現役力士データ

2008(平成二十年)


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三 役

上位陣

三 役 新 鋭 ベテラン 51組 中 堅 エレベータ ルーキー

安馬 稀勢の里 朝赤龍 安美錦 時天空 琴奨菊 豊ノ島 雅山

昨年三役にあり、今年も名を連ねそうな面々。常連だった琴光喜や若の里の名が消え、若手が入った。ベテランは安美錦、雅だけ。

パラメータ

タイプ/得意な間合い(数字が大きいほど遠距離)/得意な形/まわしの色

(総合的な重さ)、(総合的な力の強さ)、(総合的なスピード)(総合的な技能)、(体のバランスの良さ)

(寄りのレベル)、(押し、突きのレベル)、(投げ技のレベル)(粘り強さ)、(総合的なスタミナ)、A〜G(15段階)

技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。

その他の点は、<データについて>を参照

解説 現況 戦術 武器となる特徴・形・技 弱点 主な合口の善し悪し

 


 

  安 馬   関脇   モンゴル 安治川 24 185/125
 スピード型 間合1/3 [前褌食下り・右差し・突っ張り]         
E06 D09
前褌寄り  3a
上手投げ 3b
のどわ   3c
上突っ張り2b
右下手投げ3b
突き落とし2c
とったり 2d
外掛け   2d
首投げ  2d
足取り   3c
吊り落とし 2e
モロ差寄り2d
モロハズ 2c
上手出投げ2c
腕ひねり 1d
カチ上げ 2e
内無双 2e
小褄取り 2d
<立合>
ぶちかまし3a
前褌   2c
右のどわ 3c
張差し 2c
左上手   2c
とったり 2e 
頭a肩e胸e
手c変化d 
<心>
気迫
上位キラ-
突っかけ
策士
横攻め
人気
対小兵○
 
<技>

多彩

まわりこみ

手取り

もぐり

大技

食い下がり

速攻

チョン立ち

<体>
前傾○
敏捷
右肘
 

      
D09 C10
B13 C11
C10 B13
C11 C11
   
 華のある相撲の軽量力士からステップアップ、三役に定着した19年。体もかなり大きくなった。ライバル意識を燃やす白鵬を連破した秋、九州は、連続10勝(いずれも殊勲勝)。大関挑戦の権利を手にして20年に臨む。
戦術:スピードを活かした速攻、胸を合わせず食い下がり、変化も含めた応変の戦術

武器:「突き刺さるような」立合いの突っ込み、縦横無尽の敏捷性、のどわ中心の突き押し、驚異の粘り・逆転技、器用な小技、

弱点:立合いで主導権を握れず守勢にまわると体力負けする。案外下位に苦戦する面も。

合口 ◎豊ノ島、豪風 ○白鵬、琴光喜、朝赤龍、普天王 △琴奨菊、稀勢の里、雅山、黒海    身長170センチの2力士には20戦して1敗のみ。

 

 


 

  稀勢の里   小結  茨城 鳴戸  22  187/160
 前進・疾風型 間合1/2 [左四つ右上手・左差し右おっつけ・両おっつけ]    
C10 C10
左おっつけ3a
左四つ寄り4a
右おっつけ3b
右上手投げ2c
がぶり寄り3c
左腕返し 3b
突っ張り   2c
ハズ押し 3b
掬い投げ  2c
のどわ  2c
突き落とし3c
モロ差寄り1c
モロ手突き2b
モロハズ  2b
首捻り    2d
まわし切り3c
引きつけ  3b
浴びせ倒し2c
<立合>
ぶちかまし3a
左差し 2b
かちあげ2c
体当たり2c
おっつけ2d
はたき 1e
頭a肩c胸d
手d変化e
<心>
気迫
突っかけ
尻上がり
ライバル意識
早熟型
<技>

土俵際

ワキ甘い
挟みつけ
がっぷり○
詰め×

      
<体>
前掛り
腰高
足腰柔軟
ケガ○
 
C11 D09
08 E07
D08 D08
D08 C10

  

 新世代の代表格。同学年の栃煌山、豪栄道が入幕して早くも活躍、ライバルが増えてきた。ところが自身にとっては19年は「伸び悩み」の一年となった。18年は全場所勝ち越して三役に定着したが、19年は上位戦の少なかった秋場所の11勝しか見せ場なし。大器の巻き返しに期待。
戦術:離れても組んでも前進相撲。左右のおっつけで前に出ながら差したり上手を取ったりと、形を作る。

武器:左四つ右上手でのガブリ寄りは安定感あり。おっつけは左右とも強い。意外と廻しを切る器用さも。土俵際の窮余のはたきもよく決まる。

弱点:足の長い現代人型体型で、どうしても腰が高く見える。突き押しの力士に動き負けする。おっつけにこだわってモロ差しを許すことも。

合口  ○安馬、栃乃洋、普天王 △安美錦 ×千代大海   かつて気を吐いてきた白鵬、琴欧洲戦で勝てなくなってきた。

 

  


 

  朝赤龍     関脇   モンゴル 高砂   27   184/145
 業師・押し相撲型 間合1〜2 [左差し右前褌・右差し左前褌・左/右おっつけ]       
D09 D08
上手出投げ4b
右上手投げ3b
下手投げ  3c
左前褌寄り2d
はたき     3b
突き落とし 3b
右おっつけ2d
引き落とし 3c
かわず掛け2d
内無双    2d
はねあげ 2b
小手投げ 2d
巻き替え  2d
下手出投げ3c
いなし  3b
たぐり  2c
突っ張り  2c
ひねり  2d
<立合>
モロ手突き2b
左差し   2b
張差し  2d
右おっつけ2b
足取り  2e
突き落とし2d
頭c肩c胸d
手b変化d 
<心>
慎重
ムラッ気
ツラ相撲
上位キラ-
 
<技>
まわりこみ
逆四つ○
変化技○
受身○
もぐり

        

 

<体>
重心低い
体質柔軟
両膝
怪我×

        

        

      
D08 D09
C10 C11
C10 B12
D08 D09

  

 地味ながら近年成長を見せている技能派。ヒザに故障を抱えており、成績の不安定ぶりは相変わらずだが、好調時の爆発力は優勝争いを盛り上げる。19年も、5月は12勝の活躍で3年ぶり技能賞。翌場所も手堅く給金を直して、新関脇に昇進した。

戦術:重心低く相手に廻しを許さない。勝ち味は遅いが、守りの強さを活かして粘り勝つ。頭付ければ多彩な業師ぶりを発揮。

武器:切れ味鋭い出し投げ、引き技交えた技能的な押し相撲、体は大きくないが腰の重さはなかなかのもの。立合い潜っての思い切った足取りは驚いた。

弱点:怪我の多さと、不安定さ。決定的な強みには欠け、相手十分になると分が悪い。

合口 ○琴欧洲、魁皇、春日王、豊ノ島 △安馬、豊真将、出島、雅山、垣添 ×安美錦   上位にはかなり健闘する反面、お得意様不在。武蔵川勢に苦戦。

 

  安美錦       関脇       青森  安治川   30    185/140
 業師・スピード型 間合1 [右下手・左/右前褌・ハズ押し]     
E07 D09
右下手出投4c
ハズ押し  3b
前褌寄り  2c
引き落とし3c
外掛け   3c
上手投げ 3b
掬い投げ 3c
のどわ   2c
うっちゃり 2d
ひねり   3c
大逆手   2e
いなし    3b
裾払い  2c
肩透かし 3c
モロ差寄り2c
切り返し 2d
引っ掛け2c
下手投げ 3c
<立合>
ぶちかまし2a
右差し  3b
前褌     2c
左上手  2c
張差し 2e
いなし   2c 
頭a肩d胸d
手d変化c 
<心>
上位キラ-
策士
横攻め
冷静
 
 
<技>
相撲勘
土俵際
前捌き
足癖
まわりこみ
食い下がり
対押し×
 
<体>
前傾○
敏捷
体質柔軟
肘柔軟
右膝爆弾
腰痛
強行

      
E07 D09
C11 C10
B12 C11
D09 E07

 

 地力が急上昇。軽量の印象が強かったが、目方が増えて立合い負けしなくなった。これが成績にも表れて、幕内7年目のスロー新三役。さらに19年は新関脇となり、その場所で初日から8連勝。大横綱級の快記録で、大関候補に名乗り。大ブレイクした。腰痛、ヒザの持病など体調は優れない。この勢いが続くのか、逆戻りか、30歳を前にして分岐点を迎える。
武器:前褌取って鋭い寄り、右差しの攻め、外掛けも繰り出して大物の足を掬う

戦術:速攻、巧い前捌きからハズ押しで前に出る出足がついて主導権を握れるようになった。もちろん食い下がる相撲でも魅せる。

弱点:ヒザに不安、土俵際粘るとヒヤッとする。がっぷりだと分が悪い。足腰不安ながら前傾している分、前に落ちるリスクがある。

合口 ◎朝赤龍、高見盛 ○朝青龍、琴欧洲、魁皇、稀勢の里、豊ノ島 △琴奨菊、豊真将、北勝力 ×千代大海、琴光喜、若の里、玉春日   

 得意苦手がはっきり。千代大海には16回目でようやく初勝利。朝青龍に連勝した数少ない力士。


 

  時天空   小結    モンゴル 時津風   29   187/145
 業師・撹乱型 間合0〜1/3 [右下手・突っ張り]    
D08 D08
内掛け   4c
突っ張り  3a
二枚蹴り  3d
肩透かし  3b
下手出投げ2c
はたき  3a
裾払い   3c
引き落とし3b
足取り   3c
のどわ  2c
巻き替え 2d
切り返し  2d
丁斧掛け2d
蹴返し  2c
外掛け   2d
引っ掛け2c
下手投げ2c
腕ひねり1e
<立合>
モロ手突き2c
右差し  2c
張差し  2c
ぶちかまし2d
左上手  2c
はたき  2d 
頭c肩c胸b
手b変化d 
<心>
安定感
慎重
上位キラ-
晩成型
 
<技>
手取り
右足癖
多彩
送り技多彩
変化技○
逆四つ○
まわりこみ
対速攻×
<体>
立ち腰
リーチ長
上体柔軟
足腰柔軟
怪我○

        

        

      
D08 D09
D09 D09
C11 C10
C11 C10

   

 

 まだ三役での勝ち越しこそないが、上位に安定。足技だけでなく、突っ張りを覚えて前へ出る力がついた。いまや堂々たる体格で、小技も少なくなった。九州では4大関総なめにしながら、2大関は変化で下したこともあって賞から漏れるなど、活躍のわりに三賞と縁が薄い。20年は引き技を減らして三役定着、二ケタ勝利、三賞受賞はノルマ。
武器:リーチ生きる突っ張り、抜群の足腰を土台にした足技、どちらでも取れる四つ身、下手からの投げ、ソツのない引き技

戦術:突っ張りで先制、前へ出て廻しを取る。相手十分でも内掛けなどで脅かして逆転する

弱点:胸を出すことが多く、速攻相撲、押し相撲には苦戦。決め手に欠ける面も

合口 ○琴光喜、琴奨菊 △千代大海、露鵬、海鵬     佐渡ヶ嶽キラー。あまり合口の善し悪しはないタイプ。

 

 


 

  琴奨菊  関脇      福岡 佐渡ヶ嶽 24  179/150
  疾風・押し相撲型 間合1〜2 [左差し右上手/右おっつけ]     
C10 B12
右おっつけ3a
がぶり寄り3b
右上手投げ2c
はねあげ 3b
左腕返し 2b
突っ張り  2b
ハズ押し   2b
掬い投げ   2d
突き落とし 2c
上手出投げ1e
モロ差寄り 2d
巻き替え  1d
肩透かし  2d
渡しこみ   1c
波離間投げ1c
廻し切り 2c
のどわ  2c
はたき  2d
<立合>
ぶちかまし2a
左差し  2c
右おっつけ2b
張差し 1d
いなし  2c
右差し 1d 
頭b肩b胸e
手c変化e 
<心>
尻上がり
ツラ相撲
スロ-スタ-ト
対上位×
強行
 
 
<技>
前捌き
左堅い
右甘い
受身○

      
<体>
重心低い
アゴ上がり
カタフン
腰痛

        

      
D09 D09
D09 D08
D09 C10
D09 C10

   

 

 「がぶり寄り」が代名詞になった若手力士。しっかりした地力を身に付けて、今年は三役3場所を務めた。横綱大関戦での勝率は低いが、実力者として上位に欠かせない存在になった。あっと驚く技はないが、前へ出る相撲を認められ2度目の技能賞も。白鵬を寄り倒した右四つの寄りなど、幅も広がって大関候補に名乗り。
武器:左四つ右上手を引き付けてのガブリ寄り。右おっつけを軸にした押し相撲。重心の低さ。後半戦の強さ。

戦術:いかに伝家の宝刀・がぶり寄りの形に持ち込むか。そのためには突っ張りで撹乱したり、右を差しにいく奇襲も。

弱点:右のワキが空きやすい。序盤の立ち上がりが悪い。

合口 ○安馬、安美錦 △時天空 ×朝青龍、千代大海    白鵬から横綱戦初勝利。もともと苦手は少なく、地力上がれば好成績も。

 

  豊 ノ 島    小結     高知 時津風   25   170/140
 技能・押し相撲型 間合1/2 [モロ差し/左差し・右おっつけ]       
D08 D09
左下手投げ3b
モロ差寄り3b
内掛け   3d
肩透かし  3c
右おっつけ2b
掬い投げ  3c
ハズ押し  2b
吊り寄り   2c
巻き替え  3c
切り返し  2d
左腕返し  2c
渡し込み  2d
まわし切り2c
かわず掛け2d
はたき  3c
下手出投げ2e
上突っ張り 2d
首投げ  2d
<立合>
モロ差し3a
かちあげ3b
左差し 3c
張差し  1d
いなし  2d
のどわ 2e
頭c肩b胸a
手c変化d 
<心>
稽古場○
対小兵×
強行
<技>

足癖

差し身

頭四つ

足跳上げ

まわりこみ

大技

 

<体>
立ち腰
体質柔軟
重心低い
アゴ上り
右膝
 

      
E07 D09
C10 C10
C11 C11
C10 C10

    

 

 第二検査の星。規定に満たない身長の低さも何のその。1月の12勝でブレイクすると、上位初挑戦の3月も、いきなり30p以上大きな琴欧洲を投げ飛ばすなど活躍して新三役に。晴れの場所は、朝青龍に稽古場で潰されながらの強行出場で大敗したが、怪我が回復すると上位キラーとして存在感を示した。まずは三役復帰を目指す。
武器:モロ差しの攻め。左からの投げ。足技。柔軟な体で土俵際粘り

戦術:この体でも胸で当たってモロ差し狙い。意表つく突き押しも繰り出す。

弱点:ややまとも過ぎる取り口。前傾は得意でないようだ。苦手を作りやすいのも不思議。

合口 ○千代大海、△普天王 ×安馬、豪風、白露山   小兵は小兵に弱い?

 

 

  雅 山  大関   茨城 武蔵川    31    185/180
 突押・撹乱型 間合3〜4 [上突っ張り・喉輪押し・叩き]              
B12 E07
上突っ張り4b
右のどわ  4b
はたき  4b
突き落とし4b
いなし   4b
まわし切り3c
ハズ押し 3c
モロ手突き3c
おっつけ 3d
小手投げ3c
引き落とし2d
張り手 3c
がぶり寄り2e
二丁投げ3d
首投げ 2b
モロ差寄り1e
掬い投げ 2d
体当たり  2d
<立合>
モロ手突き3c
ぶちかまし2d
のどわ   3d
おっつけ2d
はたき  2e
突き落とし2e
頭b肩d胸e
手b変化d
<心>
スロ-スタ-ト
尻上がり
突押徹底
まった
 
<技>
変化技○
土俵際
出足
<体>
前がかり
足腰硬い
丸い体
右足首
 

      
C10 B12
E06 E06
D09 D08
E06 E07

  

 

 18年は優勝決定戦進出、年6場所勝ち越し、三役で3場所34勝など、大関復帰かという活躍を見せた。ところが19年はその好調が続かず。初場所負け越して三役を滑り落ちると、春場所は久しぶりに朝青龍に勝って初金星を挙げる殊勲はあったが足を痛めて途中休場。大関キラーぶりも影を潜め、年内三役復帰はならず。出島には負けられない。

戦術:徹底した上突っ張りで離れて勝負をつける。しつこくアゴを突き上げ、嫌ったところをいなして崩す。

武器:重く、回転のいい内から出てくる突っ張り。立合いの重戦車のような当たりも主導権を握るのに効果的。引き技も強烈、土俵際逆転も得意。

弱点:タイミング外すとバッタリ前に落ちる。去年はやや対応が遅く、突き離せずに中に入られることも多かった。

合口 ○玉春日、普天王、玉乃島、豪風、 △白鵬、鶴竜、高見盛  △朝青龍    久々に朝青食うが、対戦成績はひどい。同期玉島ほか、学生相撲出身には合口がいい。

 

 

 

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