現役力士データ
2008(平成二十年)
多くの新鋭が一本立ちしたが、続々と次の「新鋭」は上がって来る。同期入門のスピード出世3人は注目だ。
パラメータ |
タイプ/得意な間合い(数字が大きいほど遠距離)/得意な形/まわしの色 重(総合的な重さ)、力(総合的な力の強さ)、速(総合的なスピード)技(総合的な技能)、バ(体のバランスの良さ) 寄(寄りのレベル)、押(押し、突きのレベル)、投(投げ技のレベル)粘(粘り強さ)、ス(総合的なスタミナ)、A〜G(15段階) 技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。 その他の点は、<データについて>を参照 |
解説 | 現況 戦術 武器となる特徴・形・技 弱点 主な合口の善し悪し |
豊真将 前頭 山口 錣山 27 186/145 | |||||||||
正攻法型 間合1〜2 [左前褌右ハズ・左右おっつけ] | |||||||||
重 | D08 | 寄 | D09 |
左前褌寄り3a 右おっつけ3a 上手出投げ2d モロハズ 3c 突き落とし3b 左上手投げ2d 左おっつけ2c ハズ押し 3c 突き落とし2d |
外掛け 1e モロ差寄り1e 掬い投げ1d 肩透かし 1d 引っ掛け 1c 巻き替え 1c 廻し切り 1d 下手投げ 1d 引き落とし2d |
<立合> ぶちかまし2a 左前褌 2b 右おっつけ2d モロハズ2d いなし 2c 頭a肩d胸e 手d変化e |
<心> 晩成型 ムラッ気 連敗癖 シンプル 所作○ 人気 番付運× |
<技>
受身○ 挟みつけ 速攻 上体硬い |
<体> 前傾○ 筋肉質 右膝 左肘 |
力 | D09 | 押 | D09 | ||||||
速 | D08 | 投 | E07 | ||||||
技 | E07 | 粘 | D09 | ||||||
バ | B12 | ス | C10 |
現代相撲に珍しいきちんとした所作、土俵態度、均整の取れた筋肉質の体、一気に人気力士の仲間入りしたホープ。大学相撲部を退部するなど、エリートコースを外れた異色の経歴の持ち主。その分入門が遅く、年齢は中堅どころ。三賞を含む活躍はしているが、筆頭で勝ち越しながら見送られるなど三役に縁がない。まずは新三役昇進が目標となる。 |
戦術:徹底した前傾姿勢で攻めを凌ぎ、一気に反撃するカウンター相撲。自分から先に前へ攻めていく相撲に挑戦中。
武器:前に落ちない強靭な足腰、左前褌右おっつけの前進相撲 弱点:立合いの出足不足で受けに回ることが多く、後手に回る。怪我や不調でバランスが崩れると、持ち味のしぶとさも失われる。 |
合口 ○千代大海、琴欧洲、安美錦、朝赤龍、鶴竜 △栃煌山、北勝力 大関は一通り倒した。次は横綱戦勝利を。 |
鶴 竜 前頭 モンゴル 井筒 23 185/140 | |||||||||
技能・撹乱型 間合1/3 [突っ張り・モロ差し] | |||||||||
重 | E06 | 寄 | E07 |
突っ張り 3a モロ差寄り3b いなし 3a 突き落とし2c 右下手投げ2d はたき 2b 引っ掛け2d 上手投げ2c のどわ 2b |
引き落とし2c 左四つ寄り1d 吊り 1d 上手ひねり2d 左前褌寄り1c 上手出投げ2d うっちゃり 1e 肩透かし 2c 巻き替え 2d |
<立合> モロ手突き2b ぶちかまし2b 右差し 1d 張差し 1d 左前褌 2d いなし 2d 頭a肩c胸e 手b変化e |
<心> 番付運○ 引き癖 |
<技> まわりこみ 逆四つ○ 受身○ 俵伝い 上体柔軟 |
<体> ケガ○ |
力 | E07 | 押 | D08 | ||||||
速 | C11 | 投 | D08 | ||||||
技 | D08 | 粘 | C10 | ||||||
バ | C10 | ス | C10 |
急速に力をつけてきたモンゴル勢の若手。まだ体も小さく、上位では体力負けしてしまうが、初挑戦で7勝する健闘ぶり。対応力は大したもの。回り込みの速さに頼る受身の相撲が目立っていたが、攻めに出れば突っ張りの他多彩な技を繰り出す元気な相撲を取る。20年は初場所12勝、3月3大関食いと急成長中。 |
戦術:目指すは逆鉾のモロ差し速攻+寺尾の突っ張り。目方が増えれば相撲も変わっていくかもしれない。
武器:動き回っての突っ張り。リーチもまずまずあり、威力も侮れない。右下手取ってもしぶとく、若き頃の寺尾に近い。 弱点:まともに組み合う地力はまだない。ややあっさりと引き技に頼ることがある。 |
合口 ○出島、土佐ノ海 △豊真将 まだデータ不足で評価しにくいが、突進型には対戦成績が良好。 |
栃煌山 前頭 春日野 高知 21 189/150 | |||||||||
前進型 間合2 [右差し/ハズ・左おっつけ] | |||||||||
重 | E07 | 寄 | D08 |
モロ差寄り3b 右差し寄り2a 左おっつけ3b ハズ押し 3a のどわ 2c 右おっつけ2d モロハズ 2d 上手投げ 2c 突き落とし2b |
引き落とし2c 掬い投げ1d モロ手突き1d 首投げ 2d 巻き替え 2d |
<立合> ぶちかまし2b 右差し 2d 左おっつけ2c 頭a肩c胸e 手b変化e |
<心> 一番相撲○ ライバル意識 シンプル 大阪○ |
<技> 挟み付け |
<体> 上体硬い 左肘 |
力 | D09 | 押 | D08 | ||||||
速 | D08 | 投 | E06 | ||||||
技 | E07 | 粘 | E07 | ||||||
バ | E07 | ス | D09 |
豪栄道との出世レース、関取昇進、入幕ともにリードした。そして新入幕で11勝の活躍。敢闘賞。大型新人の登場だと期待されたが、その後は肘の故障で休場するなど低迷。幕内下位でもなかなか勝ち越せず、番付も豪栄道に逆転された。20年に入り復調。ようやく勝ち越すと、春場所では11勝して1年ぶりの三賞となる初の技能賞受賞。 |
戦術:おっつけを軸にして、差したりハズに掛けたりして出る前進相撲。投げや引きには頼らないシンプルな取り口。
武器:右差し速攻、左右の厳しいおっつけ、ハズ押し。二本差しての攻めも見せる。 弱点:まともすぎて覚えられたのか、2場所目からは不振。引き技に落ちる場面が目立った。 |
合口 ○豊真将 |
豪栄道 前頭 大阪 境川 22 178/140 | |||||||||
正攻法・技能型 間合1 [右四つ左上手・左四つ右上手・両前廻し] | |||||||||
重 | E06 | 寄 | D09 |
右四つ寄り3a 右前褌寄り3b 上手出投げ3a 引き付け2c 下手投げ2d 切り返し 3c 拝み寄り2c 掬い投げ2c 下手投げ2b |
小股掬い2c 下手出投げ1d 吊り寄り 2c 上手ひねり2d 渡し込み1c 外掛け 2d 小褄取り 1e おっつけ 2c 首投げ 2d |
<立合> ぶちかまし2b 右前褌 2b 右差し 1d 左前褌 1d カチ上げ1d 頭a肩c胸e 手b変化e |
<心> 気迫 尻上がり 初日× |
<技> 上手相撲 逆四つ○ 足跳上げ 振り回し |
<体> 重心低い 前傾○ |
力 | C10 | 押 | E06 | ||||||
速 | D09 | 投 | D09 | ||||||
技 | C10 | 粘 | C10 | ||||||
バ | C10 | ス | D09 |
幕下から十両では少しもたつき、ライバルに遅れを取ったが、新入幕を果たした19年秋で大活躍。一時は単独トップに立つなど終盤まで優勝争いに残り、横綱とも対戦した。翌場所も勝ち越して上位進出へ。体は大きくないが、正面から攻める力強い四つ相撲。入門時から将来の横綱候補と期待された大器が、遂に本格化する。 |
戦術:左でも右でも浅い上手を引きつけて相撲を取る。根は右四つだが、右上手を取ることも多い。絶対にアゴを上げない低さで突き押しを跳ね上げて食らいつく。 武器:引き付けの強さ、出し投げの巧さ、思い切りの良い投げ技。外から足も掛かって切り返しも出す。 弱点:入門時から体重があまり増えず、重さには欠ける。上手相撲ゆえか、相手十分に差させてしまうことが多い。 |
合口 |
豊 響 前頭 山口 境川 24 184/175 | |||||||||
技能・撹乱型 間合3 [突っ張り・左おっつけ右のどわ] | |||||||||
重 | C10 | 寄 | E06 |
右のどわ 4a 突っ張り 3b ハズ押し 3a 左おっつけ2c がぶり寄り2d はたき 2b 小手投げ2d 上手出投げ2c ぶちかまし2b |
引き落とし2c 左四つ寄り1d 下手出投げ1d モロ手突き2c カチ上げ 2d 突き落とし 2d |
<立合> ぶちかまし3a モロ手突き2b カチ上げ 2d 右のどわ 3c 頭a肩c胸e 手b変化e |
<心> ツラ相撲 シンプル 突押徹底 |
<技> 出足 |
<体> ケガ○ |
力 | C10 | 押 | C10 | ||||||
速 | E07 | 投 | E06 | ||||||
技 | E06 | 粘 | E06 | ||||||
バ | E07 | ス | D09 |
猛牛のニックネームが定着してきた若手の一人。栃煌山、豪栄道とは同期入門。元フリーターという苦労人。ブランクを感じさせないスピード出世で入幕、いきなり11勝の活躍を見せて敢闘賞。巨漢ながら激しい突き押しで前へ出る気風の良い取り口。さながら大型の千代大海といった相撲。上位進出を狙うが、やや停滞ぎみ。 |
戦術:徹底して離れて突き押し。
武器:よく腕の伸びるのどわ押しが強烈。右のどわ左おっつけの型を持つ。ぶちかましの威力も十分。 弱点:引き、叩きがまとも。残されて中に入られると脆い |
合口 |
把瑠都 前頭 エストニア 尾上 24 197/170 |
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スケール型 間合0 [右四つ左上手・両廻し・上手廻し] | |||||||||
重 | C11 | 寄 | C10 |
上手投げ 3b 上突っ張り2b はたき 3b 上手ひねり2c 小手投げ 3c 吊り寄り 3d 右四つ寄り2b 突き落とし3d 吊り 3c |
張り手 2c 引きつけ 4b はりま投げ3d 引き落とし3c 投げ寄り 2d 打っ棄り 2d 内無双 1e のどわ 2c 上手透かし2b |
<立合> 張差し 2c モロ手突き2b 左上手 3b かちあげ2d はたき 3d 左前褌2c 頭d肩b胸b 手b変化c |
<心> 引き癖 投げ癖 強引 勝負弱い 慎重 |
<技> ワキ甘い 上手相撲 肩腰上手 外四つ○ 体入れ替え 引っ張り込み 呼び込み 対押し× |
<体> 腰高 懐深い◎ リーチ○ 上体柔軟 引き足× 左足首 右膝爆弾 |
力 | B13 | 押 | E06 | ||||||
速 | E07 | 投 | C10 | ||||||
技 | F05 | 粘 | E07 | ||||||
バ | E07 | ス | E07 |
怪物にとって誤算続きの一年となった。ヒザの怪我で食った足止めを取り戻すつもりが、三度同じ膝を故障。原因はいずれも強引な呼び込みによるものだった。度重なる怪我を教訓に、今度こそ相撲のモデルチェンジを図る。圧倒的な強さで十両優勝3回。幕尻で優勝争いに絡むまで回復。1年半の回り道を無駄にせず、再ブレイクの一年にしたい。3月12勝は復活の狼煙。 |
戦術:覆いかぶさるような上手相撲は怪我と共に卒業。左の浅い上手を探るように前へ出る相撲を軸にする。捕まえてからは慎重な相撲が目立つ。
武器:四つに組みとめて上手を取れば、スケールで適う相手はいない。懐の深さと背筋の強さを生かした引き付ける技が豊富。 弱点:腰高は仕方ないが、呼び込むのがクセになっている。突き起こされると脆い。 |
合口 |