二所一門
二所ノ関
鳴戸
松ケ根
花籠
放駒
峰崎
芝田山
佐渡ヶ嶽
尾車
片男波
高田川

貴乃花G
二子山・貴乃花
間垣
阿武松
大鵬・大嶽

出羽一門
出羽海
武蔵川・藤島
境川
田子ノ浦
春日野
玉ノ井
入間川
千賀ノ浦
三保ヶ関
北の湖
尾上
木瀬

立浪一門
立浪
宮城野
大島
安治川・伊勢ケ濱
友綱
追手風
朝日山
春日山

時津風一門
時津風
湊  
式秀　
荒汐
伊勢ノ海
鏡山
井筒
錣山
陸奥

高砂一門
高砂
中村
東関
錦戸
九重
八角

■概略

　明治の頃から実績を残してきた古豪だが、度々歴史が途絶えており、現在の部屋は平成の消滅時に所属していた元幕内春日富士が、移籍先の安治川部屋から独立して再興したもの。元春日富士の理事就任に伴い、一門の元幕内�M錦が引退して部屋を任された。

■主な力士　（赤は現役。優は優勝、三は三賞、金は金星）

　 幕内　（大昇、春日富士）、春日王

   ( )は平成2年の閉鎖前

■四股名の特徴・その他

　部屋名および師匠の現役名から「春日」や「春」がつけられることが多い。

　部屋は川崎市にあり、Ｊリーグのフロンターレとの交流が有名。八百長騒動の時もあたたかく支援された。

■歴史

古豪春日山　　　戦前までは伊勢ノ海の系統の部屋として関取も育っていた。戦後まもなく閉鎖して立浪部屋に合流（当時はまだ現在の一門には固まっていなかった）。昭和30年に元大関名寄岩が襲名して独立。死後は閉鎖前から春日山部屋所属だった元幕内大昇が継承していた。

安治川への合流　　　平成に入ってようやく春日富士が幕内に昇進したが、２年に師匠が停年。長く小部屋で関取が育っておらず、後継者不在のため部屋は閉鎖。元陸奥嵐の安治川部屋に力士は移籍した。８年まで安治川部屋の部屋頭を務めていた春日富士だが、引退後春日山の復興を志し、９年に独立した。

春日王が幕内に　　　韓国出身力士の春日王が育ち、シルム仕込みの豪快な投げ技で活躍。しかし、これに続く力士が出てこなかった。23年の八百長騒動で春日王が引退勧告を受けると関取不在になった。育ったとは言い難いが、弟子の数は5指に入るほど抱え、協会運営にも手腕を発揮、懸案の公益法人化への理解も深いとされ、24年の理事選では一門から唯一の当選を果たす。これを機に理事職に専念するため、部屋を元濱錦に譲って自らは雷を襲った。濱錦は近年珍しい小兵力士だが、学生相撲で鍛えた技能を発揮して幕内まで達した。長く幕下に低迷しながら23年には６年ぶりに十両復帰という執念も見せていた。苦労人に潔く部屋を譲り、協会運営に専念するだった雷理事だが、経費流用などで辞任、退職となった。立浪離脱で「春日山・伊勢ヶ濱組合」となり、いきなり一門の看板を背負う立場になったが、雷が不祥事で失脚したことから、すぐに古巣の春日山の名は外されて伊勢ケ浜一門に改められた。

継承問題が泥沼に　　先代が外の人となった春日山部屋。継承時に名跡証書を譲渡していなかったことから問題発生。金銭問題も絡んで先代と当代の争いは法廷に持ち込まれた。年寄名跡証書の提出期限を守れず、新師匠は和解に至らず。そんなこんなで部屋に顔を出していないことを咎められ、師匠交代を命じられたが、引き継ぐ者もおらず、追手風部屋に合流となった。ただ、残された弟子は納得いかず、集団で引退届を提出する騒ぎに。慰留されて残った半数ほどは、追手風部屋付きで春日富士とは同期の中川（元旭里）が預かる分室のような形を経て、のちに中川部屋として再独立を果たすも、新師匠はパワハラを告発されて処分、ほどなく閉鎖となった。被害者たる弟子たちだが、集団では面倒を見られないとの判断か散り散りに移籍。2部屋に分かれることはあるが、一門を跨いで５つの部屋に引き取られた。閉鎖時でも20名ほどが在籍した春日山部屋は、解体されて跡形もなくなってしまった。