現役力士データ　27年⑤新鋭力士

平成生まれ、新世代の力士たち。白鵬らの世代を打ち破れるか

基本データ	四股名等の基本的なデータ年齢はその年の誕生日以降のもの。取り口：相撲の取り方を独自の分類で表記（⇒相撲解体新書のページ参照）型　　：得意とする形（一例）　　得意技：公式のものに近い表記で体格　：身長は1cm刻み、体重は5kg刻みで掲載前後の平均的なもの、体格分類は解体新書参照
パラメータ持ち技リスト特性	体格：スケール、重量など体格面の総合値力　：馬力、腕力、小力などパワーに関する総合値足腰：バランス、踏ん張り、柔軟性など総合的な下半身の強さ速　：スプリント力、アジリティ、レスポンスなどスピードに関する総合値技　：相撲勘、技の鋭さ、タイミングなど技能に関する総合値離　：突き、押し、引きなど離れて取った時の技量組　：四つに組み合った時の技量Ａ～Ｇ（15～１、0.5刻み）でパラメータ表示それぞれに下位項目を設けているが、それ以外の要素も加味して計上している。持ち技リストは、数字がレベル（低１＜７高）、英字が頻度（多a>e少）を表す。決め技、崩し技は便宜上分けているが、それほど厳密に分類しているわけではない。（技名の前に左右がついていない場合は、どちらもある、または特に差がない場合。）特性は、心：精神面・癖、ジンクス、その他の特徴など　　　　　技：技量面、技リストで表しづらいテクニックなど　　　　　　体：体格・体力面、ケガなど詳細は、＜データ解説ver2.0＞を参照
サブチャート	■安定・大勝・キラーは活躍の傾向を示す。「 ○、△、×、無印」で傾向を示す。 ■攻め手・精神面は　　　　　　得意不得意、傾向の強さを☆＞◎＞○＞△＞×で示す。 ■間合い:密（密着した状態。がっぷ胸を合わせた状態）接（廻しには手がかかるが、胸は合わせていない状態。向付、半身など）近（体は接しているが廻しには掛からない距離。押し合い、前さばきの応酬）　　　離（完全に体が離れた間合い。突っ張りに適した距離。）　　　遠（遠距離。前掛かりに腕を伸ばして届く距離。）
解説	略歴・近況（27年1月時点）/対戦相手として見た時の分析/得意技・パラメータなどの解説

髙　安　最高位:小結　茨城出身　田子ノ浦部屋　25歳
取り口：パワー型				型：突張り/左差し右上手		得意手：突っ張り、寄り		187cm/165kg 大型筋肉
体格	C10.5	懐	10.0	＜決め技＞上突っ張り4a ひねり　　4b 左四ツ寄り2b はたき　　 4b モロ手突き3b 上手投げ　3c 上手出投げ2c 掬い投げ 2c 下手投げ3c 突き落とし4b	＜崩し技＞廻し切り 3c 張り手　 3d 小股掬い2d 左腕返し　2d おっつけ　 3b ハズ押し 2c のどわ　 2c 外掛け　 1d	＜立合＞ぶちかまし3b 左差し　　2c モロ手突き2c 右のどわ　2c 張差し　　1d おっつけ　2c モロハズ　2d 突き落とし1e 頭b肩c胸e 手c変化e	＜心＞上位キラ- 引き癖強引ツラ相撲気迫詰め×	＜技＞ワキ甘い土俵際	＜体＞腰高
		重	11.0
力	C10.5	馬力	10.0
		怪力	11.0
足腰	D 8.0	安定	7.5
		粘り	9.0
速	E 7.5	出足	8.0
		敏捷	7.5
技	D 8.0	技巧	7.5
		キレ	9.0
離	C10.5	突	10.5
		押	9.0
		引	10.5
組	Ｄ 9.0	寄	9.5
		投	8.5
		捻	10.0

★略歴・近況　　15歳で入門した叩き上げの力士。ずっと2勝～5勝の範囲で大勝ちも大負けもなく着実に成長。22年9月初めての大勝ちが幕下上位での全勝優勝、平成生まれ初の関取昇進を果たした。勢いは止まらず3場所で突破して新入幕。上位では苦戦するものの、中位では二桁勝つだけの実力を見せている。25年には２つの金星、2度の三賞。9月には新三役となった。その後不振に陥ったが、新入幕場所以来の前頭二桁で迎えた26年名古屋は終盤まで優勝争いに加わり敢闘賞。これで調子を取り戻すと、九州では白鵬に唯一の土をつけるなど金星２つで10勝、2度目の殊勲賞を獲得して三役復帰を決めた。

★27年展望・続報　　不調から立ち直って1年半ぶりの三役で迎える。「平成生まれ初」をマークし続けた新鋭も、もう25歳。まだ上位に定着してもいないが、今年は三役定着と言わず上を狙う年にしたい。

★取り口解説　　顎のあたりを狙った突っ張り、はたき、突き落としという力感のある突き押し相撲が武器。左四つの相撲でも力を発揮し、強烈な捻りで日馬富士に膝をつかせたこともある。兄弟子稀勢の里同様併用していきたい。

★攻略法　　腰が高く、ワキが甘め。上突っ張り気味なので、嫌がらずにあてがって低く入って両差しを狙いたい。引き技も強いので怖いが、それに漬け込むくらいの気持ちで攻めていきたい。

★パラメータ・スキル解説　　26年の後半は本来の馬力、思い切った相撲を取り戻した。引き技も強烈。

遠　藤　最高位:前頭筆頭　石川出身　追手風部屋　25歳
取り口：正攻法型				型：左四つ右上手		得意手：寄り、投げ		184cm/145kg 中型中肉
体格	E 7.0	懐	7.5	＜決め技＞右上手投げ4b 右前褌寄り4a 上手出投げ3b 左下手投げ2d 突っ張り　3c 突き落とし3c モロ手突き2d 両差し寄り2d 外掛け　2d 切り返し　1e	＜崩し技＞左腕返し　2b 引きつけ　2b まわし切り2c はたき　　2d 左突きつけ2b たぐり　　1d おっつけ　3b 左ハズ押し3c	＜立合＞右前褌　3b 左差し　　3b 張差し　　3c 右おっつけ2b モロ手突き2d ぶちかまし 2c カチ上げ　1c 頭b肩c胸d 手d変化e	＜心＞相撲勘尻上がりスロ-スタ-ト対速攻× 連敗癖超人気	＜技＞詰め○ 左堅い前さばき俵伝い	＜体＞体質柔軟足腰柔軟すり足○ バッタリ左足首
		重	7.0
力	E 7.5	馬力	7.0
		怪力	7.5
足腰	D 9.0	安定	8.0
		粘り	9.5
速	D 8.5	出足	8.0
		敏捷	9.0
技	C10.5	技巧	10.5
		キレ	10.5
離	D 8.0	突	8.0
		押	8.0
		引	8.0
組	D 9.5	寄	9.0
		投	10.0
		掛	7.0

★略歴・近況　　日大で実績を残し、幕下10枚目格付出。幕下2場所、新十両は14勝で優勝し4場所目には入幕という史上初の快進撃で一躍スターに。新入幕で早々に勝ち越しながら途中休場で三賞は逃し、翌場所は故障の影響で初めて負け越したが、26年初場所は11勝4敗で敢闘賞。終盤は上位にも当てられ大関復帰を目指す琴欧洲に引導を渡した。前頭筆頭に進んだ春は稀勢の里を破り、7連勝の大砂嵐に土をつけたが、最後に連敗で惜しくも負け越し。夏は新横綱鶴竜に初めて土をつけて初金星。ただ上位の壁は厚く、秋は3勝しかできずにフィーバーもひと段落。

★27年展望・続報　　九州は中位で出遅れたが後半8連勝で二桁。新世代の旗手の座を所要5場所で関脇の逸ノ城に奪われつつあるが、焦らずに型を磨いてスケールアップを図ってほしい。新三役はノルマだ。

★取り口解説　　左四つで右の浅いミツを引く形が最も良く、引きつけ、腕の返し、出し投げの崩し、土俵際の詰めも秀逸。左四つの型の美しさに華を感じる。突き押しでも前に出る力はある。

★攻略法　　立ち合いの威力に弱点があるので、まず当たり勝って主導権を取ること。張り差しもあるが、ワキを空けずに得意の左四つに持ち込ませないようにしたい。

★パラメータ・スキル解説　　技能面には定評があるが、パワー不足と軽さを上位で露呈。元来足腰の良い力士だが、上位相手には前掛かりになって土俵に這う場面が目立った。

大砂嵐最高位:前頭十五　エジプト出身　大嶽部屋　23歳
取り口：パワー型				型：上突張り、右差し左上手		得意手：突っ張り		189cm/145kg 長身筋肉
体格	D 9.0	懐	10.0	＜決め技＞上突っ張り4a 掬い投げ 3b 上手投げ 2b 右四つ寄り3b 上手出投げ2c はたき　3b うっちゃり2c 突き落とし3c 小手投げ 3c モロ手突き3c	＜崩し技＞張り手　　4a 肩透かし1e 右突きつけ2c 両前褌寄り1e 両差し寄り1e 引きつけ　3b 吊り 1d 巻き替え1d	＜立合＞カチ上げ5c モロ手突き3b 左上手　 2b 右差し 1c はたき　　3c モロ手突き2d 体当たり2d おっつけ1d 頭d肩b胸c 手d変化d	＜心＞強引引き癖ラマダン	＜技＞ワキ甘いバタ足棒差し呼び込み引張り込み	＜体＞腰高立ち腰筋肉質右上腕両膝体質硬いケガ×
		重	8.0
力	C11.0	馬力	9.0
		怪力	12.0
足腰	E 7.0	安定	7.0
		粘り	7.0
速	D 8.0	出足	7.5
		敏捷	8.5
技	E 6.0	技巧	4.5
		キレ	7.5
離	D 8.5	突	9.0
		押	7.0
		引	9.5
組	D 9.0	寄	8.5
		投	9.0
		極	9.5

★略歴・近況　　初のアフリカ人力士、イスラム教徒として話題を集めて番付についてからわずか8場所目で関取に。十両も連続10勝で25年九州には入幕。新入幕で初めての負け越しを味わうなど粗削りな相撲の弱点を露呈したが、26年春は初日から7連勝。遠藤に投げられ負傷したが再出場で千秋楽勝ち越し。この場所はパワーで幕内に通用するめどが立った一方で、ケガに苦しむ一年を象徴するものだった。翌場所は10勝して上位進出。名古屋ではカチ上げが猛威を奮い論争に。一方で横綱初挑戦から2日連続の金星を獲得。惜しくも負け越したが一躍注目度が高まった。しかしその後は足を引きずりがちで不調に終わった。

★27年展望・続報　　九州はヒザの負傷で未勝利のまま休場して十両落ちも懸念されたが、再出場で蹲踞も満足にできない中4勝した。強引な相撲で故障を呼び込まないよう気をつけて上位で存在感を発揮してほしい。

★取り口解説　　カチ上げから張り手ぎみの荒っぽい突っ張り、叩きでねじ伏せる印象だが、右四つに組み止めての寄り身の方が形は良い、右はかいなが返る方ではないが突き付けるように使い、左から上手を引き付ければ十分。届かなくても剛腕から繰り出す投げがある。。

★攻略法　　とにかく荒っぽいカチ上げと突っ張りを持ちこたえたい、耐えて組めばおとなしくなるが、捕まえても懐が深く、強烈な投げもあるので一息つけない。

★パラメータ・スキル解説　　スピードは特筆するほどではないが、なかなか機敏に動く。上腕を痛めて右は少しパワーダウンだが怪力が最大の持ち味。

舛ノ山最高位:前頭四　千葉出身　千賀ノ浦部屋　25歳
取り口：前進型				型：左ハズ右喉輪/左差し		得意手：突き、押し		180cm/175kg 重量肉厚
体格	Ｄ 9.0	懐	7.0	＜決め技＞突っ張り 3a 左差し寄り3c がぶり寄り2c モロ差寄り1d 左掬い投げ4b 右上手投げ2c 右小手投げ3c はたき　　3b 突き落とし2b 上手出投げ1d	＜崩し技＞左腕返し　4b 左のどわ 4a 右のどわ　4a 突き付け　2d 外掛け　 1d 廻し切り 2c 極め　　　2c	＜立合＞ぶちかまし4b のどわ　 3b 右おっつけ1c モロ手突き2c 体当たり 3c 左差し 1d 頭b肩c胸e 手c変化e	＜心＞強引速攻詰め× 寸前× 強行ツラ相撲人気	＜技＞出足呼び込みワキ甘い左半身	＜体＞丸い体スタミナ× 巨腹前がかり内股足腰硬いケガ× 両足首左肩腰痛右ひざ
		重	10.0
力	D 9.5	馬力	9.5
		怪力	9.0
足腰	F 5.5	安定	5.0
		粘り	6.5
速	E 7.0	出足	7.5
		敏捷	6.5
技	E 6.0	技巧	5.5
		キレ	6.5
離	D 8.5	突	8.5
		押	9.0
		引	8.0
組	E 7.0	寄	7.5
		投	7.0
		捻	7.5

★略歴・近況　　18年に入門、二十歳になったばかりの22年11月に髙安ともに平成生まれ初の関取に。23年秋に新入幕も、この場所足首を痛め途中休場。翌年名古屋で再入幕して11勝で敢闘賞獲得。翌場所は千秋楽に三賞のかかる髙安を破って勝ち越し。自己最高位の4枚目では大関琴奨菊を突き落としたが、この場所から5場所連続負け越すなど下位での土俵が続く。26年は故障がちで5月に大負けし十両陥落、9月は初日に間に合わず、途中出場したものの1勝しかできず再休場、幕下陥落となった。

★27年展望・続報　　4年ぶりの幕下では何とか勝ち越し。復活なるか。

★取り口解説　　突っ張り、のどわで休まず前に出る相撲。押しきれなければ大上段から叩き落とす。左差しを返しての速攻もある。ワキは甘いが抱えて小手投げが強く、思い切り良く攻め続ける。

★攻略法　　出足を伴った攻めが武器。止めてしまえば脅威は減る。相手より低く入れば組み止めやすい。胸が合うと腹を利して出てくるので、横から崩すのが定石。

★パラメータ・スキル解説　　あんこ型の童顔、呼吸機能の疾患で短期戦にかける姿が人気。不振を極めたが、足腰の具合が回復すれば馬力相撲も戻るだろう。

千代の国　最高位:前頭八　三重出身　九重部屋　25歳
取り口：スピード・荒技型				型：突っ張り/右差し左上手		得意手：突き、投げ		185cm/135kg 軽量筋肉
体格	E 6.0	懐	6.5	＜決め技＞突っ張り　4a はたき　　3b 左上手投げ4a 掛け投げ　3d 二丁投げ 3e 首投げ　3d 掬い投げ 3c 右差し寄り2c 小手投げ 2a 突き落とし3b 右上手投げ2b	＜崩し技＞右突き放し3c 上突っ張り2b 左おっつけ2b 切り返し 1d モロ手突き2c いなし 2c のどわ　　2c 上手出投げ2d 引っ掛け　1e 裾払い　　1e	＜立合＞ぶちかまし2b 右ハズ　2c 左おっつけ2c いなし　　2c カチ上げ　2d モロ手突き2d 左前褌　　1e 頭b肩d胸d 手b変化d	＜心＞強引速攻大技投げ多用顔から上手相撲サ-カス相撲引き癖	＜技＞土俵際打合い○ 回転○ 左回りこみワキ甘い呼び込み	＜体＞足腰柔軟リーチ伸ケガ× バッタリ肩脱臼癖腰痛左太もも右かかと両膝
		重	5.5
力	E 7.0	馬力	6.5
		怪力	7.5
足腰	D 8.5	安定	7.0
		粘り	9.5
速	D 9.5	出足	9.0
		敏捷	10.5
技	D 8.0	技巧	7.0
		キレ	9.0
離	E 7.5	突	8.0
		押	7.5
		引	8.5
組	E 7.5	寄	6.5
		投	9.5
		掛	9.0

★略歴・近況　　新生九重部屋の旗頭だったが、後続2人が三役に昇進する中、故障続きで散々。ついに幕下へ転落してしまった。18年に入門、脱臼癖に祟られながらも23年に21歳で新十両。24年1月には新入幕で9勝を挙げて三賞有力と言われたが亜脱臼で途中休場。その後も休場が目立って幕内に定着できず。26年は夏場所幸運な再入幕を果たしたが、初日に故障して結局幕内では1番しか取れなかった。

★27年展望・続報　　十両下位でも苦戦、膝を痛めて休場し、幕下に落ちた九州も全休でかなりの転落が予想される。一から出直しだ。師匠は入幕後に幕下転落しながら横綱に昇進した唯一の力士。栃ノ心の例もあるのでじっくり治して復帰を。

★取り口解説　　スピード感あふれる突っ張り速攻が持ち味。組めば体格的に不利だが、身体能力を活かした大技で投げ飛ばす。

★攻略法　　前後左右への動きの速さが厄介だが、惑わされずにしっかり捕まえたい。突っ張ってくるが、間合いが詰まれば自信がある分まともに組みに来てくれる。しかも上手を欲しがるので、狙いすまして両差しも狙える。大技があるので逆転には注意が必要だが、

★パラメータ・スキル解説　　　脱臼癖はともかく、下半身のけがが相次いでいるのが心配。驚異的な粘りを見せる足腰が魅力だったが、それが故障を呼び込むとは皮肉。目方は増してきたが、飛んだり跳ねたりは治らず。

琴勇輝　最高位:前頭九　香川出身　佐渡ヶ嶽部屋　24歳
取り口：突押型				型：モロ手突き		得意手：突き		176cm/165kg 重量筋肉
体格	E 7.0	懐	6.5	＜決め技＞モロ手突き4a 右のどわ　3b 左のどわ　3c 引き落とし3b 上突っ張り4a 突き落とし2b 両差し寄り1d 掬い投げ 1e	＜崩し技＞右突き放し3b おっつけ　2c ぶちかまし2d 引っ掛け 1e 渡し込み 1d いなし　　2c	＜立合＞モロ手突き3b ぶちかまし3b カチ上げ　1d はたき　2d 突き落とし1d 　　頭b肩e胸e 手b変化d	＜心＞突押徹底つっかけチョン立ち礼儀○ 強行引き癖	＜技＞ワキ甘い引き足×	＜体＞体質硬い腰高左ひざ
		重	8.0
力	D 8.5	馬力	8.5
		怪力	8.0
足腰	E 7.0	安定	7.5
		粘り	6.5
速	D 8.0	出足	8.5
		敏捷	8.0
技	E 6.0	技巧	6.0
		キレ	6.5
離	D 9.0	突	10.0
		押	8.0
		引	8.5
組	F 5.0	寄	5.5
		投	4.5
		取	3.0

★略歴・近況　　平成３年生まれという若さを前面に出した気風の良い相撲。膝の重傷から立ち直った。高校相撲で実績を残して中退し入門。期待通り３年半で関取、25年初場所21歳で新入幕を果たした。1場所で陥落、翌場所も初日から6連敗するなどあまり停滞していたが、夏場所突然覚醒し13勝2敗で十両優勝し再入幕を果たした。名古屋でも幕内で初めて勝ち越し、前頭一桁に顔を出すなど着実に力をつけたが、九州で左膝に重傷を負って途中休場に追い込まれた。26年は初場所を休んで十両へ。復帰場所こそ下位で負け越したが、回復してきて九州では幕内復帰、千秋楽に三役経験者妙義龍に勝ってうれしい給金で再起の年を締めくくった。

★27年展望・続報　　まずは最高位更新が目標となる。ケガの再発には注意してほしい。

★取り口解説　　徹底した突き押し相撲。モロ手突きで先制して、そのまま突っ張り、モロ手突きでとどめを差すのが得意の形。モロ手突きの連発で決めることもある。いなしや引きは見せても、上から叩くことは少なかったが、故障明け叩きが増えてきて立ち合いでも見せるようになった。

★攻略法　　それほどリーチはないが、突きで攻めてくるので先手を取られやすい。一発目に慌てず対抗し、引くところを付けこむか、あてがってどちらか差して捕まえたい。上背はないが、あまり腰が低い方ではないので組めば有利。

★パラメータ・スキル解説　　突き押しを徹底しているが、やや引き技が目立つ。立ち合いで毎回フゥ！と声を出して気合を入れ、やや突っかけることが多い点、あまり所作としては評価できないが、審判長にはきはきと誤られては責めづらい。

千代鳳　最高位:小結　鹿児島出身　九重部屋　23歳
取り口：押し相撲型				型：左四つ/右四つ両廻し		得意手：寄り、押し		179cm/180kg 重量肉厚
体格	C10.0	懐	7.5	＜決め技＞吊り寄り　3b がぶり寄り2b 右前褌寄り2c 突っ張り　2c 両差し寄り2c モロ手突き2c はたき　 2c 右下手投げ3b 掬い投げ 2d 首投げ　　1e	＜崩し技＞右のどわ 4c おっつけ　2b ハズ押し　2c ひねり　1d 外掛け　1e たぐり　　2d 引きつけ3b 左腕返し2c 右突き付け2c 浴びせ倒し2d 巻き替え　1d	＜立合＞ぶちかまし3a おっつけ 2b 左差し　　2c 右のどわ　3c モロハズ　2b 突き落とし2d 　　頭a肩e胸e 手d変化e	＜心＞ご当所○ 強引ツラ相撲顔から立合遅い	＜技＞逆四つ○	＜体＞前傾○ 丸い体巨腹体質柔軟重心低い反り身内股ケガ× 左膝
		重	11.5
力	E 7.5	馬力	7.5
		怪力	7.0
足腰	C10.5	安定	11.0
		粘り	9.5
速	E 7.0	出足	7.5
		敏捷	7.0
技	E 6.5	技巧	6.5
		キレ	6.5
離	D 8.5	突	7.5
		押	9.0
		引	8.0
組	E 7.5	寄	8.0
		投	7.5
		捻	7.0

★略歴・近況　　中卒で入門当初に５場所連続で休場と苦しんだが、状態が回復すると高い能力を見せて順調に出世。24年春に10代関取となる。25年に入ると連続の10勝で入幕。５月の新入幕場所は後半７連敗で陥落したが、ご当所九州で13勝し十両優勝。勢いに乗って再入幕では10勝、5枚目まで上がった26年春には11日目で勝ち越し。9勝して翌場所新三役に昇進した。さすがに家賃が高かったが、横綱鶴竜、大関琴奨菊を正面から破る活躍をみせた。

★27年展望・続報　　勢いで三役まで上がったが、その後は中位で推移。このあたりで大勝ちするようになれば三役定着も期待できる。

★取り口解説　　　右のどわ中心の押し相撲。重心低く前傾姿勢で、なおかつ引き技に落ちないしぶとさが魅力。腰が重く差して寄っていく力がある。どちらかといえば左四つ、頭をつけて出るか、吊り寄り気味に持っていく。

★攻略法　　とにかく低くて引きたくなるが、しぶとくついてくるので我慢。四つになりやすく、あまり差し手争いにはこだわらないので、得意な方を差し勝ちやすい。組んで前傾を崩せば攻めやすくなる。

★パラメータ・スキル解説　　　突き押しではこれといった強烈なものはないが、組むと意外と多彩な技がある。投げは下手からの方が得意。柔らかさ、足腰の良さが持ち味だが、ケガが多いので無理な残し方は心配になる。琴勇輝と明瀬山を足したような立ち合いの所作は毎回入念で多すぎるので、相手も観客も焦れる。

平成27年　＜home＞＜データ解説＞＜現役＞＜平成＞＜昭和＞
上位陣	白鵬日馬富士鶴竜琴奨菊稀勢の里豪栄道
三　役	栃煌山安美錦妙義龍豪風碧山
古　参	旭天鵬若の里豊ノ島嘉風松鳳山豊真将北太樹豊響時天空翔天狼玉鷲佐田の富士蒼国来里山
中　堅	隠岐の海勢魁聖常幸龍千代大龍宝富士栃乃若臥牙丸富士東天鎧鵬德勝龍栃ノ心旭秀鵬東龍誉富士
新　鋭	髙安遠藤大砂嵐舛ノ山千代の国旭日松琴勇輝千代鳳
新入幕	鏡桜、貴ノ岩、照ノ富士、千代丸、荒鷲佐田の海、逸ノ城、阿夢露