現役力士データ
2008(平成二十年)
土俵年齢の若い外国勢や大学出身力士を中堅どころとして収録。まだ伸びる余地あり。
パラメータ |
タイプ/得意な間合い(数字が大きいほど遠距離)/得意な形/まわしの色 重(総合的な重さ)、力(総合的な力の強さ)、速(総合的なスピード)技(総合的な技能)、バ(体のバランスの良さ) 寄(寄りのレベル)、押(押し、突きのレベル)、投(投げ技のレベル)粘(粘り強さ)、ス(総合的なスタミナ)、A〜G(15段階) 技リストは、数字がレベル(1<5)英字が頻度(a>e)を表す。 その他の点は、<データについて>を参照 |
解説 | 現況 戦術 武器となる特徴・形・技 弱点 主な合口の善し悪し |
露 鵬 小結 ロシア 大嶽 28 193/145 | |||||||||
スケール型 間合0〜2 [右四つ左上手・上手廻し・頭四つ] | |||||||||
重 | D09 | 寄 | D09 |
左上手投げ3b 右四つ寄り3a 左前褌寄り3c はたき 3b モロ手突き3b 上手出投げ3c おっつけ 2c 引き落とし3b 小手投げ 2c |
がぶり寄り2c 引きつけ 3c 張り手 2d 吊り寄り 1e 突き落とし2d 巻き替え1d 極め 1d 突っ張り 2d 下手出投げ1d |
<立合> 張差し 3a 左前褌 1d かちあげ2c 張り上手2c はたき 3d 左上手 2d 頭d肩c胸a 手b変化c |
<心> 強引 じらし 引き癖 まった 淡泊 短気 手つき |
<技> 変化技○ ワキ甘い 上手相撲 頭四つ○ まわりこみ がっぷり○ 対押し× 呼び込み |
<体> 腰高 懐深い 足腰柔軟 リーチ○ 左足首 腰痛 |
力 | C11 | 押 | D08 | ||||||
速 | D09 | 投 | C10 | ||||||
技 | E07 | 粘 | E07 | ||||||
バ | D08 | ス | E07 |
お騒がせ続きの18年、腰痛で絶不調に陥った19年。大関も狙える力を持ちながら、平幕中位に低迷しているのは残念である。怪力を存分に発揮してまずは三役復帰をと、復活を待っていたが、9月場所直前の薬物検査で大麻陽性反応を示しまさかの解雇、日本中を巻き込む大事件となった。無効を求めて法廷闘争へ。 |
戦術:がっちり上手を取って、引き付けての四つ相撲に迫力がある。リーチある突き押しからの叩くパターンも。
武器:右四つ左上手での寄り・上手投げは、琴欧洲に劣らないスケールがある。力でねじ伏せる引き技。懐が深い。 弱点:引き叩きが多く、すぐに呼び込んで淡泊に土俵を割る場面が目立つ。 |
合口 ◎出島 ○琴欧洲、琴光喜、千代大海、魁皇 △安美錦、垣添 ×朝青龍、白鵬 大関とは互角だが、横綱戦は未勝利。 |
黒 海 前頭 グルジア 追手風 27 189/150 | |||||||||
パワー型 間合3〜4 [左右突放し・叩き・左差し右上手] | |||||||||
重 | D09 | 寄 | D08 |
モロ手突き3a のどわ 3b 上突っ張り3b 右上手投げ3c はたき 3a 張り手 2c 左腕返し 2c 左四つ寄り2d 小手投げ 2c |
引き落とし2c 突き落とし2c 左掬い投げ2c 素首落とし2d 首ひねり 2d 引きつけ 2d 外掛け 1e ひねり 3c がぶり寄り2d |
<立合> かちあげ 3a モロ手突き3b ぶちかまし2c 右上手 2d 張差し 1d はたき 2d 頭c肩a胸a 手b変化d |
<心> 気迫 ムラッ気 強引 まった 引き癖 |
<技> ワキ甘い まわりこみ 引き足○ 頭四つ 呼び込み |
<体> 前掛り 腰高 バタ足 右肘 左膝 |
力 | C11 | 押 | C10 | ||||||
速 | D09 | 投 | D08 | ||||||
技 | E06 | 粘 | E07 | ||||||
バ | E07 | ス | E07 |
露鵬同様平幕中位に低迷。3場所連続で負け越して九州場所は下位に転落、ここでも9番に終わった。故障がちで体重も減り、現在はヒザを痛めて苦しんでいる。突き押し相撲から、左四つを多用する取り口に変わりつつある。12勝の活躍は圧巻。 |
戦術:荒々しいカチ上げから突き放して持っていく馬力相撲。最近よく見せる、左を差してから右上手を取る形も腕力が生きる。
武器:モロ手での突き放し、のどわ、叩き。上手投げや掬い投げ、ひねりも力強い。 弱点:両足が揃って落ちることが多い。ワキが空いて入り込まれ、強引に引いて呼び込むのも負けパターン。斑が激しい。 |
合口 ◎魁皇 ○安馬 △玉乃島、稀勢の里、豪風 黒海の馬力を恐れる上位力士は多い。魁皇には対戦成績を勝ち越している。 |
垣 添 小結 大分 武蔵川 30 178/140 | |||||||||
突貫型 間合2 [モロハズ・左ハズ右おっつけ・両おっつけ] | |||||||||
重 | E06 | 寄 | E06 |
モロハズ 3c おっつけ 3a ハズ押し 3c 突っ張り 2c のどわ 2b 突き落とし3b はたき 2b 引き落とし2c いなし 3b |
はねあげ 2c モロ差寄り1d 掬い投げ 2d 小手投げ 2d 渡し込み 2d 巻き替え 1d 肩透かし 2d モロ手突き1d 上透かし 2d |
<立合> ぶちかまし3a おっつけ 2b モロ手突き2c モロ差し 1e かっぱじき1d はたき 2e 頭a肩d胸e 手d変化d |
<心> 突っかけ 気迫 突押徹底 立合い○ |
<技> まわりこみ 速攻 挟みつけ 詰め× 頭四つ |
<体> 前掛り 重心低い アゴ上り |
力 | D08 | 押 | C10 | ||||||
速 | C11 | 投 | E06 | ||||||
技 | D08 | 粘 | D09 | ||||||
バ | E07 | ス | D08 |
5月場所は一つも勝てずに休場、翌場所も調子が戻らず十両落ちの危機だったが、何とか幕内残留。ようやく動きの良さ、力強さを取り戻してきた。幕内上位に定着していた実力者も幕尻から出直し。下位でもなかなか星が伸びず苦しんでいる。20年に入っても上位復帰の道のりは険しく、後退期に入ってしまったのか。 |
戦術:出足・低さを活かした速攻相撲。
武器:重心の低い突進から、挟みつけるようなおっつけを中心とした押し。素早い回り込むスピードで逆転も。 弱点:止まると攻め手が少ない。リーチのある相手の突き押しに弱い面も。 |
合口 ○琴欧洲、千代大海、琴光喜、朝赤龍、土佐ノ海、北勝力 △安馬、魁皇 ×朝青龍 大関陣には健闘していたが、下位力士を圧倒するわけではない。 |
普天王 小結 熊本 出羽海 28 180/155 | |||||||||
疾風・前進型 間合0 [左差し右上手・突っ張り] | |||||||||
重 | C10 | 寄 | C10 |
左四つ寄り3b がぶり寄り3b 突っ張り 3b 右前褌寄り2c 左腕返し 3b 右おっつけ3b 引きつけ 2d 浴びせ倒し2c 右上手投げ2d |
張り手 2c はたき 2c 左下手投げ2d モロ差寄り1d 掬い投げ 2c 投げ寄り 2d 吊り 2d ひねり 1d 吊り寄り 2d |
<立合> ぶちかまし3b モロ手突き2b 張差し 2c 左差し 2c 右上手 2d かちあげ 1d 頭b肩b胸c 手c変化e |
<心> ムラッ気 上位キラ- ツラ相撲 慎重 番付運○ 調整× 息切れ |
<技> がっぷり○ ワキ甘い 被さり
|
<体> 腰高 立ち腰 丸い体 粘り腰× 膝硬い |
力 | D09 | 押 | D08 | ||||||
速 | E07 | 投 | D08 | ||||||
技 | E07 | 粘 | E07 | ||||||
バ | E07 | ス | D09 |
停滞が続く未完の大器。17年はブログに連続三賞、新小結での横綱食いなど、大いに期待を集めたが、その後若手に押されて平幕で苦闘が続く。左四つになっても勝ちきれないことも多い。このところ幕内中位に安住してしまっている。 |
戦術:突き押しを交えて前に出る四ツ相撲。左四つ、右上手を引いて十分。
武器:左を返して右でガッチリ引きつける寄りが持ち味。朝青龍を寄り倒した一番が印象的。突き押しも張り手を交える気迫を見せる。 弱点:やや腰が高く、体の割に腰の重さが発揮できていない。腰が起きやすいのが弱点。序盤良くて、後半戦崩れることが多い。 |
合口 ○出島、栃乃洋、玉春日 △安馬、稀勢の里、高見盛、北勝力 ×雅山 苦手が多い。勝ち味の速い力士に分が悪いが、長引くと形を作れる。 |
豪 風 前頭 秋田 尾車 29 171/140 | |||||||||
突貫型 間合2 [左右おっつけ・左差し] | |||||||||
重 | E07 | 寄 | E06 |
右おっつけ3a ハズ押し 2b モロハズ 3c 左おっつけ2b 右のどわ 2c 内掛け 2c 首投げ 3c いなし 2c 突き落とし2c |
引き落とし2d はたき 2c 掬い投げ 2c 小手投げ 2c ちょん掛け2e 腕捻り 2e 掛け投げ 2c 上手出投げ1d 裾払い 1e |
<立合> ぶちかまし3b 右おっつけ3b モロハズ 2c かっぱじき2d 突き落とし2d 頭a肩c胸d 手c変化d |
<心> 強引 引き癖 ツラ相撲 地方場所× 晩成型 |
<技> 挟みつけ 速攻 ワキ甘い 足癖 引き足○ |
<体> 重心低い 肩幅広い |
力 | D09 | 押 | C10 | ||||||
速 | C10 | 投 | D08 | ||||||
技 | E07 | 粘 | D09 | ||||||
バ | E07 | ス | D08 |
170cmほどの体ながら徹底した押し相撲で幕内上位から中位に定着。しかし上位ではなかなか勝ち越せず、番付は一進一退。19年は東京場所で勝ち越し、地方場所で負け越しの繰り返しだった。20年1月は12勝の活躍で、部屋始まって以来初の三役力士になった。 |
戦術:おっつけを中心とした重心低い押し相撲。
武器:押す力があるので、変化技も決まりやすい。首投げや内掛けなどの思い切った奇手も飛び出す。 弱点:ワキが甘いのが小兵にとっては大きな不利。差されると苦しいので、強引な技に出る。好調が続かない。 |
合口 ◎豊ノ島 ○琴奨菊、黒海、普天王 △玉乃島 ×琴光喜、安馬 得意苦手ははっきり。同体型の豊ノ島には初顔から7連勝。比較的相四つには強い。 |
白露山 前頭 ロシア 北の湖 26 188/140 | |||||||||
スケール型 間合0〜1/3 [右四つ左上手・上手廻し・突っ張り] | |||||||||
重 | E07 | 寄 | D08 |
左上手投げ3b 右四つ寄り2b 上突っ張り3b はたき 3a 上手ひねり2c 小手投げ 3b モロ手突き2b 突き落とし2d 引き落とし3c |
張り手 2c 巻き替え 2c 下手投げ2d 廻し切り 1c 投げ寄り 2d 打っ棄り 1e 引きつけ 3c のどわ 2c 掬い投げ2d |
<立合> カチ上げ2b 張り上手3c モロ手突き2d 左上手 2c はたき 2d 小手投げ2e 頭d肩b胸b 手b変化c |
<心> ムラッ気 引き癖 強引 じらし 淡泊 逆境○ |
<技> ワキ甘い 土俵際 上手相撲 対押し× バタ足 |
<体> 腰高 懐深い リーチ○ 立ち腰 ヒザ痛 |
力 | C10 | 押 | E07 | ||||||
速 | D08 | 投 | D09 | ||||||
技 | E07 | 粘 | F05 | ||||||
バ | E07 | ス | E06 |
あっという間に幕内上位まで進出したが、その後ヒザの故障が尾を引いて十両と幕内下位を往復する低迷ぶり。師匠の死や兄・露鵬の騒動など土俵外でも不運が続いた。そろそろ復活しても良さそうだが、飛んだり跳ねたりの相撲が続き、十両が長くなってきた。そして、9月兄露鵬とともに大麻陽性、一貫して否定するも解雇処分となる。 |
戦術:右四つ、左上手を取ると力を発揮する。
武器:右四つ寄り、左上手投げ、リーチある突っ張り、叩き。意外にも捻りも武器とする。 弱点:足が悪く、腰高はますますひどい。無謀な引きでの自滅目立つ。 |
合口 ○豊ノ島、 △旭天鵬、時天空、土佐ノ海、垣添 データは少ないが、豊ノ島には5戦全勝。 |
北勝力 関脇 栃木 八角 31 183/155 | |||||||||
突押・撹乱型 間合4 [右のどわ・モロ手突き・叩き] | |||||||||
重 | E07 | 寄 | E06 |
右のどわ 4a モロ手突き3b 上突っ張り3c はたき 2b 引き落とし3a 突き落とし2c おっつけ 2d ハズ押し 2d いなし 2c |
張り手 1e 左腕返し 1e がぶり寄り1e 閂 1d まきかえ 1e ぶちかまし2d 左のどわ 2c 突っ張り 2c 小手投げ 1e |
<立合> モロ手突き3a 右のどわ 3b ぶちかまし2c 左おっつけ1d はたき 2d 突き落とし 2d 頭c肩e胸e 手ca変化d |
<心> 突っかけ 突押徹底 ムラッ気 ツラ相撲 淡泊 引き癖 番付運○ |
<技> 引き足○ ワキ甘い 出足 チョン立ち 対変化× 右半身
|
<体> 前がかり リーチ長 腰高 粘り腰× 腰痛 |
力 | C10 | 押 | C11 | ||||||
速 | D09 | 投 | F05 | ||||||
技 | E06 | 粘 | E06 | ||||||
バ | E06 | ス | E07 |
突き押し得意の優勝決定戦経験者。記憶に残るあの大活躍から4年。好不調の波が激しく停滞。さらに腰を痛めて不振に陥り、19年は十両からのスタートとなった。ここでも負け越すなど地力の衰えを感じさせたが、番付運良く復帰すると、体調も戻ったか、秋には幕内上位に復帰。久しぶりに大関を倒した。 |
戦術:前傾で突き立てる相撲。リーチを活かして先手を取る。
武器:立合いモロ手突き、右のどわ押しがハマると電車道に持っていく力がある。はたき、突き落としで決める事も多い。 弱点:立合い自分の間を外されると威力半減。初場所は3日連続立合い変化に敗れた。腰高で捕まると脆い。 |
合口 ○安美錦、玉乃島、普天王 ×朝青龍、琴欧洲、旭天鵬 腰が起きると脆い相手には、突き押しがよく効いている。 |
春日王 前頭 韓国 春日山 31 185/150 | |||||||||
荒技型 間合0〜1 [右四つ両廻し・上手廻し・右抱え込み] | |||||||||
重 | D08 | 寄 | E07 |
小手投げ 4a 左上手投げ3b 内掛け 3d 掬い投げ 2c 右四つ寄り2c 吊り寄り 1c 掛け投げ 3b 下手投げ2d ひねり 2d |
二丁投げ 2d おっつけ 2c 打っ棄り 2d 引きつけ 2d とったり 3c 首投げ 2c モロ手突き2c 極め 3d かわず掛け2d |
<立合> カチ上げ2c 左前褌 2b 張差し 2c ぶちかまし1c 左上手 2c はたき 2d 頭c肩b胸b 手c変化c |
<心> サーカス 強引 まった 投げ多用 稽古場○ ムラッ気 連敗癖 晩成型 |
<技> 土俵際 ワキ甘い 打ち合い○ 肩越上手 上手相撲 足癖 引っ張り込み 右半身 |
<体> 立ち腰 アゴ上がり バタ足 粘り腰 右大腿 |
力 | C10 | 押 | E07 | ||||||
速 | E07 | 投 | C10 | ||||||
技 | D08 | 粘 | D09 | ||||||
バ | E07 | ス | D08 |
足の怪我に泣かされていたが、ようやく幕内定着。最高位となる前頭3枚目まで番付を上げ、初の上位挑戦も経験した。同じ右小手投げを得意とする魁皇に小手投げで勝ったことは自信になるだろう。投げや引きを封印して前に出ることもあるが、やはり魅力は派手な投げ技。夏場所故障して久しぶりに十両落ち。 |
戦術:右四つで引き付けて寄るのが理想。突き押しで出る形もある。苦しくなったら荒技を仕掛ける。 武器:右の小手投げ。時には右差しを抜いてまで打つほど自信がある。半身から、足を絡めての掛け投げ・二丁投げも狙う。内掛けなどの技で劣勢を跳ね返す。 弱点:ワキの甘さ。投げや引き技に頼って呼び込む負け方が多い。 |
合口 ○春日錦、稀勢の里、琴奨菊 △朝赤龍、豪風、露鵬 あまり合口の善し悪しはない。 |