注目ポイント

琴勇輝　最高位:前頭九　香川出身　佐渡ヶ嶽部屋　23歳
取り口：突押型				型：突っ張り・モロ手突き		得意手：突き、押し		176cm/165kg 重量筋肉
重	D 8.0	寄	E 6.5	突っ張り　3a モロ手突き4a のどわ　2b 右突き放し3b いなし　　2c 突き落とし2c 上突っ張り2c 突き落とし2b 引き落とし2b	両差し寄り1d 掬い投げ 1e 引っ掛け 1e 渡し込み 2d	＜立合＞モロ手突き3a ぶちかまし2c カチ上げ　1d 　　頭c肩e胸e 手a変化e	＜心＞突押徹底気迫つっかけ強行	＜技＞ワキ甘い引き足×	＜体＞左ひざ
力	D 8.5	押	D 9.5
速	D 8.0	投	E 6.0
技	E 7.0	粘	E 7.0
バ	D 8.0	ス	D 9.0

★略歴・近況　　　若三杉（大豪）以来となる香川県出身幕内力士。平成３年生まれという若さを前面に出した気風の良い相撲で拍手を受けている。３年半で関取という順調な出世。二桁勝つことはなかったが、25年初場所21歳で新入幕を果たした。1場所で陥落、翌場所も初日から6連敗するなどあまり停滞していたが、夏場所突然覚醒し13勝2敗で十両優勝し再入幕を果たした。名古屋でも幕内で初めて勝ち越し、前頭一桁に顔を出すなど着実に力をつける。秋場所常幸龍戦で後退した際に左ひざを痛め車椅子で引き上げたが、その後３勝１敗と１点負け越しで乗り切った。ところが、九州場所德勝龍戦で押し倒された際に再び左膝に重傷を負って途中休場に追い込まれた。

★26年展望・続報　　初場所の番付は辛うじて幕内に残ったが、膝の状態が心配。その分前に出る相撲に徹して結果が出ることもあるが、まだ若いだけにまずは治療に専念してもらいたいところ。

★取り口解説　　徹底した突き押し相撲。勝ち越した名古屋場所では8番すべて押し、突きでの決まり手だった。押し切ることに徹する敢闘相撲は見事である。モロ手突きで先制してそのまま突っ張って出るのが得意の形。臥牙丸を真っ向から突き合って押し出した相撲などは非常に迫力を感じる。投げ技で決めることはほとんどない。

★パラメータ・スキル解説　　やや上突っ張りぎみなので、差されないように気をつけたい。これから重厚感を出していくのか、スピードを磨くのか。突きでいくのか、低さを求めるのか。突き押し相撲のなかでも、どう育っていくのか楽しみである。

★注目　■咳払い　　立ち合い、決まって蹲踞する前に両手を叩き、手の甲を口に当てて一つ大きく気合を入れ、腹を叩く。土俵上で声を出すのは、仕切り中、取組中を問わずあまり良くないとされてきたはずだが、割とそのあたりは寛容になっているようである。土俵上でのルーチンワークは先輩琴奨菊も取り入れている。効果のほどはいかに。

双大竜最高位:前頭十五　福島出身　時津風部屋　32歳
取り口：突貫・技能型				型：突っ張り、食い下がり		得意手：突っ張り		179cm/120kg 小兵筋肉
重	Ｆ 5.0	寄	E 6.5	突っ張り 3a 左前褌寄り2b 突き落とし3c モロ手突き2c 上手出投げ2d 拝み寄り　2d はたき　2c 下手投げ 2c 下手出投げ2c	ひねり　2b 巻き落とし2c 掬い投げ2c たぐり 2c 引き落とし2c 肩透かし2c のどわ　2c 左上手投げ2d 内掛け　1e	＜立合＞ぶちかまし 2a モロ手突き2c モロハズ　2c 左前ミツ　1d いなし　　1d 　頭a肩d胸d 手c変化d	＜心＞晩成型慎重対小兵×	＜技＞食い下り敏捷回転○	＜体＞重心低い右ひじ
力	E 7.5	押	E 7.5
速	C10.0	投	E 7.0
技	D 8.5	粘	D 8.5
バ	D 8.0	ス	E 7.5

★略歴・近況　　　17年に東農大から角界入り。キャリアの違いを見せてすぐに幕下に昇進したが、部屋で起きた新弟子暴行死事件の影響もあって失速。21年秋にようやく関取となったが、1場所で陥落して23年九州でようやく再昇進。その後定着した。25年春に30歳にして新入幕を果たしたが、4勝に終わった。

★26年展望・続報　　その後十両でも負け越しが続いたが、九州でようやく下げ止まった。まだ成長途上。再躍進の一年にしたい。

★取り口解説　　　小兵で軽量を突かれると苦しいが、スピードある突っ張りとうまさで勝負する。回転の良い突っ張りで攪乱し、突き落とすのも得意。浅い上手を取って頭をつける形でも小兵をカバーして健闘する。

★パラメータ・スキル解説 　　突っ張りと食い下がりの技が特徴的。力もあるので、さらに生かしてもらいたい。また勝ち味の速さを追究したいところ。

★注目　■小兵対策　　里山、磋牙司、隆の山など自分より小さい力士に対して合口が悪い。慣れない待ちの姿勢になって相手に主導権を渡してしまっているようだ。今後の対抗策に注目。

大岩戸最高位:前頭十六　山形出身　八角部屋　33歳
取り口：攪乱型				型：突っ張り		得意手：突押、叩き		177cm/135kg 小兵中肉
重	E 6.5	寄	F 5.5	突っ張り　3a ハズ押し　2b おっつけ　2d はたき　　3a 引き落とし2c 突き落とし2c のどわ　　2c 首投げ　　2c 掬い投げ 1d	モロ手突き2c 下手投げ1d 素首落とし1e 肩透かし 1d	＜立合＞モロ手突き3a ぶちかまし2d おっつけ　2c モロハズ 1d 突き落とし2d 　頭b肩d胸d 手b変化d	＜心＞引き癖番付運○ ムラッ気	＜技＞変化技○	＜体＞重心低い右ひじ右ひざ
力	E 7.0	押	E 7.5
速	D 8.0	投	E 6.0
技	E 7.5	粘	E 7.0
バ	E 7.0	ス	E 7.0

★略歴・近況 　　平成16年に近大から「上林」の四股名で幕下付け出しで入門。デビュー場所こそ負け越したが、その後大勝はないものの勝ち越しを続け、１年かけて関取に。しかし十両にも定着しきれず、19年以降３年余り幕下で低迷。22年、23年の再十両でも勝ち越すことはできず。24年になってようやく定着に成功すると、自己最高位5枚目での９勝ながら幸運にも新入幕を果たした。

★26年展望・続報　　晴れの幕の内の舞台は、前半健闘したものの５勝４敗から６連敗。その後再入幕を狙っていたが、年後半は惨敗続きで初場所は幕下から出直しとなった。体力的には衰えが出てくる年齢。技能でカバーして関取として活躍したい。

★取り口解説　　低く当たっての突き押し、引き技のコンビネーション。幕内５勝では、うち４番が引き技の決まり手。

★パラメータ・スキル解説 　　突き押しの威力だけでは苦しい。引き叩きも交えながらのリズムで攪乱したい。自分も転びやすいのが残念。

★注目　■四股名　　学生相撲でならした「上林」の四股名で長くとってきたが、４度目の十両陥落を機に改名。珍しいタイミングであるが、その効果あってか１場所で復帰に成功すると、以後十両に定着、さらに幕内にも手が届いた。

千代鳳　最高位:前頭十二　鹿児島出身　九重部屋　22歳
取り口：押し相撲・疾風型				型：左四つ/右四つ両廻し		得意手：寄り、押し		179cm/180kg 重量肉厚
重	C10.0	寄	D 8.0	吊り寄り　2a がぶり寄り2b 右前褌寄り2c 両差し寄り2c モロ手突き2c おっつけ　2b ハズ押し　2c はたき　 2c 首投げ　　1e	のどわ　 2c 下手投げ 2c 突っ張り　2c 掬い投げ 2d ひねり　1d 外掛け　1e モロハズ2c 引きつけ3b 左腕返し2c	＜立合＞ぶちかまし2a おっつけ 2b モロハズ　2b 突き落とし2d 　　頭a肩e胸e 手d変化e	＜心＞ご当所○ 強引ツラ相撲顔から	＜技＞前傾○ 逆四つ○	＜体＞丸い体重心低い内股ケガ× 左膝
力	D 8.5	押	E 7.5
速	E 6.5	投	E 7.0
技	E 7.0	粘	D 8.0
バ	D 9.0	ス	D 9.0

★略歴・近況　　　入門当初に５場所連続で休場（全休は１）と苦しんだが、状態が回復すると高い能力を見せて順調に出世。24年春、10代にして関取デビューした。十両でも大きな壁に当たることなく25年に入ると連続の10勝で入幕。５月の新入幕場所では、前半好調も後半７連敗と急に崩れて１場所で陥落。ケガもあって年内幕内復帰はならなかったが、ご当所九州では13勝２敗で十両優勝と図抜けた実力を見せつけた。

★26年展望・続報　　　自己最高位で迎える新年、幕内中位の力士に対してどこまで取れるか。大きく負け越したことがなく、どんな地位でもそれなりに取れる大物タイプ。一気に上位進出という勢いを見せてほしい。

★取り口解説　　重心低く、下半身の大きな見るからに腰の重そうなあんこ型。モチャモチャした押し相撲のイメージだが、寄りにも魅力があって最近は四つ相撲が目立つ。寄り方も多彩だ。春場所、自分よりさらに大きな200キロ德真鵬に十分の右四つを許しながら、がっぷりで吊り身に寄り返して正面から力勝ちした相撲などは迫力満点だった。腕を返したり前褌を取って低く食いついたりと意外に緻密な四つ相撲。ただ、ときに力に頼りすぎて膝の古傷に負担をかけることがある。爪先立っての吊り寄りや、無理な投げは危険。

★パラメータ・スキル解説 　　相手がつい引きたくなる、落ちそうで落ちない低さが武器。どちら四つでもがっぷり組むと強い。下半身の故障の多さが難点。古傷の左膝などに致命的な負傷を負わなければ間違いなく大器。地元で強く、過去地元九州場所では途中休場の場所も含めて３敗以上喫したことがない。

★注目　■兄弟関取　　兄・千代丸も昨年急に力をつけて十両でも存在感を発揮。丸い体の兄弟力士、幕内でそろい踏みとなれば話題を集めるだろう。九州場所ではあわや十両初の兄弟決定戦かという激しい優勝争いを繰り広げた。出世では先行してきたが、さらに切磋琢磨していきたい。

誉富士　最高位:前頭十五　青森出身　伊勢ヶ濱部屋　29歳
取り口：攪乱型				型：突っ張り		得意手：突っ張り		180cm/165g 中型中肉
重	E 7.5	寄	F 5.5	突っ張り　3a ハズ押し 2c おっつけ　2b のどわ　　2b はたき　　3b たぐり　 1d いなし　　2a 突き落とし2b モロ手突き2c	はねあげ 2c 小手投げ 1d モロハズ　2c 引き落とし2c 極め　　1e	＜立合＞ぶちかまし2b 左ハズ　 2b 右おっつけ2c 突き落とし2c 　　頭b肩d胸e 手b変化d	＜心＞晩成型突押徹底	＜技＞ワキ甘い回転○	＜体＞バッタリ
力	E 7.0	押	D 8.5
速	D 8.0	投	F 5.5
技	E 7.0	粘	E 7.0
バ	E 7.0	ス	E 7.5

★略歴　　　20年に近大から入門。期待通り各段１場所突破し幕下に昇進したが、その後停滞。故障もあって何度か三段目に落ちたりと苦労したが、４年かけて関取に。なかなか定着できずにいたが、３度目の昇進を果たすと３場所連続10勝の好成績で一気に新入幕と躍進した。幕内で真っ向勝負を挑んだが、前に落ちる相撲が目立って５勝どまり。１場所で陥落した。

★26年展望・続報　　十両陥落後は中位で安定。急上昇から安定成長へ。まずは足場を固めて再入幕を狙いたい。

★取り口解説　　　突っ張りからのいなし、さらに突っ張るという取り口が中心だが、相手によって差し手をおっつけ、反対でのどわ、はずで押す相撲も見せる。しかし幕内ではおっつけているつもりがあっさり差されてしまったり、必死の突っ張り、いなしでも崩しきれない場面が目立った。さらに威力を磨いていくしかないか。

★パラメータ・スキル解説　　目方はあるが、重みを生かすより突き、いなしの動きに活路を見出す。ほぼ突っ張りに徹している。

★注目　■黄金ルート　　伊勢ヶ濱部屋に多いコースを通って入門。師匠と同郷の青森出身、やはり師匠が在学した近畿大学を経ての入門だ。宝富士らも同様だ。

東　龍　最高位:前頭十六　モンゴル出身　玉ノ井部屋　27歳
取り口：スケール型				型：右四つ左上手		得意手：上手投		191cm/145kg 長身中肉
重	E 7.5	寄	E 7.5	左上手投げ3a 上手出投げ2c 右四つ寄り3b はたき　　1d 引き落とし2c 右下手投げ2d 掬い投げ　2c 吊り　　 2d 切り返し　1d	モロ手突き1d 小褄取り　1e 足取り　　1e 極め　　 2d 右上手投げ2d 渡し込み　1d	＜立合＞左上手　2b あてがい3b カチ上げ1c 左前ミツ2c 右差し　2d 頭d肩d胸a 手d変化d	＜心＞投げ多用	＜技＞上手相撲体入れ替え引ｌ張り込み膝送り	＜体＞懐深いリーチ長
力	D 9.0	押	E 6.5
速	E 7.0	投	C10.0
技	E 7.0	粘	E 6.5
バ	E 7.5	ス	E 7.5

★略歴　　モンゴルから留学、大学を中退して入門。恵まれた体格を生かして出世、幕下でしばらく停滞したが、25年1月に新十両。２場所目に12勝3敗と大爆発。千秋楽に旭秀鵬戦で本割、決定戦と連敗し逆転優勝を許したが、翌場所新入幕を果たした。幕内では得意の投げが不発、それでも終盤まで健闘したものの最後3連敗で惜しくも陥落した。

★26年展望・続報　　陥落後は十両上位で一進一退。しかし安定した地力の高さは示している。再入幕は問題ないだろう。あまり若くはないので、今年中に幕内上位を狙う活躍を期待したい。体もあり、目覚めれば出世は速そうだ。

★取り口解説　　右四つに組み止めて、上手投げで仕留めるか寄り切るのが得意の形。やや動いて上手を取り、大きく体を開いて鮮やかに投げる。懐が深いので、左四つで右から投げこともできる。意外に足を取る技術もある。突き押し相手にはあてがいながら片方を差し、片方で引っ張り込んで捕まえようとするが、自分から突っ張っれればさらに強味が増す。

★パラメータ・スキル解説 　　長身力士らしい大きな相撲を取る。中に入られてもくるりと体を入れ替えてしまう旭天鵬のような技もある。懐は深いが、もう少し腰の重さが出て守りが固くなれば風格が備わる。膝をうまく使って切り返すように寄る技術も見せるあたりは、大柄といえどもさすが栃東二代の部屋。

★注目ポイント　■スケール感　　相手が一回転してしまうような大きな弧を描く投げが美しい。長身タイプのモンゴル人力士。スケールの大きさが特徴だが、それに頼らず寄りを磨いて白鵬のような正攻法の相撲も取りたい。

大喜鵬最高位:前頭十六　東京出身　宮城野部屋　25歳
取り口：攪乱型				型：突張り、左差し右おっつけ		得意手：突張り、叩き		182cm/150kg 中型中肉
重	E 6.0	寄	F 5.5	突っ張り 3b のどわ　　2b おっつけ　2b 右ハズ　　2c はたき　　 3b モロ手突き2c 前ミツ寄り2c 右上手投げ1c 右突き放し2c	突き落とし2c 引き落とし2c 跳ね上げ 1d 肩透かし 1e 小手投げ 1d 上手出投げ1d 両差し寄り1d 一本背負い1e	＜立合＞ぶちかまし2b モロハズ　2d 左おっつけ2b 右おっつけ2b はたき　2d 右前ミツ　1d 頭a肩d胸d 手c変化d	＜心＞パフォ-マ-	＜技＞変化技○ 食下り	＜体＞重心低い顎上がり
力	E 6.5	押	D 8.0
速	D 9.5	投	E 6.5
技	E 7.0	粘	E 7.5
バ	E 7.0	ス	D 8.0

★略歴　日大を経て山口の四股名で幕下15枚目格付出。3場所目で優勝し、龍皇の陥落後しばらく関取が途絶えていた白鵬擁する宮城野部屋に、ようやく関取が誕生した。ざんばら髪のまま期待に応えて4場所で突破し、25年夏新入幕。しかしわずか３勝しかできずに陥落。勢いが止まってしまった。

★26年展望・続報　　十両中位でもたついている。大銀杏も結えるようになり、そろそろプロでどのような相撲を取るのか固めていきたいところ。

★取り口解説　　　低く当たって押し上げてから、突っ張りで攻める相撲。体は大きくないので、捕まらないよう突っ張りと素早い動きで翻弄する相撲を目指す。根は左四つで、組み止められそうになれば食い下がる形もある。たまに自分から廻しを狙うことも。

★パラメータ・スキル解説　　　動きの速さを磨いていきたい。その上でトリッキーな相撲を目指すか、突き押しの威力を求めるか。四つも覚えるか。入門３年目でどう伸びるか。軽量ではないが、幕内では軽さが目立った。

★注目　■サービス精神　　高見盛ばりの気合入れパフォーマンスと軽妙なコメントで人気力士への布石は着々。

德勝龍最高位:前頭十　奈良出身　木瀬部屋　28歳
取り口：パワー型				型：突っ張り/左四つ右上手		得意手：押し、寄り		182cm/170kg 大型肉厚
重	D 9.5	寄	D 8.0	左四つ寄り3a 左腕返し　2c 突っ張り　3b おっつけ　2b はたき　　2b とったり　3b 小手投げ2d 掬い投げ2c モロ手突き2c	右上手投げ2c 下手投げ1d 首投げ　1e 突き落とし2c 抱え込み1c たぐり　　3c	＜立合＞左差し　　2b 右おっつけ2c モロ手突き2c 右抱え込み2c とったり　3c 　頭c肩d胸d 手a変化c	＜心＞ツラ相撲策士晩成型	＜技＞引張り込み	＜体＞腰高左ひじ
力	D 9.0	押	E 7.5
速	E 7.0	投	D 8.0
技	D 8.0	粘	E 7.5
バ	E 7.0	ス	D 8.0

★略歴　　　明徳、近大と西の名門を経て「青木」の四股名で角界入り。圧倒的な強さで幕下上位入りしたが、そこから２年かかって十両へ。新十両で７連勝するなど一気に駆け上がるかと思われたが、故障で大負けして幕下落ちするなど停滞ぎみ。25年夏場所は琴勇輝との相星決戦には敗れたが12勝の好成績。入門から4年半で幕内の座を射止めた。

★26年展望・続報　　6枚目からの入幕で幕内力士相手にどこまでやれるかと思われたが、見事９勝をマーク。千秋楽魁聖に敗れて逃したが、条件付きで敢闘賞該当者となった。その後２場所は負け越し。初場所は幕内定着へ正念場となる。

★取り口解説　　大きな体を生かして突き押しで前へ出るか、左四つに捕まえて寄るパワフルな相撲。出足はそれほど鋭くないので劣勢を強いられることも多いが、左四つで腕を返して寄る形は完成度が高い。掬い投げ、小手投げで振って崩しながら形を作る。体に似合わない奇襲戦術も得意とする。昨年はとったりがうまく決まり、立ち合いから手繰りにいってその流れで有利に進めることも多かった。しかし奇手はそう長くは使えない。奥の手として隠しておき、体を生かした大きな相撲で躍進したい。

★パラメータ・スキル解説 　　柔らかさを見せながらも力強い相撲。巨漢ながらなかなか器用で横への動きもある。連勝連敗の多さは要改善。

★注目　■ヒールを狙え？　　新入幕の初日、相手は八百長裁判で勝って２年ぶり復帰の蒼国来。判官贔屓の声援が飛ぶ中、軽量力士相手に無慈悲な変化を見せて勝つ。人気沸騰の遠藤にも変化から土俵下まで寄り倒し。九州では、寄り倒した琴勇輝に上から押しつぶすようにダメ押し。琴勇輝はその前に膝が入って重傷を負っていた。気づいてすぐ駆け寄るあたり、普段は好漢であろうと思われる。栃ノ心には普通に吊り寄りで敗れたが、相手が膝に重傷を負ってしまった。最近松鳳山戦で大関が次々壊れているように、ちょうど巡り合わせでヒール役・壊し屋役が回ってくる力士はいるのも事実。切り替えて勝負に徹したい。

遠　藤　最高位:前頭七　石川出身　追手風部屋　24歳
取り口：正攻法型				型：左四つ右上手		得意手：寄り、投げ		184cm/145kg 中型中肉
重	E 7.5	寄	D 9.0	右上手投げ3b 右前褌寄り3a 上手出投げ3b 左腕返し　2b 下手投げ1d 突っ張り　2c おっつけ　2b 左ハズ押し2c 突き落とし2d	引きつけ　2b まわし切り2c はたき　　2d モロ手突き2d 外掛け　2d 切り返し　1e 左突きつけ2b たぐり　　1d	＜立合＞右前褌　2b おっつけ 2b 左差し　　2b モロ手突き2d ぶちかまし 2c カチ上げ　1c 頭b肩c胸d 手d変化e	＜心＞相撲勘冷静対速攻× 人気	＜技＞詰め○ すり足○ 右堅い前さばき俵伝い	＜体＞体質柔軟足腰柔軟左足首
力	D 8.5	押	E 7.5
速	D 9.5	投	D 9.0
技	C10.5	粘	C10.5
バ	D 9.0	ス	D 8.5

★略歴　　　史上最速、所要３場所で入幕した10年に1人のスター候補。横綱輪島同様石川県から日大に進学し二冠、25年春幕下10枚目格付出デビュー。幕下では連続で5勝2敗と派手な活躍はなかったが順調に2場所突破。13枚目で新十両となったが、いきなり14勝1敗で優勝。1場所突破を果たして鳴り物入りの新入幕となった。期待に応えて9勝3敗と活躍し三賞は濃厚だったが、小結栃煌山にぶつけられて掬い投げに敗れた際に足首を負傷。残念ながら途中休場となった。

★26年展望・続報　　故障の影響が残った九州場所は本領を発揮できずに負け越し。しかし随所にセンスの高さを見せて人気沸騰。年末もテレビ出演で忙しい日々を過ごした。2年目となる今年はどこまでブレイクするか。やや期待先行で気の毒だが、あせらずに地力アップを図ってもらいたいところ。

★取り口解説　　組んで良し、離れて良し。出世街道をひた走っていたころの貴花田を肉厚にしたような感じだ。左四つで右の浅いミツを引く形が最も良く、引きつけ、腕の返し、出し投げの崩し、土俵際の詰めも秀逸。上手にかかった瞬間、軽くねじるような上手投げを放つと巨漢旭天鵬が宙を舞った一番も衝撃的だった。教えても身につかない技のセンスを持っている印象だ。

★パラメータ・スキル解説 　　強靭な足腰に支えられた均整の取れた体格。技の切れ。新人らしからぬ落ち着きと、心技体にバランスが良く、穴がない。立ち合いの威力、出足、体力面などは幕内では見劣りするが、この一年でどこまで力を伸ばすのか。攻めても深追いしすぎず、攻められてもギリギリで回り込む勘の良さが見事。

★注目ポイント　■黄金ルーキー　　ザンバラ髪で本名のまま。学生力士がそのまま幕内で取っているような感覚だ。入門１年目で大きな存在感。前相撲スタートの最速男・常幸龍がかすむほどの勢いだった。

大砂嵐最高位:前頭十五　エジプト出身　大嶽部屋　22歳
取り口：パワー型				型：上突張り、右四つ左上手		得意手：突っ張り		189cm/145kg 長身筋肉
重	E 7.5	寄	E 7.5	上突っ張り4a 張り手　　3a 掬い投げ 3b 上手投げ 2b 右四つ寄り2b 引きつけ　3b はたき　2b うっちゃり2c 突き落とし2d	肩透かし1e 右突きつけ2c 両前褌寄り1e 両差し寄り1e	＜立合＞モロ手突き3b 左上手　 2b はたき　　2c モロ手突き2d ぶちかまし2c カチ上げ1c 頭b肩c胸d 手d変化d	＜心＞強引引き癖ラマダン気迫人気	＜技＞ワキ甘いバタ足	＜体＞腰高立ち腰筋肉質右上腕
力	B12.0	押	D 9.5
速	E 7.5	投	E 7.5
技	F 5.0	粘	D 8.5
バ	D 8.0	ス	D 8.5

★略歴　　　超異色の新弟子に各部屋尻込みする中、24年に大嶽部屋に入門。当時から注目の的だった。25年夏に初の幕下上位で全勝、1年半での入幕となった。十両でも連続10勝で2場所突破。九州で新入幕を果たした。

★26年展望・続報　　新入幕では爆発力を活かせず入門以来初の負け越し。序盤苦戦し、盛り返したが最後に上位と当てられ連敗。やや気の毒な割だった。幕内には残留し、新年を迎える。遠藤と共にブレイクが期待される大型新人。

★取り口解説　　右四つでの寄り、荒々しい上突っ張り。ほぼこの２つだけで勝ち上がってきた印象。寄りも廻しの位置が深かったり浅かったり、突っ張りも強引に顔ばかり張っており、はたきもまとも。そんな技能面の問題も出世の妨げにはならなかった。力だけでどこまでいけるかも見てみたい。幕内では、組み止められて怪力を使わせてもらえなかった。四つの型を磨いてもう少し太れば、がっぷりでも強いはずだ。

★パラメータ・スキル解説 　　阿覧や若ノ鵬が上がってきたときのような荒っぽいパワータイプ。実践の中で技能を向上させたい。荒っぽさの代償か、大きなケガではないがやや故障が多い。

★注目　■話題性　　史上初のアフリカ出身、イスラム教徒ということで、エピソードには事欠かない。相撲とイスラム、改めてとんでもない異文化交流だと感じる。本名のシャーランから取ったであろう「砂嵐」は、砂漠のイメージにもぴったりで、多少語呂が悪いけれども見事な命名。秋場所はラマダンの最中だったが、体力の減退を見せずに二桁勝ち、幕内昇進を決めた。

平成26年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬日馬富士琴奨菊稀勢の里鶴竜
三　役	琴欧洲豪栄道妙義龍栃煌山安美錦松鳳山隠岐の海
古　参	旭天鵬若の里豊ノ島時天空朝赤龍豪風嘉風豊真将北太樹玉飛鳥翔天狼
中　堅	碧山豊響玉鷲宝富士佐田の富士臥牙丸魁聖富士東隆の山蒼国来天鎧鵬大道栃ノ心若荒雄
新　鋭	髙安舛ノ山栃乃若千代の国旭秀鵬勢千代大龍旭日松常幸龍
新入幕	琴勇輝双大竜大岩戸千代鳳誉富士東龍大喜鵬德勝龍遠藤大砂嵐

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上位陣	白鵬日馬富士琴奨菊稀勢の里鶴竜
三　役	琴欧洲豪栄道妙義龍栃煌山安美錦松鳳山隠岐の海
古　参	旭天鵬若の里豊ノ島時天空朝赤龍豪風嘉風豊真将北太樹玉飛鳥翔天狼
中　堅	碧山豊響玉鷲宝富士佐田の富士臥牙丸魁聖富士東隆の山蒼国来天鎧鵬大道栃ノ心若荒雄
新　鋭	髙安舛ノ山栃乃若千代の国旭秀鵬勢千代大龍旭日松常幸龍
新入幕	琴勇輝双大竜大岩戸千代鳳誉富士東龍大喜鵬德勝龍遠藤大砂嵐

平成26年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬日馬富士琴奨菊稀勢の里鶴竜
三　役	琴欧洲豪栄道妙義龍栃煌山安美錦松鳳山隠岐の海
古　参	旭天鵬若の里豊ノ島時天空朝赤龍豪風嘉風豊真将北太樹玉飛鳥翔天狼
中　堅	碧山豊響玉鷲宝富士佐田の富士臥牙丸魁聖富士東隆の山蒼国来天鎧鵬大道栃ノ心若荒雄
新　鋭	髙安舛ノ山栃乃若千代の国旭秀鵬勢千代大龍旭日松常幸龍
新入幕	琴勇輝双大竜大岩戸千代鳳誉富士東龍大喜鵬德勝龍遠藤大砂嵐

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古　参	旭天鵬若の里豊ノ島時天空朝赤龍豪風嘉風豊真将北太樹玉飛鳥翔天狼
中　堅	碧山豊響玉鷲宝富士佐田の富士臥牙丸魁聖富士東隆の山蒼国来天鎧鵬大道栃ノ心若荒雄
新　鋭	髙安舛ノ山栃乃若千代の国旭秀鵬勢千代大龍旭日松常幸龍
新入幕	琴勇輝双大竜大岩戸千代鳳誉富士東龍大喜鵬德勝龍遠藤大砂嵐

間合い
密	接	近	離	遠
×	○	△	◎	○

間合い
密	接	近	離	遠
×	○	△	○	△

間合い
密	接	近	離	遠
×	△	○	○	△

間合い
密	接	近	離	遠
◎	△	◎	△	×